Solaris for ISPs をインストールする前に、慎重にインストール計画を作成する必要があります。第 2 章では、Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスのインストール手順の概要について詳しく説明します。実際のインストール手順の詳細は、『Solaris for ISPs のインストール』を参照してください。
この節ではインストール手順のフローチャートを示し、各手順の概要について説明します。
各手順の詳細は、各手順に示されている参照箇所を参照してください。
必ず上記の手順に従ってインストール作業を実行してください。この項では、図 2-1 に示す各手順について説明します。
手順 1: 第 1 章「Solaris for ISPs の概要」と第 3 章「設定のガイドライン」を読んで、Solaris for ISPs のインストール計画を作成します。
Solaris for ISPs の各コンポーネントの機能を理解する
ネットワークホストの設定方法を計画し、Solaris for ISPs ホストサーバーとしての役割を決定する
手順 2: 「Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能」を参照して、手順 1 の計画に合わせてネットワークホストを準備します。
手順 2 の最終目標として、ネットワークホストが次の条件を満たしていることを確認します。
所定のハードウェア要件
所定のオペレーティングシステム要件
ネットワーク上で Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールするすべてのホストに対して、手順 2 を実行します。
手順 3: 『Solaris for ISPs のインストール』を参照し、手順 1 の計画に合わせて Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスを各ネットワークホストにインストールします。
Solaris for ISPs プラットフォーム拡張機能のインストールに成功した
Solaris for ISPs の各種サービスのインストールに成功した
Solaris for ISPs プラットフォームソフトウェアは、各マシンにインストールする必要があります。また、Solaris for ISPs の各種サービスを利用するには、少なくとも Sun Internet Administrator と Sun Directory Services のどちらかが必要になります。
手順 4: 『Sun Directory Services 3.1 管理ガイド』を参照して、Sun Directory Services を構成します。
Sun Directory Services を起動する
Sun Directory Services を、ネットワーク上の他の加入者データベースと同期させる
手順 5: オンラインヘルプを参照して、Sun Internet Administrator を構成します。
Sun Internet Administrator を使用環境に合わせてカスタマイズする
Sun Internet Administrator に各種サービスを登録して、管理できるようにする
手順 6: 『Solaris for ISPs のインストール』を参照して、HotJava を構成し、各種サービスを起動します。
HotJava のアプレットが、Sun Internet Administrator と Sun Internet Services Monitor のセキュリティ要件を満たすように HotJava を構成する
Sun Internet Administrator を使用して各種サービスにアクセスするかブラウザから直接各種サービスにアクセスして、サービスを起動する
必ず上記の手順に従って、インストール計画を作成してください。この項では、図 2-2 に示すインストール計画の各手順について説明します。
手順 1: 第 1 章「Solaris for ISPs の概要」をよく読みます。手順 1 の目標は次のとおりです。
Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスを理解する
Solaris for ISPs のインストール方法を理解する
Solaris for ISPs の概要に関するマニュアルは、次の 3 種類の形態で提供されています。
インストール用メディアのルートディレクトリに入っているドキュメント。詳しい場所については、media_root/docs/README.1st を参照してください。
Web ページでは、http://access1.sun.com/Products/ISP を参照してください。
手順 2: 第 3 章「設定のガイドライン」をよく読みます。手順 2 の目標は、次の 2 つの作業に必要な情報を取得することです。
インストールの計画
インストールの準備
手順 3: Solaris for ISPs ネットワークを計画します。「インストールシナリオ」を参照してください。手順 3 の最終目標は次のとおりです。
ネットワークの設定計画を作成する
Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能を導入するネットワークホストサーバーを決定する
Solaris for ISPs の各種サービスを導入するネットワークホストサーバーを決定する
手順 4: Solaris for ISPs のインストール準備段階に進みます。
必ず上記の手順に従って、インストールの準備を行なってください。この項では、図 2-3 に示すインストール準備の各手順について説明します。
ネットワーク上で Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールするすべてのホストに対し、上記の手順に従ってインストール準備を行う必要があります。
手順 1: Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールするシステムのハードウェア要件を確認します。詳細は、「Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能」を参照してください。
手順 1 の目標は、Solaris for ISPs ネットワークホストサーバーが次のハードウェア要件を満たしていることを確認することです。
所定の CPU 要件
所定のディスク容量要件
所定の RAM 要件
所定の SWAP 要件
手順 2: Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールするシステムのオペレーティングシステム要件を確認します。詳細は、「インストールの前提条件」を参照してください。
所定のオペレーティングシステム要件を満たしていること
必要なオペレーティングシステムのパッチがダウンロード済みであること
手順 3: Solaris for ISPs プラットフォーム拡張機能と各種サービスの依存関係を確認します。詳細は、「コンポーネント間の依存関係」を参照してください。
手順 3 の目標は、Solaris for ISPs ソフトウェアをインストールおよび実行する上で問題が生じないように、次の点を確認することです。
バンドルされているパッケージおよび独立したパッケージ間で依存関係が満たされていること
すべてのソフトウェア間の依存性に注意します。依存性に基づいて、Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールおよび構成します。
