TotalNET Advanced Server 5.2 の管理

エラーメッセージを伴わない問題の解決方法

この項では、エラーメッセージを伴うとはかぎらないさまざまな問題を解決する方法について説明します。

Windows NT 4.0 と Windows 98 での認証エラー

サービスパック 3 (SP3) をインストールした Windows NT 4.0、または Windows 98 では、TAS 認証エラーが発生します。ユーザーが TAS サーバーの共有ボリュームを表示したり、TAS ボリュームに接続しようとすると、次の TAS エラーが表示されます。


Incorrect password or unknown username for ¥¥serverName.

このエラーは、ユーザーが適切な UNIX ユーザー名とパスワードを使用している場合にも発生します。

Windows NT 4.0 + SP3 および Windows 98 のクライアントは、デフォルトでセキュリティ認証を使用します。PC と TAS サーバーは、「チャレンジ・応答」交換を行うことにより、パスワードそのものをネットワーク上に送信しなくても、パスワードの有効性を確認できます。

クライアントは、パスワードを使用して、サーバーから提供された無意味な文字列をコード化し、その結果をサーバーに返します。サーバー側でもこれと同じコード化を行い、そこで無意味な文字列が一致すれば、クライアントは認証されます。

このような認証スキームをサポートするために、TAS は UNIX のパスワードファイルとは別のプライベートパスワードファイルを必要とします。セキュリティ認証を可能にするには、TAS のプライベートパスワードファイルに UNIX のユーザー名とパスワードを登録しておかなければなりません。

TAS のセキュリティ認証を可能にし、上記のエラーが発生しないようにするための手順を次に示します。

  1. 「TNAS TAS Administration and Configuration」 スフィアアイコンをクリックして、「TAS administration and configuration」 オプションを表示します。

  2. 「LM-NT-OS/2 Realm」 をクリックします。

  3. 「LM-NT-OS/2 Realm」 パネルで、「Manage File Services->」 をクリックします。

  4. 目的のファイルサービスを選択して、「Administer」 をクリックします。

  5. 次に表示される画面で、「Authentication and Service Mode Options」 をクリックします。

  6. 「Local authentication」 を有効にして、「Submit」 をクリックします。

  7. 「Password encryption」 を有効にして、「Submit」 をクリックします。

  8. 「OK」をクリックします。

  9. TAS のプライベートパスワードファイルにエントリを設定するには、TAS フレームの次のリンクをたどります。

    「Passwords」 -> UNIX ユーザー名を入力 -> 「Create」

    TAS のプライベートパスワードファイルにユーザー名を入力するには、有効な UNIX アカウントを持っていなければなりません。

  10. フォームが表示されるので、このユーザーのパスワードを入力し、確認のために再入力してから「Submit」 をクリックします。これで、このユーザーが正しく認証されるようになります。

  11. TAS のセキュリティ認証を必要とする UNIX ユーザーごとに手順 7 〜 9 を繰り返します。

Solaris プリンタで印刷できない

TAS クライアントには、Solaris プリンタが使用可能であるように表示されます。Solaris プリンタがマウントでき、印刷ジョブも Solaris プリンタにスプールされたように見えますが、実際にはジョブが印刷されません。

TAS の PC クライアントが Solaris プリンタで印刷できるようにするには、次の手順に従って TAS の構成を変更しなければなりません。

  1. TNAS のメインメニュー (左フレーム) で、「System」 をクリックします。

  2. 「System Configuration and Administration」 メニュー (右フレーム) で、「Printers」 をクリックします。

  3. 変更する Solaris プリンタを選択して、「Modify」 をクリックします。

  4. 「Spooler Options」 ボックスに -c と入力して、「Submit」 をクリックします。

    これで、印刷ジョブが Solaris プリンタで印刷できるようになります。

UNIX サーバー上のアプリケーションにアクセスできない

次のいずれかの理由で、ユーザーが TAS ホスト上のアプリケーションを実行できません。

DOS ウィンドウでのコンパイル問題

ネットワークドライブ上のプログラムを Windows の DOS プロンプトウィンドウでコンパイルすると、データが壊れたり接続が切れたりします。Windows for Workgroups と Windows 3.1 を稼動する PC では、Windows の system.ini ファイルの [386Enh] セクションに次の行を追加してください。

