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iPlanet Messaging Server インストールおよび管理者ガイド |
第 1 章 インストールの準備
この章では、iPlanet Messaging Server 5.1 を UNIX の稼動するマシンにインストールするための準備段階について説明します。この章には次の節が含まれています。
インストールの概要
インストールの概要
iPlanet Messaging Server 5.1 のインストールは、iPlanet サーバ製品に共通のインストールプログラムを使用して行われます。 このプログラムを使用すると、iPlanet サーバ製品群全体に渡って一貫性のある、インストール時のインタフェースおよび操作手順が使用できます。さらに、Messaging Server には、インストールの仕上げやアップグレード、さまざまなサーバプロセスの停止および起動、アップグレード済みサーバへの既存ユーザの移行などを実行するための各種ツールが装備されています。
Messaging Server をインストールする前に、インストール先のシステムが製品の必須要件を満たしていることを確認してください。 また、Messaging Server コンポーネント、およびコンポーネントが使用するディレクトリスキーマに関する一般的な内容を事前に学習しておくことも必要です。 これらに関する知識が十分でない場合、インストールを開始する前に『iPlanet Messaging Server 5.0 プロビジョニングガイド』の第 1 章をお読みください。インストール作業を開始する前に、ソフトウェアコンポーネントの構成方法を計画しておくことをお勧めします。
Messaging Server インストールプログラムには、このリリースの Messaging Server をインストールするために必要なものすべてが含まれています。 以下に例を示します。
iPlanet Messaging Server 5.1
Directory Server がインストールされていない場合、Messaging Server のインストール中に Directory Server 4.13 をインストールできます。 4.1x Directory Server がすでにインストールされている場合、最初に ims_dssetup ユーティリティを実行してディレクトリの準備を整えてから、Messaging Server をインストールしてください。詳細は、「既存の Directory Server の構成」を参照してください。iPlanet Web Server Enterprise Edition 4.1 SP 7 (Service Pack 7)
Netscape Administration Server 4.2
Netscape Directory Server 4.13
iPlanet Delegated Administrator for Messaging
iPlanet Messaging Server Directory 設定スクリプト (ims_dssetup) - 既存の Directory Server がある場合
システム要件
この節では、Messaging Server のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェアの必要条件(要件)、および Messaging Server をインストールするために必要なインストール権限の概要を説明します。 最新のハードウェアおよびソフトウェア要件は、『iPlanet Messaging Server 5.1 リリースノート』を参照してください。
ハードウェア要件
Messaging Server の必須ハードウェア要件を、次に示します。標準インストールの場合、約 500M バイトのディスク容量。 本稼動システムの場合には、製品バイナリのサポート用に 1G バイト以上を確保する必要があります。
64M バイトの RAM。 本稼動システムの場合、256M バイト以上の RAM。サイトのサイズおよびユーザ数に応じて、適切な容量の RAM を割り当てる必要があります。
ユーザのメールボックス (メッセージストア)、データベース、ログファイル、およびメッセージキューディレクトリに十分な容量が必要です。 サイトのサイズにより、これらの値が大幅に増加する場合があります。このため、サイトのサイズに応じて適切な容量を割り当ててください。
高速アクセス用 RAID (Redundant Array of Independent Disk) 記憶域 (オプション)
ソフトウェア要件
Messaging Server は Solaris 2.6、Solaris 8、および HP-UX 11.00 上で動作します。 このマニュアルは、これらの UNIX プラットフォームへのインストールについてのみ説明しています。 Windows NT に Messaging Server をインストールする場合は、『iPlanet Messaging Server 5.1 Windows NT 用インストールガイド』を参照してください。 次のパッチは、各 UNIX プラットフォームに必要なものです。
SPARC 版 Solaris 2.6 では、パッチ 105591-09 (C++ の共有ライブラリパッチ)、パッチ 106613-01 (文字セット変換)、およびその他の推奨パッチが必要です。
Solaris 2.6 および Solaris 8 で必要な推奨パッチのリストは、次の URL を参照してください。SPARC 版 Solaris では、パッチ 108827-08 および 109461-02 (またはそれ以降) に加え、次の URL にある推奨パッチが必要です。
さらに、Solaris 設定時に、ローカルサブネットにないホストへの経路指定が明確に行われていることを確認してください。
