Solaris PC NetLink 管理マニュアル

第 2 章 コマンドプロンプトでの SunLink Server ソフトウェアの管理

この章では、SunLink Server コマンドと net コマンドの使用方法および、SunLink Server を Solaris システムコンソールで管理するための lanman.ini ファイルの編集方法を説明します。この章では以下の情報について説明します。

この章では、次のタスクを実行するための命令についても説明します。

「ローカル SunLink Server コンピュータを管理する方法」

「リモート SunLink Server コンピュータを管理する方法」

lanman.ini ファイルのパラメタを変更する方法」

2.1 SunLink Server のコマンド

SunLink Server のコマンドプロンプトから Solaris システムコマンドを使用して、管理タスクを実行することができます。


注 -

この章で説明しているコマンドは、英語以外の言語には翻訳されていません。


表 2-1 は使用可能な Solaris システムコマンドの一覧です。MANPATH 変数が以下のように設定されていることを確認してください。

$MANPATH:/opt/lanman/man:/opt/SUNWlznb/man

この変数の設定で、次のコマンドを SunLink Server コマンドプロンプトから入力すると各コマンドの詳細が表示されます。

man コマンド名

解説では、コマンドの目的および構文と、そのコマンドに関するコメントおよび使用例を一覧で示します。

表 2-1 SunLink Server 管理のための Solarisコマンド
 SunLink Server コマンド 説明

acladm

アクセス制御リスト (ACL) データベースの作成、確認、クリーンアップ、削除を行います。 

lmat

指定された時刻または日付にコマンドまたはプログラムが実行されるようにスケジュールします。 (Solaris システムの at コマンドも存在することに注意してください。)

blobadm

統計情報を表示し、既知または指定されたバイナリラージオブジェクト (BLOB) ファイルを確認および構成します。 

delshmem

SunLink Server 共有メモリーを削除します。 

elfread

Solaris システムコンソールにローカル SunLink Server コンピュータのイベントログを表示します。 

euctosjis

文字コードを拡張 UNIX コード (EUC) からシフト JIS ( S-JIS) に変換します。 

joindomain

SunLink Server コンピュータのドメインを、別のドメインへ移動します。 

lmshare

 サーバーの介入なしに SunLink Server 共有ファイルを操作します。

lmshell

SunLink Server コマンドプロンプトの見た目と使い心地を MS-DOS シェルのようにします。ユーザーは他のサーバーにログインやリンクを行い、DOS コマンドの一部を実行できます。 

lmstat

SunLink Server コンピュータの共有メモリーから統計情報を表示します。 

mapuname

SunLink Server ユーザー名、広域グループ名、ローカルグループ名を Solaris システムユーザー名へ対応づけます。または対応づけを解除します。 

netevent

管理警告やユーザー警告を送信します。 

regcheck

 SunLink Server のレジストリを操作してレジストリキーの列挙、レジストリ内容のダンプ、レジストリファイルの確認と修復を行います。

regconfig

SunLink Server レジストリキー情報の検索や設定を行います。 

regload

レジストリファイルが存在しない場合は作成します。また、レジストリをシステムデフォルトに再初期化します。 

samcheck

SAM データベースの確認や修正、変更ログ、ビルトイン、アカウント、LSA データベースのダンプを行います。 

setdomainname

ローカル SunLink Server コンピュータのドメイン名を変更します。 

setservername

ローカル SunLink Server コンピュータの名前を変更します。 

sjistoeuc

文字コードを S-JIS から EUC へ変換します。 

srvconfig

lanman.ini ファイルに格納されているSunLink Server 構成情報の表示と修正を行います。

winsadm

Windows インターネットネームサービス (WINS)を構成します。 

2.2 net コマンド

SunLink Server のコマンド プロンプトでは、各種オプションを設定して net コマンドを使い、多くの SunLink Server 管理タスクを実行することができます。net コマンドオプションの詳しい解説は、 表 2-3 にあります。

次の節では、SunLink Server プロンプトで利用可能な net コマンドとオプションおよび構文と使用方法を説明します。

2.2.1 ローカルサーバーとリモートサーバーの管理

サーバーのコマンドプロンプトからサーバーを管理するときは、そのサーバーをローカルサーバーと呼びます。あるサーバーを別のサーバーのコマンドプロンプトから管理するときは、管理されるサーバーをリモートサーバーと呼びます。

