Solaris Bandwidth Manager 1.6 のシステム管理

ロンドン

図 3-12 ロンドンのサイトにおける実際のネットワーク使用状況

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ロンドンのサイトのネットワークユーザーは、ネットワークにおいてもっとも重要なものは、電子メール、カレンダへのアクセス、およびファイル転送であると考えています。図 3-12 に、実際の使用状況を示します。

ロンドンのサイト用にクラス階層を設計して、帯域幅と優先度をクラスに割り当てるには、次の項目を考慮する必要があります。

このような問題をすべて考慮して、ネットワーク管理者は、経路制御ソフトウェアを実行するホスト上で Solaris Bandwidth Manager ソフトウェアを実行することに決定し、図 3-13 のようなクラス階層を設計しました。

括弧内のクラスは実際のクラスではありません。これは、親クラスに帯域幅を残し、そのすべてのトラフィックを子クラスで占有しないことをネットワーク管理者に注意するものです。たとえば、http クラスには、米国とヨーロッパ用に 2 つの子クラスがあります。http クラスには、米国とヨーロッパ以外に送信される http トラフィックもあります。このようなトラフィックは http クラスに割り振られます。そのため

http クラスに割り振られているすべての帯域幅を米国とヨーロッパ用の 2 つの子クラスだけで共有するべきではありません。表 3-3 に、各クラスに割り当てられた帯域幅 (%) と優先度を示します。

図 3-13 ロンドンのサイトにおけるクラス構造

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表 3-3 ロンドンのサーバーにおける帯域幅と優先度のクラスへの割り振り

クラスの説明 

クラス名 

親クラス 

割り振られる帯域幅 (%) 

 

ルート 

root 

 

100 

HTTP 

http 

root 

35 

米国への HTTP 

http-to-US 

http 

20 

パリから米国への HTTP 

http-Paris-to-US 

http-to-US 

ボンから米国への HTTP 

http-Bonn-to-US 

http-to-US 

10 

英国から米国への HTTP 

http-UK-to-US 

http-to-US 

ヨーロッパへの HTTP 

http-to-europe 

http 

10 

電子メール 

email 

root 

30 

パリからの電子メール 

email-paris 

email 

パリからの電子メール (IMAP) 

email-paris-imap 

email-paris 

パリからの電子メール (SMTP) 

email-paris-smtp 

email-paris 

ボンからの電子メール 

email-bonn 

email 

15 

ボンからの電子メール (IMAP) 

email-bonn-imap 

email-bonn 

12 

ボンからの電子メール (SMTP) 

email-bonn-smtp 

email-bonn 

IMAP を使用する電子メール 

email-imap 

email 

SMTP を使用する電子メール 

email-smtp 

email 

FTP 

ftp 

root 

15 

システム管理 

sysadmin 

root 

10 

Telnet 

telnet 

sysadmin 

システム監視 

snmp 

sysadmin 

システム管理コンソールから 

administrator 

sysadmin 

デフォルト 

default 

root 

パリまたはボンから発信されたトラフィックを含むクラスに割り当てられた帯域幅 (%) では、これらのサイトとロンドンのサイトの間のリンクの容量の違いを考慮しています。たとえば、ボンからの電子メール用のクラスには、パリからの電子メール用のクラスの 3 倍の帯域幅が割り振られています。