この節では、Sun Cluster HA for NetBackup をインストールして、構成、登録、起動する手順を説明します。Sun Cluster HA for NetBackup を構成する前に、Sun Cluster と VERITAS NetBackup 製品をインストールし、設定しておく必要があります。
Sun Cluster HA for NetBackup の構成には、hadsconfig(1M) コマンドを使用します。詳細は、hadsconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。
このリリースの Sun Cluster で NetBackup を使用するには、scinstall(1M) コマンドと hadsconfig(1M) コマンドが Sun Cluster HA for NetBackup を認識できるようにするパッチをインストールしておく必要があります。これらのパッチは、ご購入先または SunSolve の Web サイト (http://sunsolve.sun.com から入手してください。これらのパッチをインストールするのは、Sun Cluster をインストールして構成した後で、Sun Cluster HA for NetBackup をインストールする前です。
各 Sun Cluster サーバー上で、Sun Cluster HA for NetBackup パッケージ (SUNWscnb) をインストールします (まだインストールしていない場合)。
すべてのクラスタノード上で、このパッケージはデフォルトの場所にインストールします。scinstall(1M) を実行する方法については、第 3 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。
hareg(1M) コマンドを実行して、Sun Cluster HA for NetBackup データサービスを登録します。
このコマンドを実行するのは、1 つのノード上だけです。
phys-hahost1# hareg -s -r netbackup |
hadsconfig(1M) コマンドを実行して、Sun Cluster HA for NetBackup を構成します。
hadsconfig(1M) で指定する情報については、「Sun Cluster HA for NetBackup に対する構成パラメータ」を参照してください。このコマンドを実行するのは、1 つのノード上だけです。
phys-hahost1# hadsconfig |
hareg(1M) コマンドを使用して、Sun Cluster HA for NetBackup を起動します。
このコマンドを実行するのは、1 つのノード上だけです。
phys-hahost1# hareg -y netbackup |
これで、構成は完了です。
この節では、Sun Cluster HA for NetBackup 用の構成ファイルを作成するときに hadsconfig(1M) コマンドで指定する情報について説明します。hadsconfig(1M) コマンドはテンプレートを使用して、構成ファイルを作成します。このテンプレートには、デフォルト値を持つパラメータ、値が明示的に指定されているパラメータ、値が指定されていないパラメータが含まれています。値が指定されていないパラメータに対しては、必ず値を指定する必要があります。
Sun Cluster HA for NetBackup を構成するには、表 14-1 に示すパラメータを hadsconfig(1M) で指定する必要があります。
表 14-1 Sun Cluster HA for NetBackup に対する構成パラメータ
パラメータ |
説明 |
---|---|
インスタンス名 |
インスタンスの識別子として使用される名前タグ。Sun Cluster HA for NetBackup が生成するログメッセージでは、この名前タグが参照される。hadsconfig(1M) コマンドは、ここで指定された値の前にパッケージ名を付ける。たとえば「netbackup」を指定すると、「SUNWscnb_netbackup」が生成される。 |
論理ホスト |
Sun Cluster HA for NetBackup の当該インスタンス (この節の例では、nb-master) にサービスを提供する論理ホスト名。 |
ベースインストールディレクトリ |
S77netbackup スクリプトと K77netbackup スクリプトが入っているディレクトリ。通常、このディレクトリは /usr/openv/netbackup/bin/goodies。 |
ローカル検証フラグ |
クラスタの再構成時、あるいは、NetBackup サービスが起動したときに、ローカル検証が自動的に起動するかどうかを示すフラグ。この検証は NetBackup インスタンスと同じノード上で動作する。このサービスにはリモート検証は存在しない。指定できる値は y または n。デフォルト値は y (自動的に起動)。 |
検証間隔 |
検証が終わってから次の検証が始まるまでの時間間隔 (秒単位)。デフォルト値は 60 秒。 |
再試行回数 |
ローカルノード上で NetBackup のインスタンスに障害が発生した場合に、何回再起動を試行するかを示す数。この回数だけ再起動を試行しても正常に動作しない場合、フェイルオーバーやスイッチオーバーなどの処置が行われる。デフォルト値は 3。 |
テイクオーバーフラグ |
ローカルノード上で NetBackup のインスタンスに障害が発生した場合に、関連付けられている論理ホストのテイクオーバーまたはフェイルオーバーが発生するかどうかを示すフラグ。実際にテイクオーバーまたはフェイルオーバーが発生するのは、ローカルノード上でサービスを復活させる試行が失敗したときだけである。指定できる値は y または n。デフォルト値は y。 |