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Oracle Advanced Product Catalogインプリメンテーション・ガイド
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B25746-01
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Product Data Synchronizationの理解

Product Data Synchronizationの概要

企業はOracle Product Data Synchronization for Global Data Synchronization Network (GDSN) and UCCnet Servicesを使用することで、UCCnetに対しておよびGlobal Data Synchronization Network(GDSN)を介して製品情報を確実に配信し、そのデータを取引先にシンジケートできます。

Product Data Synchronization(PDS)には、GDSNおよびUCCnetによって製品データ同期化用に定義された属性にマップする事前作成の品目属性が備わっています。また、誤りのないデータのみが確実に送信されるように、これらの属性定義用の承認済書式に対する広範囲にわたる妥当性チェックも提供されます。さらに、PDSには、GDSNおよびUCCnetで指定されている書式に形成される完全なメッセージ・ソリューションも用意されています。

PDSは、UCCnetおよび取引先に不正確な製品データを送信することによって、企業で直接費や間接費が生じることのないように設計されています。直接費には、不正確なデータ送信のためにUCCnetによって科される罰金があります。間接費には、販売の遅延または不成立などがあります。PDSの品目属性には、入力データに誤りがないことを保証するための広範囲にわたるデータ妥当性チェックが備わっています。メッセージ・システムでは、すべてのメッセージの完全な取引履歴が提供され、データ・プールおよび取引先とのすべての通信の全監査証跡が提供されます。

登録およびシンジケート

テキストで説明されている画像

Global Data Synchronization NetworkおよびUCCnetの概要

Global Data Synchronization Networkおよびそのグローバル・レジストリでは、インターネット・ベースの製品情報の登録および同期サービスの提供によって、電子商取引の基礎が提供されます。これらのサービスには、準拠の検証、製品情報の同期化、同期化された製品やユーザー事業所およびユーザー取引機能のレジストリ管理とライフサイクル管理などがあります。企業は、これらのサービスを使用して、自社のサプライ・チェーン全体で品目情報を同期化できます。製造業者は標準プロセスを使用して製品情報をGDSNに登録および更新でき、製造業者の取引先(販売代理店、販売業者、小売業者など)はその情報にアクセスできます。

Oracle PDSを使用すると、企業は正確な製品データを顧客および仕入先と効率的に同期できます。PDSは、1つまたは多数の顧客サイト(グローバル事業所番号)に関連付けられているグローバル取引品目番号(GTIN)を企業がUCCnetに登録できるようにすることで、製品情報を管理し、関連する製品データを取引先に配信するための完全なソリューションを提供します。

PDSの主な機能は、次のとおりです。

Global Data Synchronization Network

プロファイル・オプション

Oracle Advanced Product Catalog(APC)には、アプリケーション内の特定機能の動作を可能にしたり、変更するためのシステム・プロファイル・オプションがいくつか用意されています。

次に、GDSNプロファイル・オプションの説明を示します。

APCプロファイル 説明 デフォルト値
EGO GDSN使用可能 GDSN同期機能を管理します。値を「Yes」に変更するとGDSN機能が使用可能になります。
このフラグを「Yes」にすると、次のようになります。
  • GDSNデフォルト機能領域が表示されます。

  • GDSN属性が設定リスト・ページに表示されます。

  • GDSN属性が品目カタログ・カテゴリに関連付けられます。

  • 品目の作成および機能分類ページの「GDSNシンジケート」機能領域フラグが使用可能になります。

NULL

参照

Oracle APCでは、サイト全体に対する値を格納するためのシステム・レベルの参照が提供されます。

APC参照 説明 デフォルト値
EGO_UCCNET_DATA_SOURCE_GLN
  • GLN

  • 名称

この参照を使用すると、情報プロバイダのGLN番号と名称を入力できます。

注意: 情報プロバイダのGLNと名称を指定するには、参照を次のように更新する必要があります。

LOOKUP_TYPE = EGO_UCCNET_DATA_SOURCE_GLN

LOOKUP_CODE = GLN

Meaning = 実際のGLN

LOOKUP_CODE = NAME

Meaning = 実際の名称

NULL

GDSNカタログの設定

GDSNカタログは、在庫カタログや購買カタログなど、Oracle E-Businessに存在する他の機能領域のデフォルト・カタログと同じです。品目/GTINをGDSNシンジケート機能領域に関連付けると、品目/GTINはGDSNシンジケートに関連付けられているデフォルトのカタログに割り当てられます。