- http://access1.sun.com/patch.public/
HP-UX 11.0 では、次のオペレーティングシステム付属のソフトウェアおよびパッチが必要です。
iPlanet Delegated Administrator のコマンドラインユーティリティを使用する場合は、製品 CD または iPlanet Web サイトから iPlanet Delegated Administrator for Messaging もインストールする必要があります。 詳細は、『iPlanet Messaging Server Delegated Administrator for Messaging インストールおよび管理ガイド』を参照してください。
- XSWGR1100 (HP-UX 11.0 General Release Patches, September 2000)
XSWHWCR1100 (HP-UX 11.0 Hardware Enablement and Critical Patches)
- PHCO_21902 (df(1M) 累積パッチ)
PHCO_22314 (libc 累積パッチ)
PHCO_23499 (LVM コマンドの累積パッチ)
- HP-UX 11.00 に必要な推奨パッチのリストは、次の URL を参照してください。
- http://us-support.external.hp.com/index.html
Messenger Express のアクセスを可能にするため、Messaging Server は JavaScript 対応のブラウザを必要とします。最適なパフォーマンスを得るため、iPlanet では次のブラウザの使用をお勧めします。
Messaging 製品群の概略図
図 1-1 に、Messaging 製品群のさまざまな製品やコンポーネントの関係を示します。
図 1-1    Messaging 製品群の製品およびコンポーネント
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インストールコンポーネント
Messaging Server 製品群には、次の個別のソフトウェアコンポーネントが含まれます。
Netscape Server Core
インストール時に、Netscape Server Core をインストールするかどうかを選択できます。Netscape Server Core には、次の項で説明する製品が含まれています。
Netscape 製品主要コンポーネント (Netscape Console 4.2)
Netscape Console によって、すべての Netscape および iPlanet サーバ製品で共通のインタフェースを使用できます。 Netscape Console からは、 SMTP 対応ではないサーバの停止および起動、新規サーバインスタンスのインストール、ユーザおよびグループ情報の管理などの一般的なサーバ管理機能を実行できます。 Netscape Console は、ネットワーク上の任意のマシンに単体でインストールでき、リモートサーバの管理に使用できます。
Netscape Core Java クラス
この Java クラスは、Netscape および iPlanet サーバ製品の主要コンポーネントを実行およびサポートします。
Java Runtime Environment (JRE)
このツールおよびバイナリは、Netscape および iPlanet サーバ製品主要コンポーネントの実行およびサポートに必要です。
Netscape Directory Suite
ここでは、Netscape Directory Suite に含まれる次の製品について説明します。
Netscape Directory Server
Netscape Directory Server は、LDAP に準拠した iPlanet サーバで、ディレクトリデータベースサービスを管理し、 Messaging Server などの LDAP クライアントからの要求に応答します。 Netscape Directory Server は、マシン上で ns-slapd プロセスとして実行されます。
Netscape Directory Server Console
これは、Netscape Directory Server と共に使用することを前提に設計された、Netscape Console の一部です。Netscape Directory Server Console からは、サーバの起動と停止、アクセス制御の管理、サーバ ログの表示と構成、ディレクトリ データベースのバックアップと復元など、Directory Server 管理タスクの大半を実行できます。
Administration Services
ここでは、Administration Services インストール コンポーネントに含まれる次の製品について説明します。
Netscape Administration Server
Netscape Administration Server は、Netscape Console から送信された情報を受け取り、それを適切な iPlanet サーバに渡します。 サイトには、iPlanet サーバのインストールされたサーバルートごとに少なくとも 1 つの Administration Server が必要です。
Administration Server Console
これは、Netscape Administration Server と共に使用することを前提に設計された、Netscape Console の一部です。Administration Server Console からは、サーバの起動と停止など、大半の Administration Server タスクを実行できます。
iPlanet Messaging Applications
