Oracle Learning Managementユーザーズ・ガイド リリース11i B25739-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
テスト・ビルダーを使用すると、テストをコース講義内のトピックまたは独立した講義として作成および管理できます。テストは学習者の業績、知識およびスキルを測定する手段です。テストは採点できる場合とできない場合があります。テストに合格点を指定して採点すると、採点結果に基づいて学習者の合否が決まります。採点しないテストはアンケート機能を提供できます。
テスト・ビルダーは、アプリケーションに統合されており、アプリケーションの「オンライン学習」オプションが有効な場合は、すべての管理ユーザーが使用できます。ライセンスまたは個別のソフトウェアは必要ありません。
テスト・ビルダーには、テストまたは個々の問題に対する学習者の業績およびテスト結果を分析できる多くの統計画面が用意されています。参照: テストおよび問題統計のレビュー
テスト・ビルダーを効果的に使用するには、次の主要な概念を理解していることが必要です。
テストを作成して提供しようとする前に、最初に関連タスクを理解してください。
問題バンクは、問題と返答のリポジトリです。テスト・ビルダーでは、1つ以上の問題バンクに多数の問題と返答を保持し、問題を科目別、専門知識レベル別、役職ロール別または他の基準で編成できます。問題バンクは、複数のテストで問題を管理して再利用する場合に便利です。テストを作成するには、最低1つの問題バンクが存在している必要があります。
テスト・ビルダーでは、5つの問題タイプをサポートしています。また、マルチメディア・オブジェクトやリンクを埋め込むためのHTMLもサポートしています。
作成するテストごとに1つ以上の問題バンクから問題が呼び出されます。テストに必要な特定の問題を選択できます。あるいは、問題数を単に指定できます。この場合は、学習者がテストを試行すると、問題バンクから問題がランダムに呼び出されます。
クイック・テストとは、テスト・オブジェクト、テスト・セクションを手動で作成した後ですべての問題を選択するのではなく、1つの問題バンクからすべての問題を含むテストを迅速に作成する方法です。デフォルトのテスト・プロパティは後で編集できます。
問題バンクに多数の問題(たとえば、特定科目の関連問題すべて)を作成し、それらの問題を多数のテストで再利用できます。
IMS QTI(Question and Test Interoperability)仕様に準拠しているテストをインポートできます。フォルダ・レベルまたは学習オブジェクト・レベルでインポート機能を使用します。
参照: テストのインポートとエクスポート
テスト・ビルダーでは、「穴埋め式(テキストで返答)」、「穴埋め式(数値で返答)」、「正誤選択方式」、「選択方式(正解は1つ)」、「選択方式(正解は複数)」の5つの問題タイプをサポートしています。
テストの作成または編集時に「HTMLのレンダリング」を選択した場合は、すべてのテキスト・フィールドでHTMLコードがサポートされます。
試行されていない問題のみを削除できます。学習者がテストで試行した問題は、学習履歴と業績レコードに必要となるため削除できなくなります。問題が今後のテストに適用できなくなった場合は、今後のテストでその問題を管理者が選択できないように無効化できます。
コース全体に提供されるコンテンツ体系に1つ以上のテストを組み込むことができます。これによって、コースの進行状況にあわせて学習者の知識をテストします。
あるいは、テストを個別の講義にすることもできます。
別のオンライン学習オブジェクトのプレーヤ前提条件となるテストを定義し、そのテストに合格するまで、学習者がコースの後続セクションまたは別のコースを試行できないようにすることができます。
テストに時間制限を指定し(時間制限のあるテスト)、学習者がテストを完了する必要がある時間数を制限し、制限時間が近づいたときに学習者に警告できます。
柔軟性と再利用性を確保するため、テストには問題と返答を直接作成しません。かわりに1つ以上の問題バンクに問題と返答を配置し、バンク内の既存の問題を呼び出してテストの内容を組み立てます。
テスト作成時の最初のタスクは、問題バンクと問題の存在を確認することです。存在しない場合は作成します。問題が存在し、問題バンクが公開されている場合は、テストを作成して必要な問題を追加できます。最後に、テストがコース内の1つのトピックではなく、独立した講義である場合は、学習者がアクセスできるように講義を作成する必要があります。
テストの作成準備時に、次のことを考慮してください。
