| Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Application Adapter for SAP R/3ユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.3.0) B61418-01 |
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この章では、Oracle Adapter Application Explorer (アプリケーション・エクスプローラ)を使用してSAPシステムへ接続するためのターゲットを定義する方法、システム・オブジェクトを表示する方法、およびXMLスキーマとWebサービスを作成する方法を説明します。また、イベント・アダプタの構成方法についても説明します。
この章では、以下のトピックについて説明します。
アプリケーション・エクスプローラを起動するには:
アプリケーション・エクスプローラがデプロイされているOracle WebLogic Serverが起動していることを確認します。
図3-1に示すように、Windowsの「スタート」メニューから「すべてのプログラム」→「Oracle Application Adapters」を選択して、「Application Explorer」をクリックします。
アプリケーション・エクスプローラが表示されます。
または、次のディレクトリにあるae.batファイルを実行してアプリケーション・エクスプローラを起動することもできます。
Oracle SOA Suite:
<ORACLE_HOME>\soa\thirdparty\ApplicationAdapters\tools\iwae\bin\ae.bat
Oracle Service Bus(OSB):
<OSB_HOME>\Oracle_OSB1\3rdparty\ApplicationAdapters\tools\iwae\bin\ae.bat
デスクトップ上にae.batファイルへのショートカットを作成することをお薦めします。
UNIXまたはLinuxプラットフォームを使用している場合は、iwae.shファイルを使用してアプリケーション・エクスプローラを起動できます。
アプリケーション・エクスプローラが起動します。これで、SAP R/3システムへの新規ターゲットを定義する準備ができました。
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注意: iwae.shファイルをUNIXまたはLinuxプラットフォームで実行する前に、次の例に示すように、権限を変更する必要があります。chmod +x iwae.sh |
リポジトリは、構成の詳細、アダプタのターゲット、チャネルに関する情報、およびその他の構成情報が格納されます。BSEおよびJ2CAリポジトリ設定の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Application Adaptersインストレーション・ガイド』(データベース・リポジトリの構成に関する項)を参照してください。
Oracle Application Adapter for SAP R/3でアプリケーション・エクスプローラを使用するには、まずリポジトリ構成を作成しなければなりません。作成できるリポジトリ構成はWebサービスとJ2CAの2種類で、アダプタをデプロイするコンテナによって異なります。
設計時、リポジトリは、アプリケーション・エクスプローラを使用してアダプタ接続の構成、EISオブジェクトの表示、サービスの構成、およびEISイベントをリスニングするリスナーの構成を行なう際に作成されるメタデータの保存に使われます。リポジトリ内の情報は実行時に参照することもできます。
WebサービスとBSEは同じタイプのデプロイメントを参照します。詳細については「アダプタの機能」を参照してください。
アプリケーション・エクスプローラを使用してBSEの構成を作成するには、まず新しい構成を作成する必要があります。
BSE用の新規構成の定義
configuration for BSE用の新規構成を定義するには:
アプリケーション・エクスプローラを起動します。
図3-2に示すように、新しい構成の名前(たとえばSampleConfig)を入力して「OK」をクリックします。
iBSE URLフィールドでデフォルトのURLを受け入れるか、または次のフォーマットで別のURLと置き換えます。
http://host name:port/ibse/IBSEServlet
ここで、host nameはOracle WebLogic Serverが存在するシステムで、portは管理されているOracle WebLogic Server用のHTTPポート番号です(「soa_server1」など)。
「OK」をクリックします。
図3-3に示すように、ルート「構成」ノードの下に新規構成を表わすノードが表示されます。
アプリケーション・エクスプローラを使用してOracle Adapter J2CA用の構成を作成するには、先に新規構成を作成する必要があります。
J2CA用の新規構成の定義
J2CA用の新規構成を定義するには:
アプリケーション・エクスプローラを起動します。
図3-4に示すように、「新規構成」ダイアログが表示されます。
新規構成の名前を入力し(たとえば「SampleConfig」など)、「OK」をクリックします。
「OK」をクリックします。
図3-5に示すように、新しい構成を示すノードがルートの「構成」ノードの下に表示されます。
Oracle Adapter J2CA構成フォルダが次の場所に格納されます。
<ADAPTER_HOME>\soa\thirdparty\ApplicationAdapters\config\configuration_name