ここでは、Messaging Applications インストール コンポーネントに含まれる製品およびコンポーネントについて説明します。 Messaging Applications には、次のコンポーネントが含まれます。
iPlanet Message Store and Message Access (MSMA)
iPlanet Message Transfer Agent (MTA)
iPlanet Messaging Multiplexor (MMP)
High Availability for iPlanet Messaging Server (HA)
iPlanet Delegated Administrator for Messaging Command Line Utilities (iDA)
iPlanet Message Store and Message Access (MSMA)
Messaging Server は、メッセージストアを介して、一貫性のあるメッセージングサービスを提供します。 メッセージストアには、 HTTP、POP、および IMAP プロトコルを介してアクセスできます。 Message Access コンポーネントは、メッセージストアからのメッセージの取得を担当します。
iPlanet Message Transfer Agent (MTA)
MTA は、ユーザメールの経路指定と配信や、SMTP 認証の処理などのタスクを実行します。 MTA は、ホストドメイン、ドメイン別名、サーバ側フィルタなどの機能をサポートします。
iPlanet Messaging Multiplexor (MMP)
MMP は、複数の Messaging Server インスタンスへの単一の接続ポイントとして機能するプロキシサーバです。大規模なメールサービス プロバイダは、MMP を使用することにより、POP および IMAP ユーザ メールボックスを多数のマシンに分散して、メッセージング機能を向上させることができます。すべてのユーザは、単一の Multiplexor サーバに接続します。 Multiplexor サーバは、各接続を適切なメールサーバにリダイレクトします。MMP インストールの詳細は、付録 B「Messaging Multiplexor のインストール」を参照してください。
High Availability for iPlanet Messaging Server (HA)
High Availability を使用すると、メッセージストア容量の拡張やユーザフォルダのバックアップおよび修復などのサーバ管理機能を利用できるようになります。Messaging Server は、Veritas Cluster Server 1.1 以降、Sun Cluster 2.2、および Sun Cluster 3.0 高可用性クラスタリングソフトウェアと統合できるように設計されています。各種の高可用性 (High Availability) モデル、構成情報、およびインストール手順については、付録 A「高可用性 (High Availability、HA)」を参照してください。
iPlanet Delegated Administrator for Messaging Command Line Utilities (iDA)
iDA のコマンド ライン ユーティリティ (CLI) では、ドメイン、ユーザ、およびグループを規定できます。これらのユーティリティを使用して、ドメイン管理者に権限を付与することもできます。
製品階層および相互の関連性
この節では、インストールコンポーネントおよびサブコンポーネント内の依存関係の概要、ポート番号の決定方法、およびインストールした製品間の相互の関連性について説明します。
インストールするコンポーネントとサブコンポーネントの依存関係
Messaging Server の各コンポーネントには、複数のサブコンポーネントが含まれています。 各種のコンポーネントを一緒にインストールできるかどうかは、コンポーネント間の依存関係に左右されます。表 1-1 に、コンポーネントおよびサブコンポーネントの依存関係を示します。
表 1-1 Messaging Server コンポーネントおよびサブコンポーネントの依存関係
ポート番号
インストール プログラムの実行中には、さまざまなサービス用のポート番号を選択する必要があります。 ポート番号には、1 〜 65535 までの任意の番号を指定できます。インストール時に Messaging 製品間でのポート番号の衝突を避けるため、サービスごとに異なるポート番号を指定してください。 手順どおりに作業を続けると、インストールが終了するまでに、次のポート番号が設定されることになります。
ユーザやサービスの管理およびプロビショニングを行うための標準ディレクトリサーバの LDAP ポート (デフォルト : 389)
インストール中に、次のデフォルトポート番号が指定されます。 ただし、「Custom Installation」を選択する (またはいずれかのポートが使用中である) 場合は、これらのポート番号は変更できます。Netscape Console の要求を待機する Administration Server の HTTP ポート (記憶しやすいポート番号を選択してください)
Messenger Express (Webmail) の HTTP ポート (デフォルト : 80)
Delegated Administrator for Messaging の HTTP ポート (デフォルト : 8080)。このポートは、iPlanet Web Server User HTTP ポートに対応します。詳細は、『iPlanet Delegated Administrator for Messaging and Collaboration インストールおよび管理ガイド』を参照してください。