ネットワーククライアントコンピュータユーザーの中には、アカウントオペレータ印刷オペレータサーバーオペレータなどの職務に従事するユーザーがいます。これらのユーザーがあるタスクのために実行できる管理権限やオペレータ権限は限られています。これらの権限は、SunLink Server のコマンドプロンプトからローカルサーバーを管理するための net コマンドを使用するには十分です。

しかし、リモートの SunLink Server コンピュータを管理するために net コマンドを使用するには、そのSunLink Server コンピュータに完全な管理権限を持つ管理者としてログインする必要があります。ネットワークの一部を担当する別のオペレータに完全な管理権限を与えたくない場合は、管理されるサーバーの SunLink Server コマンドプロンプトでだけ作業する必要があります。

ローカル SunLink Server コンピュータを管理する方法

net コマンドを使用してローカル SunLink Server コンピュータを管理するには、次の手順で操作を行います。

  1. SunLink Server ソフトウェアを実行している Solaris システムにログインします。

  2. Solaris システムプロンプトで次のコマンドを入力し、ネットワークに Windows NT 管理者または Windows NT 管理権限を持つユーザーとしてログインします。

    net logon ユーザー名 パスワード

  3. 適切な net コマンドを入力します。

    net コマンドオプションの詳しい一覧については、この節の 「2.2.4 SunLink Server net コマンドオプション」を参照してください。


    注 -

    SunLink Server コンピュータの管理作業が終了したら、net logoff コマンドを入力して必ずログオフしてください。


リモート SunLink Server コンピュータを管理する方法

net コマンドをリモートでサーバー管理タスクを実行するには、net admin コマンドと、そのタスクに対応する net コマンドを使用します (次の手順 2 では net admin コマンドを入力する方法を 2 つ説明しています)。

net コマンドをリモートで入力するには、次の手順で操作を行います。

  1. ネットワークに管理者または管理権限を持つユーザーとしてログインします。(この手順を実行するためには、オペレータ権限では不十分です。)

  2. 次の方法のうち 1 つを使い、適切な net admin コマンドを入力します。

    • 実行したい各 net コマンドに対して、個別に net admin コマンドを入力します。たとえば、account という名前のサーバーの統計情報を表示するには、次のように入力します。

      net admin ¥¥account /command net statistics server

    これは、バッチファイルに有効な方法です。

    • net admin コマンドの後に、複数の net コマンドを入力します。たとえば、payroll という名前のサーバーで、複数の net コマンドを実行するには、次のように入力します。

      net admin ¥¥payroll /command

      これで管理コマンドシェルが作成され、net コマンドを続けて実行することができます。プロンプトが変更され、¥¥payroll のように、リモートで管理するサーバー名が表示されるようになります。

      このプロンプトで入力するすべての net コマンドは、指定するサーバー上で実行されます。たとえば、プロンプトで次のように入力します。

      [¥¥payroll] net share

      [¥¥payroll] net print

      ¥¥payroll はプロンプト、 net sharenet print はコマンドです。

  3. コマンドシェルを終了してプロンプトに戻るには、 exit を入力するか、CTRL+D キーを押します。


    注 -

    リモートサーバーを管理するために、 net コマンドのオプションとしてドメインまたはコンピュータ名を使用することができます。このような管理は、net admin コマンドを入力せずに、Solaris システムコマンドプロンプトで直接実行できます。たとえば、market_dom という名前のリモートドメインのローカル グループを表示するには、net localgroup /domain:market_dom と入力します。


2.2.1.1 画面のページ送り

情報が複数の画面に渡って表示される場合もあります。たとえば、次のコマンドで、net share コマンドに関する情報が複数の画面に渡って表示されます。

net help share /オプション

1 度に 1 画面ずつ表示するには、次のように more コマンドを使います。

net help share /オプション | more

情報が表示されている画面を確認した後、次のテキスト画面に移動する場合は、スペースキーを押します。

2.2.1.2 コマンドでのパスワードの使用

コマンドの中には、オプションとしてパスワードが必要なものがあります。パスワードは、コマンドと同じ行に入力して、コマンドオプションとして渡すことができます。たとえば、 jim というユーザー名でパスワードが kahuna の場合、次のように入力します。

net logon jim kahuna

また、SunLink Server コンピュータがパスワードの入力を促すようにコマンドを指定することもできます。コマンドを入力する際にパスワードの部分にアスタリスク( * ) を指定します。