ここで、configuration_nameは作成した構成の名前です(たとえば「SampleConfig」など)。
HTTPリポジトリ接続
J2CAユーザーは、WSDLドキュメントのリモート生成および格納を可能にするHTTPリポジトリ接続を作成できます。アプリケーション・エクスプローラでHTTPリポジトリ接続を作成するには、次のステップを実行します:HTTPリポジトリを使用するには、iwjcaivpテスト・ツール(jca-app-adapter-test)が正常にデプロイされ、実行中であることを確認します。
アプリケーション・エクスプローラを起動します。
左ペインで「コンフィギュレーション」ノードを右クリックし、「新規」を選択します。
「新規コンフィギュレーション」ダイアログが表示されます。
構成の名前を入力し、「OK」をクリックします。
「サービス・プロバイダ」リスト・ボックスから、JCAを選択し、「ホーム」フィールドにHTTPターゲット値を入力します。
HTTPターゲット値には次のフォーマットを使用します。
http://host name:port/iwafjca/JCAServlet
例:
http://iwserv14:7777/iwafjca/JCAServlet
「OK」をクリックします。
新規のHTTPリポジトリ接続が「コンフィギュレーション」ノードに追加されます。
リモート・サーバーに接続した後、新規のアダプタ・ターゲットの作成、WSDLドキュメントの生成、およびリモート・サーバーへのこれらの格納ができます。
注意: J2CA HTTPリポジトリを使用してアダプタ・ターゲットを構成するとき、Oracle WebLogic Serverをランタイムの目的で再起動する必要はありません。
新規構成に接続するには:
「接続」を選択します。
「アダプタ」、「イベント」および「ビジネス・サービス」(Webサービスとしても知られる)のノードが表示されます。「ビジネス・サービス」ノードは、BSE構成の場合にのみ表示されます。J2CA構成に接続している場合は、「ビジネス・サービス」ノードは表示されません。
BSE構成を使用してる場合は、「イベント」は表示されません。イベントはJ2CA構成を使用した場合にのみ構成できます。
図3-6に示すように、SampleConfigという名前のBSE構成が表示されます。
「Adapters」フォルダを使用して、SAP R/3とのインバウンド相互作用を作成できます。たとえば、「Adapters」フォルダ内のSAPノードを使用してSAP R/3を更新するサービスを構成します。
「ビジネス・サービス」フォルダ(BSE構成の場合のみ)を使用して、「アダプタ」フォルダで作成されたWebサービスをテストします。「ビジネス・サービス」フォルダのセキュリティ機能を使用して、Webサービスのセキュリティ設定を制御することもできます。
以上でSAP R/3に新しいターゲットを定義できます。
アプリケーションの定義には、Oracle Application Adapter for SAP R/3のターゲットを追加することが含まれます。アプリケーション・エクスプローラでのターゲットの設定には、このターゲット固有の情報が必要です。
使用可能なビジネス機能を参照するには、まずSAP R/3へのターゲットを定義しなければなりません。ターゲットは、定義すると自動的に保存されます。ユーザーは、アプリケーション・エクスプローラを起動するごとにSAP R/3システムに接続しなければなりません。また、接続遮断後もそのつど再接続しなければなりません。
アプリケーション・エクスプローラを起動すると、インストールされているアダプタに基づいて、アプリケーション・エクスプローラでサポートされているアプリケーション・システムが(ノードとして)左ペインに表示されます。
初めてSAP R/3に接続するには、新しいターゲットを定義しなければなりません。Oracle Application Adapter for SAP R/3は、SAP R/3の標準セキュリティとSNCの追加プロトコルをサポートしています。SAP R/3への接続後は、アプリケーションのセキュリティはユーザーのID、ロール、およびプロファイルによって管理されます。SAPのアプリケーション・セキュリティについては、SAPの該当ドキュメントを参照してください。
J2CA構成で作業をする際にターゲットの作成、更新、および削除を行なうには、アプリケーション・サーバーを再起動する必要があります。アプリケーション・サーバーは、ターゲットの作成後やターゲットへの接続後、およびSAP R/3ビジネス・オブジェクト用にWSDLを作成した後も再起動しなければなりません。また、アプリケーション・サーバーの再起動時には、必ずアプリケーション・エクスプローラを終了させてください。
左ペインで、 「アダプタ」ノードを展開します。
図3-7に示すように、インストールされているアダプタに基づき、アプリケーション・エクスプローラでサポートされているアプリケーション・システムがノードとして表示されます。
図3-8に示すように、「MySAP」ノードをクリックして「ターゲットの追加」を選択します。
The 「ターゲットの追加」ダイアログが表示されます。次の情報を入力してください。
「タイプ」リストから、接続しようとしているターゲットのタイプを選択します。サポートされているターゲット・タイプは「メッセージ・サーバー」または「アプリケーション・サーバー」(デフォルト)です。