Directory Server が標準のポート番号を使用する場合、Administration Server は root として実行される必要があります (1024 より小さいポート番号にアクセスできるのは、root として認証されたユーザアカウントだけです)。
ヒント インストール時に指定したすべてのポート番号、およびそのポート番号を使用するコンポーネントを記録しておくことをお勧めします。表 1-2 を参照してください。
各製品をいつ、どこにインストールするか
この製品に含まれる Directory Server の代わりに、既存の Directory Server を使用することも可能です。 その場合、Messaging Server をインストールする前に、既存の Directory Server に対して ims_dssetup.pl を実行する必要があります (「ims_dssetup スクリプトの実行」を参照)。 詳細は、「既存の Directory Server の構成」を参照してください。iPlanet Web Server は、Delegated Administrator と同じマシンにインストールする必要があります。Messaging Server は、Delegated Administrator とは異なるマシンにインストールできます。 Web Server が存在しないと、Delegated Administrator for Messaging は動作しません。このため、Delegated Administrator for Messaging をインストールする前に Web Server をインストールする必要があります。
Delegated Administrator は、Messaging Server の直後にインストールする必要があります。Delegated Administrator をインストールする前に Messaging Server の設定を行うと、Delegated Administrator のインストール時に問題が発生する可能性があります。
ヒント インストールは、Messaging Server、Web Server、Delegated Administrator の順に実行することをお勧めします。
iPlanet Delegated Administrator for Messaging のインストールに必要な情報
Delegated Administrator には、次の Messaging Server のインストール情報が必要です。Messaging Server のインストール前またはインストール中に、情報を 表 1-2 に記録してください。Messaging をインストールする際に、次の iPlanet Delegated Administrator 関連情報を記録しておいてください。
Users and Groups Directory Server の完全指定のホスト名とドメイン名
Users and Groups Directory Server が待機するポート番号
Users and Groups Directory Server の接尾辞
Directory Manager の バインド DN とパスワード
サービス管理者 (Delegated Administrator のトップレベル管理者とも呼ばれる) のログイン ID とパスワード
iPlanet Delegated Administration for Messaging にサービスを提供する Web サーバのホスト名とポート番号
既存の Directory Server の構成
この節では、Messaging Server のインストールに備えて、既存の Directory Server を構成する方法を説明します。既存の Directory Server が存在しないか、または Messaging Server に含まれる Directory Server をインストールする場合は、この節を読む必要はありません。Messaging Server は、Netscape Directory Server 4.1x と互換性があります。Messaging Server と Directory Server は、同じプラットフォーム上でインストールおよび実行する必要があります。Messaging Server は Solaris 2.6 または Solaris 8、HP-UX 11.00、または Windows NT 4.0 で実行する必要がありますが、Directory Server は任意のプラットフォームで実行可能です。たとえば、Solaris 上で稼動する Directory Server は、HP-UX または Windows NT 上で稼動する Messaging Server に LDAP サービスを提供できます。
注 既存の Directory Server を Messaging Server と共に使用する場合、「ims_dssetup ユーティリティの実行」 の説明に従い、ims_dssetup プログラムを使用して Directory Server を構成する必要があります。
Configuration Directory Server の選択
すべての iPlanet サーバは、Directory Server を使用して構成情報を保管します。 この情報は、o=NetscapeRoot ディレクトリツリーに保管されます。 構成ディレクトリには、サーバが使用する o=NetscapeRoot ツリーを含む Directory Server が使用されます。 詳細は、Directory Server のマニュアルを参照してください。Directory Server を設定する場合、管理構成の設定を単一の LDAP サーバに集め、それを使用して、複数の iPlanet サーバを構成することをお勧めします。 このようにすると、あるサーバの Netscape Console から、同じ LDAP サーバを構成サーバ (Configuration Server) ディレクトリとして使用しているすべてのサーバが参照できます。
