この節では、SunLink Server のシステム構成とシステム性能を変更するために修正できる lanman.iniファイルパラメタについて説明します (他の構成値はSunLink Server Registry にも格納されています。付録 A 「SunLink Server のレジストリ」 を参照してください)。lanman.ini ファイルの構成値は SunLink Server プログラムの適切な処理のために非常に重要であり、このファイルの編集は、習熟した管理者が行う必要があります。
SunLink Server ソフトウェアを最初にインストールした時には、 lanman.ini ファイル ( /etc/opt/lanman/lanman.ini) にはいくつかのデフォルトのパラメタ値が含まれています。他のパラメタやそのパラメタが存在するセクションのタイトルは、SunLink Server 構成を変更するたびに追加されます。デフォルト値から変更されたパラメタだけが lanman.ini ファイルに追加されます。パラメタがファイルに存在しない場合 (またはセミコロンでコメントアウトされている場合) は、そのパラメタはデフォルト値に設定されます。
lanman.ini ファイルで利用可能なパラメタのいずれかを変更する前に、 lanman.ini ファイルのエントリとサーバーデフォルトとの関係を理解しておくと役立ちます。
各サーバーパラメタにはデフォルト設定があります。デフォルト設定の表示や編集を行うには、/opt/lanman/sbin ディレクトリにある srvconfig ユーティリティーを使用します。
lanman.ini ファイルを編集して、パラメタ値をデフォルト以外の値に設定することができます。lanman.ini 内のパラメタに割り当てられた値は、常にデフォルト値より優先されます。変更が実際に有効になるのは、サーバーを停止して再起動してからになります。
あるパラメタの値を、lanman.ini ファイルを直接編集してデフォルト以外の値に設定したい場合は、ファイル内の適切なセクションタイトルを探し (または追加し)、必要な パラメタ = 値エントリを追加します。
lanman.ini ファイルの各セクション内には、次のようなパラメタが含まれます。
パラメタ = 値のように、行の先頭には各パラメタの名前があり、次に等号、その後に割り当てられた値が続きます。
コメントはセミコロン ( ; ) で始まります。その行でセミコロンの前にパラメタがある場合は、そのパラメタは無視されます。
パラメタに複数の値を割り当てる場合は、パラメタ=値,値,値, ... のように、値をコンマで区切ります (この規則には例外がいくつかあります。詳細は、それぞれのパラメタの詳細箇所で紹介します)。
値がパスで構成されている場合、/ で始まる場合は、絶対パスであることを表します。パスが スラッシュ (/) で始まらない場合は、lanman ディレクトリに対して相対的であるとみなされます。
数値が 0 (数字) で始まる場合は、8 進法です。X で始まる場合は 16 進法です。1 から 9 までの数値で始まる場合は 10 進法です。
パラメタに値が割り当てられていない (等号の右側に値が存在しない) 場合は、数値を必要とするパラメタの場合は 0、文字列を必要とするパラメタの場合は NULL になります。
NULL の値はいずれのパラメタに対しても有効ではありません。
srvconfig コマンドを使用して、サーバーパラメタのデフォルト設定を表示します。
/opt/lanman/sbin/srvconfig -p | more
vi または同等のテキストエディタを使用して lanman.iniファイルを編集します。
ファイルは/etc/opt/lanman ディレクトリにあります。 [ lmxserver ] のように、ファイルにセクションのタイトルを追加しなければならない場合もあります。lanman.ini ファイルの適切なセクションに、パラメタ = 値の組を追加する必要があります。(「2.3 lanman.ini ファイルエントリ」を参照してください)。
新しい値が有効になるように、サーバーを停止して再起動します。
srvconfig コマンドの詳細については、コマンドプロンプトで man srvconfigと入力してください。
次の表では、 lanman.ini ファイルにある構成可能なパラメタについて説明しています。パラメタは、格納されている lanman.ini ファイルのセクションに従って、グループ分けされています。
lanman.ini ファイルには、次の表に含まれていないパラメタがさらに含まれています。これらのパラメタはデバッグ用であるため、修正できません。
表 2-4 [Lmxserver] セクションパラメタ表 2-5 [Fsi] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
fsaddonpath |
サーバーのファイルシステムをサポートするダイナミックリンクライブラリ (DLL) の位置。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/fsaddon |
fslibname |
fslibpath によって識別される、新しいファイルシステムが置かれるディレクトリのサブディレクトリ。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: lmfsiops.so |
fslibpath |
サーバーの新しいファイルシステムの位置。 値: 最大 256 文字までのパス、 デフォルト: /usr/lib/fs |
fsmap |
未知のファイルシステムを既知のファイルシステムタイプにマップする、ファイルシステムタイプ識別子。 値: コンマで区切ったマッピングの一覧、 デフォルト: unknown:s5,nfs:nfs,sfs:vxfs,cdfs:vxfs |
fsnosupport |
未知のファイルシステムを指定されたファイルシステムにマップします。 デフォルト: s5 |
remotemounts |
リモートでマウントされたファイルシステムを表すファイルシステム タイプ。 デフォルト: nfs |
表 2-6 [Workstation] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
domain |
サーバーを含むドメイン名。 値: 最大 15 文字までの名前。文字、数字および ! # $ % & ( ) - . ^ _ { } ‾の記号を含む、どのような名前でもよい。 デフォルト: <サーバー名>_dom |
表 2-7 [Server] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
listenname |
設定されている場合は、ネットワーク上のサーバー名を表します。設定されていない場合は、SunLink Server システムは、.serve 拡張子のついた Solaris マシン名 (liberty.serve など)を持つ Solaris Listner から、クライアント接続を受信する場合もあります。これは実装に依存します。Solaris システム マシン名は uname -n コマンドを使用して調べることができます。 listenname パラメタの値を変更するには、setservername コマンドを使います。このコマンドの詳細については、SunLink Server コマンドプロンプトで man setservername と入力してください。 値: 1-15 文字の任意の名前、デフォルト: NULL |
maxclients |
サーバーが同時にサポートしなければならない最大のクライアント セッション数を識別します。 デフォルト : 1000 |
srvservices |
サーバーの起動時に自動的に開始されるサービスに関するキーワードのリスト。サービスは srvservices エントリに表示される順に従って開始されるため、netlogon がそれを必要とするすべてのサービスより前に位置することを確認してください。 デフォルト: alerter, netlogon, browser |
表 2-8 [Psi] セクションパラメタ
パラメタ |
説明、値およびデフォルト設定 |
---|---|
psaddonpath |
サーバーのプリンタサブシステムをサポートする DLL の位置。 値: 最大 256 文字までのパス、デフォルト: /opt/lanman/lib/addon/psaddon |