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注意: ロード・バランシングのために、通常、1つのSAP R/3システムのアプリケーション・サーバーは複数のログオン・グループに構成され、それぞれのグループが特定のユーザーに割り当てられます。各グループのアプリケーション・サーバーは最も負荷を小さくするという原則に基づいてユーザーに割り当てられ、このロード・バランシングはメッセージ・サーバーによって行なわれます。それぞれのSAP R/3システムは1つだけメッセージ・サーバーを持っており、メッセージ・サーバーにはTCPを通じ特定のメッセージ・サーバー・ポートでアクセスすることができます。 |
「OK」をクリックします。
図3-9に示すように、「アプリケーション・サーバー」ダイアログが表示されます。
ユーザー(必須)
システム(必須)
詳細
セキュリティ
「ユーザー」タブ(必須)には、以下の表に基づき、使用するSAP R/3ターゲットに関する適切な情報を入力します。
表3-1 「ユーザー」タブのパラメータ
| ターゲット・パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
クライアント |
クライアント通信のために、SAP R/3アプリケーションに対して定義されたクライアント番号。 |
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ユーザー |
SAP R/3アプリケーションの有効なユーザーID。 |
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パスワード |
SAP R/3アプリケーションの有効なパスワード。 |
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言語 |
言語キー。「EN」(英語)がデフォルトです。 |
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コードページ |
文字コード・ページの値。 |
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認証モード |
SAP R/3システムへの接続に使用したい認証モード。デフォルトでは、ドロップダウン・リストから「パスワード」が選択されます。 |
詳細についてはSAP R/3システムのドキュメントを参照してください。
「システム」タブ(必須)には、図3-10に示すように、この項の情報に基づいてSAP R/3ターゲットに適した情報を入力してください。
「システム」タブでは、接続しようとしているSAP R/3システムのアプリケーション・サーバー名、システム番号、および接続プールに関する情報を入力することができます。
表3-2 「システム」タブのパラメータ
| ターゲット・パラメータ | 説明 |
|---|---|
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アプリケーション・サーバー |
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システム番号 |
クライアント通信のためにSAP R/3に対して定義されたシステム番号。 |
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接続プール名 |
使用するSAP R/3接続プールの名前。デフォルト値「p1」が表示されます。 |
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接続プール・サイズ |
Webサービス呼出しのためにASP R/3で使いたいプール内のクライアント接続の数。デフォルトの接続プール・サイズは2がデフォルトです。 重要:デフォルト値を1にすると接続プールは作成されません。かわりにシーケンシャル処理による1つのSAP R/3接続が共有されます。プールされた接続は、パラレル処理によるSAP R/3への複数接続を起動します。 アプリケーション・エクスプローラを使用してWebサービスを作成する場合、Webサービスは実行時にその接続プール・サイズ値を使用します。したがって、接続プールのサイズが目的に合った値であることを確認する必要があります。 |
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接続タイムアウト(分) |
使用する接続プールのタイムアウト値(分)。デフォルト値は10分です。 |
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接続待機時間(秒) |
使用する接続プールの待機時間(秒)。デフォルト値は30秒です。 ERPサーバーへの接続には、クライアント・サーバーとリモート・サーバーの両方で貴重なリソースが使われます。ユーザーは、接続プールを作成して、リソースと時間的制約を最小限に抑えることができます。プールのサイズを見積るにあたっては、消費されるサーバー・リソース、受信するドキュメントの数とサイズ、およびJava Virtual Machineのサイズによってプール・サイズを計算することができます。SAPドキュメントの「Memory Management (BC-CST-MM)」の項には、SAP R/3システム上で必要とされるリソースが詳しく説明されています。 |
「拡張」タブには、この項の情報に基づいて使用するSAP R/3システムに適した情報を入力してください。
図3-11に示すように、「拡張」タブではEDIとIDocのバージョンを指定し、エラー処理を構成することができます。
表3-3 「拡張」タブのパラメータ
| ターゲット・パラメータ | 説明 |
|---|---|
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Ediバージョン |
アダプタとともに使用するEDI(Electronic Data Interchange)ドキュメントのバージョン。デフォルトはバージョン3です。 |