テストの作成時に問題をプレビューし、問題または返答でのHTMLコードの表示も含めて、問題が学習者にどのように表示されるかを確認します。プレビュー画面には、問題とともにアスタリスク(*)で示される正解が表示されます。また、問題のフィードバック(ある場合)および各問題に割り当てられた得点も表示されます。
アプリケーションには、複数の異なる画面に「プレビュー」オプション(ボタンまたはアイコン)があり、問題バンクでの問題の作成時またはテスト作成時の異なる段階で、問題を次のようにプレビューできます。
テストは、次の2つの方法で学習者に提供します。
時間制限のあるテストを作成する場合は、通常、コース内に埋め込まれたテストとしてではなく、個別の講義としてテストを提供します。講義がテストのみに基づいていない場合は、コンテンツの下に時間制限のあるテストを作成できますが、その場合、管理者はテストの進行中に個々のテスト受講者の制限時間を延長または削除できません。
テストを作成するには、少なくとも1つの公開済問題バンクへのアクセス権限を持っている必要があります。必要なテストが1つの問題バンクのみに基づいている場合は、個別のテストを明示的に作成せずに、問題バンクから直接「クイック・テスト」を作成し、テスト・プロパティを編集できます。
テストには、最低1つのテスト・セクションと最低1つの問題が含まれている必要があります。テストの作成時、1つ以上の問題バンクから問題を呼び出します。
テスト・プロパティ・ページのテキスト・フィールドの多くは、HTMLタグの使用をサポートし、特定の書式設定を提供します。
アンケートは採点しないテストです。テスト・スコア・オプションを「採点なし」に設定すると、学習者の知識をテストするのではなく、学習者から情報のみを取得する問題を作成できます。
各テスト・セクションで、追加する問題を正確に選択できます(「事前選択」)。または、必要な問題数を単に入力し、学習者がテストを起動するたびに、ランダムに選択された問題が実行時に抽出されるように設定できます(「ルールベース」)。デフォルトは「事前選択」です。
複数のセクションを常に同じ順序で表示するか、あるいは学習者がテストを起動するたびにランダムな順序で表示するかを選択できます。セクション内の問題の順序に関する同様のオプションもあります。ただし、複数のセクションにわたって問題をランダム化することはできません。
以前にテストを提出せずに終了またはログ・アウトした学習者がテストを再開する場合は、「再開可能」チェック・ボックスを選択します。学習者がテストを再開すると、アプリケーションでは、その学習者による次の試行を、以前と同じ試行の続きであると解釈します。
再開されたテストの場合、学習者には最後にテストを終了したページが表示されます。テストの制限時間が終了している場合は、テストの提出のみを許可するページが表示されます。
学習者がテストを再開するたびに、再開可能インストラクションが表示されます。インストラクションを読み終わると、テストの終了時に表示されていたページが表示されます。
「再開可能」チェック・ボックスを選択しない場合、アプリケーションでは、その学習者による次の試行を新規試行と解釈します。
スコア・オプションには、「得点率」と「項目の総スコア」があります。テストがルールベース(実行時に問題をランダムに抽出)の場合は、一部の問題の得点が他の問題の得点と異なると、項目の総スコアが変化するので注意してください。この場合は、「得点率」オプションを選択してください。
3つ目のオプション「採点なし」を選択すると、セルフ・レビュー専用のテストを作成できます。ただし、このテストでは、学習者の合否評価は行われません。
得点率または総スコアのオプションを選択した場合は、テストの合格最低水準を示す合格点を設定できます。たとえば、「得点率」オプションを使用して、合格水準75パーセントを示す合格点を75と入力します。パーセント記号は入力しません。また、「項目の総スコア」オプションを使用して、学習者がテストに合格するためには最低12点を獲得する必要があることを示す合格点を12と入力します。
テストに合格点を設定した場合は、採点結果に基づいて学習者の合否が決まります。合格点を定義しない場合、得点は計算されますが合否は評価されず、学習者のテスト試行に対して完了のマークが付けられます。
フィードバックのデフォルト・タイプは、「テストの終わり」です。学習者はフィードバックを表示する前にすべての問題に返答します。フィードバックを頻繁に表示するには、フィードバック・タイプを「各ページの後」に変更します(フィードバックの頻度は「ページ当たり問題数」の値によって異なります)。「なし」に変更すると、フィードバックはまったく表示されません(たとえば、認定テストなどの場合に使用)。
テストの問題にフィードバックを定義せず、その問題がセクションまたはテストのフィードバックを継承(および表示)するように設定する場合は、「問題はフィードバックを継承」を選択します(デフォルトでは選択されていません)。
