この章では、SunLink Server コマンドと net コマンドの使用方法および、SunLink Server を Solaris システムコンソールで管理するための lanman.ini ファイルの編集方法を説明します。この章では以下の情報について説明します。
SunLink Server コマンド - この節では、SunLink Server コンピュータを管理するために、コマンドプロンプトから使用することができる、Solaris システムコマンドについて説明します。 (SunLink Server コマンドは、/opt/lanman/bin および /opt/lanman/sbin ディレクトリにインストールされます。)
net コマンド - この節では、SunLink Server コンピュータをコマンド プロンプトから管理するのに利用できる net コマンドについて説明します。
lanman.ini ファイル - この節では lanman.ini ファイルの編集方法について説明します。重要な lanman.ini ファイルの編集は習熟した管理者だけが行うタスクであることに注意してください。
この章では、Solaris システムを中心として説明するため、Microsoft Windows および Windows NT の用語である 「ログオン」は Solaris の用語である 「ログイン」 に置き換えてあります。
この章では、次のタスクを実行するための命令についても説明します。
「ローカル SunLink Server コンピュータを管理する方法」
「リモート SunLink Server コンピュータを管理する方法」
SunLink Server のコマンドプロンプトから Solaris システムコマンドを使用して、管理タスクを実行することができます。
この章で説明しているコマンドは、英語以外の言語には翻訳されていません。
表 2-1 は使用可能な Solaris システムコマンドの一覧です。MANPATH 変数が以下のように設定されていることを確認してください。
$MANPATH:/opt/lanman/man:/opt/SUNWlznb/man
この変数の設定で、次のコマンドを SunLink Server コマンドプロンプトから入力すると各コマンドの詳細が表示されます。
man コマンド名
解説では、コマンドの目的および構文と、そのコマンドに関するコメントおよび使用例を一覧で示します。
表 2-1 SunLink Server 管理のための SolarisコマンドSunLink Server コマンド | 説明 |
---|---|
acladm |
アクセス制御リスト (ACL) データベースの作成、確認、クリーンアップ、削除を行います。 |
lmat |
指定された時刻または日付にコマンドまたはプログラムが実行されるようにスケジュールします。 (Solaris システムの at コマンドも存在することに注意してください。) |
blobadm |
統計情報を表示し、既知または指定されたバイナリラージオブジェクト (BLOB) ファイルを確認および構成します。 |
delshmem |
SunLink Server 共有メモリーを削除します。 |
elfread |
Solaris システムコンソールにローカル SunLink Server コンピュータのイベントログを表示します。 |
euctosjis |
文字コードを拡張 UNIX コード (EUC) からシフト JIS ( S-JIS) に変換します。 |
joindomain |
SunLink Server コンピュータのドメインを、別のドメインへ移動します。 |
lmshare | サーバーの介入なしに SunLink Server 共有ファイルを操作します。 |
lmshell |
SunLink Server コマンドプロンプトの見た目と使い心地を MS-DOS シェルのようにします。ユーザーは他のサーバーにログインやリンクを行い、DOS コマンドの一部を実行できます。 |
lmstat |
SunLink Server コンピュータの共有メモリーから統計情報を表示します。 |
mapuname |
SunLink Server ユーザー名、広域グループ名、ローカルグループ名を Solaris システムユーザー名へ対応づけます。または対応づけを解除します。 |
netevent |
管理警告やユーザー警告を送信します。 |
regcheck | SunLink Server のレジストリを操作してレジストリキーの列挙、レジストリ内容のダンプ、レジストリファイルの確認と修復を行います。 |
regconfig |
SunLink Server レジストリキー情報の検索や設定を行います。 |
regload |
レジストリファイルが存在しない場合は作成します。また、レジストリをシステムデフォルトに再初期化します。 |
samcheck |
SAM データベースの確認や修正、変更ログ、ビルトイン、アカウント、LSA データベースのダンプを行います。 |
setdomainname |
ローカル SunLink Server コンピュータのドメイン名を変更します。 |
setservername |