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IDOCリリース |
接続に使用するIDOCのバージョン。 |
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IDOCリリース・プロバイダ |
使用する接続のIDOCリリース・プロバイダ。ドロップダウン・リストから「IDOC DOCRELフィールド(デフォルト)、「SAPリリース」、または「ユーザー入力」を選択してください。 |
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エラー・ハンドリング |
例外のイベントのリストから、「エラー・ドキュメントの作成」または「例外をスロー」を選択できます。より詳しいエラー・メッセージを受け取るには、「エラー・ドキュメントの作成」を選択してください。 原則として以下に従って選択してください。
XMLドキュメントを読み込んでエラーを取得するかどうかは、使用するアプリケーションによります。 |
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待機中コミット |
アプリケーションが高い精度を必要とする場合は、「待機中コミット」チェック・ボックスを選択します。 アダプタは、すべてのレコードがデータベースに物理的に書き込まれるまで待って関数呼出しから戻ります。「待機中コミット」はアダプタのパフォーマンスに影響を与えるので、選択する場合は慎重に検討を行なってください。BAPIのコミット動作の詳細は、SAPドキュメントの「BAPI Programming Guide and Reference (CA-BFA)」の項を参照してください。 データを変更するすべてのSAPビジネス・オブジェクトは、データベースに対する作業をコミットしなければなりません。R/3システムのバージョン3.1で開発されたBAPIの一部は内部的なコミット動作を使用し、そのコミット動作をアダプタで変更することはできません。これらのオブジェクトは、行なった作業を呼び出された直後にコミットします。 BAPIが開発されたのは、リリース3.1が外部コミット・メソッドを使用していたためです。アダプタがコミット・コマンドを発行し、そのコミットはデータベース・キューに置かれます。コミットの最初の部分にアプリケーション・エラーがあると、ポスティングを実行できませんというエラー・メッセージが返され、アダプタはそのトランザクションをロールバックします。データベースへ書き込む場合はデータベース・エラーが発生し、SAPのデータベース・レコードにショート・ダンプが発行されますが、障害に関するメッセージはアダプタには返されません。 このオプションはデフォルトで表示されます。 |
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SAPトレース |
SAPトレースを有効にするには、このオプションを選択します。 SAPトレースは設計時と実行時に以下の場所に保存されます。 設計時:
実行時:
SAPトレースに使われるファイル名のフォーマットは以下のとおりです(設計時と実行時)。
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図3-12に示すように、「セキュリティ」タブ(オプション)には、この項の情報に基づき、使用するSAP R/3ターゲットに適した情報を入力します。
「セキュリティ」タブでは、接続しようとするSAP R/3システムのセキュア・ネットワーク通信(SNC)に関する情報を指定することができます。
表3-4 「セキュリティ」タブのパラメータ
| ターゲット・パラメータ | 説明 |
|---|---|
|
SNCモード |
デフォルトではSNCは無効になっています。SNCを有効にするにはリストから「1」を選択してください。 |
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SNCパートナ |
SNCサービスを提供するRFCサーバーまたはメッセージ・サーバー(ロード・バランシング)の名前を入力します。 |
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SNCレベル |
リストから、SNCライブラリのバージョンを選択します。 |
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SNC名 |
使用するSNCライブラリの名前を入力します。 |
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SNCライブラリ・パス |
SNCは、SAP R/3システムの分散コンポーネント間を結ぶ通信リンクを保護します。SNCを使用して、SAP R/3はGSS-APIバージョン2標準に適合する製品をサポートすることができます。SNCは、をアプリケーション・レベル(エンドツーエンド・セキュリティ)、スマートカード認証、およびシングル・サインオンをサポートしています。
SAP Enterprise Portalを使用する場合は、J2EEエンジンが自動的にSAPログオン・チケットを作成します。考えられるSNCのシナリオとしては、SAP Enterprise PortalからOracle Application Adapter for SAP R/3への通信があります。
SAPログオン・チケットを使って非SAPコンポーネントへのシングル・サインオンを有効にしたい場合は、プラッガブル認証サービスに関するSAPのドキュメントを参照してください。この場合に考えられるシナリオは、SAP Enterprise Portal以外のポータルからOracle Application Adapter for SAP R/3への通信です。
