Solaris WBEM Services がインストールされると、CIM Object Manager が自動的に起動し、継続して動作します。CIM Object Manager は、システムセッション間でも停電のあとでも自動的に再起動します。プロバイダプログラムを変更した場合などは、CIM Object Manager を手動で再起動する必要があります。
プロバイダプログラムを変更した場合に更新されたプロバイダを使用するためには、CIM Object Manager を停止して再起動する必要があります。
この章では、CIM Object Manager の停止と起動を行うタイミングと方法について説明します。取り上げる内容は次のとおりです。
CIM Object Manager は、Solaris WBEM Services のインストール時に自動的に起動します。CIM Object Manager は、通常は停止する必要がありません。しかし、プロバイダプログラムを変更した場合に更新されたプロバイダを使用するためには、CIM Object Manager を停止して再起動する必要があります。
CIM Object Manager を停止する方法は 1 つ、再起動する方法は 2 つあります。CIM Object Manager を停止するには、init.wbem コマンドを使用します。CIM Object Manager をセッション間で再起動するには、init.wbem コマンドを使用します。特定のホスト上で CIM Object Manager を起動したり、このソフトウェアのバージョンを表示するためには、cimom コマンドを使用します。
動作中の CIM Object Manager を停止する場合と、停止している CIM Object Manager を再起動する場合は、スーパーユーザーとしてログインする必要があります。CIM Object Manager の停止については、「CIM Object Manager の停止」を参照してください。停止したあとで CIM Object Manager を再起動する方法については、「CIM Object Manager の再起動」を参照してください。
init.wbem コマンドを使用すると、システムセッション間で CIM Object Manager が再起動します。init.wbem コマンドは、CIM Object Manager の停止にも使用できます。
init.wbem コマンドは、次のパスに入っています。
/etc/init.d/init.wbem
init.wbem コマンドは、次の 2 つのパラメータを使用します。
|
パラメータ |
説明 |
|
stop |
CIM Object Manager を停止する |
|
start |
CIM Object Manager を再起動する |
init.wbem stop
init.wbem start
cimom コマンドは、CIM Object Manager を起動して追加情報 (オブジェクトを格納したい CIM Repository が入ったホストなど) を取得または指定する場合に使用します。cimom コマンドは、CIM Object Manager の特性を指定できるパラメータを使用します。
デフォルトでは、cimom コマンドは次のパスに入っています。
/opt/SUNWconn/wbem/bin/
cimom コマンドは、次の 3 つのパラメータを使用します。
|
パラメータ |
説明 |
| -help |
マニュアルページを開き、cimom コマンドとパラメータの情報を表示する |
| -sdatabase_server |
CIM Repository と共にインストールされるサーバーを指定する。このパラメータは、CIM オブジェクトが格納されている位置を制御する |
| -version |
CIM Object Manager のビルドバージョンを表示する |
cimom コマンドの構文は次のとおりです。cimom [parameter] [modifier]
[parameter] は、上記の表に示されたパラメータの 1 つです。[modifier] は、パラメータに必要な追加情報です。たとえば、コマンド cimom -s hopskotch では、-s は [parameter] で、hopskotch は CIM Repository が入っているサーバー名を示す [modifier] です。
CIM Object Manager を停止するには、次の手順で行います。
システムプロンプトで次のコマンドを入力して、システム上でスーパーユーザーになります。
% su |
メッセージに従い、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
次のコマンドを入力し、init.wbem コマンドが入っている位置にディレクトリを変更します。
# cd /etc/init.d/ |
次のコマンドを入力して、CIM Object Manager を停止します。
# ./init.wbem stop |
CIM Object Manager が停止します。
CIM Object Manager は、init.wbem コマンドまたは cimom コマンドを使用して再起動できます。どちらのコマンドを使用するかは、どのように起動したいかによります。CIM Object Manager をデフォルトホストで再起動する場合は、init.wbem コマンドを使用します。CIM Object Manager を別のホストで再起動する場合は、cimom コマンドを使用します。cimom コマンドを使用すると、CIM Object Manager のバージョンも表示できます。
システムプロンプトで次のコマンドを入力して、システム上でスーパーユーザーになります。
% su |
メッセージに従い、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
次のコマンドを入力し、init.wbem コマンドが入っている位置にディレクトリを変更します。
# cd /etc/init.d/ |
次のコマンドを入力して、CIM Object Manager を再起動します。
# ./init.wbem start |
CIM Object Manager が起動します。
システムプロンプトで次のコマンドを入力して、システム上でスーパーユーザーになります。
% su |
メッセージに従い、スーパーユーザーのパスワードを入力します。
次のコマンドを入力し、cimom コマンドが入っている位置にディレクトリを変更します。
# cd /opt/SUNWconn/wbem/bin |
次のコマンドを入力し、CIM Object Manager の再起動とホストの指定を行います。
# cimom -s server_name |
server_name は、CIM Object Manager Repository が動作している特定のホストの名前です。
CIM Object Manager が再起動します。
CIM Object Manager は、不正な MOF 構文と意味的な間違いを示すためのエラーメッセージを生成します。MOF コンパイラと CIM Workshop は、同じエラーメッセージを生成します。エラーメッセージとそれらの意味の表示については、第 9 章「エラーメッセージ」を参照してください。