注 -

Solaris オペレーティング環境ではアスタリスク ( * ) は特殊文字であるため、バックスラッシュ ( ¥ ) の後に入力します。


たとえば、上記のものと同じ資源を使用するには、次のように入力します。

net logon jim ¥*

SunLink Server ソフトウェアは次のメッセージを表示します。

Type your password:

このプロンプトでパスワードを入力しても、入力中にパスワードは画面に表示されません。これによってパスワードの機密性が守られ、セキュリティーが保護されます。

パスワードの入力が必要なコマンドでパスワードを入力しないと、SunLink Server ソフトウェアからパスワードの入力を促されます。入力するコマンドによっては、SunLink Server ソフトウェアは、たとえばユーザー名など、そのコマンドに適当な情報を入力するように促します。

2.2.1.3 コマンド確認の使用

net コマンドの中には、確認が必要なものがあります。 /yes および /no オプションで、 netコマンドが迅速に処理されるようになります。SunLink Server ソフトウェアがこれらのオプションを受け取ると、処理を中断してプロンプトを表示することがなくなります。その代わり、ユーザーのプロンプトに対する応答として、 /yes または /no オプションを受け入れます。

net コマンドに /yes ( /y ) および /no ( /n ) オプションを付けて、バッチファイルやシェルスクリプトを作成する際に SunLink Server がプロンプトを表示しないようにすることができます。

たとえば、net logoff コマンドを使用して、リモート共有資源に接続しているローカルエリアネットワークからログオフする場合は、SunLink Server ソフトウェアは次のようなプロンプトを表示します。

You have the following remote connections:

LPT1

Continuing will cancel the connections.

Do you want to continue this operation? (Y/N) [Y]:

すべての net コマンドに対して /yes および /no オプションを使い、プロンプトへの応答を予測して対処することができます。たとえば、次のように入力すると、確認のプロンプトは表示されません。

net logoff /yes

2.2.1.4 省略名の使用

この章のコマンドリファレンスのページでは、コマンド名、コマンドオプション、サービス名を常に完全な形で使用しています。しかし SunLink Server ソフトウェアは省略名を認識します。

すべてのコマンドオプションでは、他のコマンドオプションと区別するのに最低限必要な文字を、省略形として使うことができます。たとえば、次は net accounts コマンドの構文です。

net accounts [/forcelogoff:{|no }] [/minpwlen:長さ] [/maxpwage:{|unlimited}][/minpwage:] [/uniquepw:]

次の例のように、オプションを省略形にすることができます。

net accounts /f:10 /minpwl:6 /ma:unlimited /minpwa:7 /u:3

オプションの値を省略形にすることはできません (たとえば、/maxpwageunlimited オプション値を与える場合など)。

2.2.1.5 コマンドでの特殊文字の使用

入力の必要な名前またはパスワードの中には、アンパサンド ( & ) などのような特殊文字を含むものがあります。Solaris コマンドプロンプトで作業をしている場合は、SunLink Server の特殊文字が含まれる名前を入力するために、それぞれの特殊文字を入力する前に、エスケープ文字 (バックスラッシュ [ ¥ ]) を入力しなければなりません。クライアントコンピュータで操作する場合は、特殊文字を含む文字列を二重引用符で囲むことができます。

たとえば、システムコマンド プロンプトから、ユーザー名が marksp、パスワードが mrkt&dev でログインする場合は、次のように入力することができます。

net logon marksp mrkt¥&dev

よく使用される Solaris システムの特殊文字は、アスタリスク (*)、セミコロン (;)、縦棒 (|)、角括弧 ([ ])、丸括弧 [( )]、疑問符(?) 、アンパサンド (&)、山型記号 (^)、バックスラッシュ (¥)、大なり括弧および小なり括弧 (< >)、空白( )、単価記号 (@) などがあります。