既存のカタログをこの機能領域に関連付けるか、または新規カタログを作成して関連付けることができます。

UCCnetデータ・プールでは、品目/GTINの分類としてUDEXカタログを使用する必要があります。たとえば、UCCnetデータ・プールと通信するために、UDEXカタログ・カテゴリ分類を使用してGDSNカタログを作成できます。UDEXカテゴリは、3セグメントのフレックス体系に従います。

UDEXカタログ全体をGDSNカタログに設定するか、またはビジネス要件に応じて必要なカテゴリのみを設定できます。たとえば、「防災/セキュリティ&警備/非常時対策」には、「その他のセキュリティ」と「防火/化学物質安全性製品」の2つのサブカテゴリがあります。企業が錠を製造していて防火製品または化学品防災製品を製造していない場合、カタログ管理者は1つの子カテゴリ「その他のセキュリティ」のみを設定できます。

カタログの作成方法の詳細は、「カタログの定義」を参照してください。

次に、品目カタログ・カテゴリ割当機能の「Excelからのインポート」を使用して、品目/GTINをこのGDSNカタログに一括割当できます。

GDSNシンジケート機能領域

テキストで説明されている画像

GDSN属性の設定

Oracle Product Data Synchronizationには、様々なGDSN属性グループに150以上のGDSN属性がシードされています。GDSN属性グループは、既存のユーザー定義属性グループ機能と同様です。

シード済GDSN属性のリスト

テキストで説明されている画像

GDSN属性グループ内のこれらのGDSN属性はカスタマイズできます。次に例を示します。

顧客GDSN属性

テキストで説明されている画像

次に、ビジネス・ニーズに応じて評価する必要があるGDSN属性の設定の一部を示します。

属性グループ 属性名 単位区分
取引品目測定 直径 長さ
取引品目測定 総重量 重量
取引品目測定 固形量 重量
取引品目測定 水平ペグ 長さ
取引品目測定 垂直ペグ 長さ
受注情報 受注リード・タイム 時間
取扱情報 最大スタッキング重量 重量
ハードライン産業 取引品目ごとの個数 CNT
ハードライン産業 ネスティング増分 CNT

次の属性に対する値セットを設定します。

属性グループ 属性
取引品目摘要 クーポン・ファミリ・コード
取引品目測定 正味容量の値(正味容量の単位)
GTINカラー摘要 カラー・コード摘要
GTINカラー摘要 カラー・コード・リストの機関
サイズ摘要 サイズ・コード・リストの機関
サイズ摘要 サイズ・コードの値
取扱情報 取扱上の注意事項コード
有害情報 危険コードの区分
有害情報 危険商品有害コード
有害情報 危険商品規則コード
有害情報 危険商品梱包グループ
取引品目の調整システム識別子 調整関税のシステム識別コード

PDSでは、ハードラインおよびFMCG産業の拡張がサポートされています。これらの産業拡張属性は、「EGO GDSN使用可能」プロファイル・オプションが「Yes」に変更されたときに品目カタログ・カテゴリに関連付けられません。これらの属性を品目カタログ・カテゴリに関連付ける必要があります。また、ハードラインまたはFMCG属性を表示するためには、ページを作成するか、既存のページを更新する必要があります。

梱包体系の設定

Oracle APCには、構成タイプとして梱包BOMがシードされています。この構成タイプに対して作成される梱包構成は、公開メッセージの一部としてGDSNデータ・プールに送信されます。この構成タイプの梱包階層に対して構成名を作成できます。

ユーザーは、この構成タイプと構成名を使用して、独自の梱包構成を作成できます。

構成タイプと構成名の詳細は、「品目構成の定義」を参照してください。

GTIN番号生成の設定

グローバル取引品目番号(GTIN)には、既存のUPCおよびEANの識別子が包含されており、製品階層の全レベルが一意に識別され、データは一貫性のある書式と構成で配信されます。GTINは、会社と品目、およびその梱包方法に関する情報が含まれる14桁の数字です。