ローカル SunLink Server コンピュータの名前を変更します。 |
sjistoeuc |
文字コードを S-JIS から EUC へ変換します。 |
srvconfig |
lanman.ini ファイルに格納されているSunLink Server 構成情報の表示と修正を行います。 |
winsadm |
Windows インターネットネームサービス (WINS)を構成します。 |
SunLink Server のコマンド プロンプトでは、各種オプションを設定して net コマンドを使い、多くの SunLink Server 管理タスクを実行することができます。net コマンドオプションの詳しい解説は、 表 2-3 にあります。
次の節では、SunLink Server プロンプトで利用可能な net コマンドとオプションおよび構文と使用方法を説明します。
サーバーのコマンドプロンプトからサーバーを管理するときは、そのサーバーをローカルサーバーと呼びます。あるサーバーを別のサーバーのコマンドプロンプトから管理するときは、管理されるサーバーをリモートサーバーと呼びます。
ネットワーククライアントコンピュータユーザーの中には、アカウントオペレータ 、印刷オペレータ、サーバーオペレータなどの職務に従事するユーザーがいます。これらのユーザーがあるタスクのために実行できる管理権限やオペレータ権限は限られています。これらの権限は、SunLink Server のコマンドプロンプトからローカルサーバーを管理するための net コマンドを使用するには十分です。
しかし、リモートの SunLink Server コンピュータを管理するために net コマンドを使用するには、そのSunLink Server コンピュータに完全な管理権限を持つ管理者としてログインする必要があります。ネットワークの一部を担当する別のオペレータに完全な管理権限を与えたくない場合は、管理されるサーバーの SunLink Server コマンドプロンプトでだけ作業する必要があります。
net コマンドを使用してローカル SunLink Server コンピュータを管理するには、次の手順で操作を行います。
SunLink Server ソフトウェアを実行している Solaris システムにログインします。
Solaris システムプロンプトで次のコマンドを入力し、ネットワークに Windows NT 管理者または Windows NT 管理権限を持つユーザーとしてログインします。
net logon ユーザー名 パスワード
適切な net コマンドを入力します。
net コマンドオプションの詳しい一覧については、この節の 「2.2.4 SunLink Server net コマンドオプション」を参照してください。
SunLink Server コンピュータの管理作業が終了したら、net logoff コマンドを入力して必ずログオフしてください。
net コマンドをリモートでサーバー管理タスクを実行するには、net admin コマンドと、そのタスクに対応する net コマンドを使用します (次の手順 2 では net admin コマンドを入力する方法を 2 つ説明しています)。
net コマンドをリモートで入力するには、次の手順で操作を行います。
ネットワークに管理者または管理権限を持つユーザーとしてログインします。(この手順を実行するためには、オペレータ権限では不十分です。)
次の方法のうち 1 つを使い、適切な net admin コマンドを入力します。
実行したい各 net コマンドに対して、個別に net admin コマンドを入力します。たとえば、account という名前のサーバーの統計情報を表示するには、次のように入力します。
net admin ¥¥account /command net statistics server
これは、バッチファイルに有効な方法です。
net admin コマンドの後に、複数の net コマンドを入力します。たとえば、payroll という名前のサーバーで、複数の net コマンドを実行するには、次のように入力します。
net admin ¥¥payroll /command
これで管理コマンドシェルが作成され、net コマンドを続けて実行することができます。プロンプトが変更され、¥¥payroll のように、リモートで管理するサーバー名が表示されるようになります。
このプロンプトで入力するすべての net コマンドは、指定するサーバー上で実行されます。たとえば、プロンプトで次のように入力します。
[¥¥payroll] net share
[¥¥payroll] net print
¥¥payroll はプロンプト、 net share と net print はコマンドです。
コマンドシェルを終了してプロンプトに戻るには、 exit を入力するか、CTRL+D キーを押します。
リモートサーバーを管理するために、 net コマンドのオプションとしてドメインまたはコンピュータ名を使用することができます。このような管理は、net admin コマンドを入力せずに、Solaris システムコマンドプロンプトで直接実行できます。たとえば、market_dom という名前のリモートドメインのローカル グループを表示するには、net localgroup /domain:market_dom と入力します。
