Sun Management Center 4.0 インストールと構成ガイド

Procedure es-imagetool でエージェント更新イメージを作成する

es-imagetool では、次のいずれか 1 つを含むエージェント更新イメージを作成できます。


注 –

この手順では、Sun Management Center がデフォルトディレクトリの /opt にインストールされていると想定しています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


  1. Sun Management Center 4.0 サーバーマシンに、root としてログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、Sun Management Center コマンド行イメージツールを実行します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-imagetool
    
  3. 更新するコンポーネントを選択します。

    更新イメージに追加するコンポーネントを選択するように求めるメッセージが表示されます。例を示します。


    更新イメージに追加するコンポーネントを選択します。
    
    ベースエージェントのコンポーネントをアップグレードしますか (y|n|q) y
    アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレードしますか (y|n|q) y
    

    y と入力して更新イメージにコンポーネントを追加するか、あるいは n と入力して更新イメージからコンポーネントを除外します。

    有効なソースディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  4. 有効な Sun Management Center 4.0 ソースディレクトリを指定します。

    • DVD からインストールする場合は、Sun Management Center 4.0 のインストールイメージがあるディレクトリのパスを入力します。次に例を示します。


      インストールファイルのソースディレクトリを入力してください: /DiskMountDir/image
      
    • ディスク上の Sun Management Center 4.0 インストールイメージからインストールする場合は、イメージディレクトリ disk1/image のパスを入力します。次に例を示します。


      インストールファイルのソースディレクトリを入力してください: /net/machine/installdir/disk1/image
      

      machine にはインストールイメージを作成するマシンを指定し、installdir には Sun Management Center 4.0 disk1 および disk2 イメージを含むディレクトリを指定します。インストールイメージの詳細は、「インストールソースの確認」を参照してください。

      • 「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレードしますか」という問い合わせに対して y と応答すると、インストールのターゲットディレクトリを指定することを求められます。手順 5 に進みます。

      • 「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレードしますか」という問い合わせに対して n、「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレードしますか」という問い合わせに対して y と応答すると、インストールのターゲットディレクトリを指定することを求められます。手順 6 に進みます。

  5. Sun Management Center 4.0 インストールのターゲットディレクトリを指定します。

    ターゲットディレクトリは、Sun Management Center 4.0 の SUNWsymon ディレクトリが存在するディレクトリです。このディレクトリが存在しない場合は、作成されます。

    • エージェントがまだインストールされていない場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 古いバージョンのエージェントがすでに別のディレクトリにインストールされている場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 同じバージョンのエージェントがすでに別のディレクトリにインストールされており、かつ、適用しようとしている更新イメージに新しいソフトウェアが含まれていると、既存のディレクトリ内にある古いエージェントが更新されます。

    次に 1 つの例を示します。

    この例では、ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを作成済みで、ターゲットディレクトリとして /opt を指定したと仮定します。また、次の状態にある 5 台のマシンに更新イメージを適用すると仮定します。

    • マシン A では、Sun Management Center 3.6.1 が /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン B では、Sun Management Center 3.6.1 が /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン C では、Sun Management Center コンポーネントはインストールされていない。

    • マシン D では、Sun Management Center 4.0 ベースエージェントだけ /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン E では、Sun Management Center 4.0 ベースエージェントだけ /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    これらの 5 台のマシンに Sun Management Center 4.0 ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを適用すると、各マシンは次のように更新されます。

    • マシン A では、Sun Management Center 4.0 エージェントが再インストールされて、ディレクトリ /opt/SUNWsymon にあるバージョン 3.6.1 のエージェントが置き換えられる。

    • マシン B では、Sun Management Center 4.0 エージェントはディレクトリ /opt/SUNWsymon にインストールされる。

    • マシン C では、Sun Management Center 4.0 エージェントは /opt/SUNWsymon ディレクトリにインストールされる。

    • マシン D では、/opt/SUNWsymon ディレクトリにあるベースエージェントが、追加パッケージとともにバージョン 4.0 にアップグレードされる。

    • マシン E では、/export/home/opt/SUNWsymon にあるベースエージェントが、追加パッケージとともにバージョン 4.0 にアップグレードされる。

    エージェント更新イメージの名前を指定するように求めるメッセージが表示されます。

  6. エージェント更新イメージの名前を指定します。

    エージェント更新イメージの名前に、その種類を反映した名前を指定して (たとえば、Ultra60agent、SPARC-baseagent、x86–baseagent、Linux agent など) を指定して、Return キーを押します。

    更新イメージは、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate/update-image-name に作成されます。update-image-name の部分が、指定した名前になります。

    対象マシンのプラットフォーム (Solaris または Linux) のバージョンを選択します。

    イメージツールは、ツールが動作しているマシンのプラットフォームのバージョンに関係なく、Sun Management Center がサポートしているすべてのバージョン用のイメージを作成できます。ここでは、Solaris の任意のバージョンを選択することも、すべてのバージョンを選択することもできます。