Oracle Product Data Synchronizationでは、ユーザー定義関数に従ってGTINを自動的に生成し、製品に割り当てる機能が提供されます。また、自由書式の数値フィールドにユーザーがGTINを入力できる機能があります。

ユーザー定義関数に応じて、関数の入力パラメータとして、UPCまたはEANコードなどの製品分類または属性を設定できます。

APCでは、GTIN作成プロセス時に、GTIN検証桁が検証されます。

GTIN番号の生成

テキストで説明されている画像

顧客のGLNの設定

GLNは、会社の物理的な事業所に対して割り当てられるグローバル事業所番号です。GLNは13桁の数字で、最後の桁は検証桁です。ユーザーは、「Customers Online」画面を使用して、各顧客所在地にGLN番号を割り当てることができます。

GLNの設定

テキストで説明されている画像

グローバル事業所番号は、主にProduct Data Synchronizationの目的で使用されるため、デフォルトでは表示されません。パーソナライズ・フレームワークを使用すると、フィールドを表示できます。

注意: 「グローバル事業所番号」フィールドが顧客所在地の更新画面に表示されない場合は、OAパーソナライズ・オプションを使用して表示してください。

「グローバル事業所番号」を表示する手順は、次のとおりです。

  1. システム管理者職責を使用して、プロファイル・オプション「Self-Service定義のパーソナライズ」を「Yes」に設定します。

  2. ユーザーIDを使用してログインし、プロファイル・オプションにナビゲートして「FND: パーソナライズ・リージョン・リンク使用可能」を「Yes」に設定します。

  3. カスタマ・オンライン・スーパー・ユーザー職責を使用して、「実際の顧客名: 所在地の更新」画面にナビゲートします。

  4. 「国」値リスト属性の横にある「パーソナライズ」リージョン・リンクをクリックします。

  5. 「パーソナライズ・コンテキストの選択」ページで、フィールドのデフォルト値をそのままにして、「適用」をクリックします。

  6. パーソナライズ構成セクションで、行レイアウト(glnRowLayout)用の「パーソナライズ」アイコンをクリックします。

  7. 「パーソナライズ」プロパティ・セクションで、レンダリング済の行について、サイト設定を「TRUE」に変更します(注意: 「当初定義」は「FALSE」に設定されています)。

  8. 「適用」をクリックして変更内容を保存します。

グローバル取引品目番号情報の管理

注意: GTIN相互参照を除いて、これらの機能を使用するには、Oracle Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesのライセンスを取得している必要があります。また、「EGO GDSN使用可能」プロファイル・オプションを「Yes」に設定する必要があります。

品目カタログ内の任意の品目をGDSNシンジケートに使用可能にするには、その品目をGDSNシンジケート機能領域と関連付けられているカタログに割り当てます。品目を「GDSNシンジケート」として分類すると、GDSN属性が表示され、GDSN属性の定義を開始できます。

GDSNシンジケート用の品目を作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「品目の作成」ページで、「品目カタログ・カテゴリ」または「既存品目」を選択します。

  2. 「GDSNシンジケート」を選択します。

  3. 「品目の作成: 品目/摘要の入力」ページで、「取引品目単位記述子」を選択します。

  4. コピー手順で、GDSN属性を追加またはコピーします。

  5. 「品目情報のレビュー」で、GDSN属性を表示し、更新します。

  6. 「カテゴリ」サブ・タブで、デフォルトのGDSNカタログおよびカテゴリ割当を表示します。カテゴリ割当は更新できますが、GDSNカタログ割当は削除できません。

  7. 「関連」サブ・タブで、GTIN相互参照を追加します。GTIN相互参照の追加方法の詳細は、『Oracle Advanced Product Catalog User's Guide』のGTIN相互参照の管理に関する説明を参照してください。

