TotalNET Advanced Server 5.2 の管理

エラーメッセージを伴う問題の解決方法

この項では、エラーメッセージを伴うさまざまな問題を解決する方法について説明します。

tn ユーティリティで表示される終了コードとその意味を次の表に示します。以下の各項では、さまざまな共通エラーメッセージについてその原因と解決方法を示します。

成功 

使用方法 

非互換性 

コマンドラインの誤り 

一般的なメモリー割り当て 

無効なシステム 

レルム、システム、サービスの誤り 

アプリケーションインタフェースのエラー 

システムコールのエラー 

C ライブラリのエラー 

10 

特定レルムのボリュームに対する無効な文字 

11 

特定レルムのサービスに対する無効な文字 

12 

指定レルムに対して長すぎるサービス名 

13 

アクセスの拒否。スーパーユーザのみアクセス可。 

Access denied

ユーザーがファイルの読み込み、ファイルの書き込み、プログラムの実行、ディレクトリの検索に必要な権限を持っていません。

Cannot access a directory

NetWare 互換クライアントが UNIX ディレクトリにアクセスできません。ディレクトリに実行のアクセス許可ビットが設定されており、そのディレクトリがボリュームの仮想ルートの下にあることを確認してください。

Cannot access network drive

ネットワークの Windows インタフェースに次のどちらかの問題があります。

Cannot create socket on server

TAS 起動時のシステムソケットコールが次のいずれかの理由で失敗しました。

Cannot log in to server as supervisor

サーバーは UNIX オペレーティングシステムを使用してユーザーの認証を行うので、UNIX ホストに存在するユーザーアカウントでなければログインできません。Novell サーバーのシステム管理者はデフォルトでスーパーバイザーになっています。UNIX では root になります。一般に UNIX オペレーティングシステムを管理する場合は、root でログインする必要があります。

Incorrect password

サーバーがユーザー名とパスワードを正当なものと認めませんでした。ユーザ名とパスワードが次の要件を満たしていることを確認してください。

Incorrect response from network

名前検索フェーズには成功しましたが、次のいずれかの理由で接続要求がシステムで拒否されました。

Invalid connections in "tninfo" report

tninfo の出力中に存在しない接続が表示されています。tninfo からの出力では、通常 1 つの Ethernet アドレスに対し 1 つの接続しか表示されないはずですが、サーバーが接続の終了を確認できないときは、複数の接続が表示されることがあります。一般にこの問題は、クライアントがログアウトせずに PC の電源を切ったりリブートしたときに、接続が正常に終了しなかったことが原因で発生します。

このような形だけ残っている接続を検出するには、LM-NT-OS/2 レルムまたは NetWare レルムのキープアライブ機能を有効にします。そうすると、サーバーは Novell のウォッチドッグパケットとよく似たキープアライブパケットを送信して、接続状態が続いているクライアントを検出します。サーバーは最初のキープアライブパケットを送信した後、10 分間隔で次のパケットを送信しますが、この間に応答がない接続は無効とみなして接続データベースを更新します。データベースが更新されると、存在しない接続は tninfo の出力から消えます。

キープアライブ機能を有効にするには、次のリンクをたどります。

「Keepalive」フィールドに、キープアライブパケットの送信間隔 (分単位) を入力します。

UNIX コマンドラインからキープアライブ機能を有効にするには、次のコマンドを実行します。ここで、n はサーバーが接続を確立してから最初のキープアライブパケットを送信するまでの待ち時間 (分単位) です。


tnservice -M -r NW -s nwhera:file -a keepalive=n

Invalid drive was specified

クライアントコマンドで指定したドライブ名に誤りがあります。この問題は、クライアントがフロッピーディスクドライブやハードディスクドライブのパーティションなどのローカルドライブをリダイレクトしようとした場合に起こります。

Network device type incorrect

ユーザーが、ドライブを印刷デバイスにリダイレクトしようとしたり、プリンタポートをディレクトリにリダイレクトしようとしました。

Network path not found

クライアントが NetBIOS 名への要求をブロードキャストしたときに、次のいずれかの理由でサーバーから応答を受け取れませんでした。

No servers listed by "slist"

PC の net.cfg ファイルには、ネットワークカードで使用するいくつかのフレームタイプを指定できます。ネットワークでは、パケットの送信に最初のエントリだけを使用します。サーバーホストがクライアントと同じフレームタイプを使用するように構成されていなければ、クライアントからそのサーバーが見えません。そのサーバーは、slist ユーティリティでも Windows の NetWare インタフェースでも表示できません。

Remote computer not listening

この問題は、NBdaemon プロセスがアクティブでないときに起こります。「LM-NT-OS/2 Realm」->「Configuration and Control」->「LM-NT-OS/2 Realm Status」というリンクをたどるか、tnstat コマンドを使用して、TAS が起動されていることを確認してください。TAS が起動していなければ、「4.1.1 TAS サービスの開始」に示す手順に従うか、tnstart コマンドを使用して起動してください。

Routing information database corrupted on large internetwork

NetWare サーバーは、RIP (Routing Information Protocol) を使用して 60 秒ごとにルーティング情報を送り、SAP (Service Advertising Protocol) を使用して 30 秒ごとにサービス情報を送ります。大規模なネットワーク相互接続や WAN の場合は、RIP や SAP のデータベースが非常に大きくなり、低速な WAN リンクの場合にはダウンロードに要する時間の方がダウンロード間隔よりも長くなってしまう場合があります。その場合は存在するはずのボリューム、プリンタ、サーバーが表示されなかったり、ノードが見つからない場合にパケットの再ルーティングが非常に遅くなったりします。

Novell はこの問題を解決するために、RIP と SAP の代わりに、NLSP (NetWare Link State Protocol) を使用するようにしています。NLSP では、複数のネットワークインタフェースを 1 つのネットワーク番号に関係付けて、複数のネットワークセグメント上にトラフィックを分散します。ノードが見つからなければ、NLSP はただちに代替パスを設定します。NLSP はネットワークの増分マップを構築し、必要な場合にだけ更新情報を送信します。NetWare 3.11、3.12、4.11、4.12 のサーバーは NLSP をサポートしています。これらのサーバーは、RIP と SAP を使用する既存のサーバーと共存できます。

Server not found

名前検索フェーズには成功しましたが、次のいずれかの理由で要求された資源をサーバー上で見つけられませんでした。

Too many redirections

ユーザーが、クライアントコンピュータのオペレーティングシステム、NetBIOS、TCP/IP で許される接続数を超えて接続しようとしました。リダイレクション数を増やすには、nb_sessionstcp_socketsudp_sockets のエントリを変更します。リダイレクション数を増やしたくなければ、リダイレクションのいずれかをキャンセルして、接続し直します。

Unknown broad ID

ネットワークカードのドライバが古すぎて、物理的なネットワークボードに対応していません。ネットワークボードのインタフェースソフトウェアを最新バージョンに変更してください。