ソフトウェア使用率データをローカルの待ち行列からサーバー上のマスターログファイルに転送した後で、マスターログファイルの情報を別のファイル、標準出力 (モニター)、またはプリンタに出力できます。
ソフトウェア使用率記録エントリは、マスターログファイルでは書式化されません。swu_print コマンドは、マスターログファイルにある使用率レポートエントリを標準の出力デバイスに移して書式化します。エントリの書式化方法には 3 通りあり、swu_print コマンドの後に指定するオプションで指定できます。
swu_print コマンドに指定できるオプションと書式化の例を表 13-2 にまとめます。
表 13-2 swu_print オプション
オプション |
書式の例 |
|
|
|||
---|---|---|---|---|---|---|
-a |
PRODUCT maker vi |
SUBTYPE Begin Begin |
TIME Feb 26 17:08:17 Feb 27 19:09:19 |
RECORD_ID IDstring IDstring |
USER jod jad |
HOST sherlock holmes |
-d |
TYPE=Admin/Usage Product=maker SubType=Begin Time=819653293 UserID=49740 User=jod Host=buck Domain=field.forest.com HostID=55003efc Locale=C Version=1 Server=sherlock RecordID=IDString |
|
|
|||
-s |
PRODUCT maker vi |
TIME 01:31:47 19:09:19 |
USER jod jad |
HOST buck doe |
|
エントリをこのように書式化すると、awk や他の検索ツールを使ってキーワードでの検索が可能になります。また書式化することにより、別のデータベースやレポートに容易に変換できます。
swu_print を実行しても、使用率レポートエントリはマスターログファイルから削除されません。エントリを削除するには、マスターログファイルを削除しなければなりません。削除しないと、エントリは swu_print コマンドを使ってコピーしたソフトウェア使用率レポートエントリの後に追加されるため、ファイルシステムがいっぱいになってしまうことがあります。マスターログファイルを安全に削除する方法については、「マスターログファイルの削除方法」を参照してください。
ソフトウェア使用率監視システムを使って作成したレポートエントリの内容は、そのエントリを作成したコマンドによって異なります。ただし、すべてのエントリに共通のフィールドがいくつかあります。表 13-3 に、すべてのレポートエントリ、各エントリの説明、およびどのような場合に使用されるかを示します。
表 13-3 レポートエントリ
フィールド |
エントリの項目 |
説明 |
使用される条件 |
---|---|---|---|
Type |
Admin/Usage |
記録がシステム管理のソフトウェア使用率情報であることを示します。 |
常時 |
Product |
不特定 |
ログに記録されるソフトウェアの製品名 (またはプログラム名) を示します。swu_rpt コマンドまたは関数を使って指定します。 |
常時 |
User |
不特定 |
ソフトウェアを実行しているユーザーを示します。エントリがユーザーのログイン名を示します。 |
常時 |
SubType |
Begin |
関連するソフトウェアが表示された時刻に実行を開始したことを示します。 |
swu_rpt コマンドの -b または -c オプション |
|
End |
関連するソフトウェアが表示された時刻に終了したことを示します。 |
swu_rpt コマンドの -e または -c オプション |
|
Install |
関連するソフトウェアがインストールされたことを示します。 |
swu_rpt コマンドの -i オプション |
|
Enable Queue |
ローカルの swu_queue が有効であることを示します。 |
swu_queue コマンドの -e オプション |
|
Disable Queue |
ローカルの swu_queue が無効であることを示します。 |
swu_queue コマンドの -d オプション |
Time |
不特定 |
ソフトウェアの実行開始、実行終了、インストールのいずれかの時刻を示します。この値は、1970 年 1 月 1 日の UTC 00:00:00 から起算した秒数で表わします。 |
常時 |
UserID |
不特定 |
ソフトウェアを実行したユーザーのユーザー ID を示します。 |
常時 |
Host |
不特定 |
プログラムまたはコマンドが実行されているワークステーション名またはサーバー名を示します。 |
常時 |
Domain |
不特定 |
ホストが常駐しているネームサービスドメインを示します。 |
常時 |
HostID |
不特定 |
ホストのワークステーションまたはサーバーのハードウェア固有のシリアル番号を示します。 |
常時
|
Locale |
不特定 |
現在の環境変数 LANG の値を示します。 |
常時 |
Version |
不特定 |
ソフトウェア使用率監視機能のバージョン (監視プログラムで指定されたもの) を示します。 |
常時 |
Usage Server |
不特定 |
使用率エントリを転送する先の監視サーバーを示します。 |
常時 |
RecordID |
不特定 |
swu_rpt コマンドで指定する、数値からなる ID 番号。この値を指定しないと、親のプロセス ID と時間がデフォルトとして使用されます。 |
常時 |
フィールドの変数が設定されていない場合、使用率監視機能は値を判断できないため、フィールドのエントリには ?? が入力されます。
マスターログファイルにあるソフトウェア使用率監視のレポートエントリを、別のファイルまたは標準出力デバイスにコピーして書式化するには、次のようにします。
ソフトウェア使用率監視のホストサーバーにログインします。
swu_print コマンドを入力します。
$ swu_print [-a|-d|-s] [-f filename] [-l log_file] |
このコマンドでは、次のオプションを使用します。
-a |
swu_print が使用する書式 (すべて) を指定します。これがデフォルトです。書式の例は、表 13-2 を参照。 |
-d |
swu_print が使用する書式 (ダンプ) を指定します。書式の例は、表 13-2 を参照。 |
-s |
swu_print が使用する書式 (要約) を指定します。書式の例は、表 13-2 を参照。 |
-f filename |
ログファイルにある情報をダイレクトする先のファイルを指定します。 |
-l log_file |
マスターログファイルを指定します。このオプションを指定しないと、デフォルトファイル /opt/SUNWswusg/swusage.log が使用されます。 |