注意: 「GDSNシンジケート」フラグは、作成中の品目が承認済品目であり、「新規品目要求」承認を必要としない場合にのみ適用されます。

「GDSNシンジケート」フラグは、複数品目の作成時には適用されません。

既存の品目をGDSNシンジケートに使用可能にする手順は、次のとおりです。

  1. GDSNシンジケートに使用可能にする品目を検索します。

  2. 品目の「概要」ページで、「分類およびカテゴリ」タブをクリックします。

  3. 品目がすでに使用可能かどうかを確認します。

  4. 「更新」をクリックします。

  5. 「GDSNシンジケート」チェック・ボックスを選択すると、カテゴリ割当リージョンがGDSNカタログとデフォルトのカテゴリ割当でリフレッシュされます。

  6. カテゴリ割当は更新できますが、GDSNカタログ割当は削除できません。

  7. GDSNカタログ・カテゴリ割当を追加すると、「GDSNシンジケート」チェック・ボックスが自動的に選択されます。

  8. 「適用」をクリックして変更内容を保存します。

注意: 品目をGDSNシンジケートに使用可能にすると、その品目は削除できません。GDSNシンジケートの選択を解除することも、GDSNカタログ・カテゴリ割当を削除することもできません。GDSNカタログ・カテゴリ割当を新規GDSNカテゴリに更新することはできます。

Microsoft Excelを使用して品目カタログ・カテゴリ割当をGDSNカタログにインポートすると、品目は自動的にGDSNシンジケートに使用可能になります。

Oracle UCCnetレジストリ・メッセージ

グローバル・レジストリは、レジストリ・メッセージのリポジトリです。Oracle Messages for UCCnet Registryでは、仕入先と小売業者のデータ同期化をサポートするための事前構成された一組の認証済UCCnet XMLメッセージが提供されます。また、顧客に電子交換の360度の概要を示すメッセージ管理ツールも同時に提供されます。これらのメッセージを使用すると、サブスクライバは、品目属性情報を登録でき、要求および通知を送受信できます。ユーザーが開始した処理に基づいてメッセージを生成するために、ワークフロー・ビジネス・イベント・システム(WF BES)とともにXML Gatewayが使用されます。UCCnet指定XMLメッセージそれぞれに対して特定のXML Gatewayマップが作成され、UCCnetレジストリとの通信に使用されます。また、UCCnetによってXMLスキーマ定義が提供され、必要な処理のためにUCCnetに伝播する前にXMLメッセージを検証できます。

Oracle Messages For UCCnet Registryは、Oracle Advance Product Catalog(APC)と緊密に統合されています。APCは、GTIN別およびUCCnetデータ構造に類似したGTIN階層別に品目情報を格納する、製造会社および小売会社向けのベース・アプリケーションです。仕入先の場合、APCはレジストリ・メッセージの開始点です。

注意: Oracle Messages for UCCnet Registryの最初のリリースでは、Supplier Synchronization Suiteがサポートされます。Demand Synchronization Suiteは、この製品の次回のメジャー・リリースで導入されます。

注意: Oracle UCCnetレジストリ・メッセージの実装方法の詳細は、『Oracle Applicationsのインストール』を参照してください。

注意: Messages for UCCnet(M4U)パッチのインストールの詳細は、OracleMetaLinkのnote number 298620.1を参照してください。

次の事前作成XMLメッセージがUCCnetの供給側の機能で使用されます。

カタログ品目レジストリの登録

カタログ品目レジストリの登録(RCIR)メッセージでは、製品がUCCnetデータ・プールに追加されます。初回の場合は、ブランド所有者のレジストリが更新されます。可能な処理は、追加、変更、訂正および削除です。RCIRを使用すると、品目を同期モードまたは非同期モードで登録できます。単一のメッセージがレジストリに送信された場合、UCCnetレジストリの応答は同期モードになります。ただし、複数メッセージ(バッチ・モード)が送信された場合は、UCCnetレジストリから同期で受け取るのは受領確認のみです。バッチの処理の詳細を取得するために、問合せメッセージ・トランザクションが開始されます。