管理ドメイン
どの構成 LDAP サーバ上でも、サーバを複数の管理ドメイン内にグループ化して、効率を上げることができます。 最初に 1 つの Directory Server をインストールして、それを構成ディレクトリサーバ (Configuration Directory Server) にすると、管理ドメインを指定できます。 既存の Configuration Directory Server に管理ドメインを後で追加する場合は、管理コンソールを使用してください。管理ドメインを使用すると、iPlanet サーバを論理的にグループ化できるため、サーバ管理タスクの分散をより容易に行えます。 たとえば、企業内の 2 つの部門が、各部門用の iPlanet サーバを個別に制御したいとします。 ただし、企業内の全サーバを、何らかの方法で集中制御することも必要です。 管理ドメインを使用すると、こうした矛盾する目標をどちらも達成できます。
すべてのサーバが、所属するドメインに関係なく、同一の構成ディレクトリを共有します。
2 つの異なるドメイン内のサーバは、個別のユーザディレクトリを使用して認証およびユーザ管理を行えます。
構成ディレクトリ管理者には、所属するドメインに関係なく、インストール済みのすべての Netscape サーバへの完全なアクセス権が与えられます。
各管理ドメインは、管理ドメイン所有者が構成できます。 管理ドメイン所有者は、ドメイン内の全サーバへの完全なアクセス権を保持しますが、ほかの管理ドメイン内のサーバへのアクセス権は保持しません。
Users and Groups Directory Server の選択
Messaging Server を設定する際は、1 つの Directory Server を Configuration Directory Server として設定し、別の Directory Server をユーザおよびグループ用の Directory Server (Users and Groups Directory Server) として設定することをお勧めします。Messaging Server のインストール時に、次の 2 つの方法で Users and Groups Directory Server を指定できます。
Users and Groups Directory Server の新規バージョンをインストールする
既存の Users and Groups Directory Server を使用する
注 インストール完了後は、インストール時に指定した内容に関係なく、 Netscape Console を使用して Messaging Server が使用するユーザおよびグループ用ディレクトリを変更できます。
インストールタイプ
Messaging Server のインストールプログラムを使用すると、次の 4 つの方法でインストールを行うことができます。
Express Installation: このインストールタイプを選択すると、「高速」インストールが実行されます。 オプションの大半が自動的にデフォルト値に設定されるため、初心者のユーザはこのタイプを選択することをお勧めします。 Messaging Server を評価目的で使用する場合は、Express Installation が最適です。
Typical Installation: このインストールタイプは、Express Installation よりも複雑です。 オプションの中には、自動的にデフォルト値に設定されるものもありますが、使用する値を選択または入力する必要もあります。 中級ユーザや、カスタム構成を行う必要のないユーザは、Typical Installation を選択することをお勧めします。 Messaging Server を通常どおりインストールする場合は、このインストールタイプを選択してください。
Custom Installation: これは、最も複雑なインストールタイプです。 すべての構成オプションを選択または入力する必要があります。 熟練したユーザには、Custom Installation をお勧めします。 インストール時に詳細な設定を行う場合 (SMTP および IMAP ネットワークポートにデフォルト値以外を指定する場合など)は、このインストールタイプを選択してください。
Silent Installation: 複数の Messaging Server インスタンスをインストールするときに、インストール処理を自動化したい場合は、このインストールタイプを使用します。 これは、企業内で複数のサーバをインストールする場合に便利な機能です。 このインストールタイプの実行方法の詳細は、「setup プログラムの実行」を参照してください。
推奨ガイドライン
この節では、Messaging Server のインストール準備を行う際のガイドラインを示します。
インストール権限: root としてログインして Messaging Server をインストールする必要があります。
ホストおよびドメイン名: iPlanet インストールユーティリティは、ホストおよびドメイン名が UNIX システムファイルで正確に定義されているものと見なします。 iPlanet サーバをインストールする前に、hostname および domainname コマンドの両方が正確な情報を返すことを確認してください。 システムで domainname コマンドがサポートされていない場合は、/etc/resolv.conf ファイルでドメイン名を確認してください。