使用するターゲットに必要な情報をすべて入力したら、「OK」をクリックします。
抽出が完了すると、図3-13に示すように「MySAP」アダプタ・ノードの下に新しいターゲット「SAPTarget」が表示されます。
以上でSAP R/3ターゲットに接続できます。
アダプタのスキーマ作成の詳細は、「XMLスキーマの作成」を参照してください。
左ペインで「アダプタ」ノードを展開します。
「MySAP」ノードを展開します。
MySAPノードの下のターゲット名をクリックします(例えばSAPTarget)。
接続パラメータを確認します。
ターゲット名を右クリックし、「接続」を選択します。
図3-14に示すように「x」アイコンが消えます。これはターゲットが接続されたことを示しています。
SAP R/3接続を管理するために、ユーザーは以下の操作を行なうことができます。
現在使用されていない接続を切断。
様々なトランザクション処理システムへの複数の接続を開いたままにしておくこともできますが、使用していない接続は切断することをお薦めします。
ターゲットを編集。
システム・プロパティが変化した時は接続パラメータを変更することができます。切断後は既存のターゲットを変更することが可能です。
必要なくなった接続を削除。
SAP R/3への接続を切断
ターゲットを切断するには:
「アダプタ」ノードを展開します。
「MySAP」ノードを展開します。
図3-15に示すように、接続先のターゲット(たとえば「SAPTarget」など)を右クリックし、「切断」を選択します。
SAP R/3ターゲットを切断するとSAP R/3との接続が遮断されますが、ノードは残ります。図3-16に示すように「x」アイコンが表示され、ノードが切断されたことが示されます。
接続パラメータの変更
アプリケーション・エクスプローラを使用してSAP R/3のターゲットを作成した後は、以前に入力したすべての情報を編集できます。
編集するターゲットの接続が切断されていることを確認します。
図3-17に示すようにターゲットを右クリックし、「編集」を選択します。
「アプリケーション・サーバー」ダイアログにターゲットの接続情報が表示されます。
必要に応じて、ダイアログでプロパティを変更し、「OK」をクリックします。
SAP R/3へのターゲットの削除
接続を切断して閉じるかわりに削除することもできます。接続を削除すると、アプリケーション・エクスプローラの左ペインでSAP R/3接続のリストからそのノードが消えます。
接続を削除する場合、ランタイムの目的でOracle WebLogic Serverを再起動して、リポジトリを更新する必要があります。
SAP R/3へのターゲットを削除するには:
削除するターゲットを見つけます。
図3-18に示すように、ターゲット(「SAPTarget」など)を右クリックし、「削除」を選択します。
使用可能な接続のリストからそのノードが消えます。
SAP R/3に接続すると、アプリケーション・エクスプローラを使って、既存のビジネス・プロセスをサポートするために使われるSAP R/3オブジェクトを検索して表示することができます。
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注意: インストールされているリリースまたはサービス・パックによっては、実際に使用しているSAP R/3システム内に特定のRFC(たとえばRFC_CUSTOMER_GET)が存在しないことがあります。したがって、ここに示す例が、実際に使用しているシステムと一致しない場合もあります。その場合、ここに示す例はアダプタの機能を示すための参考とみなし、使用している実際のSAP R/3アプリケーション環境に存在するRFCを選択してください。SAPリリース・ノート109533に説明されているように、SAP関数モジュール(RFC)は異なるリリース・ステータスで配布されることがあります。SAPは、ユーザーにリリースされたステータスに対応するRFCだけをサポートしています。インタフェースのリリース依存性や、モジュールの存在あるいは機能の継続性に関するクレームは受け付けられません。特定関数モジュールのステータスの詳細は、SAP Service Marketplaceをご覧ください。 |
SAP R/3ビジネス機能ライブラリの検索後は、アプリケーション・エクスプローラを使用してその機能に対するXMLリクエスト・スキーマやXMLレスポンス・スキーマを作成することができます。
SAP R/3ビジネス機能のリクエスト・スキーマとレスポンス・スキーマを作成するには、以下の手順に従ってください。
「定義されたSAP R/3ターゲットへの接続」の説明に従ってSAP R/3に接続します。
「ビジネス・オブジェクト・リポジトリ」ノードを展開します。
「Financial Accounting」ノードの左側にあるアイコンをクリックします。
画面を下へスクロールさせて、「CompanyCode」ビジネス・オブジェクトの左にあるアイコンをクリックします。
画面を下へスクロールさせてGetDetailという名前のBAPIを選択します。
図3-19に示すように「XMLスキーマ」タブが右側に表示されます。
各スキーマ・タイプのXMLを表示するには、該当するタブをクリックします。
WSDL(Web Service Definition Language)を使用してサービスを記述することにより、ホスト・サーバー内の他のサービスでそのサービスを使用できるようになります。アプリケーション・エクスプローラを使用して、アダプタのJ2CAサービスのリクエスト/レスポンス(アウトバウンド)とイベント通知(インバウンド)の両方を作成することができます。