カタログ品目通知

カタログ品目通知(CIN)メッセージは、受信者に配信されます。各CINの宛先は単一の受信者であるため、CINでは、製品の個々の値を使用できます。CINには、ハードライン用、FMCG用など、産業固有の属性に加え、拡張部分があります。CINで可能な処理は、追加、変更、訂正、削除および取下げです。

ワークリストの問合せメッセージ

問合せメッセージは、GLOBALRegistry、または取引先/受信者から受信した通知から情報を取り出すために使用されます。問合せ要求の送信にはXMLスキーマ・メッセージが使用されます。使用される様々な問合せメッセージは、バッチ・モードのRCIR、カタログ品目通知の要求(RFCIN)およびCICです。さらに、GTIN問合せも使用されます。

バッチ・モードのRCIRは、レジストリから戻された非同期メッセージの処理ステータスを収集するために使用されます。

RFCINは、品目に関係する情報に対するXMLメッセージ要求です。UCCnetの受信者取引先(通常は小売業者)が、GDSN(Global Data Synchronization Network)で公開されている品目の属性を検証する必要があるが、まだ永続的なサブスクリプションの設定を望んでいない場合は、RFCINを送信して、GDSN内のソース取引先(通常は仕入先)からの1回かぎりの品目情報の公開を要求します。RFCINに含まれているGTIN(グローバル取引品目番号)は、UCCnetデータ・プール(GS1 USAと呼ばれます)およびGS1グローバル・レジストリに登録されているとします。受信者取引先は、RFCINをUCCnetデータ・プールに送信します。品目データは、次の1つ以上の基準で要求できます。

UCCnetデータ・プールはRFCIN情報を受信し、コピーをソース取引先に転送します。供給取引先で異なるデータ・プールが使用されている場合に備えて、UCCnetデータ・プールは、RFCINメッセージをGS1グローバル・レジストリに発行します。RFCINへの応答として、ソース取引先はカタログ品目通知(CIN)をUCCnetに発行します。CINには、産業拡張の属性も含めて、品目属性の詳細が含まれます。UCCnetはCIN文書を受信し、それを受信者取引先のワークリストに送信します。RFCINメッセージ発行後30日間、受信者取引先は品目に対する変更または訂正(あるいはその両方)などの品目情報を受信します。30日間が経過する前に受信者が拒否の確認処理を発行した場合、品目データの変更は受信されなくなります。30日以内に何も措置がとられなかった場合は、30日間が経過した後も、受信者取引先は要求したカタログ品目データを継続して受信します。これは、CINの応答で拒否の処理を指定したカタログ品目確認(CIC)メッセージが発行されないかぎり継続されます。受信者取引先は、選択する確認処理(受入、同期化、拒否またはレビュー)の決定後すぐにCICメッセージを発行することをお薦めします。GS1グローバル・レジストリは、メッセージを検証し、メッセージ経路指定先のソース・データ・プールを判別し、メッセージを適切に配信します。

GTIN問合せでは、GTINを定義する要素がUCCnetレジストリから取り出されます。

UCCnet Supplier Synchronization Suiteのサポート

Oracle Messages for UCCnet Registryの初期リリースでは、完全なSupplier Synchronization Suiteが提供されます。仕入先または製造業者の場合は、品目情報をUCCnetに送信するため、または取引先から同期化フィードバックを取り出すために完全なSynchronization Suiteを使用します。Oracle Messages for UCCnet Registryは、Supplier Synchronization Suiteの2.3バージョンで動作確認されています。

次の図は、仕入先向けのUCCnet統合に対するOracleソリューションのコンポーネントを示しています。Advanced Product Catalogは、品目情報が格納されるベース・アプリケーションです。Oracle Messages for UCCnet RegistryおよびSupply Chain Trading Connectorは統合のメッセージ・コンポーネントです。10g PartnerConnectでは、レジストリ・メッセージをUCCnetに転送し、UCCnetからレジストリ・メッセージを受信するためのAS2プロトコルが提供されます。