接続の失敗

ネットワークボードによっては、複数のケーブル接続を持つものと、トランシーバを持つものがあります。物理的なハードウェアジャンパ設定がソフトウェア設定と同じ接続方法を使用できることを確認してください。

アクティブでなくなったセッションが残っている

ユーザーがクライアント PC の電源を切ったりリブートしたりすると、ネットワーク接続が切れます。これがデータ転送中に起こった場合、TAS はただちにその状態を検出して関連プロセスを終了します。ところが、クライアントとサーバー間にトラフィックが存在しないときは、TAS がセッションの切断を検出するのに数分かかります。タイムアウト値はホストシステムによって異なりますが、通常は 5 分程度です。TAS はタイムアウトが発生してから関連プロセスを終了します。

デフォルトでは、TAS はホストのトランスポート層のキープアライブ機能を使用して、セッションがアクティブかどうかを調べます。telnet などの別のアプリケーションでアクティブでないセッションが終了しない場合は、トランスポートのベンダーがキープアライブ機能を提供していないことが考えられます。その場合は、各レルム ->「Manage File Services」-> [サービスを選択] ->「Administer」->「Configuration」というリンクをたどるか、tnservice を実行して、NetBIOS のキープアライブを使用するように TAS を構成しておきます。

切断したクライアントが接続中と表示される

PC クライアントがセッションを終了する (つまり、リダイレクトしたドライブを切断する) と、関連プロセスは通常の手順でセッションを終了しようとします。このとき、name.number というファイルを $TNHOME/TAS/tn/tndb ディレクトリから削除しようとします。ここで、name はクライアント PC のマシン名、number は関連プロセスの UNIX ID 番号です。

クライアントがこのファイルを削除できなければ、ファイルは存在したままとなり、エラーメッセージが表示されることはありません。この状態で接続状態を調べるか、tnwhotninfo コマンドを実行すると、終了したはずのクライアントが接続中と表示されます。この問題が起こったときは、回線ディレクトリからエントリを削除する srm プログラムの所有者が totalnet であること、srm のモードが 4511 であること、totalnet が回線ディレクトリを所有していること、さらに回線ディレクトリのモードが 755 であることを確認してください。

DOS コマンドの動作が正常でない

ある種の DOS コマンドの動作が正常でない場合は、次の原因が考えられます。

ファイルロックのエラー

クライアント PC がリブートするとファイルロックが解除されないために、ファイルのロックとアンロックが適切に実行されないことがあります。ロックを解除するには、tnck を実行します。

ディスクの空き容量の表示が正しくない

クライアント側のディスクの空き容量の計算には限界があります。DOS は、ディスクデバイスがネットワークドライブを割り当てたものかローカルなものかに関係なく、64 キロバイト以上のクラスタサイズを持つドライブには対応していません。大規模な UNIX システムや、何台もの CD-ROM ドライブがマウントされたマシンでは、4 ギガバイトを超えるドライブが使用されています。DOS は、そのような大きさのドライブを扱うことはできません。

NetBIOS が起動しない

NetBIOS を起動できないときは、すべての NetBIOS プロセスが完全にシャットダウンしているか確認してください。TAS サービスをシャットダウンした後も実行されている NBname プロセスや NBdaemon プロセスを見つけるには、ps コマンドを実行します。この問題は、プロセスが正常に終了しなかった場合にだけ起こります。UNIX の kill コマンドを使用して問題のプロセスを終了してから、「4.1.1 TAS サービスの開始」に示す手順に従うか tnstart コマンドを使用して、TAS サービスを再起動してください。

ネットワークパフォーマンスが低い

ネットワークで割り当てたドライブ間のファイルのコピー、ネットワークを使用した印刷ジョブ、リモートコマンドの実行があまりにも遅い場合は、次の原因が考えられます。

"Ping" が機能しない

次の原因が考えられます。

印刷上の問題

次の原因が考えられます。