Oracle Learning Managementユーザーズ・ガイド リリース11i B25739-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
インポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティを使用すると、学習オブジェクト、コンテンツ・ファイルおよびテスト・オブジェクトをこのアプリケーションと他の学習管理システムとの間で転送できます。これらのユーティリティは、XMLファイルで機能し、コンテンツおよびテスト情報を共有できるように様々な業界仕様に準拠しています。
これらのユーティリティは、オンライン・コンテンツにのみ適用され、オフライン・コンテンツには適用できません。
協力会社のコンテンツ・プロバイダは、多くのコンテンツをIMS、AICCまたはSCORM仕様に準拠したメタデータ・ファイルで提供しているため、これらの仕様をサポートする学習管理システムには、必要な学習オブジェクトを簡単にインポートできます。Oracle Learning Management(OLM)には、インポート・ユーティリティおよびエクスポート・ユーティリティのユーザー・インタフェースが用意されています。このため、OLMにコンテンツ体系を手動で作成するかわりに、これらのユーティリティを使用して、学習オブジェクトを簡単にすばやくロードできます。
メタデータを正常にインポートまたはエクスポートするには、次の主要な概念を理解していることが必要です。
OLMのインポート・ユーティリティおよびエクスポート・ユーティリティを使用すると、オンライン・コンテンツ・メタデータの転送を簡略化できます。特に協力会社のデータのロードでは、アプリケーション・インタフェース内に学習体系を手動で作成し、そのメタデータを物理コンテンツにリンクする必要がなくなります。
コンテンツ体系が別の学習管理システムに存在する場合、または協力会社からオンライン・コンテンツを購入し、そのコンテンツが複数の学習オブジェクトで構成されている場合は、インポート・ユーティリティを使用して、メタデータをアプリケーションにインポートします。インポート後は、コース・カタログ内の学習を編成し、学習者に対して使用可能にできます。
メタデータ情報がXMLファイルで使用可能で、SCORMまたはIMS仕様に準拠している場合は、そのコンテンツ・メタデータをアプリケーションにインポートできます。同様に、AICC仕様に準拠しているメタデータもインポートできます。
メタデータをアプリケーションからエクスポートして、SCORMまたはIMS仕様に準拠しているXMLファイルを作成できます。エクスポート・ユーティリティではAICC仕様をサポートしていません。
e-Learningコミュニティには、オンライン学習コンテンツを管理するためのガイドラインと仕様が必要です。コンテンツとメタデータが共通の仕様に準拠している場合、作成者および管理者は、重要な変更を必要とせずに、複数の学習管理システム間でオンライン・コンテンツを作成、管理および配布できます。
インポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティを使用すると、学習オブジェクト、コンテンツ・ファイルおよびテスト・オブジェクトを転送できます。これらのユーティリティはXMLファイルで機能し、IMS、Shareable Content Object Reference Model(SCORM)またはAviation Industry CBT Committee(AICC)仕様に準拠しています。これらの仕様により、重要な変更を必要とせずに、コンテンツとメタデータを様々な学習プラットフォーム間で再利用できます。
次のタイプのメタデータをインポートおよびエクスポートできます。
コンテンツ・メタデータをインポートすると、XMLファイルの情報から学習オブジェクトが作成されます。コンテンツ・メタデータとともに、実際のコンテンツ・ファイルもインポートできます。
テストをインポートすると、XMLファイルで使用可能な、IMS QTI仕様に準拠したテスト・メタデータに基づいてテスト・オブジェクトが作成されます。
仕様に準拠すると、ユーザーは、重要な変更を必要とせずに、複数の学習プラットフォームでコンテンツ・メタデータとテスト・メタデータにアクセスできます。
アプリケーションでは、コンテンツ・メタデータとテスト・メタデータのインポートおよびエクスポート用に次の一連の仕様がサポートされています。
IMSは、学習機関とベンダーで構成される協会です。学習サーバー、学習コンテンツおよびこれらの機能の企業による統合に関する標準を制定しています。IMSでは、分散学習環境を実現し、複数の作成者によるコンテンツをまとめて使用できるように、この仕様の広範囲にわたる採用を促進しています。次の内容について、オープン仕様の開発と促進を行っています。
IMSの詳細は、IMSのWebサイト(www.imsproject.org)を参照してください。
Shareable Content Object Reference Model(SCORM)は、Advanced Distributed Learning(ADL)グループが開発した仕様です。ADLは、有効なオンライン学習を促進するために、政府、学会および産業界が共同で運営しています。