ブラウザからインストールする場合は、コンポーネント間の依存関係が GUI に表示されます。コマンド行からインストールする場合は、『Solaris for ISPs のインストール』を参照して依存性を確認してください。
手順 4: Solaris for ISPs のインストール後に実行するスクリプトを作成します。この手順は省略可能です。スクリプトを作成するためのガイドラインについては、「ユーザー定義スクリプトの作成」を参照してください。
インストール後に実行するスクリプトの作成
スクリプトへのパスの指定
手順 5: Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスを各ネットワークホストにインストールする段階に進みます。
必ず上記の手順に従ってインストールを行なってください。この項では、図 2-4 に示す各インストール手順について説明します。
手順 1: hcstartup を実行して、ホスト構成ツールを起動します。ホスト構成ツールの起動方法については、『Solaris for ISPs のインストール』を参照してください。
手順 2: 次の手順に従って、GUI からインストールします。
ホストにインストールする拡張機能とサービスを、Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスのリストから選択します。
Solaris for ISPs プラットフォームコンポーネントは、必ずインストールしなければなりません。選択したサービスが Solaris for ISPs の他のコンポーネントに依存していないか確認してください。
選択したプラットフォーム拡張機能や各種サービスの設定を環境に合わせてカスタマイズできます。特に指定しなければ、デフォルト設定が使用されます。
Solaris サービスのリストで、有効または無効に設定する Solaris サービスを選択します。Solaris サービスの有効または無効については、「再構成可能な設定」を参照してください。
インストールの準備段階で作成した、インストール後に実行するスクリプトへのパスを指定します。このスクリプトはバッチインストールの最後に実行されます。
必要であれば、構成シナリオを保存します。構成シナリオを保存しておくと、ネットワーク上の他のホストに Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールするときに、JumpStart でそのシナリオを利用できます。シナリオの再利用については、第 1 章「Solaris for ISPs の概要」を参照してください。
Solaris for ISPs のプラットフォーム拡張機能と各種サービスをインストールします。詳細は、『Solaris for ISPs のインストール』またはオンラインヘルプを参照してください。
必ず上記の手順に従って、Sun Directory Services を構成してください。この項では、図 2-5 に示す各構成手順について説明します。まず最初に、図 2-5 の手順に従って Sun Directory Services を構成します。
手順 1: Sun Directory Services の RADIUS サーバー、管理サーバー、Web ゲートウェイサーバーを起動します。起動方法については、『Solaris for ISPs のインストール』の第 3 章を参照してください。
これらのサーバーは、インストール後に再起動したマシンで自動的に起動しなかった場合にのみ、手動で起動する必要があります。
手順 2: ブラウザを起動します。
手順 3: Sun Directory Services に加入者情報を追加します。Sun Directory Services に追加した加入者情報を、ネットワーク上の他の加入者データベースと同期させます。詳細は、「加入者エントリの作成」を参照してください。
手順 4: Sun Directory Services にグループエントリを追加します。詳細は、第 5 章「ディレクトリサービスの使用」を参照してください。
手順 5: ルートドメインの下に必要なサブドメインを追加します。詳細は、「ドメインエントリの作成」を参照してください。
ドメインを作成して加入者とグループのエントリを追加するには、Sun Internet Administrator を使用することもできます。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
必ず上記の手順に従って、Sun Internet Administrator を構成してください。この項では、図 2-6 に示す各構成手順について説明します。先に Sun Directory Services を構成してから、図 2-6 の手順に従って Sun Internet Administrator を構成してください。
手順 1: mcdsinit を実行して、Sun Directory Services に必要なエントリの初期化を行います。詳細は、『Solaris for ISPs のインストール』の第 3 章を参照してください。
この手順は、インストール後にエントリが自動的に初期化されていない場合にのみ実行する必要があります。
手順 2: Sun Internet Administrator のコンソール GUI を起動します。コンソールを起動するには、http://コンソールホスト名:50080/ispmc に移動します。デフォルトポート以外にインストールした場合は、Sun Internet Administrator のホスト名とポート番号を指定します。
手順 3: Sun Internet Administrator アカウントのパスワードを入力して、コンソールにログインします。
手順 4: サービスを管理します。サービスを管理できるようにするには、次の操作が必要です。
Solaris for ISPs サービスを登録します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
管理者アカウントを作成します。この作業は省略可能です。管理者アカウントの作成方法については、オンラインヘルプを参照してください。
必ず上記の手順に従って、インストール後の作業を行なってください。この項では、図 2-7 に示す各構成手順について説明します。
手順 1: HotJava のセキュリティを設定します。『Solaris for ISPs のインストール』を参照して、次の要件を満たすように HotJava のセキュリティを設定します。
Sun Internet Administrator の遠隔管理アプレットに必要なブラウザセキュリティ要件
Sun Internet Services Monitor の Java アプレットに必要なブラウザセキュリティ要件
手順 2: 各サービスを起動します。各サービスへのアクセス方法については、『Solaris for ISPs のインストール』の第 3 章を参照してください。
Sun Internet Administrator からアクセスする場合。Sun Internet Administrator からサービスにアクセスするには、最初にサービスを登録してから、『Solaris for ISPs のインストール』の第 3 章の「Sun Internet Administrator の起動」の節を参照してください。
ブラウザから直接アクセスする場合。サービスのユーザーインタフェースにブラウザから直接アクセスするには、目的のサービスがそのブラウザをサポートしていることを確認してから、オンラインヘルプを参照してサービスを起動します。サービスのユーザーインタフェースにアクセスするには、『Solaris for ISPs のインストール』の第 3 章に示す各サービスの URL を開きます。