ソフトウェア使用率監視機能がクライアントにインストールされ、使用率エントリがクライアント上で記録されたら、ローカルの待ち行列に入っているソフトウェア使用率レポートエントリを監視サーバー上のマスターログファイルに転送する作業が必要です。図 13-3 は、データの位置を示したものです。
ローカルの待ち行列のソフトウェア使用率レポートエントリは、/var/opt/SUNWswusg/swusage ディレクトリに入っています。レポートエントリは、英数字で表示されます。たとえば、ローカルの待ち行列に ls コマンドを入力すると、次のように表示されます。
$ cd /var/opt/SUNWswusg/swusage $ ls swrepAAAa000Tv swrepAAAa000UL swrepBAAa000Tv swrepBAAa000UL |
ソフトウェア使用率レポートエントリは、swu_queue コマンドによってこのディレクトリから転送されます。
ソフトウェア使用率監視システムをインストールしたときに、cron ジョブがホストのルート crontab に追加されています。この cron ジョブは、夜中の 12 時から朝の 7 時までの任意の時間に swu_queue コマンドを実行します。この swu_queue コマンドは、ローカルの待ち行列に入っている使用率レポートをソフトウェア使用率ホストサーバー上のマスターログファイル (/var/opt/SUNWswusg/swusage.log) に転送 (書き出) します。
このジョブは自動的に実行されますが、cron ジョブによるデータ転送とは別にローカルの待ち行列にあるデータを監視サーバーに転送する必要がある場合には、「マスターログファイルへの転送方法」の手順を実行してください。
swu_queue コマンドによってファイルがローカルの待ち行列からマスターログファイルへ転送された後、そのファイルはローカルの待ち行列から消去されます。ファイルが転送されなければ (たとえばエントリで指定されたホストが稼働していない場合)、ローカルの待ち行列からファイルは削除されず、継続してログが行われるため、ファイルシステムがいっぱいになってしまうことがあります。この場合、swu_queue -d コマンドで待ち行列を無効にすると、使用率レコードのログの取得を止めることができます。
クライアント上のソフトウェア使用率エントリをマスターログファイルに転送する際に問題が起こりうる処理段階について、以下にまとめます。
ソフトウェア使用率エントリで指定されたホストで swu_svr デーモンを実行している場合、ファイルは待ち行列からマスターのログファイルに転送されます。
レコード中のホストが存在しないために swu_queue が監視サーバーに接続できない場合、レコードはローカルの待ち行列から削除されます。
swu_svr が監視サーバーと交信できるがデーモンが稼働していない場合、レコードは削除されます。
使用率レコードに指定されている監視サーバーホストを実行していないか、または RPC 失敗が発生している場合、使用率レコードは待ち行列に入れられ、あとで転送されます。
使用率レコードに監視サーバーホストが含まれていない場合、レコードはローカルの待ち行列から削除されます。