テキストで説明されている画像

次に、UCCnet Supplier Synchronization Suiteの詳細を示します。

Supply Chain Trading Connector

レジストリ・メッセージ以外に、Oracle Messages for UCCnet Registryでは、Supply Chain Trading Connectorというモニター/監査ツールが使用されます。このツールはXML Gatewayの外部に位置し、Oracle E-Business Suiteに対するすべての送受信UCCnetメッセージをモニターおよび監査します。このツールの2つの機能、コラボレーション履歴と通知処理がOracle Messages for UCCnet Registry製品で使用されます。各メッセージ交換は、このツールではコラボレーションとして定義され、事前シード済のイベントでモデル化され、コラボレーション履歴の詳細ステップとして示されます。メッセージ失敗またはデータ妥当性が原因で例外が発生すると、通知処理によって例外レポートが起動され、ビジネス・ユーザーにエラーが通知されます。

Supply Chain Trading Connectorは、Advanced Product Catalogとシームレスに統合され、UCCnet情報およびメッセージ交換の包括的なビューをビジネス・ユーザーに提供します。APCの品目ページから、コラボレーション・ステータスを表示したり、コラボレーション履歴にジャンプしてそのコラボレーションの詳細情報を表示できます。また、「コラボレーション履歴」画面から、APCの品目情報ページにジャンプして詳細なコラボレーション情報を表示した後で、APCで品目履歴を表示できます。

注意: Supply Chain Trading Connectorの詳細は、『Oracle Supply Chain Trading Connector Implementation Guide』を参照してください。

コラボレーション履歴

B2B標準の性質上、多くの場合、ビジネス・エンド・ユーザーがその取引活動の状態を把握するのは困難です。取引先に何かを送信したことは認識していてもその状態はわからないことがよくあります。これは、メッセージおよび交換される場合がある受領確認の数、さらに特定のコラボレーションに対するメッセージを処理したソフトウェア・コンポーネントの数などにより、複雑な問題です。

コラボレーション履歴は、コラボレーション時に交換されるすべてのイベントおよびメッセージを追跡し、その情報をビジネス・エンド・ユーザーが照会できるようにすることによってこの問題に対処します。コラボレーション履歴を使用すると、交換されるすべてのメッセージ、例外などの詳細情報、および使用可能な場合はXMLペイロードを追跡できます。

コラボレーション履歴の主な機能

注意: コラボレーション履歴の詳細は、『Oracle Supply Chain Trading Connector Implementation Guide』を参照してください。

通知処理

通知処理の主な機能は、次のとおりです。

通知処理の定義

テキストで説明されている画像

通知処理は、通知タイプ、通知および通知処理に編成されます。通知は、コラボレーション内の事前定義ポイントで、成功、例外またはエラーを表すために呼び出されます。通知を呼び出した通知ソース(アプリケーション、XML GatewayまたはB2B Gateway)に基づいて、3種類のタイプのいずれかに分類されます。通知処理では、呼び出された通知に基づいて、コラボレーション内の事前定義ポイントで実行する処理が定義されます。

通知処理

通知処理の特性は、次のとおりです。

注意: Supply Chain Trading Connectorでサポートされているコラボレーションに必要なすべての通知処理が事前構成されています。エラー条件を処理する事前構成通知処理はすべて、デフォルトで管理者に通知するように事前構成されています。通知処理システムを使用して、追加のビジネス・ルールを指定する必要があります。たとえば、特定のコラボレーションで取引先IDエラーが発生した場合などに、インバウンド発注を保留するワークフローを開始できます。

新規通知を作成する手順は、次のとおりです。

最初に、新規コラボレーションで受信するメッセージを決定した後、必要な新規通知を定義する必要があり、最後に、新規コラボレーションに対してこれらの通知が呼び出されたときに実行される通知処理を定義します。

  1. 「通知定義」ウィンドウにナビゲートします。

  2. 定義の作成をクリックします。

  3. ドロップダウン・リストから通知ソースを選択します。

  4. 通知を入力します。これは、通知を表すためにシステムが渡すプログラムの値またはコードです。

  5. 摘要を入力します。これは、通知の内容を説明するテキストです。

  6. 「適用」をクリックします。

    注意: 通知処理の詳細は、『Oracle Supply Chain Trading Connector Implementation Guide』を参照してください。