学習者によるフィードバックのレビュー時に正解を表示できないようにする場合は、「フィードバック中に正解を表示」の選択を解除します。このオプションは学習者に追試を受けるように薦める場合に便利です(デフォルトでは選択されています)。
学習者の返答に対して異なるフィードバックを表示する場合は、「正解のフィードバック」および「不正解のフィードバック」にテキストを入力します。
テストの最後に学習者にメッセージを表示するには、「テスト・フィードバックの送信」を入力します。
各学習者が実行する試行回数および頻度を、次のように制限できます。
学習者がテストを完了するために許可される時間を制限するには、テストの「期間」プロパティに値を入力します。
「制限時間(分)」の値を指定する場合は、期間に関する追加フィールドを必要に応じて設定できます。
たとえば、制限時間が30分の場合は、「残り時間の警告」を有効にし、終了の5分前に警告を表示できます。つまり、警告はテストを始めて25分後に表示されます。
学習者がこの警告を受け取ると、タイマーが青から赤に変更されます。
注意: タイマーは、学習者のクライアント上ではなく、サーバー上にあります。したがって、このメッセージが更新されるのは、ブラウザ・ページをリフレッシュした場合のみです。学習者が同じページを表示したままの場合、警告は更新されません。
時間制限が指定されていて再開可能なテストについては、特定の学習者の制限時間を延長または短縮するために、管理者によるテスト時間の変更が必要な場合があります。
時間制限のあるテストの制限時間を変更できるのは、そのテストが再開可能と定義されている場合、およびテストが独立した講義で、コース講義内に含まれるテスト・トピックでない場合のみです。
「時間の変更」オプションには、テストに関連する講義からアクセスできます。たとえば、テスト中に学習者のハードウェアに問題が発生した場合は、このオプションを使用して、テストの制限時間を削除するか、追加時間を割り当てます。
学習者が試行しているテストの制限時間または制限時間が終了しているテストの時間を変更できます。
学習者が開始していないテスト、または学習者が提出済のテストの制限時間は変更できません。
「時間の変更」オプションが適用されるのは、進行しているテストの個々の学習者および個々の試行に対してのみです。今後の全学習者に対してテストの長さを変更する場合は、テスト自体の継続期間を変更します。
テスト、またはテスト内のテスト・セクションを削除できます。ただし、この処理が適切なのは、本番前にテストを開発およびテストしている間のみです。学習者に対してテストを使用可能にし、学習者が1人でもテストを受けた後は、テストまたはセクションを削除できません。削除すると、本番システムでの学習者の業績とテスト統計に影響を与えるためです。
テストが古くなったり、無効になった場合は、テストを未公開にします。これによって、学習者はそのテストを使用できなくなります。ただし、過去の業績および統計情報はシステム内にそのまま残ります。
1つのセクションが古くなったり、無効になったが、テスト自体がまだ有効な場合は、そのセクションを削除せずに無効にします。
問題バンクはコンテンツ・フォルダ内に作成します。問題バンクには最低1つの問題が含まれている必要があります。
問題バンクは、テストに使用できるようになったときに公開します。問題バンクを公開すると、他の管理者もその問題バンクを使用してテストを作成したり、「クイック・テスト」オプションを選択して、そのバンク内のすべての問題に基づいてテストを作成できます。
問題は、問題テキスト(問題の基本部分やヒント)および可能な返答とフィードバック(ある場合)で構成されます。
テストを受けるユーザーに返信する場合は、フィードバックを使用します。問題の正解および不正解に関する固有のフィードバックを提供できます。このフィードバックは通常、テスト受講者にその返答が正解だったかどうかを知らせるもので、学習ヒントを組み込むことができます。あるいは、問題に対して、より一般化されたフィードバック(ある場合)をテスト・セクションまたはテストから継承させることもできます。
問題に対して提供するフィードバックは、テストに設定したフィードバック・オプションの定義どおりに、学習者に表示されます。
問題は問題バンク内に格納されています。特定の問題を使用する場合は、適切な問題バンクを検索し、問題リストを表示します。問題は、作成、編集、削除またはプレビューできます。
テスト・ビルダーには、次の5つの問題タイプがあります。
問題と返答のテキスト領域では、グラフィック、ビデオまたは他のリンクを埋め込むためのHTMLがサポートされています。
問題の作成時に、選択方式または正誤選択方式など、問題のタイプを決定します。問題の作成後は、タイプを変更できません。これは返答形式が問題タイプに依存しているためです。