サーバルートディレクトリ: Messaging Server、Directory Server、および Administration Server がインストールされるディレクトリは「サーバルート」と呼ばれます。 これらのディレクトリによって一定のファイル位置構造 (ファイルディレクトリパス) が提供され、サーバ同士はこのファイルディレクトリパスを使用して互いを識別できるようになります。インストールプログラムでほかの場所を指定しない限り、Messaging Server は、デフォルトのサーバルートディレクトリにインストールされます。 デフォルトのサーバルートディレクトリを次に示します。
HP-UX のインストール用に nobody を作成する: HP-UX をインストールする前に、「権限を何も持たない、どのグループにも所属していない、root ではない、ホームディレクトリを持っていない」という特徴をもつ nobody というユーザを作成する必要があります。 Messaging Server または Directory Server のユーザは、nobody には指定しないでください。
- c:\iplanet\server5
- インストール時にサーバルートが FAT パーティションに存在する場合、NTFS パーティション上のサーバルートを選択する必要があることを示す警告メッセージが表示されます。
リソースの競合: サーバ間でリソースが競合しないようにするため、Directory Server と Messaging Server をそれぞれ別のマシンにインストールすることをお勧めします。 ただし、評価目的などで単独のシステムにインストールする場合は、この限りではありません。
強化された Solaris マシン: 強化された Solaris マシンに Messaging Server をインストールする場合は、インストール前に libx11.so.4 というダミーファイルを作成して、LD_LIBRARY_PATH に追加してください。
High Availability のインストール: Messaging Server 用の High Availability はデフォルトではインストールされません。Sun Cluster 2.2 または Veritas Cluster Server 1.1 以降をインストールする場合は、[Custom Installation] メニューから [High Availability Components] を選択するようにしてください。
注 Sun Cluster 3.0 をインストールする場合は、インストールタイプとして [Custom Installation] を選択する必要があります。ただし、
Messaging Server のインストール中には、High Availability コンポーネントを選択しないようにしてください。付録 A「高可用性 (High Availability、HA)」 を参照してください。
MMP のインストール: デフォルトでは MMP はインストールされません。MMP をインストールする場合は、メニューから選択してください。MMP をインストールするには、Typical Installation または Custom Installation を選択します。 付録 B「Messaging Multiplexor のインストール」を参照してください。
インストール手順
Messaging Server 製品群をインストールする基本的な手順を、次に示します。
「システム要件」 を検討し、要件を満たしていることを確認します。
表 1-2 の記載に従って、実行するインストールタイプで指定する必要のある情報 (ID、パスワードなど) を記録します。
既存の Directory Server を使用するか、Messaging Server に含まれる Directory Server をインストールするかを決定します。
既存の Directory Server を使用する場合、Messaging Server をインストールする前に、既存の Directory Server に対して ims_dssetup.pl スクリプトを実行する必要があります。詳細は、「ims_dssetup ユーティリティの実行」を参照してください。
インストールファイルが製品 CD 上にあること、または iPlanet Web サイトからダウンロードされていることを確認します。 詳細は、「Messaging Server のインストールファイルの転送」を参照してください。既存のDirectory Server がインストールされていない場合、または既存の Directory Server を使用しない場合は、Messaging Server に含まれる Directory Server をインストールする必要があります。 Messaging Server のインストールでは、Directory Server のインスタンスが 1 つだけ作成されます。
注 Messaging Server に含まれる Directory Server をインストールする場合は、ims_dssetup.pl スクリプトを実行する必要はありません。このスクリプトは、Directory Server がすでに存在する場合にのみ、その Directory Server に対してインストール準備の一部として実行します。 ims_dssetup.pl の実行方法については、「ims_dssetup ユーティリティの実行」を参照してください。
setup プログラムを実行して、インストールを開始します。setup プログラムの実行方法については、第 2 章「インストール手順」を参照してください。
iPlanet Messaging Server インストールチェックリスト
インストールの実行中は、表 1-2 を使用して、インストールの状態や設定値を記録してください。 この情報は、ほかの Messaging 製品をインストールしたり、今後 Messaging Server をインストールする際に、特に役立ちます。
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Last Updated July 19, 2001