この他にも使用される Solaris 特殊文字があります。特殊文字の詳細については、Solaris システムのマニュアルを参照してください。

2.2.1.6 Solaris システムの net コマンドでのパス名入力

Solaris システムでは、パス内の名前を区分するのにスラッシュを使用します。これはバックスラッシュを使うクライアントコンピュータとは異なります。しかし、多くのコマンドは、スラッシュとバックスラッシュのどちらでも動作します

Solaris システムのコマンドプロンプトでパス名を入力する場合は、次の方法のいずれも使用することができます。

net share tmpshare=c:/tmp /us:10 /r:"Share for temporary use"

net share tmpshare=c:¥¥tmp /us:10 /r:"Share for temporary use"

net share 'tmpshare=c:¥tmp' r:"Share for temporary use"

値にスペースが含まれているため、その値を二重引用符で囲みたい場合があります。たとえば、domain guests グループへのコメントを変更するには、コマンドを次のように入力します。

net group "domain guests" /comment:"All domain guests"

2.2.1.7 クライアントコンピュータでのパス名の入力

Windows 95 や Windows NT などのクライアントコンピュータのオペレーティングシステムでは、パス内の名前を区切るために、次のようにバックスラッシュを使用します。

net use f: ¥¥product¥data

2.2.2 コマンド構文の理解

次の概念を頭に入れておくと、SunLink Server コマンドを使用する際のマニュアルページの指示を理解しやすくなります。

2.2.3 net コマンドに関するヘルプ

サーバーコマンドプロンプトで入力できるすべての net コマンドに関して、オンラインヘルプが利用できます。コマンドパラメタ、構文、コマンドに関する詳細、コマンドの使用例などが提供されます。

net コマンドオプションに関する情報を得るには、SunLink Server システムプロンプトで、次のコマンドのうちいずれかを入力します。

表 2-2 net コマンドに関するヘルプ
 コマンド 説明

net help

利用可能な net コマンドの名前

net help コマンド

net コマンドの解説、構文およびオプション

net コマンド /help

net コマンドの解説、構文およびオプション

net コマンド /?

net コマンド独自の構文

net help コマンド /オプション

選択したコマンドのオプションに関する詳細な解説 

2.2.4 SunLink Server net コマンドオプション

次の表は、SunLink Server コマンドプロンプトで利用可能な SunLink Server の net コマンド オプションです。

表 2-3 SunLink Server の net コマンドオプション
 コマンド 説明

net access

サーバーの資源に対する権利を表示または修正します。このコマンドは、パイプまたは印刷待ち行列に関する権利の表示と修正を行う場合にだけ使用します。他のすべてのタイプの資源に関する権利を管理するには、net perms を使います。

net accounts

ドメインでのサーバーのロールを表示し、パスワードとログインユーザー条件の表示または修正を行います。 

net admin

SunLink Server コマンドを実行するか、またはリモートサーバー上のコマンドプロセッサを起動します。 

net auditing

資源の監査設定の表示と修正を行います。 

net browser

ローカルサーバーから見えるドメインのリストや、ドメイン内で動作中のコンピュータのリストを表示します。 

net computer

ドメイン内のコンピュータアカウントの表示や修正を行います。このコマンドは net computers としても入力できます。

net config

実行中のコントロール可能なサービスを表示します。 

net config server

サーバーサービスの実行中に、設定の表示や変更を行います。 

net continue

サーバーで入力した場合は、中断しているサービスを再起動します。クライアントコンピュータで入力した場合は、net pause によって停止していた共有プリンタを再びアクティブにします。

net device

デバイス名を一覧表示し、共有プリンタをコントロールします。オプションを付けずに使うと、指定されたサーバーのすべての共有プリンタの状態を表示します。プリンタ名オプションを付けて使うと、指定されたプリンタの状態だけを表示します。

net file

開いているすべての共有ファイルの名前と、ファイルロックがある場合は、ファイルごとにその数を表示します。オプションを付けずに使うと、サーバーで開いているすべてのファイルを一覧表示します。このコマンドは net files としても入力できます。