SCORMは、Webベースの学習コンテンツ・モデルを定義した参照モデルです。様々なコンテンツ・プロバイダ間で相互運用できるように設定された、相互に関連する一連の仕様です。
SCORMでは、IMSやAviation Industry CBT Committee(AICC)などの他の仕様の機能を組み合せています。この仕様を使用すると、複数の環境および製品間でWebベースの学習コンテンツを再利用できます。
SCORMの詳細は、SCORMのWebサイト(www.adlnet.org)を参照してください。
AICCは、航空産業のコンピュータベースの研修(CBT)に関連したガイドラインを作成している、テクノロジに基づく研修の専門家で構成された国際的なグループです。これらのガイドラインはすべてのCBTに適用されるため、費用効果が高く、効率的で持続可能な研修を求める他の業界でも採用されています。
Computer Managed Instruction(CMI)に関するAICCガイドラインは、広範囲のCMIおよび学習管理システム(LMS)と通信するコンテンツを作成する際に役立ちます。
AICCの詳細は、AICCのWebサイト(www.aicc.org)から入手できます。
OLMでは、IMS、SCORMまたはAICC(インポートのみ)仕様に準拠したコンテンツ・メタデータをインポートおよびエクスポートできます。
アプリケーションには、学習オブジェクトとテスト・オブジェクトの両方を含むコンテンツ階層のインポートまたはエクスポート用に、OLM固有の個別のユーティリティが用意されています。
注意: 付加フレックスフィールドの値は、インポートまたはエクスポートできません。インポート・ユーティリティおよびエクスポート・ユーティリティでは、付加フレックスフィールドは無視されます。
学習オブジェクトは、IMS、SCORM、QTIまたはAICC仕様に準拠し、zipまたはjarファイルに格納されたXMLファイルを使用してインポートできます。
インポート・ユーティリティでは、新規オブジェクトの作成、および既存オブジェクトの変更または削除の両方がサポートされています。インポート・ユーティリティの画面にあるオプションを使用して、識別子の値を照合することで既存オブジェクトの更新を試行するかどうかを指定します。このオプションを指定すると、インポート処理中に、識別子が一致した既存オブジェクトが更新されます。識別子が一致しない場合は、別の一意IDで新規オブジェクトが作成されます。
サイトの管理者がOLMコンテンツ・サーバーを設定している場合は、コンテンツ・メタデータの作成とともに、実際のコンテンツ・ファイルをそのサーバーにインポートできます。
インポート・ユーティリティを使用する前に、次の内容について確認してください。
学習オブジェクトのインポートでは、次のいずれかの仕様タイプを指定できます。
注意: このオプションは、メタデータを1つのOLMインスタンスから別のOLMインスタンスにインポートするために使用します。
コンテンツ・メタデータをインポートすると、XMLファイルの情報から学習オブジェクトが作成されます。学習オブジェクトは、物理コンテンツ・ファイルを表し、それらのファイルに関する情報を提供するデータベース・オブジェクトです。インポートしたオブジェクトは、アプリケーションに直接作成する他の学習オブジェクトやテスト・オブジェクトと同じように、コンテンツ・ツリーに表示されます。XMLファイルには、学習オブジェクトの作成に必要な情報(識別子、タイトル、追跡タイプ、コンテンツ・タイプ、言語および開始URL)が含まれている必要があります。XMLファイルには、学習オブジェクトの摘要などのオプション情報も含めることができます。
既存の学習オブジェクトは、XMLのインポート・ファイルにある識別子の値(外部IDおよび外部ソース・タグ)を照合することで更新されます。既存のオブジェクトを更新する場合は、照合オブジェクトの更新の試みのチェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスによって、インポートで常に新規オブジェクトを作成するか、最初に既存オブジェクトの更新を試行するかを指定します。デフォルトでは、このチェック・ボックスは選択されています。
識別子が同じでも常に新規オブジェクトを作成する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除します。この場合は、インポート処理によって重複したオブジェクトが作成されます。
属性値の更新
学習オブジェクトの更新時に、特定のオプション属性の既存値を完全に削除するには、コンテンツ・メタデータ(XMLファイル)に適切なXMLタグを指定し、その値を空白、つまり空にします。このタグをXMLファイルに指定しないと、既存の値は変更されません。
学習オブジェクトの一部の値のみを更新し、他の値は変更しない場合は、更新しないオプション属性のXMLタグを除外します。
必須属性を空白にして更新することはできません。必須属性は、学習オブジェクトのプロパティ・ページにアスタリスクで示されています。これらの属性には常に値が必要なため、値のない必須XMLタグは、インポート処理で無視されます。