情報が複数の画面に渡って表示される場合もあります。たとえば、次のコマンドで、net share コマンドに関する情報が複数の画面に渡って表示されます。
net help share /オプション
1 度に 1 画面ずつ表示するには、次のように more コマンドを使います。
net help share /オプション | more
情報が表示されている画面を確認した後、次のテキスト画面に移動する場合は、スペースキーを押します。
コマンドの中には、オプションとしてパスワードが必要なものがあります。パスワードは、コマンドと同じ行に入力して、コマンドオプションとして渡すことができます。たとえば、 jim というユーザー名でパスワードが kahuna の場合、次のように入力します。
net logon jim kahuna
また、SunLink Server コンピュータがパスワードの入力を促すようにコマンドを指定することもできます。コマンドを入力する際にパスワードの部分にアスタリスク( * ) を指定します。
Solaris オペレーティング環境ではアスタリスク ( * ) は特殊文字であるため、バックスラッシュ ( ¥ ) の後に入力します。
たとえば、上記のものと同じ資源を使用するには、次のように入力します。
net logon jim ¥*
SunLink Server ソフトウェアは次のメッセージを表示します。
Type your password:
このプロンプトでパスワードを入力しても、入力中にパスワードは画面に表示されません。これによってパスワードの機密性が守られ、セキュリティーが保護されます。
パスワードの入力が必要なコマンドでパスワードを入力しないと、SunLink Server ソフトウェアからパスワードの入力を促されます。入力するコマンドによっては、SunLink Server ソフトウェアは、たとえばユーザー名など、そのコマンドに適当な情報を入力するように促します。
net コマンドの中には、確認が必要なものがあります。 /yes および /no オプションで、 netコマンドが迅速に処理されるようになります。SunLink Server ソフトウェアがこれらのオプションを受け取ると、処理を中断してプロンプトを表示することがなくなります。その代わり、ユーザーのプロンプトに対する応答として、 /yes または /no オプションを受け入れます。
net コマンドに /yes ( /y ) および /no ( /n ) オプションを付けて、バッチファイルやシェルスクリプトを作成する際に SunLink Server がプロンプトを表示しないようにすることができます。
たとえば、net logoff コマンドを使用して、リモート共有資源に接続しているローカルエリアネットワークからログオフする場合は、SunLink Server ソフトウェアは次のようなプロンプトを表示します。
You have the following remote connections:
LPT1
Continuing will cancel the connections.
Do you want to continue this operation? (Y/N) [Y]:
すべての net コマンドに対して /yes および /no オプションを使い、プロンプトへの応答を予測して対処することができます。たとえば、次のように入力すると、確認のプロンプトは表示されません。
net logoff /yes
この章のコマンドリファレンスのページでは、コマンド名、コマンドオプション、サービス名を常に完全な形で使用しています。しかし SunLink Server ソフトウェアは省略名を認識します。
すべてのコマンドオプションでは、他のコマンドオプションと区別するのに最低限必要な文字を、省略形として使うことができます。たとえば、次は net accounts コマンドの構文です。
net accounts [/forcelogoff:{分|no }] [/minpwlen:長さ] [/maxpwage:{日|unlimited}][/minpwage:日] [/uniquepw:数]
次の例のように、オプションを省略形にすることができます。
net accounts /f:10 /minpwl:6 /ma:unlimited /minpwa:7 /u:3
オプションの値を省略形にすることはできません (たとえば、/maxpwage に unlimited オプション値を与える場合など)。
入力の必要な名前またはパスワードの中には、アンパサンド ( & ) などのような特殊文字を含むものがあります。Solaris コマンドプロンプトで作業をしている場合は、SunLink Server の特殊文字が含まれる名前を入力するために、それぞれの特殊文字を入力する前に、エスケープ文字 (バックスラッシュ [ ¥ ]) を入力しなければなりません。クライアントコンピュータで操作する場合は、特殊文字を含む文字列を二重引用符で囲むことができます。