net group

グローバルグループの追加、表示、修正を行います。このコマンドは、net groups としても入力できます。

net help

ヘルプを参照できるネットワークコマンドとトピックの一覧を表示するか、または特定のコマンドトピックについてヘルプを提供します。

net helpmsg

ネットワークエラーメッセージに対するヘルプを提供します。 

net localgroup

ドメインのローカルグループの追加、表示、修正を行います。このコマンドは、net localgroupsとしても入力できます。

net logoff

ネットワークからユーザーをログオフします。 

net logon

ユーザーをサーバーにログインし、ユーザー名とパスワードをユーザーのクライアントに対して設定します。ユーザー名を指定しなかった場合は、Solaris システムログイン名がデフォルトとして使われます。 

net password

サーバーまたはドメインのユーザーアカウントのパスワードを変更します。 

net pause

サーバーでサービスを中断するか、またはプリンタを無効にします。 (注: このマニュアルの第 4 章の指示に従って Solaris プリンタをセットアップし、SunLink Server 共有プリンタとして確立して Microsoft Windows クライアントで利用可能とした後は、印刷待ち行列を中断する目的で net pause コマンドを使わないでください。SunLink Server ソフトウェアはこのコマンドを待ち行列を中断するのではなく、プリンタを無効にするコマンドと解釈します。コマンド ラインから待ち行列を中断するには、net print /hold コマンドを使用してください。)

net perms

サーバーの資源に対する権利と所有情報の表示と修正を行います。現在このコマンドが処理する資源は、共有、ディレクトリおよびファイルです。 

net print

印刷ジョブと印刷待ち行列の表示と制御を行い、さらに印刷待ち行列のオプションの設定または修正を行います (net pause の節の注を参照してください)。

net send

接続されたクライアントコンピュータにメッセージを送信します。 

net session

サーバーとクライアントの間のセッションの一覧表示と切り離しを行います。オプションを付けずに使うと、ローカルサーバーとのすべてのセッションに関する情報を表示します。このコマンドは net sessions としても入力できます。

net share

共有資源の作成、削除、表示を行います。クライアントが資源を利用できるようにするには、このコマンドを使用します。オプションを付けずに使用すると、このコマンドはサーバー上で共有されているすべての資源に関する情報を表示します。 

net sid

アカウント名とそれに対応するセキュリティー識別子 (SID) の間の変換を行います。 

net start

サーバーを開始します。または、オプションを付けずに使われた場合は、実行中のすべてのサービスを表示します。開始できるサービスは、Alerter、Computer Browser、Directory Replicator、EventLog、Net Logon、Netrun、Server、Time Source および WINS です。 

net statistics

統計ログを表示または消去します。 

net status

サーバーのコンピュータ名、構成設定および共有資源の一覧を表示します。 

net stop

ネットワークサービスを中止します。 

net time

クライアントの時計をサーバーまたはドメインの時計と同期するか、またはサーバーやドメインの時刻を表示します。 

net trust

ドメイン間の信頼関係の確立または解除を行い、指定されたドメインに対する信頼情報を表示します。 

net user

ユーザーアカウントの追加、修正、削除やユーザーアカウント情報の表示を行います。 

net version

コマンドが実行されているコンピュータ上で、現在実行されているネットワークソフトウェアのバージョンを表示します。 

net view

サーバーの一覧表示、またはサーバーによって共有されている資源の表示を行います。 

2.3 lanman.ini ファイルエントリ

この節では、SunLink Server のシステム構成とシステム性能を変更するために修正できる lanman.iniファイルパラメタについて説明します (他の構成値はSunLink Server Registry にも格納されています。付録 A 「SunLink Server のレジストリ」 を参照してください)。lanman.ini ファイルの構成値は SunLink Server プログラムの適切な処理のために非常に重要であり、このファイルの編集は、習熟した管理者が行う必要があります。

SunLink Server ソフトウェアを最初にインストールした時には、 lanman.ini ファイル ( /etc/opt/lanman/lanman.ini) にはいくつかのデフォルトのパラメタ値が含まれています。他のパラメタやそのパラメタが存在するセクションのタイトルは、SunLink Server 構成を変更するたびに追加されます。デフォルト値から変更されたパラメタだけが lanman.ini ファイルに追加されます。パラメタがファイルに存在しない場合 (またはセミコロンでコメントアウトされている場合) は、そのパラメタはデフォルト値に設定されます。

lanman.ini ファイルで利用可能なパラメタのいずれかを変更する前に、 lanman.ini ファイルのエントリとサーバーデフォルトとの関係を理解しておくと役立ちます。