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注意: インバウンドJCAサービスの作成(イベント)オプションは、選択されたノードでイベントがサポートされている場合にのみ使用できます。 |
リクエスト/レスポンス型サービス用のWSDLファイルを生成するには:
スキーマの作成後、各オブジェクトを右クリックします。
図3-20に示すように、メニューが表示されます。
アウトバウンドJCAサービスの作成(リクエスト/レスポンス)を選択します。
図3-21に示すように、「WSDLのエクスポート」ダイアログが表示されます。
ファイルのデフォルト名を受け入れます。
.wsdlファイル拡張子が自動的に追加されます。デフォルトでは、リクエスト/レスポンス型のサービス用に生成されたWSDLファイルの名前の末尾には「_invoke」が付き、イベント通知用に生成されたものには「_receive」が付きます。
「OK」をクリックします。
イベント通知用のWSDLの生成手順はリクエスト/レスポンス用のそれに似ています。イベント通知用のWSDLを生成するには、先に各イベントのチャネルを作成する必要があります。詳細については「イベント統合のためのWSDLの生成」を参照してください。
アプリケーション・エクスプローラを使用すれば、ビジネス機能リポジトリを検索して、アダプタで使いたいSAP R/3機能のためのWebサービス(ビジネス・サービスとも呼ばれます)を作成することができます。以下の手順ではBAPI_MATERIAL_GETLISTと呼ばれるSAP R/3 BAPIメソッドを例に使用し、SAP R/3から材料リストを返します。
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注意: アダプタのJ2EE Connector Architecture(J2CA)実装では、Webサービスは使用できません。Oracle Adapter J2CAを使用するようにアダプタがデプロイされている場合、Common Client Interfaceにより、アダプタを使用する統合サービスが提供されます。 |
Webサービスの作成
SAP R/3ビジネス機能用のWebサービスを作成するには:
使用するSAP R/3ターゲットに接続して、「ビジネス・オブジェクト・リポジトリ」ノードを展開します。
「ビジネス・オブジェクト・リポジトリ」からBAPI_MATERIAL_GETLISTメソッドを選択します。
ビジネス・サービスを作成するためのノードを右クリックして、「Webサービスの作成」を選択します。
図3-22に示すように、「Webサービスの作成」ダイアログが表示されます。このダイアログで、新規Webサービス用のメソッドとして、あるいは既存サービス用のメソッドとしてビジネス機能を追加することができます。
次のステップを実行します:
「次へ」をクリックします。
「ライセンスとメソッド」ダイアログが表示されます。
次の情報を入力します。
「ライセンス名」フィールドで、Webサービスに割り当てる1つまたは複数のライセンス・コードを選択します。複数のコードを選択するには、Ctrlキーを押しながらライセンスをクリックしてください。
「メソッド名」フィールドにメソッドのわかりやすい名前を入力します。
「メソッドの説明」フィールドで、メソッドに関する簡単な説明を入力します。
「DTDディレクトリ」フィールドで、使いたいDTDがある場所を指定します。
「OK」をクリックします。
アプリケーション・エクスプローラの表示が「ビジネス・サービス」ノードに切り替わり、新規のWebサービスが左ペインに表示されます。
Webサービスのテスト
Webサービスの作成後はテストを行い、適切に機能することを確認できます。Webサービスをテストするためのテスト・ツールが用意されています。
Webサービスのテスト方法:
「ビジネス・サービス」ノードをクリックして、Webサービスにアクセスします。
「サービス」ノードを展開します。
テストするビジネス・サービスの名前を選択します。
ビジネス・サービスの名前は、右ペインにリンクとして表示されます。
右ペインで、指定するビジネス・サービスのリンクをクリックします。
テスト・オプションが別のBSEサーブレットページに表示されます。XML入力を必要とするWebサービスをテストする場合は、入力フィールドが表示されます。
適切な入力項目を入力します。
「起動」をクリックします。
BSEサーブレットページに結果が表示されますl。
伝播の識別
サード・パーティのXMLエディタを使用してWebサービスをテストまたは実行する場合は、SOAPヘッダーで指定するユーザー名およびパスワードの値が有効で、ASP R/3への接続に使用されるものと同じである必要があります。アプリケーション・エクスプローラを使用したターゲットの作成中にSAP R/3用に指定したユーザー名およびパスワードは、このWebサービスのリクエスト用のもので上書きされます。Webサービス用のWSDLファイルに含まれるサンプルのSOAPヘッダーを以下に示します。
<SOAP-ENV:Header>
<m:ibsinfo xmlns:m="urn:schemas-iwaysoftware-com:iwse">
<m:service>String</m:service>
<m:method>String</m:method>
<m:license>String</m:license>
<m:disposition>String</m:disposition>
<m:Username>String</m:Username>
<m:Password>String</m:Password>
<m:language>String</m:language>
</m:ibsinfo>
</SOAP-ENV:Header>
<m:disposition>および <m:language>タグは必要でないため、SOAPヘッダーから削除できます。