コンテンツ情報は、フォルダまたは個別の学習オブジェクト・レベルでエクスポートできます。学習オブジェクトをエクスポートすると、その情報がXMLファイルで作成され、.zipまたは.jarファイルに圧縮されて格納されます。この情報には、コンテンツ・メタデータにある必須情報とオプション情報の両方が含まれます。
サイトの管理者がOLMコンテンツ・サーバーを設定している場合は、コンテンツ・メタデータのエクスポートとともに、そのサーバーの実際のコンテンツ・ファイルをエクスポートできます。
コンテンツ・メタデータのエクスポートでは、「エクスポート: 仕様」ページにある次のいずれかの仕様タイプを指定できます。
注意: エクスポートする学習オブジェクトに関連付けられたコンテンツ・ファイルをエクスポートするには、「エクスポート: 仕様」ページで「メタデータ付き物理コンテンツ・ファイルのダウンロード。」チェック・ボックスを選択します。
IMS Question and Test Interoperability(QTI)仕様に準拠したテスト・オブジェクトをインポートおよびエクスポートできます。テストをエクスポートすると、その情報がXMLファイルで作成され、.zipまたは.jarファイルに圧縮されて格納されます。この情報には、テスト・メタデータにある必須属性とオプション属性の両方が含まれます。テスト・メタデータをインポートすると、XMLファイルで使用可能なメタデータ情報からテスト・オブジェクトが作成されます。
注意: 付加フレックスフィールドの値は、インポートまたはエクスポートできません。インポート・ユーティリティおよびエクスポート・ユーティリティでは、付加フレックスフィールドは無視されます。
OLMでは、次のテスト・コンポーネントをインポートおよびエクスポートできます。
テスト・コンポーネント | インポートされるコンポーネントのプロパティ |
テスト | 名称、タイプ、フィードバック・メッセージ、制限時間、テスト・インストラクション |
セクション | 名称、フィードバック・メッセージ、問題数 |
問題 | 問題テキスト、スコア、問題タイプ、フィードバック・メッセージ |
返答 | 返答テキスト、正解のフィードバック |
テスト・オブジェクトの更新
既存のテスト・オブジェクトは、XMLのインポート・ファイルにある識別子の値(外部IDおよび外部ソース・タグ)を照合することで更新できます。既存のテスト・オブジェクトを更新する場合は、照合オブジェクトの更新の試みのチェック・ボックスを選択すると、テスト・オブジェクトのみが更新され、テスト・セクションおよび問題の内部は更新されません。外部IDおよび外部Scrタグは、テスト・セクションおよび問題には使用できません。そのため、2回以上同じテストをインポートする場合、新規テストの作成とは異なり、インポート処理で、同じテスト・オブジェクトが更新されますが、毎回新規のセクションおよび問題が作成されます。
OLMでは、テスト関連オブジェクトのインポートとエクスポートで次の仕様がサポートされています。
IMS QTI 1.01: 選択した階層またはフォルダ内に含まれているアセスメント・テスト・オブジェクトをインポートまたはエクスポートします。
注意: テストは、「コンテンツ階層とアセスメント階層のインポート」オプションを使用することで、コンテンツ階層の一部として、他の学習オブジェクトとともにインポートおよびエクスポートすることもできます。
コンテンツ体系をインポートおよびエクスポートするには、「コンテンツ階層とアセスメント階層のインポート」オプションを使用します。これは、他の仕様とは異なり、テスト(QTI仕様)または学習オブジェクト(SCORM仕様)のみをインポートまたはエクスポートします。
このオプションを適用できるのは、OLMアプリケーション間でのメタデータの交換に対してのみです。OLM以外のアプリケーションに生成するメタデータはインポートできません。
「コンテンツ階層とアセスメント階層のインポート」オプションでは、次の処理が実行されます。
「コンテンツ階層とアセスメント階層のエクスポート」オプションでは、次の処理が実行されます。
アプリケーションで個別のオプションを使用すると、コンテンツ体系に新規の学習オブジェクトを作成せずに、物理コンテンツ・ファイルをOLMコンテンツ・サーバーにアップロードできます。学習オブジェクトがすでに存在する場合は、学習オブジェクト、フォルダまたはプロパティ・ページで「アップロード」機能を使用し、コンテンツ・ファイルのみをアップロードします。
1つのコンテンツ・ファイルまたは複数のコンテンツ・ファイルをOLMコンテンツ・サーバーにアップロードできます。複数のファイルをアップロードするには、各ファイルごとにアップロード処理を繰り返すか、1つのzipファイルを作成して同時にすべてのファイルをアップロードします。OLMコンテンツ・サーバー上のzipファイルの内容は、自動的に解凍されます。学習オブジェクトの「コンテンツの場所」プロパティは、新規の場所に更新されます。
注意: コンテンツのアップロードを実行するには、作業中のインスタンスに、OLMコンテンツ・サーバーに対するアクセス権限が付与されている必要があります。インスタンスにOLMコンテンツ・サーバーを使用できる権限がない場合は、サイトの管理者に連絡してください。
