Oracle Supplier Managementユーザー・ガイド リリース12.2 B72200-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックについて説明します。
仕入先管理は、Oracle Trading Community Architecture (TCA)の基盤の上に構築されています。したがって、仕入先エンティティは、同時にTCAのパーティ・エンティティでもあります。TCAは、パーティを照合して重複を検出し、重複をマージする高度なフレームワークを備えています。これらすべての機能は、仕入先の重複を検出し、マージするために活用されています。ただし、TCAパーティでマージできるのは、パーティに関連するデータのみであることに留意する必要があります。仕入先エンティティは、TCAパーティ・エンティティより多くの情報に関連付けられています。たとえば、仕入先エンティティは、発注書や請求書(統合仕入先ハブ・モードの場合)など関連付けられた取引を処理できます。仕入先をマージする場合、まずこれらの取引をマージして、次にパーティをマージします。
データ品質管理は、データ・ライブラリアンの機能です。仕入先データ・ライブラリアン・スーパーユーザー職責でログインし、「データ品質」タブに移動して、次のタスクを実行します。データ品質を管理するには、有効なOracle Supplier Hubのライセンスを所有している必要があります。『Oracle Supplier Managementインプリメンテーションおよび管理ガイド』の「必要なライセンス購入のガイドライン」を参照してください。
Oracle Supplier Managementを使用すると、新規仕入先の登録時に、システムで仕入先を重複して作成することを防ぐことができます。「新規仕入先認定の管理」を参照してください。
管理者は、仕入先作成時に一致する組織が検出されないように重複が識別されるよう設定する必要があります。Oracle Supplier Managementインプリメンテーションおよび管理ガイドの「重複防止の設定」を参照してください。
Oracle Supplier Managementを使用すると、仕入先作成時にオンラインで重複チェックを実行することができます。「新規仕入先認定の管理」の「仕入先の作成」を参照してください。
システム重複識別機能を使用すると、重複している可能性のあるデータ・セットが含まれたSDIバッチを作成できます。重複除去機能では、指定した基準に基づいて重複排除を識別するためのプログラムを実行します。バッチ内の任意の重複セットを新しいマージ要求の基準として使用できます。Oracle Payablesユーザーズ・ガイドの「システム重複識別」を参照してください。
重複したレコードを識別するには、「システム重複識別」サブタブをクリックして、「システム重複識別バッチ」ページを開きます。
SDIバッチの作成の一環として自動マージを実行し、明確な重複を自動的にマージします。このプロセスにより、明確な重複の手動による作成、マッピング、発行を迂回することができます。マージされていないSDIバッチのパーティは、後日の手動によるレビューのために新規バッチに含まれています。
マージ要求は、次の方法で作成できます。
レジストリID: 特定のパーティを選択して作成します。レジストリIDリストの値の中から、少なくとも1つのパーティを選択して新規マージ要求に追加します。
スマート検索: スマート検索を使用して潜在的な重複を検出します。スマート検索により、指定した基準に基づいてパーティの一覧が表示されます。少なくとも1つのパーティを選択して新規マージ要求に追加します。
SDIバッチには、当該バッチに対して指定した基準に基づく重複排除によって識別された重複セットが含まれています。任意のバッチから重複セットを選択して1つ以上のマージ要求を作成します。
注意: 単一タイプのマージ要求を作成するには、整理したいパーティのみで要求を作成するいずれかの方法を使用します。
新規マージ要求には、すでに別のマージ要求またはOracle Trading Community Architecture Party Mergeのマージ・バッチに属しているパーティを含めることはできません。このようなパーティを選択すると、メッセージが表示されます。Oracle Trading Community Architecture User Guideの「マージ・バッチの作成」を参照してください。
システム重複またはレジストリID方式を使用した作成の新規要求を発行する前に、まだパーティを削除可能な要求が複数あります。TCA登録からはパーティを削除しないでください。また、パーティは他のSDIバッチ、重複セットまたはマージ要求に追加可能です。
新規マージ要求を発行すると、「マージ・バッチの作成」プロセスが実行され、マージ要求が作成されます。要求タイプによって、新規マージ要求の名前は次のとおりです。
複数: マスター・パーティの名前。
単一: 要求にある1つのパーティの名前。
複数タイプのマージ要求の場合は、HZ: マージ・マスター・パーティ・デフォルトプロファイル・オプションにより、マージ後に残るマスター・パーティが決定されます。マスター・パーティは、マージ要求のマッピング時に変更しても構いません。Oracle Customer Data Librarian User Guideの「マージ要求の作成」を参照してください。