各サーバーパラメタにはデフォルト設定があります。デフォルト設定の表示や編集を行うには、/opt/lanman/sbin ディレクトリにある srvconfig ユーティリティーを使用します。

lanman.ini ファイルを編集して、パラメタ値をデフォルト以外の値に設定することができます。lanman.ini 内のパラメタに割り当てられた値は、常にデフォルト値より優先されます。変更が実際に有効になるのは、サーバーを停止して再起動してからになります。

あるパラメタの値を、lanman.ini ファイルを直接編集してデフォルト以外の値に設定したい場合は、ファイル内の適切なセクションタイトルを探し (または追加し)、必要な パラメタ =エントリを追加します。

2.3.1 ファイル構文

lanman.ini ファイルの各セクション内には、次のようなパラメタが含まれます。

lanman.ini ファイルのパラメタを変更する方法
  1. srvconfig コマンドを使用して、サーバーパラメタのデフォルト設定を表示します。

    /opt/lanman/sbin/srvconfig -p | more

  2. vi または同等のテキストエディタを使用して lanman.iniファイルを編集します。

    ファイルは/etc/opt/lanman ディレクトリにあります。 [ lmxserver ] のように、ファイルにセクションのタイトルを追加しなければならない場合もあります。lanman.ini ファイルの適切なセクションに、パラメタ = の組を追加する必要があります。(「2.3 lanman.ini ファイルエントリ」を参照してください)。

  3. 新しい値が有効になるように、サーバーを停止して再起動します。

    srvconfig コマンドの詳細については、コマンドプロンプトで man srvconfigと入力してください。

2.3.2 ファイルパラメタ

次の表では、 lanman.ini ファイルにある構成可能なパラメタについて説明しています。パラメタは、格納されている lanman.ini ファイルのセクションに従って、グループ分けされています。

lanman.ini ファイルには、次の表に含まれていないパラメタがさらに含まれています。これらのパラメタはデバッグ用であるため、修正できません。

表 2-4 [Lmxserver] セクションパラメタ

パラメタ 

説明、値およびデフォルト設定 

anncmailslot

定期的なサーバー通知に使われるメールスロットの名前。 

値: 最大 256 文字までのパス。デフォルト: ¥¥*¥MAILSLOT¥LANMAN

入力時にバックスラッシュを二重に使うか、さもなければ入力行全体を引用符で囲む必要があります (1 つのバックスラッシュを使うには、テキスト¥¥テキスト または `テキスト¥テキスト` と入力します)。

appsources

アプリケーションログに書き込むことができるモジュール名。 

デフォルト: サーバーは起動時にこのパラメタを初期化します。 

clispooltime

共有クライアントプリンタに送信されるジョブが印刷を完了するのに許可される、分単位の間隔。印刷がこの時間に完了しない場合は、サーバー管理者に警告メッセージが送信されます。 

値: 0 (警告メッセージなし) - 無制限、 デフォルト: 20 

country

country サーバーが生成するメッセージに対する国別コード。デフォルトは 001です。 

その他の値: 

アジア- 099、オーストラリア- 061、 ベルギー - 032、カナダ - 002、デンマーク - 045、フィンランド - 358、フランス - 033、ドイツ - 049、イタリア - 039、日本 - 081、中南米 - 003、オランダ - 031、ノルウェー - 047、ポルトガル - 351、スペイン - 034、スウェーデン - 046、スイス - 041、イギリス - 044、アメリカ - 001 (デフォルト - 001) 

dll_dir

SunLink Server の Solaris システムコマンドによって使用されるメッセージテキストファイルが入るディレクトリへのパス。 

デフォルト: /opt/lanman/shares/asu/system32

lang

SunLink Server ソフトウェアがクライアント要求を処理するために使用する文字列セットを定義します。 

デフォルト: en_US

listenextension

Solaris システムの Listener プログラムが、サーバーコンピュータの名前にデフォルトで適用する拡張子。このパラメタは [server] セクションの listenname パラメタが使用される場合は無視されます。