たとえば、システムコマンド プロンプトから、ユーザー名が marksp、パスワードが mrkt&dev でログインする場合は、次のように入力することができます。
net logon marksp mrkt¥&dev
よく使用される Solaris システムの特殊文字は、アスタリスク (*)、セミコロン (;)、縦棒 (|)、角括弧 ([ ])、丸括弧 [( )]、疑問符(?) 、アンパサンド (&)、山型記号 (^)、バックスラッシュ (¥)、大なり括弧および小なり括弧 (< >)、空白( )、単価記号 (@) などがあります。
この他にも使用される Solaris 特殊文字があります。特殊文字の詳細については、Solaris システムのマニュアルを参照してください。
Solaris システムでは、パス内の名前を区分するのにスラッシュを使用します。これはバックスラッシュを使うクライアントコンピュータとは異なります。しかし、多くのコマンドは、スラッシュとバックスラッシュのどちらでも動作します。
Solaris システムのコマンドプロンプトでパス名を入力する場合は、次の方法のいずれも使用することができます。
1 つのスラッシュ - パスの各エレメントを、次のように 1 つのスラッシュで区切ります。
net share tmpshare=c:/tmp /us:10 /r:"Share for temporary use"
2 つのバックスラッシュ - パスの各エレメントを次のように 2 つのバックスラッシュで区切ります。
net share tmpshare=c:¥¥tmp /us:10 /r:"Share for temporary use"
単一引用符 - 1 つのバックスラッシュでエレメントを区切ったパス全体を次のように単一引用符で囲みます。
net share 'tmpshare=c:¥tmp' r:"Share for temporary use"
値にスペースが含まれているため、その値を二重引用符で囲みたい場合があります。たとえば、domain guests グループへのコメントを変更するには、コマンドを次のように入力します。
net group "domain guests" /comment:"All domain guests"
Windows 95 や Windows NT などのクライアントコンピュータのオペレーティングシステムでは、パス内の名前を区切るために、次のようにバックスラッシュを使用します。
net use f: ¥¥product¥data
次の概念を頭に入れておくと、SunLink Server コマンドを使用する際のマニュアルページの指示を理解しやすくなります。
オプションが中括弧で囲まれている場合は({} )、そのオプションは構文の必須アイテムです。たとえば { yes|no} は、このコマンドを使う場合に yes または no を必ず指定しなければならないことを表します。
オプションが角括弧で囲まれている場合は ([ ])、構文内ではオプションのアイテムということを示します。たとえば、[パスワード] は、必要に応じてパスワードを指定できることを表します。
縦棒 (|) は中括弧または角括弧内のアイテムを区切り、それらのオプションのうちの 1 つだけを使用する必要があることを表します。たとえば、{/hold | /release | /delete} は、3 つのオプションのうち 1 つだけが必ず使われることを表します。
構文に省略符号 (...) がある場合は、前のアイテムを繰り返すことができます。たとえば、/route: デバイス名 [, ...] は、デバイス名の間にコンマを入れながら、複数のデバイスを指定できることを表します。
スラッシュ (/)、バックスラッシュ (¥)、コンマ (,)、二重引用符 (" ")、等号 (=)、コロン (:)、セミコロン (;)、アスタリスク (*) などは、必ず記載されているとおりに入力します。
ハッシュ記号 (#) は、数字と置き換えます。
Solaris コマンド プロンプトでは、 net コマンドは小文字で入力する必要があります。
コマンドの入力が終了したら、Enter キー (または Return キー) を押します。長いコマンド文字列を入力している場合は、カーソルが画面の端に到達しても Enter キーを押さないようにします。カーソルが折り返し、画面の次の行に入力が続きます。Enter キーを押すのは、コマンド文字列全体の入力が完了した時だけです。
サーバーコマンドプロンプトで入力できるすべての net コマンドに関して、オンラインヘルプが利用できます。コマンドパラメタ、構文、コマンドに関する詳細、コマンドの使用例などが提供されます。
net コマンドオプションに関する情報を得るには、SunLink Server システムプロンプトで、次のコマンドのうちいずれかを入力します。
表 2-2 net コマンドに関するヘルプコマンド | 説明 |
---|---|
net help |
利用可能な net コマンドの名前 |
net help コマンド |
net コマンドの解説、構文およびオプション |
net コマンド /help |
net コマンドの解説、構文およびオプション |
net コマンド /? |
net コマンド独自の構文 |
