Oracle Advanced Product Catalogインプリメンテーション・ガイド リリース11i B25746-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
OracleのE-Business Suiteは、Oracle Filesとの統合によって、広範囲にわたる文書管理機能を提供します。Oracle Filesでは、構造化されていないデータを非常に柔軟に編成できます。ここでは、Oracle Filesリポジトリ内のファイルとフォルダを編成する際に考慮する必要があるいくつかのオプションについて説明します。
Oracle PLM Family Pack Cには、Oracle Collaboration Suiteリリース2(9.0.4)に統合された文書管理機能が含まれています。この機能によって、エンド・ユーザーは、E-Business Suite用のエンタープライズ・コンテンツ管理リポジトリを構築し、文書をビジネス・プロセスに統合できます。この機能を使用する場合は、Oracle Collaboration Suiteリリース2(9.0.4)をインストールして構成する必要があります。Oracle Collaboration SuiteをOracle Applicationsとともにインストールして構成する方法は、OracleMetaLinkのnote 284077.1『Implementing Oracle Files with Oracle E-Business Suite 11i』を参照してください。
Oracle Filesは、ユーザー・コラボレーションをサポートするために設計された先進的なコンテンツ管理システムです。このシステムの使いやすいWebインタフェースと安定したコンテンツ管理機能によって、Oracle Filesユーザーは、データへのアクセス、データ管理、およびデータ共有を容易に実行できます。
Oracle Filesには、ワークスペースまたは共有フォルダという概念が導入されています。ワークスペースとは、定義された一連のユーザーがアクセスできるフォルダのことで、各ユーザーには、次に示す3つの権限セットのいずれかが割り当てられます。
ワークスペースの「管理者」ロールの役割は、そのワークスペースを管理することです。管理ロールには、ワークスペース・メンバーの追加と削除、メンバー・アクセス権限の変更、ワークスペースの追加割当ての要求、可視性とワークスペース・タイプの指定などの機能が含まれます。ワークスペースの「管理者」には、ワークスペース内のファイルとフォルダに対するフル・アクセス権限があり、他のワークスペース・メンバーがロックしたファイルのロックを解除できます。
ワークスペースの「参加者」は、ワークスペース内のファイルとフォルダのコンテンツとプロパティを編集できます。また、ワークスペースでのアイテムのコピーや移動、ワークスペースとそのワークスペースの「ごみ箱」フォルダからのファイルとフォルダの削除を実行できます。
ワークスペースの「参照者」は、ワークスペースのファイルとフォルダの表示に制限されます。
ワークスペースに加え、Oracle Filesでは、ファイルをさらに論理的にグループ化してフォルダを作成できます。ユーザーは、適切なアクセス・レベルを持つ場所にフォルダを作成できます。フォルダを作成できるのは、「プライベート」フォルダ内と「パブリック」フォルダ内、および自分が「参加者」または「管理者」であるワークスペース内です。
ユーザーは、自分のマイ・プライベート・ファイル、マイ・パブリック・ファイル、マイ・ワークスペースおよび「ごみ箱」フォルダ内のファイルとフォルダにアクセスできます。フォルダごとに異なるアクセス・レベルが提供されます。
各ユーザーにはマイ・プライベート・ファイル・フォルダがあります。このフォルダにアクセスできるのは、そのマイ・プライベート・ファイル・フォルダの所有者のみです。所有者は、フォルダ内のコンテンツを完全に管理できます。
注意: 「管理者」にも、各ユーザーのマイ・プライベート・ファイル・フォルダに対するフル・アクセス権限があります。個人専用ファイルの詳細は、Oracle Filesのオンライン・ヘルプを参照してください。
各ユーザーにはマイ・パブリック・ファイル・フォルダがあります。このフォルダの所有者は、フォルダ内のコンテンツを完全に管理でき、所有者または「管理者」以外のユーザーは、このフォルダに対して追加や削除などの処理は実行できません。ただし、このフォルダはすべてのユーザーが表示でき、公開フォルダのコンテンツのコピー、およびそのファイルまたはフォルダへのリンクの作成はすべてのユーザーが実行できます。
すべてのパブリック・ファイル内のすべてのファイルは、すべてのOracle Filesユーザーが表示できます。すべてのパブリック・ファイルからは、「ユーザー」の使用可能な「パブリック」フォルダおよび「ワークスペース」の使用可能な「パブリック」フォルダのコンテンツを表示できます。
マイ・ワークスペースおよびワークスペースのごみ箱にあるファイルとフォルダへのアクセスは、各ワークスペースのメンバーに限定されます。ファイルとフォルダにアクセスできるのは、特定のワークスペースのメンバーであるユーザーのみです。ただし、ワークスペースの「パブリック」フォルダのコンテンツにはアクセスできます。ワークスペース・メンバーがワークスペース内のファイルとフォルダで実行できる処理は、そのメンバーのアクセス・レベルによって決まります。
Oracle Filesには、次の2種類のごみ箱があります。
マイ・プライベート・ファイルまたはマイ・パブリック・ファイルから削除したファイルまたはフォルダはごみ箱に移動します。移動した後は、アイテムまたはそのプロパティの変更はできません。ただし、個人のごみ箱のコンテンツは移動、削除および空にすることができます。マイ・プライベート・ファイルの場合と同様に、個人のごみ箱にアクセスできるユーザーは、「サブスクライバ」の中で所有者のみです。