選択方式の場合は、2つの類似するタイプがあるため、例外です。「選択方式(正解は1つ)」から「選択方式(正解は複数)」に変更できます。
新規問題バンクの作成中は、不要な問題や間違って作成した問題を削除できます。
ただし、1つ以上のテストで問題を使用した場合および学習者がそのテストをすでに受けている場合は、問題バンクからその問題を削除できません。これは、一部の問題が存在しなくなると、既存の業績レコードに影響を与えるためです。
たとえば、問題の有効性や関連性が失われたために、今後のテストでその問題にアクセスできないようにする場合は、問題バンクでその問題に無効のマークを付けます。以前に作成済のテストおよび既存の業績レコードは影響を受けませんが、新規テストの作成時にはその問題を選択できなくなります。
注意: 学習者が今後その問題を一切試行できないようにする場合は、既存のテストからもその問題を削除する必要があります。
返答は問題に対する可能な回答です。問題には複数の返答オプションを設定できます。
新規問題の作成時に、「返答オプション」リージョンに返答の値を入力します。既存問題の返答を編集するには、問題リストの「返答の管理」をクリックします。ページに返答値のリストが表示されます。このページを使用して返答値を作成、編集または削除します。あるいは、返答の順序を変更して、学習者に表示される順序を変更します。
各問題には、問題タイプに基づいた返答セットがあります。「正誤選択方式」問題タイプの場合は、返答値を編集できません。他の問題タイプの場合は、返答値を作成および編集できます。
問題がすでにテストで使用されている場合、および学習者が1人でも問題に回答している場合は、返答値を削除できません。かわりに、その返答値を無効にします。その結果、その返答値は今後学習者に表示されなくなりますが、業績統計には影響を与えません。
クイック・テストはテストの迅速な作成方法です。問題バンクを作成して公開済の場合は、問題バンク・リストの「クイック・テストの作成」アイコンをクリックします。作成されるテストには多数のデフォルト・プロパティと、問題バンクから事前に選択された問題すべてを保持する1つのテスト・セクションが含まれています。
ルールベースのテストは、「クイック・テスト」オプションを使用して作成できません。ルールベースのテストでは、実行時に問題バンクからランダムに抽出された多数の問題が表示されます。ルールベース・テストの場合は、コンテンツ・ツリーにテスト・オブジェクトを明示的に作成します。
スコア・オプションと合格点を設定したり、問題を追加または削除する場合は、テストを編集してプロパティを変更します。その後、テストをカタログ内のコースまたは独立したテストとして学習者が使用できるようにします。
注意: 「問題ソース」プロパティは編集できません。クイック・テストの値は常に「事前選択」です。
統計は、特定のテストまたは問題に対する学習者の業績を分析するために使用できます。統計が作成されるのは最低1人の学習者がそのテストまたは問題を試行した後のみです。
各テストの「テスト統計」ページには、選択したテストについて学習者のスコアの要約が表示されます。統計を使用して全体的な業績と個々の試行結果の両方を分析します。ページには、最初に表形式の要約結果が表示されます。各要約にはグラフを表示するオプションが用意されています。
要約統計セクションには、次の項目があります。
「ユーザー・スコア要約」グラフには、特定の業績スコアを獲得したユーザーの数が表示されます。
表を使用すると、各学習者の詳細な統計にドリルダウンできます。全学習者を表示するには、「学習者合計」の数をクリックします。テストに合格した学習者のみを表示するには、「合格」の数をクリックします。ドリルダウン表には、各学習者に1つの業績レコードが表示されます。個々の学習者名をクリックすると、その学習者の試行すべてが表示されます。個々の試行には学習者の業績レコードのスコアより高いスコアが表示される場合があります。これは、業績レコードには第1回合格のスコアのみが保存されるためです。
「ユーザー試行スコア要約」グラフには、個々の試行番号に対するスコアが表示されます。試行は、試行日を示す色で区別されています。
表で特定の試行番号をクリックすると、テストの各問題に対する学習者の個々の試行詳細が表示されます。
「学習者パフォーマンス・ステータス」グラフには、「合格」、「不合格」、「完了」または「未完了」の業績レコードが比率で表示されます。
「月次試行要約」グラフには、各月の試行回数が表示されます。
各問題バンクの「問題統計」ページには、複数のテスト全体にわたる問題ごとに、学習者の業績の要約が表示されます。統計は表形式とグラフ形式の両方で表示されます。グラフには「正解」、「不正解」、「スキップ」の合計が問題に対する試行合計回数の比率で表示されます。