net help コマンド /オプション |
選択したコマンドのオプションに関する詳細な解説 |
次の表は、SunLink Server コマンドプロンプトで利用可能な SunLink Server の net コマンド オプションです。
表 2-3 SunLink Server の net コマンドオプションコマンド | 説明 |
---|---|
net access |
サーバーの資源に対する権利を表示または修正します。このコマンドは、パイプまたは印刷待ち行列に関する権利の表示と修正を行う場合にだけ使用します。他のすべてのタイプの資源に関する権利を管理するには、net perms を使います。 |
net accounts |
ドメインでのサーバーのロールを表示し、パスワードとログインユーザー条件の表示または修正を行います。 |
net admin |
SunLink Server コマンドを実行するか、またはリモートサーバー上のコマンドプロセッサを起動します。 |
net auditing |
資源の監査設定の表示と修正を行います。 |
net browser |
ローカルサーバーから見えるドメインのリストや、ドメイン内で動作中のコンピュータのリストを表示します。 |
net computer |
ドメイン内のコンピュータアカウントの表示や修正を行います。このコマンドは net computers としても入力できます。 |
net config |
実行中のコントロール可能なサービスを表示します。 |
net config server |
サーバーサービスの実行中に、設定の表示や変更を行います。 |
net continue |
サーバーで入力した場合は、中断しているサービスを再起動します。クライアントコンピュータで入力した場合は、net pause によって停止していた共有プリンタを再びアクティブにします。 |
net device |
デバイス名を一覧表示し、共有プリンタをコントロールします。オプションを付けずに使うと、指定されたサーバーのすべての共有プリンタの状態を表示します。プリンタ名オプションを付けて使うと、指定されたプリンタの状態だけを表示します。 |
net file |
開いているすべての共有ファイルの名前と、ファイルロックがある場合は、ファイルごとにその数を表示します。オプションを付けずに使うと、サーバーで開いているすべてのファイルを一覧表示します。このコマンドは net files としても入力できます。 |
net group |
グローバルグループの追加、表示、修正を行います。このコマンドは、net groups としても入力できます。 |
net help |
ヘルプを参照できるネットワークコマンドとトピックの一覧を表示するか、または特定のコマンドやトピックについてヘルプを提供します。 |
net helpmsg |
ネットワークエラーメッセージに対するヘルプを提供します。 |
net localgroup |
ドメインのローカルグループの追加、表示、修正を行います。このコマンドは、net localgroupsとしても入力できます。 |
net logoff |
ネットワークからユーザーをログオフします。 |
net logon |
ユーザーをサーバーにログインし、ユーザー名とパスワードをユーザーのクライアントに対して設定します。ユーザー名を指定しなかった場合は、Solaris システムログイン名がデフォルトとして使われます。 |
net password |
サーバーまたはドメインのユーザーアカウントのパスワードを変更します。 |
net pause |
サーバーでサービスを中断するか、またはプリンタを無効にします。 (注: このマニュアルの第 4 章の指示に従って Solaris プリンタをセットアップし、SunLink Server 共有プリンタとして確立して Microsoft Windows クライアントで利用可能とした後は、印刷待ち行列を中断する目的で net pause コマンドを使わないでください。SunLink Server ソフトウェアはこのコマンドを待ち行列を中断するのではなく、プリンタを無効にするコマンドと解釈します。コマンド ラインから待ち行列を中断するには、net print /hold コマンドを使用してください。) |
net perms |
サーバーの資源に対する権利と所有情報の表示と修正を行います。現在このコマンドが処理する資源は、共有、ディレクトリおよびファイルです。 |
net print |
印刷ジョブと印刷待ち行列の表示と制御を行い、さらに印刷待ち行列のオプションの設定または修正を行います (net pause の節の注を参照してください)。 |
net send |
接続されたクライアントコンピュータにメッセージを送信します。 |
net session |
サーバーとクライアントの間のセッションの一覧表示と切り離しを行います。オプションを付けずに使うと、ローカルサーバーとのすべてのセッションに関する情報を表示します。このコマンドは net sessions としても入力できます。 |
net share |
