Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド

マスターログファイルからの印刷

ソフトウェア使用率データをローカルの待ち行列からサーバー上のマスターログファイルに転送した後で、マスターログファイルの情報を別のファイル、標準出力 (モニター)、またはプリンタに出力できます。

ソフトウェア使用率記録エントリは、マスターログファイルでは書式化されません。swu_print コマンドは、マスターログファイルにある使用率レポートエントリを標準の出力デバイスに移して書式化します。エントリの書式化方法には 3 通りあり、swu_print コマンドの後に指定するオプションで指定できます。

swu_print コマンドに指定できるオプションと書式化の例を表 13-2 にまとめます。

表 13-2 swu_print オプション

オプション 

書式の例 

 

 

-a

PRODUCT

maker

vi

SUBTYPE

Begin

Begin

TIME

Feb 26 17:08:17

Feb 27 19:09:19

RECORD_ID

IDstring

IDstring

USER

jod

jad

HOST

sherlock

holmes

-d

TYPE=Admin/Usage

Product=maker

SubType=Begin

Time=819653293

UserID=49740

User=jod

Host=buck

Domain=field.forest.com

HostID=55003efc

Locale=C

Version=1

Server=sherlock

RecordID=IDString

 

 

-s

PRODUCT

maker

vi

TIME

01:31:47

19:09:19

USER

jod

jad

HOST

buck

doe

 

エントリをこのように書式化すると、awk や他の検索ツールを使ってキーワードでの検索が可能になります。また書式化することにより、別のデータベースやレポートに容易に変換できます。


注 -

swu_print を実行しても、使用率レポートエントリはマスターログファイルから削除されません。エントリを削除するには、マスターログファイルを削除しなければなりません。削除しないと、エントリは swu_print コマンドを使ってコピーしたソフトウェア使用率レポートエントリの後に追加されるため、ファイルシステムがいっぱいになってしまうことがあります。マスターログファイルを安全に削除する方法については、「マスターログファイルの削除方法」を参照してください。


ソフトウェア使用率監視システムを使って作成したレポートエントリの内容は、そのエントリを作成したコマンドによって異なります。ただし、すべてのエントリに共通のフィールドがいくつかあります。表 13-3 に、すべてのレポートエントリ、各エントリの説明、およびどのような場合に使用されるかを示します。

表 13-3 レポートエントリ

フィールド 

エントリの項目 

説明 

使用される条件 

Type

Admin/Usage 

記録がシステム管理のソフトウェア使用率情報であることを示します。 

常時 

Product

不特定 

ログに記録されるソフトウェアの製品名 (またはプログラム名) を示します。swu_rpt コマンドまたは関数を使って指定します。

常時 

User

不特定 

ソフトウェアを実行しているユーザーを示します。エントリがユーザーのログイン名を示します。 

常時 

SubType

Begin 

関連するソフトウェアが表示された時刻に実行を開始したことを示します。 

swu_rpt コマンドの -b または -c オプション

 

End 

関連するソフトウェアが表示された時刻に終了したことを示します。 

swu_rpt コマンドの -e または -c オプション

 

Install 

関連するソフトウェアがインストールされたことを示します。 

swu_rpt コマンドの -i オプション

 

Enable Queue 

ローカルの swu_queue が有効であることを示します。

swu_queue コマンドの -e オプション

 

Disable Queue 

ローカルの swu_queue が無効であることを示します。

swu_queue コマンドの -d オプション

Time

不特定 

ソフトウェアの実行開始、実行終了、インストールのいずれかの時刻を示します。この値は、1970 年 1 月 1 日の UTC 00:00:00 から起算した秒数で表わします。 

常時 

UserID

不特定 

ソフトウェアを実行したユーザーのユーザー ID を示します。 

常時 

Host

不特定 

プログラムまたはコマンドが実行されているワークステーション名またはサーバー名を示します。 

常時 

Domain

不特定 

ホストが常駐しているネームサービスドメインを示します。 

常時 

HostID

不特定 

ホストのワークステーションまたはサーバーのハードウェア固有のシリアル番号を示します。 

常時 

 

Locale

不特定 

現在の環境変数 LANG の値を示します。 

常時 

Version

不特定 

ソフトウェア使用率監視機能のバージョン (監視プログラムで指定されたもの) を示します。 

常時 

Usage Server

不特定 

使用率エントリを転送する先の監視サーバーを示します。 

常時 

RecordID

不特定 

swu_rpt コマンドで指定する、数値からなる ID 番号。この値を指定しないと、親のプロセス ID と時間がデフォルトとして使用されます。

常時 


注 -

フィールドの変数が設定されていない場合、使用率監視機能は値を判断できないため、フィールドのエントリには ?? が入力されます。


マスターログファイルにあるソフトウェア使用率監視のレポートエントリを、別のファイルまたは標準出力デバイスにコピーして書式化するには、次のようにします。

マスターログファイルからの印刷方法

  1. ソフトウェア使用率監視のホストサーバーにログインします。

  2. swu_print コマンドを入力します。


    $ swu_print [-a|-d|-s] [-f filename] [-l log_file]

    このコマンドでは、次のオプションを使用します。

    -a

    swu_print が使用する書式 (すべて) を指定します。これがデフォルトです。書式の例は、表 13-2 を参照。

    -d

    swu_print が使用する書式 (ダンプ) を指定します。書式の例は、表 13-2 を参照。

    -s

    swu_print が使用する書式 (要約) を指定します。書式の例は、表 13-2 を参照。

    -f filename

    ログファイルにある情報をダイレクトする先のファイルを指定します。 

    -l log_file

    マスターログファイルを指定します。このオプションを指定しないと、デフォルトファイル /opt/SUNWswusg/swusage.log が使用されます。