「コンテンツ」タブにあるオブジェクトをインポートします。学習オブジェクトまたはテストは、フォルダ、親学習オブジェクトまたはテストにインポートできます。親オブジェクトにインポートすると、選択した親オブジェクトの体系内に子学習オブジェクトまたはテスト・オブジェクトが作成されます。
ステップ1: 新規オブジェクトをインポートするフォルダまたは学習オブジェクトを選択します。
ステップ2: 適切なプロパティ・ページで、「インポート」をクリックします。インポート・ファイル・タイプおよび場所ページが表示されます(各テスト・オブジェクトの場合を除く。仕様オプションがIMS QTIのみのため)。
ステップ3: 適切なインポート・ファイルおよびオプションを指定します。詳細は、「インポート・ファイル・タイプおよび場所ページの使用」を参照してください。
注意: IMS QTIまたはコンテンツ階層とアセスメント階層の2つのオプションについては、追加のページ「インポート: 問題バンクの選択」が表示されます。アセスメント・テスト用の問題を保持する問題バンクの名前を選択します。あるいは、新規問題バンクの作成を選択して新規バンクを作成し、すべての問題をそのバンクにインポートします。
ステップ4: この手順は、SCORMのインポートのみに適用され、QTIには適用されません。「インポート: コンテンツの場所」ページを使用して、次のように、関連するコンテンツ・ファイルの場所を特定します。
ステップ5: 「インポート: 分析結果」ページで、ファイルに関するアプリケーション検証結果を表示して、注意が必要なエラーを識別します。このページには、インポート処理を続行した場合に実行される処理が表示されます。
ステップ6: インポートを続行すると、オブジェクトがインポート中であることを示すアラートが表示されます。このアラートの「取消」をクリックすると、オブジェクトはインポートされず、「分析結果」画面が表示された状態になります。
ステップ7: インポート処理が完了すると、「インポート: 成功」ページが表示されます。
ステップ8: 「ログの表示」をクリックすると、「インポート: ログ」ページが表示されます。このページには、インポート処理中に実行された処理とエラーまたは警告が表示されます。
インポート・ファイル・タイプおよび場所ページで、適切なインポート・ファイルおよびオプションを指定します。
ステップ1: ファイルとそのファイルの適切な仕様を指定します。ファイルが選択した仕様と一致しない場合は、ファイルのインポート時にエラー・メッセージが表示されます。
提案: 最初に仕様を選択してから、ファイル名を指定してください。ファイルの指定後に仕様を選択すると、ファイル名の再入力が必要になります。
ステップ2: 適用可能な追跡タイプ・オプションを次の中から選択します。
ステップ3: このページの最後のオプションは、インポートで常に新規オブジェクトを作成するか、既存オブジェクトの更新を試行するかを指定するチェック・ボックスです。デフォルトでは、このチェック・ボックスは選択されています。XMLインポート・ファイルにある識別子の値を照合することで、既存オブジェクトの更新が試行されます。識別子が同じでも常に新規オブジェクトを作成する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除します。このチェック・ボックスの選択を解除すると、重複したオブジェクトが作成される可能性があることに注意してください。このチェック・ボックスはAICC仕様に対しては適用されず無視されます。
「コンテンツ」タブにあるオブジェクトをエクスポートします。フォルダまたは個別の学習オブジェクトから学習オブジェクトまたはテストをエクスポートできます。学習オブジェクトまたはテストをエクスポートすると、その情報がXMLファイルで作成され、.zipまたは.jarファイルに圧縮されて格納されます。
ステップ1: エクスポートするフォルダ、学習オブジェクトまたはテスト・オブジェクトを選択します。
ステップ2: 適切なプロパティ・ページで、「エクスポート」をクリックします。「エクスポート: 仕様」ページが表示されます(各テスト・オブジェクトの場合を除く。仕様オプションがIMS QTIのみのため)。
ステップ3: 「エクスポート: 仕様」ページで、そのエクスポート・ファイルのベースとなっている仕様を選択します。
ステップ4: .zipファイルの保存を求められます。デフォルトのファイル名を変更してディレクトリに保存できます。
ステップ1: アップロードするコンテンツ・ファイルが含まれる学習オブジェクトを選択します。
ステップ2: 適切なプロパティ・ページで、「アップロード」をクリックします。
ステップ3: 表示されるページで、コンテンツをOLMコンテンツ・サーバーにアップロードするために必要な詳細を入力します。このページには、次のフィールドが表示されます。
注意: アップロードの段階で初期ファイル名が不明な場合は、ダミーのファイル名を入力し、後でプロパティを更新できます。
ステップ4: アップロード処理の完了後、学習オブジェクトの「コンテンツの場所」プロパティは、OLMコンテンツ・サーバーを指し示すように自動的に更新されます。