Sun WorkShop TeamWare ユーザーズガイド

ワークスペースの親子関係の変更

第 2 章「ワークスペース管理の概要」で説明したように、親子関係はワークスペース階層を結合する縦糸のようなものです。ワークスペース管理ツールを使用して、ユーザーが自由にこの関係を変更することができます。

この節では、ワークスペースの親を明示的に変更する方法について説明します。親の変更は、更新ブリングオーバーまたはプットバックトランザクションの実行時に、新しい親のパス名を指定することによって暗黙に行うことも可能です。詳細は、第 7 章「ワークスペース間でのファイルのコピー」の更新ブリングオーバーおよびプットバックトランザクションの説明を参照してください。

親子関係の変更方法

ワークスペースの親を変更する方法について説明します。

ワークスペースアイコンのドラッグ & ドロップ

ワークスペースの親をワークスペースアイコンの操作で変更できます。ワークスペース表示区画でワークスペースアイコンを選択し、Shift キーを押したまま新しい親ワークスペースのアイコン上にドラッグします。表示に新しい関係が反映されます。


注 -

変更を確認するメッセージが表示されます。


親の変更コマンド

ワークスペースの親は、ワークスペース表示区画でアイコンを選択して「編集」⇒「親の変更」を選択することによって、変更することもできます。このコマンドを実行すると、「親の変更」ダイアログが開きます。

このダイアログの「親ワークスペースディレクトリ」フィールドに新しい親ディレクトリの名前を入力して、「了解」ボタンをクリックします。ワークスペース表示区画に新しい関係が反映されます。

「親ワークスペースディレクトリ」フィールドに親ワークスペースの名前を指定しなかった場合、そのワークスペースは孤児、つまり親のないワークスペースになります。この場合も、ワークスペース表示区画には新しい状態が反映されます。

親子関係の変更が必要な場合

ワークスペースの親を一時的または永久的に変更する必要があるのは、次のような場合です。

親子関係の変更例

ソフトウェアの開発作業では、製品のあるバージョンでバグが修正され、修正済みコードを配布するためのパッチリリースが作成されることがよくあります。バグが修正されたコードは通常、製品の次回リリースにも組み込んでおかなければなりません。ワークスペース管理ツールを使用して製品の開発を行なっている場合には、親子関係の変更機能を使用して比較的容易にパッチを組み込むことができます。

次の例は、ある製品のリリース 1.0 のバグを修正するパッチが作成され、すでに開発が開始されているリリース 2.0 にこのパッチを組み込む場合を想定しています。

  1. 作成ブリングオーバートランザクションを使用して、パッチが作成されたワークスペースのコピーを作成します (図 6-1)。これは、新しい親とのやりとりによって、そのワークスペースの内容が変更されるからです (ブリングオーバートランザクションにより、そのワークスペースと新しい親との間の同期がとられます)。

  2. 前述の親子関係変更方法を使用して、該当ワークスペースのコピーの親を 1.0patch から 2.0 に変更します (図 6-1 を参照)。

    図 6-1 patch ワークスペースの親を新規リリースに変更

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  3. ワークスペースはこの後、新しい親から更新され、以後の作業には 2.0 からブリングオーバーしてきたコピーを使用します (図 6-2 の A を参照)。

  4. パッチに対して行われた修正を、2.0 からブリングオーバーしてきたファイルを持つ patch 内でマージした後、2.0 ワークスペースにプットバックします。これで、これらの修正を子ワークスペース 2.0child から利用することができます (図 6-2 の B を参照)。

    図 6-2 ファイルのブリングオーバー、マージ、新リリースへの統合

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  5. ファイルを 2.0child にコピーした後、「編集」⇒「削除」⇒「ソースと Codemgr_wsdata ディレクトリ」を選択して patch を削除します (図 6-3 を参照)。

図 6-3 パッチファイルを 2.0child にコピーし、patch を削除

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