値: 0-13 の文字と NULL を使用することができます。デフォルト: .SERVE

listennamechk

yes に設定されている場合は、Solaris Listener との名前の競合を避けるために、listenname パラメタで指定されている名前が Solaris マシン名または.serve の拡張子のついた Solaris マシン名と異なるように強制します。

デフォルト: ベンダー依存です。 

lmaddonpath

サーバープログラムに結合され、サーバー実行時に適宜呼び出されるダイナミックライブラリ (これらは /usr/include/lmx/lmaddon.h ヘッダーファイルに記述されているものです) のディレクトリ。サーバーはこれらのダイナミックライブラリを起動時に探します。

値: 最大 256 文字までのパス、デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/lmaddon

lmgetmsg_path

SunLink Server によって使用されるメッセージテキストファイルの検索順。 

デフォルト: netmsg.dll, kernel32.dll, locallspl.dll, asumsg.dll

lptmpdir

Solaris システムの LP (プリンタ) サブシステムによって使用されるテンポラリファイルのスプールディレクトリの位置。 

デフォルト: /var/spool/lp/tmp/uname

uname はサーバーの Solaris システム名です。

mapaclblob

SunLink Server のアクセス制御リスト (ACL ) データベースにアクセスするときに、メモリーをマップしてファイル処理を行うかどうかを指定します。 

値: yes、no、デフォルト: yes 

mapchangelogblob

SunLink Server 変更ログデータベースにアクセスするときに、メモリーをマップしてファイル処理を行うかどうかを指定します。 

値: yes、no、デフォルト: no 

maplsablob

SunLink Server のローカルセキュリティーオーソリティ (LSA) データベースにアクセスするときに、メモリーをマップしてファイル処理を行うかどうかを指定します。 

値: yes、no、 デフォルト: no 

mapregistryblob

SunLink Server のセキュリティーアカウントマネージャ (SAM) データベースにアクセスするときに、メモリーをマップしてファイル処理を行うかどうかを指定します。 

値: yes、no、デフォルト: no 

mapsamblob

SunLink Server のローカルセキュリティーオーソリティ (LSA) データベースにアクセスするときに、メモリーをマップしてファイル処理を行うかどうかを指定します。 

値: yes、no、デフォルト: no 

maxfilesize

Solaris システムリダイレクタが、「ローカル Solaris ユーザー」 がローカルシステム上に作成するのを許容する、Kバイト単位の最大ファイルサイズ。 

値: 100 - 無制限、デフォルト: 2097152 

msgforward

SunLink Server ソフトウェアがクライアント間のメッセージ転送を実装するかを指定します。メッセージ転送の実装は推奨されません。 

値: yes (転送実装) または no (転送を実装しない)、デフォルト: no 

nativelm

セッション設定要求または応答の追加フィールド。 

デフォルト: (ベンダー固有) 

nativeos

セッション設定要求または応答の追加フィールド。 

デフォルト: (プラットフォーム依存) 

netaddonpath

SunLink Server プログラムが起動時にダイナミックライブラリを探すディレクトリ。ディレクトリ内のダイナミックライブラリは SunLink Server プログラムに結合され、サーバーコンピュータ上のさまざまなネットワークインタフェースにアクセスするために使用されます。ネットワークインタフェースファイルのサンプルソースはデフォルトディレクトリに格納されています。 

値: 最大 256 文字までのパス、デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/networks

nethelpfile

net help コマンドによって使用されるヘルプファイルの場所 (/var/opt/lanman/msgfiles から見た相対パス)。

デフォルト: /opt/lanman/msgfiles/net.hlp

netmsgwait

応答が必要なメッセージを送信した時に、サーバーが応答を待つ秒単位の間隔。 

値: 0 - 無制限、デフォルト: 300 

network

ネットワークサーバーが使用すべきネットワークデバイス名とネットワークに対する NetBIOS 名前転送タイプ。 

値: 4 つのアイテムをコンマで区切ったセットです。各セットは、次のセットとスペースで区切られています。各セットには次の 4 つのアイテムが入ります。 

  1. 仮想回路アクセスに対するデバイス名。

    データグラムネットワークアクセスに対するデバイス名。

    上の 2 つのデバイスによって使われる NetBIOS インタフェース規約を識別する数字。現在サーバーに取り込まれている規約は、0 = OSI NetBIOS 規約の 1 つだけです。

