Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール

多重ホストディスク上の VxFS ファイルシステムの構成

この節では、多重ホスト VxFS ファイルシステムを構成する手順を説明しています。NFS が共有するファイルシステムを構成する場合は、第 11 章「Sun Cluster HA for NFS の構成と管理」を参照してください。

多重ホストディスク上に VxFS ファイルシステムを構成するには

  1. mkfs(1M) コマンドを使用して、ボリューム上にファイルシステムを作成します。

    ディスクグループに対して mkfs(1M) コマンドを実行するには、ボリュームを含むディスクグループの所有権が必要になることがあります。そのためには、vxdg(1M) コマンドを使用して、ディスクグループを動作中のノードにインポートします。

    phys-hahost1# vxdg import diskgroup
    
    1. ボリューム上に HA 管理ファイルシステムを作成します。

      構成内の各ボリューム上で mkfs(1M) を実行します。

      phys-hahost1# mkfs /dev/vx/rdsk/diskgroup/diskgroup-stat
      
    2. すべてのボリュームにファイルシステムを作成します。

      これらのボリュームは、論理ホストによってマウントされます。

      phys-hahost1# mkfs -F vxfs /dev/vx/rdsk/diskgroup/volume
      
  2. HA 管理ファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    phys-hahost1# mkdir /logicalhost
    
  3. HA 管理ファイルシステムをマウントします。

    phys-hahost1# mount /dev/vx/dsk/diskgroup/diskgroup-stat/logicalhost
    
  4. 手順 1b で作成したデータサービスファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    phys-hahost1# mkdir /logicalhost/volume
    
  5. /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs ディレクトリを作成します。

  6. /etc/opt/SUNWcluster/conf/hanfs/vfstab.logicalhost を作成、編集して、管理ファイルシステムと多重ホスト VxFS ファイルシステムの情報を更新します。

    ディスクグループの使用可能マスターであるすべてのノードの vfstab.logicalhost ファイル内に、すべてのディスクグループ用のエントリが含まれていることを確認してください。また、すべての vfstab.logicalhost ファイルに同じ情報が含まれていることを確認してください。cconsole(1) 機能を使用することによって、クラスタ内の全ノード上の vfstab.logicalhost ファイルを同時に編集できます。

    下記は、/etc/vfstab.logicalhost ファイルの例です。管理ファイルシステムと別の 2 つの VxFS ファイルシステムを示しています。dg1 はディスクグループ名、hahost1 は論理ホスト名です。

    /dev/vx/dsk/dg1/dg1-stat     /dev/vx/rdsk/dg1/dg1-stat     /hahost1 vxfs - yes -
    /dev/vx/dsk/dg1/vol_1        /dev/vx/rdsk/dg1/vol_1        /hahost1/vol_1 vxfs - yes -
    /dev/vx/dsk/dg1/vol_2        /dev/vx/rdsk/dg1/vol_2        /hahost1/vol_1 vxfs - yes -
  7. 手順 3 でマウントした HA 管理ファイルシステムをマウント解除します。

    phys-hahost1# umount /logicalhost
    
  8. ディスクグループをエクスポートします。

    ファイルシステムを作成する前に vxdg(1M) コマンドを使用して、動作中のノード上のディスクグループの所有権を取得した場合は、ファイルシステムの作成を完了した後で所有権を放棄します。

    phys-hahost1# vxdg deport diskgroup
    
  9. ディスクグループのデフォルトマスターにディスクグループをインポートします。

    特定のディスクグループのデフォルトマスターである動作中のノードからディスクグループを作成、構成する方法が最も簡単です。

    各ディスクグループは、-t オプションを使用してデフォルトマスターにインポートします。-t オプションは重要です。-t オプションは、次回の起動時にインポートが持続するのを防止します。

    phys-hahost1# vxdg -t import diskgroup
    
  10. (省略可能) ファイルシステムを NFS で共有可能にする場合は、第 11 章「Sun Cluster HA for NFS の構成と管理」を参照します。