admtblloc コマンドを使用すると、Solstice AutoClient で異なる種類のネームサービスを併用することができます。このコマンドを使用するには、各ネームサービスで AutoClient を使用するためのアクセス権が必要になります。詳細は、「AutoClient のアクセス権の設定」を参照してください。
admtblloc コマンドは、/etc/nsswitch.conf ファイルとは関係がありません。/etc/nsswitch.conf ファイルは、Solaris 2.x オペレーティング環境でシステム全体に適用するネームサービスの選択に関する規則を設定する場合に使用します。admtblloc コマンドは、Solstice AutoClient を使用するすべてのユーザーに対する規則を設定する場合に使用します。
図 3-2 に示す各ネームサービスの内容を、admtblloc コマンドを使用して指定する例を示します。
$ admtblloc -c NIS+ -d solar.com bootparams NONE |
-c NIS+ -d solar.com |
NIS+ ドメイン solar.com は、ネームサービスのコンテキスト (「読み込み」ウィンドウで指定したネームサービスとドメイン名) を表わします。 |
bootparams |
ネームサービスを設定するための設定ファイルです。 |
NONE |
Solstice AutoClient を実行するホストで、/etc ディレクトリにある bootparams ファイルを使用するように指定します。 |
図 3-2 に示すようにネームサービスを設定すると、ネームサービス (「読み込み」ウィンドウで指定するネームサービス) が NIS+ に設定されている限り、現在 Solstice AutoClient を実行しているホストの /etc ディレクトリにある bootparams 情報が使用されるようになります。これ以外の設定ファイル (hosts、ethers、timezone、credential) に対するネームサービスは、admtblloc を使用して変更しない限り NIS+ になります。また、異なる種類のネームサービスを併用する時の方針は、admtblloc コマンドを使用して変更しない限り、ネームサービス環境で Solstice AutoClient を使用するすべてのユーザーに適用されます。
admtblloc コマンドを使用して、設定ファイルのネームサービスの位置を NONE (なし) に指定すると、現在 Solstice AutoClient を実行しているホストにある /etc ファイルが変更されます。したがって、ローカルの /etc ファイルを使用したいホストにログインし、Solstice AutoClient を使用して処理を実行する必要があります。
admtblloc コマンドを使用して、ネームサービスの設定内容を表示する例を示します。
$ admtblloc Name Name Service Path Aliases NIS+ Hosts NIS+ Group NIS+ Netgroup NIS+ Protocols NIS+ Bootparams NONE Auto.home NIS+ RPC NIS+ Timezone NIS+ Netmasks NIS+ Ethers NIS+ Passwd NIS+ Services NIS+ Networks NIS+ Locale NIS+ |
Name |
設定ファイルの名前です。 |
Name Service |
設定ファイルにアクセスするのに使用するネームサービスを指定します。 |
Path |
(必要な場合のみ) NIS ネームサービスの NIS サーバーにある ASCII ソースファイルへのパスを指定します。デフォルトは /etc ディレクトリです。 |
admtblloc コマンドを実行すると、デフォルトでは現在のホストが属するネームサービスの設定内容が表示されます。別のネームサービスの設定内容を表示するには、該当するネームサービスのコンテキストを指定します。
admtblloc コマンドを使用して、NONE (/etc ファイル) のネームサービスコンテキストのドメインに対する、ネームサービスの設定内容を表示する例を示します。
$ admtblloc -c NONE Name Name Service Path Aliases NONE Hosts NONE Group NONE Auto_home NONE Netgroup NONE Protocols NONE Bootparams NONE RPC NONE Timezone NONE Netmasks NONE Ethers NONE Passwd NONE Services NONE Networks NONE Locale NONE |
-c |
ネームサービスコンテキストを指定します。 |
NONE |
ローカルの /etc ファイルネームサービスです。 |
admtblloc コマンドを使用して、指定した設定ファイルのネームサービスの設定内容を表示することもできます。以下に、hosts ファイルに対するデフォルトのネームサービスの設定内容を表示する例を示します。
$ admtblloc Hosts Hosts NIS+ |
異なる種類のネームサービスを併用する環境で Solstice AutoClient が使用できる設定ファイルを示します。
Aliases
Hosts
Group
Auto_home
Credentials
Netgroup
Protocols
Bootparams
Rpc
Timezone
Netmasks
Ethers
Passwd
Services
Networks
Locale
上記以外の設定ファイルについては、admtblloc コマンドを使用してネームサービスを設定することはできません。
admtblloc コマンドについての詳細は、admtblloc(1M) のマニュアルページを参照してください。