    nlsprovider システム呼び出しによって返される、トランスポートプロバイダ名 。(Solaris システム Listener プログラムを経由した受信接続を受け入れないように構成されているネットワークに対しては、この値は無意味な文字列である場合もあります。)

prebinduxredir

Solaris システムリダイレクタ (uxredir) を使用する場合、Solaris システムの net コマンドが結合する名前を制御します。このパラメタが yes に設定されている場合は、サーバーはすべての Solaris システムの net コマンドによって使われる NetBIOS 名をあらかじめ結合します。この名前は結合済みのため、net コマンドは自分の名前を結合する必要はなく、Solaris システムのサーバーへのネットアクセスが迅速になります。このパラメタが no の場合、各 net コマンドは固有名を使うため、性能がやや低下します。

値: yes、no、デフォルト: yes 

secsources

セキュリティーログを書き込むことができるモジュール名。 

デフォルト: サーバーはこのパラメタの値を起動時に初期化します。 

srvstathelpfile

アクティビティモニタによって使われるヘルプファイルの位置。 

デフォルト: /opt/lanman/msgfiles/srvstat.hlp

stacksize

サーバーに対して内部的に行われる各タスクのバイト単位によるスタックのサイズ。 

値: 12000 - 無制限、デフォルト: 20000 

syssources

システム ログに書き込むことのできるモジュール名。 

デフォルト: サーバーはこの値を起動時に初期化します。 

表 2-5 [Fsi] セクションパラメタ

パラメタ 

説明、値およびデフォルト設定 

fsaddonpath

サーバーのファイルシステムをサポートするダイナミックリンクライブラリ (DLL) の位置。 

値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/fsaddon

fslibname

fslibpath によって識別される、新しいファイルシステムが置かれるディレクトリのサブディレクトリ。 

値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: lmfsiops.so

fslibpath

サーバーの新しいファイルシステムの位置。 

値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /usr/lib/fs

fsmap

未知のファイルシステムを既知のファイルシステムタイプにマップする、ファイルシステムタイプ識別子。 

値: コンマで区切ったマッピングの一覧、 デフォルト: unknown:s5,nfs:nfs,sfs:vxfs,cdfs:vxfs

fsnosupport

未知のファイルシステムを指定されたファイルシステムにマップします。 

デフォルト: s5

remotemounts

リモートでマウントされたファイルシステムを表すファイルシステム タイプ。 

デフォルト: nfs

表 2-6 [Workstation] セクションパラメタ

パラメタ 

説明、値およびデフォルト設定 

domain

サーバーを含むドメイン名。 

値: 最大 15 文字までの名前。文字、数字および ! # $ % & ( ) - . ^ _ { } ‾の記号を含む、どのような名前でもよい。 デフォルト: <サーバー名>_dom

表 2-7 [Server] セクションパラメタ

パラメタ 

説明、値およびデフォルト設定 

listenname

設定されている場合は、ネットワーク上のサーバー名を表します。設定されていない場合は、SunLink Server システムは、.serve 拡張子のついた Solaris マシン名 (liberty.serve など)を持つ Solaris Listner から、クライアント接続を受信する場合もあります。これは実装に依存します。Solaris システム マシン名は uname -n コマンドを使用して調べることができます。

listenname パラメタの値を変更するには、setservername コマンドを使います。このコマンドの詳細については、SunLink Server コマンドプロンプトで man setservername と入力してください。

値: 1-15 文字の任意の名前、デフォルト: NULL 

maxclients

サーバーが同時にサポートしなければならない最大のクライアント セッション数を識別します。 デフォルト : 1000 

srvservices

サーバーの起動時に自動的に開始されるサービスに関するキーワードのリスト。サービスは srvservices エントリに表示される順に従って開始されるため、netlogon がそれを必要とするすべてのサービスより前に位置することを確認してください。

デフォルト: alerter, netlogon, browser

表 2-8 [Psi] セクションパラメタ

パラメタ 

説明、値およびデフォルト設定 

psaddonpath

サーバーのプリンタサブシステムをサポートする DLL の位置。 

値: 最大 256 文字までのパス、デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/psaddon