ソフトウェアの開発では、重要な時点でプログラムのフリーズポイントを作成すると便利です。これらのフリーズポイントは、開発プロジェクトの「スナップショット」の役割を果たし、プロジェクト全体の重要な時点での状態を再現できます。フリーズポイントツールを使用することにより、わずかな記憶資源で、これらのフリーズポイントを保存できます。フリーズポイントツールには、機能的に同等のユーザーインタフェースが 2 つあります。
グラフィカルユーザーインタフェース (twfreeze)
コマンド行インタフェース (freezept)
この章で説明する概念は、GUI および CLI の両方に適用できますが、ここでは GUI について説明および例を示します。CLI 特有の説明については、オンラインマニュアルページの twfreeze(1)、freezept(1)、freezepointfile(4) を参照してください。
フリーズポイントツールを使用すると、ワークスペース管理ツールのワークスペースからフリーズポイントファイルを作成することができます。フリーズポイントファイルとは、ワークスペースに含まれる SCCS 履歴ファイルのデルタを一覧にしたテキストファイルです。ファイルを後で再作成 (抽出) する場合、フリーズポイントツールはフリーズポイントファイルの各エントリを、元の履歴ファイルと、フリーズポイントファイルの作成時点にデフォルトだったデルタへのポインタとして使用します。
フリーズポイントファイルからワークスペースを作成することもできます。その場合は、凍結されたファイルのセット全体を抽出するか、その一部を抽出するかを選択できます。
フリーズポイントツールには、抽出されたすべてのファイルに関する SCCS 履歴を含むワークスペースを再作成するオプションが用意されています。このオプションを使用しない場合は、派生ファイルのみを抽出することを選択できます。これは、オプションを指定せずに SCCS の get コマンドを使用してデフォルトのデルタを取り出すことを意味します。この場合、SCCS 履歴は再作成されず、ワークスペースも作成されません。
フリーズポイントツールを起動するには、次の 2 つの方法があります。
シェルコマンドプロンプトで、twfreeze と入力し、その後にアンパサンド (&) を入力する。
ワークスペース管理、ファイルマージ、およびバージョン管理のいずれかのウィンドウで、「TeamWare」⇒「フリーズポイント」を選択する。
フリーズポイントの作成および抽出は、「フリーズポイント」ウィンドウ (図 1-4 参照) で行います。作成区画と抽出区画は、「カテゴリ」リストボックスの該当する項目を選択して切り替えます。デフォルトでは作成区画が表示されます。
フリーズポイントファイルを作成するには:
「カテゴリ」リストボックスで「作成」を選択します。
「フリーズポイントファイル」フィールドにフリーズポイントファイルのパス名を入力します。
デフォルトでは、freezepoint.out ファイル名が自動的に表示されます。フリーズポイントファイルの名前を変更したい場合は freezepoint.out を削除して、新しいファイル名を入力します。
「ワークスペース」フィールドに、ソースワークスペースのパス名を入力します。これがフリーズポイントするワークスペースです。
「ディレクトリとファイル」区画で、フリーズポイントするディレクトリおよびファイルのいずれかまたは両方のリストを作成します。
「ファイル追加」ボタンをクリックして「ファイル追加」ダイアログを表示し、フリーズポイントするファイルを選択します。Shift キーを押しながらクリックすると、一度に複数のファイルを選択できます。すべてのファイルを選択するには、「名前」フィールドにピリオド (.) を入力します。フリーズポイントするファイルをすべて選択したら、「リストにファイルを追加」ボタンをクリックします。
「作成/更新」ボタンをクリックして、フリーズポイントを作成します。
フリーズポイントからソース階層を抽出するには:
「カテゴリ」リストボックスで「抽出」を選択します。
作成区画が抽出区画に変わります。
「フリーズポイントファイル」フィールドに、既存のフリーズポイントファイルのパス名を入力します。
「抽出先ディレクトリ」フィールドに、抽出先ディレクトリのパス名を入力します。
抽出されたファイルはこのディレクトリに入れられます。
「抽出」ボタンをクリックしてフリーズポイントを抽出します。
フリーズポイントツールについての詳細は、第 14 章「フリーズポイントツールの使用」を参照してください。