ワークスペースから削除したファイルまたはフォルダは、ワークスペースのごみ箱に移動します。移動した後は、ファイルまたはフォルダのプロパティを変更することはできません。ワークスペースのごみ箱のコンテンツを移動、削除および空にすることができるのは、「参加者」または「管理者」のみです。ただし、ごみ箱からのファイルまたはフォルダのコピーは、すべてのワークスペース・メンバーが実行できます。
前述したように、Oracle Filesでは、データを非常に柔軟に構成できます。非構造化データ(文書/ファイル/フォルダ)の編成に関する実装決定では、セキュリティについて次の点を考慮する必要があります。
企業内部のみで使用するコンテンツと、コラボレーション・プロセスの一部としてまたはWebサイトで外部と共有するコンテンツの区別
EBSで組織としてモデル化されている組織別のアクセス権限
品目カタログ・カテゴリまたは品目タイプ別のアクセス管理
品目、変更管理、プロジェクト、発注など、EBS内のビジネス・オブジェクト別のアクセス管理
品目のライフサイクル・ステータス別のアクセス管理
次に、フォルダ/ワークスペースの構成例をいくつか示します。
例1: 品目カタログ・カテゴリによるワークスペースのモデル化
例2: 企業内の組織または部門によるワークスペースのモデル化
例3: EBS内のビジネス・オブジェクトによるワークスペースのモデル化
例4: ライフサイクル・フェーズによるワークスペースのモデル化
文書管理を使用した添付管理の詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』を参照してください。
文書添付のレビューまたは承認では、次の機能が提供されます。
柔軟でスケーラブルな方法による様々なタイプのレビュー/承認の定義
レビュー/承認に関するユーザー定義属性の把握
セキュアなコラボレーション
柔軟で高度な承認経路の定義
複雑なパラレルとシリアルの承認経路は、厳密な承認プロセスを実施するための事前定義テンプレートとして作成できます。または企業内で追加承認を得るための非定型な経路を指定できます。
添付は、レビューまたは承認のために選択され、発行されます。レビューと承認のワークフローは、互いに独立している場合があります。承認と検証のプロセスでは、新規ステップの非定型な追加をサポートする事前定義の承認テンプレートが使用されます。プロセスにステップを追加できるのは、ワークフロー経路が特定のステータスに関連している場合のみです。(品目カタログ・カテゴリ内の)事前定義のステップは削除できません。ステップに担当者を追加することはできますが、事前定義の担当者を削除することはできません。選択した承認またはレビューのタイプに基づいて、ワークフロー/承認経路が決まります。承認の最終通知も含めて、承認プロセスの様々な段階で対応する通知が送信されます。承認者は、ビジネス・オブジェクトでのユーザーのロールから導出されます。
システムによって文書の現在のステータスが示されます。文書のステータスは、「承認済」、「レビュー済」、「承認のために発行」、「レビューのために発行」または「否認済」のいずれかです。文書ステータスがこれらのステータス以外の場合、その文書は正式なレビューと承認のプロセスを経由して発行されていないことを意味し、ステータスは「草案」または「未承認」になります。文書が「承認」プロセスを先に進むのに従って、文書ステータスは自動的に更新され、レビューまたは承認そのものについては、様々なユーザーに対して適切な経路が指定されます。
文書のレビューと承認プロセスの構築には、変更カテゴリとしてモデル化されている承認とレビューとともに変更管理フレームワークが使用されます。したがって、様々な承認タイプとレビュー・タイプの作成では、変更カテゴリに対するヘッダー・タイプの定義と同じように、わずかな相違点があるのみです。たとえば、ライン・タイプと関連ライン・タイプは、承認タイプとレビュー・タイプには定義できません。同様に、「参照」、「依存関係」および「添付」の各セクションは使用できません。
文書承認またはレビューのタイプが定義されると、各ステータスとワークフローが関連付けられます。「承認」タイプには「承認」ステータスがあり、承認ワークフローが関連付けられている必要があります。ワークフローの作成方法の詳細は、「ワークフロー・テンプレートの定義」を参照してください。文書の承認とレビューを設定して使用するには、Oracle FilesをOracle Applicationsとともにインストールして構成する必要があります(metalink note 242348.1『About doc for PLM FP-C』を参照)。
文書の変更管理では、製品に関する重要な非構造化情報の一部である、様々な種類の添付に対する変更管理機能が提供されます。
変更オーダーを使用してサポートされる添付変更のタイプは、次のとおりです。
添付の追加
添付の削除
変更管理は、変更オーダーの承認と実施プロセスを使用し、上位のエンティティに対する変更を作成、追跡および管理するメカニズムを提供することで実行されています。次の処理を実行できます。
変更オーダーで改訂される、または影響を受ける品目と文書を指定できます。
使いやすいUIを使用して、懸案や変更要求の正確な解決に必要な変更を作成して指定できます。
品目ロール、必要な変更および品目のライフサイクルに基づいて、承認用の変更オーダーを適切な改訂品目の担当者宛に経路指定できます。
変更オーダーの承認後、変更は、指定の実施日に手動でまたは自動的に実施する必要があります。
文書の変更管理は、APCで使用可能な変更管理機能を通じてサポートされます。ユーザーは、変更オーダーを作成し、レビュー済品目の添付に対して変更を指定できます。改訂品目に対する添付変更を可能にするための変更オーダーの設定では、「変更カテゴリと変更タイプの定義」のステップで説明した以外に必要な追加ステップはありません。
ただし、文書の変更管理を設定して使用するには、Oracle FilesをOracle Applicationsとともにインストールして構成する必要があります(metalink note 242348.1『About doc for PLM FP-C』を参照)。