共有資源の作成、削除、表示を行います。クライアントが資源を利用できるようにするには、このコマンドを使用します。オプションを付けずに使用すると、このコマンドはサーバー上で共有されているすべての資源に関する情報を表示します。 |
net sid |
アカウント名とそれに対応するセキュリティー識別子 (SID) の間の変換を行います。 |
net start |
サーバーを開始します。または、オプションを付けずに使われた場合は、実行中のすべてのサービスを表示します。開始できるサービスは、Alerter、Computer Browser、Directory Replicator、EventLog、Net Logon、Netrun、Server、Time Source および WINS です。 |
net statistics |
統計ログを表示または消去します。 |
net status |
サーバーのコンピュータ名、構成設定および共有資源の一覧を表示します。 |
net stop |
ネットワークサービスを中止します。 |
net time |
クライアントの時計をサーバーまたはドメインの時計と同期するか、またはサーバーやドメインの時刻を表示します。 |
net trust |
ドメイン間の信頼関係の確立または解除を行い、指定されたドメインに対する信頼情報を表示します。 |
net user |
ユーザーアカウントの追加、修正、削除やユーザーアカウント情報の表示を行います。 |
net version |
コマンドが実行されているコンピュータ上で、現在実行されているネットワークソフトウェアのバージョンを表示します。 |
net view |
サーバーの一覧表示、またはサーバーによって共有されている資源の表示を行います。 |
この節では、SunLink Server のシステム構成とシステム性能を変更するために修正できる lanman.iniファイルパラメタについて説明します (他の構成値はSunLink Server Registry にも格納されています。付録 A 「SunLink Server のレジストリ」 を参照してください)。lanman.ini ファイルの構成値は SunLink Server プログラムの適切な処理のために非常に重要であり、このファイルの編集は、習熟した管理者が行う必要があります。
SunLink Server ソフトウェアを最初にインストールした時には、 lanman.ini ファイル ( /etc/opt/lanman/lanman.ini) にはいくつかのデフォルトのパラメタ値が含まれています。他のパラメタやそのパラメタが存在するセクションのタイトルは、SunLink Server 構成を変更するたびに追加されます。デフォルト値から変更されたパラメタだけが lanman.ini ファイルに追加されます。パラメタがファイルに存在しない場合 (またはセミコロンでコメントアウトされている場合) は、そのパラメタはデフォルト値に設定されます。
lanman.ini ファイルで利用可能なパラメタのいずれかを変更する前に、 lanman.ini ファイルのエントリとサーバーデフォルトとの関係を理解しておくと役立ちます。
各サーバーパラメタにはデフォルト設定があります。デフォルト設定の表示や編集を行うには、/opt/lanman/sbin ディレクトリにある srvconfig ユーティリティーを使用します。
lanman.ini ファイルを編集して、パラメタ値をデフォルト以外の値に設定することができます。lanman.ini 内のパラメタに割り当てられた値は、常にデフォルト値より優先されます。変更が実際に有効になるのは、サーバーを停止して再起動してからになります。
あるパラメタの値を、lanman.ini ファイルを直接編集してデフォルト以外の値に設定したい場合は、ファイル内の適切なセクションタイトルを探し (または追加し)、必要な パラメタ = 値エントリを追加します。
lanman.ini ファイルの各セクション内には、次のようなパラメタが含まれます。
パラメタ = 値のように、行の先頭には各パラメタの名前があり、次に等号、その後に割り当てられた値が続きます。
コメントはセミコロン ( ; ) で始まります。その行でセミコロンの前にパラメタがある場合は、そのパラメタは無視されます。
パラメタに複数の値を割り当てる場合は、パラメタ=値,値,値, ... のように、値をコンマで区切ります (この規則には例外がいくつかあります。詳細は、それぞれのパラメタの詳細箇所で紹介します)。
値がパスで構成されている場合、/ で始まる場合は、絶対パスであることを表します。パスが スラッシュ (/) で始まらない場合は、lanman ディレクトリに対して相対的であるとみなされます。
数値が 0 (数字) で始まる場合は、8 進法です。X で始まる場合は 16 進法です。1 から 9 までの数値で始まる場合は 10 進法です。
パラメタに値が割り当てられていない (等号の右側に値が存在しない) 場合は、数値を必要とするパラメタの場合は 0、文字列を必要とするパラメタの場合は NULL になります。
NULL の値はいずれのパラメタに対しても有効ではありません。
srvconfig コマンドを使用して、サーバーパラメタのデフォルト設定を表示します。
