Sun N1 Grid Engine 6.1 管理ガイド

機能ポリシーの構成

機能スケジューリングは、ジョブの重要性を決定するための、非フィードバック方法です。機能スケジューリングは、ジョブと、発行を行うユーザー、プロジェクト、部署、およびジョブクラスを関連付けます。機能スケジューリングは、プライオリティスケジューリングと呼ばれることもあります。機能ポリシーの設定により、定義済みの配分が常に各ユーザー、プロジェクト、または部署に保証されます。予定よりも少ないリソースを使用したユーザー、プロジェクト、または部署のジョブが優先されるのは、システムがアイドル状態のリソースに対してジョブを振り分けた場合のみです。

同時に、未使用の配分の比率は、リソースを必要とするユーザー、プロジェクト、および部署で分配されるため、完全なリソースの使用が保証されます。過去のリソース消費は考慮されません。

ジョブの実際のエンタイトルメントを決定する際に、システムリソースに対する機能ポリシーのエンタイトルメントは、そのほかのエンタイトルメントと結び付けられます。たとえば、機能ポリシーのエンタイトルメントは、共有ベースポリシーのエンタイトルメントと結び付けられる場合があります。

機能ポリシーに割り当てられたチケットの合計数は、3 つのスケジューリングポリシーの間での機能スケジューリングの重みを決定します。インストール時に、管理者は機能チケットの合計数を、ユーザー、部署、プロジェクト、ジョブ、およびジョブクラスの機能カテゴリに分割します。

機能共有

機能共有は、各機能カテゴリ (ユーザー、部署、プロジェクト、ジョブ、ジョブクラス) のあらゆるメンバーに割り当てられます。それらの配分は、カテゴリのメンバーに関連付けられている各ジョブが受ける資格を持つ、そのカテゴリ用のチケット全体に占める割合を示します。たとえば、ユーザー davidson が 200、ユーザー donlee が 100 の配分の場合、存在するチケット数に関係なく、davidson が発行するジョブは donlee のジョブよりも 2 倍多くの user-functional-tickets を得ることができます。

各カテゴリに割り当てられた機能チケットは、特定のカテゴリに関連付けられているすべてのジョブ間で分配されます。

QMON を使用した機能共有ポリシーの構成

QMON Policy Configuration」ダイアログボックスの下部にある「Functional Policy」をクリックします。「Functional Policy」ダイアログボックスが表示されます。

Function Category List

機能共有を定義する対象の機能カテゴリ (ユーザー、プロジェクト、部署、またはジョブ) を選択します。

「Functional Shares」テーブル

「Functional Shares」の下にあるテーブルはスクロール可能です。テーブルには次の情報が表示されます。

QMON は、「Functional Policy」ダイアログボックスに表示される情報を定期的に更新します。ただちに表示を更新させるには、「Refresh」をクリックします。

行なったすべてのノードの変更を保存するには、「Apply」をクリックします。変更を保存することなくダイアログボックスを閉じるには、「Done」をクリックします。

機能構成の変更

「Functional Shares」テーブルの上にある曲がった矢印をクリックして、構成ダイアログボックスを開きます。

「Ratio Between Sorts Of Functional Tickets」

「Ratio Between Sorts Of Functional Tickets」を表示するには、「Functional Shares」テーブルの右側にある矢印をクリックします。

「User [%]」、「Department [%]」、「Project [%]」、「Job [%]」および「Job Class [%]」の合計は常に 100% になります。

いずれかのスライダを動かすと、変化を補うために、ロックされていないそのほかすべてのスライダが変化します。

ロックが開いている場合は、ロックが保護するスライダは自由に動きます。直接操作されることによって動くことも、別のスライダが動かされたために、動くこともあります。錠が閉じていると、錠が保護するスライダは動きません。4 つの錠が閉じていて 1 つが開いている場合は、どのスライダも動かせません。

コマンド行からの機能共有ポリシーの構成


注 –

QMON を使用する場合にのみ機能共有をジョブに割り当てることができます。この機能に関してはコマンド行インタフェースは使用できません。


コマンド行から機能共有ポリシーを構成するには、適切なオプションを指定した qconf コマンドを使用します。

Procedureユーザー、プロジェクト、および部署に基づく機能スケジューリングの作成方法

この設定を使用して、クラスタ内のすべてのリソースのある種の配分割り当てを、さまざまなユーザー、プロジェクト、または部署に対して作成します。同じユーザー、プロジェクト、または部署のジョブでは、先着順のスケジューリングが使用されます。

  1. 「Scheduler Configuration」ダイアログボックスで、「Share Functional Tickets」チェックボックスを選択します。

    「機能チケットの分配の共有」、および sched_conf(5) のマニュアルページを参照してください。

  2. スケジューラ構成で、機能チケットの数 (1000000 など) を指定します。

    QMON を使用したポリシーに基づくリソース管理の構成」、および sched_conf(5) のマニュアルページを参照してください。

  3. スケジューリング関連の項目を追加します。

  4. 各ユーザー、プロジェクト、または部署に機能共有を割り当てます。

    QMON を使用したユーザーアクセスリストの構成」、および access_list(5) のマニュアルページを参照してください。

    全体に対するパーセンテージとして配分を割り当てます。次に例を示します。

    ユーザーの場合

    • UserA (10)

    • UserB (20)

    • UserC (20)

    • UserD (20)

    プロジェクトの場合

    • ProjectA (55)

    • ProjectB (45)

    部署の場合

    • DepartmentA (90)

    • DepartmentB (5)

    • DepartmentC (5)