Oracle ERP AdapterにおけるWSDL定義の制約
この項ではOracle ERP Adapterによって生成されるWSDL定義に関する一定の制約について説明し、回避策がある場合はその回避策を示します。
修飾オプションと非修飾オプション
修飾オプションと非修飾オプションが、WSDL定義生成時にOracle ERP Adapterによって強制されることはありません。例:
修飾オプションが指定されたWSDLをエクスポートします。
このWSDLに基づいてWebサービスを作成します。
このWebサービスに未修飾要素を含むXMLデータを送ります。
正しいレスポンス・ドキュメントが受信されます。
ネームスペース
生成されたWSDL定義の中で定義されているネームスペースがOracle ERP Adapterによって強制されることはありません。例:
生成されたWSDLに基づいてWebサービスを作成します。
すべてのネームスペースが削除されたXMLデータを、このWebサービスへ送ります。
正しいレスポンス・ドキュメントが受信されます。
未チェックデータ
Oracle ERP Adapterは、生成されたWSDL定義にXMLデータが適合しているかどうかの検証を行ないません。以下の例ではデモのためにだけSAP R/3を使用しています。
RFC_SYSTEM_INFO関数モジュール用のWebサービスを作成します。
BAPI_COMPANYCODE_GETLISTに関するXMLデータでこのWebサービス(RFC_SYSTEM_INFO)を起動します。
レスポンス・ドキュメントがBAPI_COMPANYCODE_GETLISTのデータによって受信されます。
Oracle ERP Adaptersを使用してアプリケーションを設計する時は、この動作を考慮に入れる必要があります。最も望ましい方法は、Webサービスを起動する前に、WSDL定義に従って受信されたXMLデータを必ず検証することです。あるいは、呼び出す関数が1つだけの場合はすべての関数をシステム(たとえばSAP R/3)上で公開することができます。この例では、RFC_SYSTEM_INFO関数モジュールだけが呼び出されていますが、エンド・ユーザーはこの関数を使用してSAP R/3上で関数を起動させることができます。必要なのは、所定の関数に対しOracle ERP Adapterによって認識された有効XMLドキュメントだけです。
イベントは、データベース内またはアプリケーション・システム内のアクティビティによって生成されます。ユーザーは、イベントを使用してアプリケーションのアクションをトリガすることができます。たとえば、データベースの更新には顧客情報の更新を反映できます。このイベントが発生した時にアプリケーションが処理を実行しなければならない場合、そのアプリケーションはイベントのコンシューマです。使用するアプリケーション・システムへの接続を作成したら、アプリケーション・エクスプローラを使ってイベントを追加することができます。イベントを生成するにはチャネルを作成しなければなりません。
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注意: J2CA構成を使用する場合は異なるすべてのイベント・オブジェクトに対して新しいチャネルを作成し、インバウンド・サービスを作成する時にはこのチャネルを選択しなければなりません。チャネルの作成が必要なのはJ2CA構成だけです。さらにそれぞれのチャネルは、固有のSAP R/3プログラムIDに対応付けなければなりません。たとえば、MATMASとDEBMASを使用して作業を行なう場合は、それぞれのオブジェクトに対して2つの独立したチャネルと2つの固有SAP R/3プログラムIDが必要です。 |
チャネルは、バックエンド・システムの特定のインスタンスへの構成済の接続を示すものです。詳細は、「チャネルの作成および編集」を参照してください。
以下の手順は、イベントのチャネルを作成する方法を示したものです。定義されたイベント・ポートはすべてチャネルに関連付けなければなりません。
チャネルを作成、変更または削除する場合、ランタイムの目的でOracle WebLogic Serverを再起動して、変更を適用し、リポジトリを更新する必要があります。
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注意: チャネルは、Oracle Application Adapter for SAP R/3がインストールされているシステムでのみ構成と起動が可能です。リモート・ホストでのチャネルの構成と起動はサポートされていません。 |
BSE構成を使用してる場合は、「イベント」は表示されません。イベントはJ2CA構成を使用した場合にのみ構成できます。
チャネルを作成したり更新したりした場合は、アプリケーション・サーバーを再起動する必要があります。アプリケーション・サーバーは、チャネルやインバウンドWSDLを作成した後にも再起動しなければなりません。さらに、アプリケーション・サーバーを再起動する時は、必ず事前にアプリケーション・エクスプローラを終了する必要があります。
チャネルの作成
チャネルを作成するには:
図3-23に示すように、「イベント」ノードをクリックします。
「MySAP」ノードを展開します。
「チャネル」を右クリックし、「チャネルの追加」を選択します。
図3-24に示すように、「チャネルの追加」ダイアログが表示されます。
次のステップを実行します:
「TEST_CHANNEL」など、チャネルの名前を入力します。
簡単な説明を入力します。
「プロトコル」リストから、アプリケーション・サーバー - mySAPまたはメッセージ・サーバー - mySAPを選択します。
「次へ」をクリックします。
「メッセージ・サーバー」ダイアログが表示されます。以下に示すタブを使用できます。
