この節では、Sun Cluster HA for NetBackup 用の構成ファイルを作成するときに hadsconfig(1M) コマンドで指定する情報について説明します。hadsconfig(1M) コマンドはテンプレートを使用して、構成ファイルを作成します。このテンプレートには、デフォルト値を持つパラメータ、値が明示的に指定されているパラメータ、値が指定されていないパラメータが含まれています。値が指定されていないパラメータに対しては、必ず値を指定する必要があります。
Sun Cluster HA for NetBackup を構成するには、表 14-1 に示すパラメータを hadsconfig(1M) で指定する必要があります。
表 14-1 Sun Cluster HA for NetBackup に対する構成パラメータ
パラメータ |
説明 |
---|---|
インスタンス名 |
インスタンスの識別子として使用される名前タグ。Sun Cluster HA for NetBackup が生成するログメッセージでは、この名前タグが参照される。hadsconfig(1M) コマンドは、ここで指定された値の前にパッケージ名を付ける。たとえば「netbackup」を指定すると、「SUNWscnb_netbackup」が生成される。 |
論理ホスト |
Sun Cluster HA for NetBackup の当該インスタンス (この節の例では、nb-master) にサービスを提供する論理ホスト名。 |
ベースインストールディレクトリ |
S77netbackup スクリプトと K77netbackup スクリプトが入っているディレクトリ。通常、このディレクトリは /usr/openv/netbackup/bin/goodies。 |
ローカル検証フラグ |
クラスタの再構成時、あるいは、NetBackup サービスが起動したときに、ローカル検証が自動的に起動するかどうかを示すフラグ。この検証は NetBackup インスタンスと同じノード上で動作する。このサービスにはリモート検証は存在しない。指定できる値は y または n。デフォルト値は y (自動的に起動)。 |
検証間隔 |
検証が終わってから次の検証が始まるまでの時間間隔 (秒単位)。デフォルト値は 60 秒。 |
再試行回数 |
ローカルノード上で NetBackup のインスタンスに障害が発生した場合に、何回再起動を試行するかを示す数。この回数だけ再起動を試行しても正常に動作しない場合、フェイルオーバーやスイッチオーバーなどの処置が行われる。デフォルト値は 3。 |
テイクオーバーフラグ |
ローカルノード上で NetBackup のインスタンスに障害が発生した場合に、関連付けられている論理ホストのテイクオーバーまたはフェイルオーバーが発生するかどうかを示すフラグ。実際にテイクオーバーまたはフェイルオーバーが発生するのは、ローカルノード上でサービスを復活させる試行が失敗したときだけである。指定できる値は y または n。デフォルト値は y。 |