/opt/lanman/sbin/srvconfig -p | more
vi または同等のテキストエディタを使用して lanman.iniファイルを編集します。
ファイルは/etc/opt/lanman ディレクトリにあります。 [ lmxserver ] のように、ファイルにセクションのタイトルを追加しなければならない場合もあります。lanman.ini ファイルの適切なセクションに、パラメタ = 値の組を追加する必要があります。(「2.3 lanman.ini ファイルエントリ」を参照してください)。
新しい値が有効になるように、サーバーを停止して再起動します。
srvconfig コマンドの詳細については、コマンドプロンプトで man srvconfigと入力してください。
次の表では、 lanman.ini ファイルにある構成可能なパラメタについて説明しています。パラメタは、格納されている lanman.ini ファイルのセクションに従って、グループ分けされています。
lanman.ini ファイルには、次の表に含まれていないパラメタがさらに含まれています。これらのパラメタはデバッグ用であるため、修正できません。
表 2-4 [Lmxserver] セクションパラメタ表 2-5 [Fsi] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
fsaddonpath |
サーバーのファイルシステムをサポートするダイナミックリンクライブラリ (DLL) の位置。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/fsaddon |
fslibname |
fslibpath によって識別される、新しいファイルシステムが置かれるディレクトリのサブディレクトリ。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: lmfsiops.so |
fslibpath |
サーバーの新しいファイルシステムの位置。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /usr/lib/fs |
fsmap |
未知のファイルシステムを既知のファイルシステムタイプにマップする、ファイルシステムタイプ識別子。 値: コンマで区切ったマッピングの一覧、 デフォルト: unknown:s5,nfs:nfs,sfs:vxfs,cdfs:vxfs |
fsnosupport |
未知のファイルシステムを指定されたファイルシステムにマップします。 デフォルト: s5 |
remotemounts |
リモートでマウントされたファイルシステムを表すファイルシステム タイプ。 デフォルト: nfs |
表 2-6 [Workstation] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
domain |
サーバーを含むドメイン名。 値: 最大 15 文字までの名前。文字、数字および ! # $ % & ( ) - . ^ _ { } ‾の記号を含む、どのような名前でもよい。 デフォルト: <サーバー名>_dom |
表 2-7 [Server] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
listenname |
設定されている場合は、ネットワーク上のサーバー名を表します。設定されていない場合は、SunLink Server システムは、.serve 拡張子のついた Solaris マシン名 (liberty.serve など)を持つ Solaris Listner から、クライアント接続を受信する場合もあります。これは実装に依存します。Solaris システム マシン名は uname -n コマンドを使用して調べることができます。 listenname パラメタの値を変更するには、setservername コマンドを使います。このコマンドの詳細については、SunLink Server コマンドプロンプトで man setservername と入力してください。 値: 1-15 文字の任意の名前、デフォルト: NULL |
maxclients |
サーバーが同時にサポートしなければならない最大のクライアント セッション数を識別します。 デフォルト : 1000 |
srvservices |
サーバーの起動時に自動的に開始されるサービスに関するキーワードのリスト。サービスは srvservices エントリに表示される順に従って開始されるため、netlogon がそれを必要とするすべてのサービスより前に位置することを確認してください。 デフォルト: alerter, netlogon, browser |
表 2-8 [Psi] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
psaddonpath |
サーバーのプリンタサブシステムをサポートする DLL の位置。 値: 最大 256 文字までのパス、デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/psaddon |