取引先への登録情報の公開

ユーザーは、品目をUCCnetで登録し、取引先に公開できます。Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesを使用すると、品目-GTIN情報を顧客に公開し、次の情報を通知できます。

Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesは、すべての品目-GTIN公開処理およびメッセージングに対する効率的なプラットフォームであり、次の処理を実行できます。

Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesを使用すると、単一の品目-GTIN、またはバッチで複数の品目-GTINを公開できます。公開すると、GDSNデータ・プールを介して、各品目-GTINに対するCINメッセージが顧客に送信されます。顧客は、各メッセージを検証し、その品目-GTINを受入、拒否、同期またはレビューするかどうかを決定できます。顧客の応答は、確認CICメッセージを介して戻され、GDSNデータ・プール上のワークリストに格納されます。これらのグローバル・レジストリ・メッセージは、データ・プールからProduct Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesに転送されます。Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesで、各品目-GTIN顧客の組合せに対するメッセージ・コンテンツと処分ステータスを表示できます。処分ステータスは、次のとおりです。

注意: 顧客用の品目-GTINで次に示す処理を実行するには、マスター組織で「公開管理」機能セキュリティ、「品目の表示」権限および「顧客品目相互参照の表示」権限が必要です。

公開プロセスを開始する前に、各品目-GTINに対して顧客サブスクリプションを設定する必要があります。顧客の公開ステータスは、品目-GTINを公開する必要があるかどうかを示します。「GDSN属性」ページおよび「シンジケート」ページの公開検証ステータスは、品目-GTIN梱包階層が公開に準拠しているかどうかを示します。

注意: 完全な梱包階層がCINメッセージに含まれている必要があるため、有効な梱包階層の最上位にある品目-GTINから顧客に公開してください。

有効な梱包階層とは、少なくとも1つの消費可能GTINと1つのオーダー可能GTINが含まれている階層です。最上位のGTINは、梱包階層内の構成部品ではない品目であり、その梱包階層内に少なくとも1つのオーダー可能単位と1つの消費可能単位があります。

品目-GTINを顧客に公開する手順は、次のとおりです。

  1. 「最上位品目-GTIN」ページから、「顧客シンジケート」ページにナビゲートします。このページには、品目-GTIN梱包階層を公開済かまたは公開を計画している顧客のリストが表示されます。

    注意: 顧客シンジケートの作成および保守方法の詳細は、「顧客シンジケートの管理」を参照してください。

  2. 各顧客に対して、公開ステータスおよび対応する処分ステータスがあります。公開ステータスから、品目-GTINが公開されていない顧客、または再公開が必要な顧客を判別できます。公開ステータスは、次のとおりです。

    注意: 情報を公開している顧客に対しては、最終公開後に新たにGDSN属性の変更が発生していない場合、同じ情報を公開することはできません。

  3. 「公開」処理アイコンをクリックして、品目-GTINを顧客に公開します。品目の公開ページで、完全な梱包階層および各梱包階層に対する顧客リストを表示できます。

  4. 品目が公開されているデータ・プールの名称とGLNの他、顧客の名称、所在地およびGLNをレビューできます。

  5. 公開のために品目-GTINを発行すると、品目-GTINが公開される各顧客に対してCINメッセージが送信されます。この取引で送信されるすべての品目-GTIN公開メッセージを追跡するために、メッセージ・グループIDが生成されます。

  6. 各メッセージの処分ステータスは、データ・プールを介して顧客から受信した応答で更新されます。

    注意: 顧客が品目-GTINの公開を拒否した場合、Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesでは、同じ顧客にその品目-GTINを再公開することはできません。

    注意: 顧客への初回公開メッセージは、「新規品目」または「初期ロード」処理で送信されます。その後の再公開メッセージは、「データ変更」処理で送信されます。Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesでは、これらの処理が自動的に導出されます。

    注意: 公開済品目に対する品目-GDSN属性を更新すると、その公開ステータスは、自動的にすべての顧客に対して「要再公開」に変更されます。ただし、ある顧客に固有の品目-GDSN属性を更新した場合、公開ステータスは、その特定の顧客に対してのみ自動的に「要再公開」に変更されます。