  7. 対象マシンが使用しているプラットフォームのバージョンを選択します。

    サポートされているバージョンが表示され、すべてのバージョンを選択するか問い合わせがあります。

    • 対象マシンにすべての Solaris および Linux バージョンが含まれる場合は、y と答えます。

      使用できるアドオン製品がチェックされます。手順 8 に進みます。

    • 対象マシンに含まれないバージョンがある場合は、n と答えます。

      Solaris および Linux の各バージョンが表示され、そのバージョンのイメージを作成するか問い合わせがあります。対象マシンに応じて、y または n と応答します。次に例を示します。


      すべての OS-Arch の組み合わせを選択しますか (y|n|q) n
      sparc-sun-Solaris_8 用のイメージを作成しますか (y|n|q) y
      sparc-sun-Solaris_9 用のイメージを作成しますか (y|n|q) n
      sparc-sun-Solaris_10 用のイメージを作成しますか (y|n|q) y
      i386-sun-Solaris_9 用のイメージを作成しますか (y|n|q) n
      i386-sun-Solaris_10 用のイメージを作成しますか (y|n|q) y
      i686-sun-Linux_2.6 用のイメージを作成しますか (y|n|q) n
      

      注意 – 注意 –

      エージェント更新イメージを作成するときに Solaris のバージョンを指定しなかった場合、そのバージョンの Solaris のマシンに更新イメージを適用することはできません。


    • 手順 3 で「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレード」だけを選 択した場合は、手順 9 に進みます。

    • 手順 3 で「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレード」を選択した場合は、アドオン製品がチェックされ、エージェントを更新できる製品の一覧が表示されます。手順 8 に進みます。

  8. 更新するエージェントアドオン製品を選択します。

    使用できるアドオン製品が示され、そのアドオン製品ごとに、インストールするかどうか問い合わせがあります。y と答えて更新イメージにアドオンソフトウェアを追加するか、あるいは n と答えてイメージからアドオンソフトウェアを除外します。

    アップグレードするアドオン製品の選択が完了したところで、Sun Management Center エージェントポートを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  9. Sun Management Center エージェントのポートを指定します。

    ほとんどの場合、SNMP デーモンに割り当てられてこのデーモンで使用されるデフォルトのポートはポート 161 です。ただし、他のプロセスまたはデーモンがこのポート 161 を使用していることがあります。Sun 以外からも SNMP デーモンの代替または機能強化プログラムが提供されており、システムにインストールされていることもあります。Sun Management Center エージェントはそのようなデーモンの 1 つです。各対象マシン上の Sun Management Center のセットアップ時に別のポート番号が指定された可能性もあります。


    注意 – 注意 –

    ポート 161 を選択する場合は、各対象マシンでエージェントを再起動する前に各マシンでポート 161 を使用しているプロセスをすべて停止し、無効にする必要があります。各マシンで SNMP デーモンを停止、無効にしても、ポート 161 を使用する実際のプロセスが必ず停止されるわけではありません。 ポート 161 を使用する実際のデーモンプロセスを確認するには、すべての /etc/rcN ファイルとすべての /etc/rcN.d ファイルを手動で調べる必要があります (N は 0 から 6 と S)。ポート 161 を使用するプロセスを定義するファイルを特定できたら、そのファイルの名前を変更してプロセスを無効にできます。次に例を示します。


    /etc/rc3.d# mv S76snmpdx s76snmpdx
    

    対象マシンごとにポート 161 を使用するデーモンを無効にする必要があります。


    Return キーを押して各対象マシンでポート 161 を使用するように指定するか 、あるいは別のポート番号を入力します。

    • 手順 3 で「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレード」だけを選択した場合は、十分なディスク容量があるかどうかがチェックされます。十分な容量がある場合は、エージェント更新イメージが作成されます。

      イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。イメージツールが終了します。更新イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

    • 手順 3 で「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレード」を選択した場合は、ユーザーがエージェント更新イメージ向けに選択したアドオン製品の中に、セットアップに関する応答が必要なものがあるかどうかがチェックされます。

      選択されている製品の中にセットアップに関する応答を必要とするものがある場合、イメージツールプロセスは更新対象のアドオン製品を順に処理します。このとき、各製品が必要とする応答を入力するよう求められます。詳細は、各アドオンに付属のマニュアルを参照してください。

      アドオン製品のセットアップに関する応答の指定が終了すると、ディスク容量がチェックされます。十分な容量がある場合は、エージェント更新イメージが作成されます。

      イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。イメージツールが終了します。更新イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

    更新イメージ作成が作成されると、そのことを知らせるメッセージが表示されます。更新イメージの作成状態は、ログファイル /var/opt/SUNWsymon/install/es-imagetool_host-name.date-and-time-string.process-id を調べることによって確認できます。

    • host-name は、更新イメージの作成に使用した Sun Management Center 4.0 サーバーの名前です。

    • date-and-time-string は、イメージが作成された年、日付、および時刻です。

    • process-id は、エージェント更新イメージを作成したイメージツールセッションのプロセス ID です。

    この時点で、対象マシンにイメージを適用できます。