Sun N1 Grid Engine 6.1 管理ガイド

優先ポリシーの構成

優先スケジューリングでは、Grid Engine システムの管理者またはオペレータは、ユーザー、部署、プロジェクト、ジョブクラスに関連付けられている、1 つまたはすべてのジョブの相対的な重要性を動的に調整することができます。この調整では、指定されたジョブ、ユーザー、部署、プロジェクト、またはジョブクラスにチケットを追加します。優先チケットを追加すると、優先スケジューリングでは、ユーザー、部署、プロジェクト、またはジョブが受け取るチケットの合計数が増加します。その結果、リソースの全体配分が増加します。

また、優先チケットを追加すると、システムのチケットの合計数も増加します。こうした追加のチケットによって、あらゆるジョブのチケットの価値が低下します。

優先チケットは、次の 2 つの用途に使用できます。

ジョブに直接割り当てられた優先チケットは、そのジョブが完了すると消滅します。ほかのすべてのチケットは元の価値に戻ります。ユーザー、部署、プロジェクト、ジョブクラスに割り当てられた優先チケットは、管理者が明示的にチケットを削除するまで、システムに留まります。

「Policy Configuration」ダイアログボックスには、システムでアクティブな優先チケットの現在の数が表示されます。


注 –

優先エントリは「Override」ダイアログボックスに残ります。不必要になった時点で管理者がこれらのエントリを明示的に削除しなかった場合、以降の運用に影響が出ることがあります。


QMON を使用した優先ポリシーの構成

QMON Policy Configuration」ダイアログボックスの下部にある「Override Policy」をクリックします。「Override Policy」ダイアログボックスが表示されます。

「Override Category」リスト

優先チケットを定義する対象である業務優先カテゴリ (ユーザー、プロジェクト、部署、またはジョブ) を選択します。

優先テーブル

優先テーブルはスクロール可能です。次の情報が表示されます。

QMON は、「Override Policy」ダイアログボックスに表示される情報を定期的に更新します。ただちに表示を更新させるには、「Refresh」をクリックします。

行なった優先に関するすべての変更を保存するには、「Apply」をクリックします。変更を保存することなくダイアログボックスを閉じるには、「Done」をクリックします。

優先構成の変更

優先テーブルの上にある曲がった矢印をクリックして、構成ダイアログボックスを開きます。

コマンド行からの優先ポリシーの構成


注 –

QMON を使用する場合にのみ優先チケットをジョブに割り当てることができます。この機能に関してはコマンド行インタフェースは使用できません。


コマンド行から優先ポリシーを構成するには、適切なオプションを指定した qconf コマンドを使用します。