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iPlanet Trustbase Transaction Manager 2.2.1 開発者ガイド



第 7 章   Identrus ログ


Identrus トランザクションコーディネータの仕様では、次の 2 つのログアクションが指定されています。

  • トランザクションコーディネータによって送受信されたすべてのメッセージのログ (原初ログ)

  • 請求用のデータの生成



概要

iPlanet Trustbase Transaction Manager は、デフォルトの Identrus メッセージ処理アクションによってこれら 2 つの条件を満たしています。データはインストール時に指定した RDBMS に格納され、開発者は標準の JDBC を介してテーブルにアクセスし、この情報を使うサービスを提供できます。この章では、RDBMS に格納されるテーブルを定義し、各テーブル間の関係を説明します。iPlanet Trustbase Transaction Manager では、次に説明するテーブルすべてを、すべての Identrus メッセージに使います。開発者がこれらのテーブルを作成する必要はありません。



データの定義




接続情報

SSL プロクシと SMTP メールリスナーは、どちらも行った接続に関するログをとります。表 7-1 に、SSL プロクシのログの各列についてまとめます。

表 7-1    SSL 接続



ssl_connection テーブル

ConnectionId  

固有の接続識別子  

ClientCertIssuerDN  

接続元クライアントの証明書発行元 DN  

ClientCertSerialNumber  

接続元クライアントの証明書のシリアル番号  

CipherSuite  

SSL セッションに使用される符号化  

ConnectTime  

接続を確立した時刻。ORACLE の DateTime フィールド  

TimeStampType  

タイムスタンプのタイプ  

ConnectIPAddr  

接続元クライアントの IP アドレス  

ConnectionFailed  

接続の成否を示す整数値。値が「1」の場合は失敗  

ConnectionFailedReason  

失敗した場合の、SSL エラーコード  

次の表では、SMTP/SMIME 接続ログの各列について説明します。表 7-2 のデータは、SMIME v2 におけるメッセージの署名の本文部分から抽出されるものです。

表 7-2    SMIME トランスポート



smime_transport テーブル

ConnectionId  

「smtp_message テーブル」へ戻るリンクを提供  

peer_issuer_dn  

メッセージの確認に使用した証明書の発行元 DN  

peer_cert_serial_number  

メッセージの確認に使用した証明書のシリアル番号  

message_protection  

メッセージに使用した保護のタイプ  

time_stamp_type  

タイムスタンプのタイプ。LOCAL または NETWORK  

time_stamp  

エントリが作成された日時  

表 7-3    SMTP 接続



smtp_connection テーブル

stream_id  

「smtp_message テーブル」へ戻るリンクを提供  

peer_ip_addr  

送信元 SMTP エージェントの IP アドレス  

timestamptype  

タイムスタンプのタイプ。LOCAL または NETWORK  

timestamp  

エントリが作成された日時  

表 7-4    SMTP メッセージ



smtp_message テーブル

stream_id  

smime_transport の固有の ID  

connection_id  

SMTP 接続の固有 ID  

recipients  

このメッセージの受取人  

sender  

このメッセージの差出人  

timestamptype  

タイムスタンプのタイプ。LOCAL または NETWORK  

message_valid  

メッセージが有効かどうか。「1」の場合は有効  

message_invalid_reason  

メッセージが無効な理由  

timestamp  

エントリが作成された日時  

ssl_connection テーブル と smtp_message テーブルには、connection_id フィールドがあり、このフィールドはアプリケーションサーバで実行中の iPlanet Trustbase Transaction Manager に渡されます。この connection_id は原初ログテーブルに格納されるため、接続元の情報を実際のリクエストと関連付けてクエリすることができます。

表 7-5    OCSP



ocsp_data テーブル

ocspid  

レコードの固有の識別子  

type  

OCSPREQUEST または OCSPRESPONSE  

message  

リクエストまたは応答の内容のテキストによる要約  

machine  

リクエストの送信先または応答の送信元の URL  

timestamp  

エントリが作成された日時  

data  

リクエストまたは応答の Base64 エンコード  


原初ログテーブル

Identrus メッセージのデフォルトのプレゼンテーションハンドラは、送受信した各メッセージについて次のデータを記録します。

表 7-6    原初ログ



raw_data テーブル

Sessionid  

このレコードを作成した原初ログセッションの ID  

Logconnectionid  

セッション内の接続 ID  

Recordid  

セッション内のレコードの ID  

msggrpid  

メッセージの NIB からの Identrus MsgGrpId  

msgid  

メッセージの NIB からの Identrus MsgId  

doctype  

メッセージの DOCTYPE。CSCRequest や PingRequest など  

recordmarker  

順番に増加する固有の識別子  

connectionid  

このレコードを SSL または SMIME の接続ログにリンクする接続 ID  

protocoltype  

メッセージの受信に使用されたプロトコル。HTTP または SMTP  

input  

メッセージが iPlanet Trustbase Transaction Manager で送信されたか、受信されたか。「1」は受信  

timestamp  

レコードがログされた時点での UNIX の時刻を示す整数  

rawdata  

Identrus メッセージ XML (CertBundle フィールドなし)。バンドルからの証明書は、「cert_data テーブル」に別に記録される  

digestofrecord  

このレコードの SHA-1 ダイジェスト  

signeddigestofcalculation  

このレコードの RSA 署名と、前のレコードからのデータ  

servercertissuerdn  

署名の確認に使用した証明書の発行元 DN  

servercertserialnumber  

署名の確認に使用した証明書のシリアル番号  

各 Identrus メッセージに関するログデータの量を抑えるために、メッセージヘッダに含まれる証明書は省略され、証明書テーブルに格納されます。iPlanet Trustbase Transaction Manager で、すでに特定の証明書がテーブルにログされている場合、同じ証明書が再びログされることはありません。テーブルに格納される情報は次のとおりです。

表 7-7    証明書データ



cert_data テーブル

IssuerDN  

証明書の発行元の識別名。RFC 2253 形式の文字列  

SerialNumber  

証明書のシリアル番号  

CertData  

Base64 の証明書データ  

このデータは、不正な編集を検知できるように設計されており、サービスによって原初ログテーブルやタンパテーブルのデータが編集されることは決してありません。不正な編集を検知するために、連続のハッシュが生成され、各レコードとともに格納されます。また、現在のハッシュは、別のタンパテーブルの署名済みレコード内に格納されます。タンパテーブルのフィールドについては、ここでは説明しません。原初ログ内のレコードで不正編集が行われていないかどうかを確認する方法については、『構成およびインストールガイド』を参照してください。


請求レコード

請求レコードは、原初メッセージログ内の情報のサブセットであり、各トランザクションを誰が行ったかを見極めるのに十分な情報が記録されています。これらのテーブルは、カスタマ用の実際の請求書を生成する、サードパーティのツールで使用するように設計されています。請求テーブルの各列について、次の表にまとめます。

表 7-8    請求データ



bill_data テーブル

RawRecordId  

関連する原初ログテーブルレコードの RawRecordId  

SubjectDN  

必須の Identrus レベル 1 メッセージ署名から抽出された、送信元の識別名。これにより、請求先が決定される  

IssuerDN  

必須の Identrus レベル 1 メッセージ署名から抽出された、発行元の識別名。このメッセージの署名に使用された実際のキーを識別するために、次のシリアル番号のフィールドとともに使用される  

SerialNumber  

メッセージの署名に使用された実際のキーの識別に使用できる、送信元の証明書のシリアル番号。発行元の識別名とともに使用される  


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最終更新日 2001 年 3 月 14 日