品目-GTINを顧客から取り下げる手順は、次のとおりです。

取下げ処理では、1つ以上の顧客との品目-GTIN同期化プロセスを一時的に中止できます。ある顧客からの最上位品目-GTINの取下げに成功すると、その品目-GTINは、この顧客に対して明示的に再公開するまで公開されません。

注意: 取り下げることができるのは、公開ステータスが「公開済」で処分ステータスが拒否以外の品目-GTINのみです。

  1. 「最上位品目-GTIN」ページから、「顧客シンジケート」ページにナビゲートします。このページには、品目-GTIN梱包階層を公開済かまたは公開を計画している顧客のリストが表示されます。

  2. すでに公開している顧客について、品目-GTINを取り下げる顧客を選択し、「取下げ」をクリックします。

  3. 「顧客から取下げ」ページを使用すると、完全な品目-GTIN梱包階層および品目-GTINを取り下げる顧客を表示できます。

  4. 品目-GTINを取り下げる各顧客に対してCINメッセージが送信されます。この取引で送信されるすべてのメッセージを追跡するために、メッセージ・グループIDが生成されます。

顧客から品目-GTINのリストを削除する手順は、次のとおりです。

リストから削除する処理では、この品目-GTINに対するすべての顧客との同期化プロセスが完全に中止されます。リストからの最上位品目-GTINの削除に成功すると、Product Data Synchronization for GDSN and UCCnet Servicesでは、この品目-GTINをどの顧客に対しても公開できなくなります。

注意: リストから削除できるのは、公開ステータスが「公開済」で処分ステータスが拒否以外の品目-GTINのみです。

  1. 「最上位品目-GTIN」ページから、「顧客シンジケート」ページにナビゲートします。このページには、品目-GTIN梱包階層をすでに公開しているまたは公開を計画している顧客のリストが表示されます。

  2. 「顧客シンジケート」ページから「リストから削除」をクリックします。

  3. 品目-GTINが公開されていた顧客がリストから削除されます。

  4. 品目-GTINがリストから削除される各顧客に対してCINメッセージが送信されます。この取引で送信されるすべてのメッセージを追跡するために、メッセージ・グループIDが生成されます。

複数の品目-GTINを顧客に公開する手順は、次のとおりです。

公開ワークベンチを使用すると、顧客に対する複数の品目-GTINを表示できます。登録ワークベンチと同様に、顧客に関連付けられている品目-GTINを検索できます。

注意: 公開ワークベンチでは、最上位品目-GTINのみ検索できます。

このワークベンチから、品目-GTINの公開、取下げおよびリストからの削除を実行できます。これらの処理については、品目-GTINを顧客に公開する手順の説明を参照してください。

  1. 「公開管理」ページで、公開する品目-GTINを選択し、「公開」をクリックします。

  2. 「顧客に公開」ページに、選択したすべての最上位品目-GTINのリストがその完全な梱包階層とともに表示されます。

  3. 各品目-GTIN梱包階層ごとに顧客リストをレビューします。

    また、取下げおよびリストからの削除を実行する品目-GTINを選択することもできます。

    公開ワークベンチで、最上位品目-GTINを選択し、データ妥当性のチェックをクリックすると、公開を計画している品目-GTIN梱包階層が公開に準拠しているかどうかを確認できます。

品目-GTINを初期ロード処理で顧客に公開する手順は、次のとおりです。

UCCnetなどのデータ・プールに新たに参加した仕入先が、既存の需要側の顧客とデータ・プールを介して品目同期化を確立する場合は、初期品目ロード公開を使用すると、2つの組織間で現在取引している品目のデータを同期化できます。

  1. 「公開管理」ページで、公開する品目を検索します。

  2. 初期ロード処理を使用して公開する品目を選択し、「初期ロード」をクリックします。

  3. 「顧客に公開(初期ロード)」ページに、選択したすべての最上位品目-GTINのリストがその梱包階層とともに表示されます。

  4. 各品目-GTIN梱包階層に対する顧客リストをレビューします。

    注意: 初期ロード処理は、顧客への初回公開時のみ実行できます。