ユーザー(必須)
システム(必須)
セキュリティ
詳細
「セキュリティ」タブ(オプション)では、以下の表に示す情報に基づき、使用するSAP R/3チャネルに適した情報を入力します。
「拡張」タブ(オプション)では、以下の表に示す情報に基づき、使用するSAP R/3チャネルに適した情報を入力します。
表3-8 「拡張」タブのパラメータ
| ターゲット・パラメータ | 説明 |
|---|---|
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IDOCフォーマット |
リストからIDOCのタイプを選択します。
|
|
IDOCリリース |
接続に使用するIDOCのバージョン。 |
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IDOCリリース・プロバイダ |
使用する接続のIDOCリリース・プロバイダ。ドロップダウン・リストからIDOC DOCRELフィールド(デフォルト)、SAPリリース、またはユーザー入力を選択します。 |
|
SAPトレース |
SAPトレースを有効にするには、このオプションを選択します。 SAPトレースは設計時と実行時に以下の場所に保存されます。 設計時:
実行時:
SAPトレースに使われるファイル名のフォーマットは以下のとおりです(設計時と実行時)。
|
|
処理モード |
リストから同期処理のタイプを選択します。選択できる値はREQUESTとREQUEST_RESPONSEです。 |
「OK」をクリックします。
図3-25に示すように、左ペインの「チャネル」ノードの下にチャネルが表示されます。
アイコン上の「X」 は、そのチャネルが現在切断されていることを示します。イベント構成をアクティブ化するにはチャネルを再起動する必要があります。
|
注意: Oracle Application Adapter for SAP R/3をBPELインバウンドまたはメディエータ・インバウンド・プロセス・コンポーネントと統合する場合は、チャネルを起動しないでください。チャネルは、BPELまたはメディエータ・インバウンド・プロセス・コンポーネントがデプロイされた後、ランタイム・サーバーによって管理されます。テストまたはデバッグ目的でチャネルをアプリケーション・エクスプローラから起動する場合は、ランタイム前に停止してください(BPELまたはメディエータ・インバウンド・プロセス・コンポーネントとの連携する場合)。 |
「チャネル」・ノードを右クリックして、「起動」を選択します。
図3-26に示すように、作成したチャネルがアクティブになります。
アイコン上の「X」が消えます。
チャネルを停止するには、接続されているチャネル・ノードを右クリックし、「停止」を選択します。
チャネルが非アクティブになり、アイコン上に「X」が表示されます。
チャネルの編集
左ペインで、編集するチャネルを見つけます。
チャネルを右クリックし、「編集」を選択します。
チャネルの編集ペインが表示されます。
チャネル構成に必要な変更を加えて、「終了」をクリックします。
チャネルを編集する場合は、ランタイムで使用するために、Oracle WebLogic Serverを再起動して変更を適用し、リポジトリを更新する必要があります。
チャネルの削除
Oracle Application Adapter for SAP R/3 with BPEL 11.1.1.2.0では、インバウンド処理(イベント)のルート検証、ネームスペース検証、およびスキーマ検証がサポートされています。
Oracle Application Adapter for SAP R/3を使用してインバウンド処理を検証するには、次のステップを実行します。この手順では、インバウンド処理の例としてMATMAS(Material Master)を使用しています。
アプリケーション・エクスプローラを起動します。
MySAPターゲットに接続します。
MySAPノードを展開します。
MySAPアダプタ用にチャネルが作成されていることを確認します。
MATMAS – Material Masterノードを選択して展開します。
MATMAS01を右クリックし、インバウンドJCAサービスの作成(イベント)を選択します。
図3-27に示すように、「WSDLのエクスポート」ダイアログが開き、「ルート」、「ネームスペース」および「スキーマ」の3つの検証オプションのチェック・ボックスが表示されます。
複数の検証オプションを選択できます。
- 「ルート」検証は、インバウンドXMLドキュメント内のルート要素の検証に使用します。
- 「ネームスペース」検証は、インバウンドXMLドキュメント内のネームスペースの検証に使用します。
- 「スキーマ」検証は、WSDLドキュメント内のスキーマを使用したインバウンドXMLドキュメントの検証に使用します。
実行時には、検証は選択された検証オプションに基づいて処理されます。
複数の検証オプションが選択されている場合、実行時に最初の検証が失敗すると、残りの検証オプションは処理されません。
ルート検証およびネームスペース検証は、適度な検証レベルであるとみなされ、スキーマ検証はより厳しい検証レベルとみなされます。
ルート要素およびネームスペースがSAP環境のIDOC間で異ならないかぎりは、ルート検証とネームスペース検証オプションを一緒に使用することをお薦めします。
WSDLドキュメントを生成し、BPELプロセスを作成します。
SAP GUIからトランザクション(IDOC)をトリガーします。
検証で不合格となったインバウンド・トランザクションは、SAPトランザクション・モニター(SM58)に表示されます。
ステータス・テキスト・フィールドには、検証プロセスで不合格となったドキュメントの「java.lang.exception」が表示されます。