「データ品質」タブの「マージ要求」サブタブを使用して、マージ要求を作成します。
統合仕入先ハブでは、Purchasing、Accounts Payableなど他のOracle E-Business Suite製品がSupplier Managementと同じインスタンスで動作している場合には、仕入先パーティをマージする前に、仕入先取引をマージする必要があります。仕入先取引のマージにより、様々な仕入先用(仕入先サイト)の請求書、発注書などの取引データが単一の仕入先/サイトに統合されます。
Oracle Payablesユーザーズ・ガイドの「仕入先マージ・プログラム」を参照してください。
仕入先管理管理者と仕入先データ・ライブラリアンは、スマート検索を実行してシステム内の仕入先パーティ・レコードの重複を洗い出し、マージまたは整理して仕入先マスターを作成します。スタンドアロンの仕入先データ・ハブの場合、発注書や請求書の取引がないため、仕入先のパーティ・マージ要求を発行する前に仕入先の取引をマージする必要がありません。定義済の仕入先サイトがなければ、仕入先のマージ要求を発行できます。しかし、仕入先データ・ハブおよびPurchasing、Payables、Sourcingなどの他のEBS製品の両方からなる統合EBSインタンスの場合、仕入先管理管理者および仕入先データ・ライブラリアンは、スマート検索を実行し、システム内で重複している仕入先パーティ・レコードを検出し、「仕入先のマージ」ボタンを使用してまず取引をマージしてから、仕入先パーティ・マージ要求を発行します。このボタンは、「POS: SM: 仕入先データ・ハブ構成」プロファイル・オプションを統合EBSとして設定し、仕入先サイトを定義した場合に利用できます。プロファイルが「スタンドアロン」に設定され、仕入先サイトが定義されていない場合には、「仕入先のマージ」ボタンは利用できません。
仕入先データ・ライブラリアン職責と「仕入先マージ」メニューを使用して、仕入先の取引をマージします。Oracle Payablesユーザー・ガイドの「仕入先マージ・プログラム」を参照してください。
仕入先取引マージの例
この例では、仕入先取引のマージ・プロセスについて説明します。この例では、2社の仕入先、Computer Supplier Inc.およびComputer Supply Inc.が1つのレコードにマージされ、Computer Supplier Incのゴールデン・レドードを実現します。仕入先の取引のマージは、Purchasing、Accounts Payableなど他のEBS製品がOracle Supplier Hubと同じインスタンスで動作している統合仕入先ハブの場合に適用されます。仕入先取引のマージにより、様々な仕入先用(仕入先サイト)の請求書、発注書などの取引データが単一の仕入先/サイトに統合されます。
次の表に、様々なサイト用の異なる請求書や発注書が、統合仕入先ハブ型の設置のみに適用される仕入先の取引のマージ後に、単一のサイトの下にどのようにマージされたかを示しています。
仕入先 1: Computer Supplies Inc. | 仕入先 2: Computer Supply Inc. | 仕入先マスター: Computer Supplies Inc. |
---|---|---|
請求書
| 請求書
| 請求書
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発注書
| 発注書
| 発注書
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マージ・ディクショナリの概要
マージ・ディクショナリを使用すると、仕入先管理管理者および仕入先データ・ライブラリアンは、製品およびサービス・カテゴリ、業種、銀行詳細、UDA、その他の子エンティティなど仕入先のプロファイルの詳細情報をマージすることができます。仕入先管理管理者および仕入先データ・ライブラリアンは、マージ・ディクショナリをカスタマイズできます。Oracle Trading Community Architecture Administration Guideの「マージ・ディクショナリの概要」を参照してください。
マージ要求のレビューに加え、次のことを行うことができます。
特定のユーザーに対する要求の割当て
要求の割当ての解除
要求の却下
Oracle Customer Data Librarian User Guideの「マージ要求の概要」を参照してください。
各マージ要求に対して、重複情報をマッピングし、マージの結果を判断します。単一および複数の両タイプの要求について、所在地および関連情報をマッピングします。重複排除は、どちらのマッピングに対してもデフォルトの推奨事項となり得ます。
複数タイプの要求については、パーティを記述するパーティ・プロファイル属性もマッピングします。たとえば、DUNS番号属性に対して、マージ後に残っている重複セットの番号を指定します。行ったマッピングをレビューしたら、パーティ・マージ・プロセスにおいてマージ要求を発行できます。
Oracle Customer Data Librarian User Guideの「マージ要求のマッピング」を参照してください。
拡張仕入先プロファイル属性のマージにおける拡張ルール
マージ・プロセスでは、仕入先パーティ、パーティ・サイト、仕入先サイト・レベルで定義されたUDAをターゲット仕入先にコピーします。マージには、ベース/共通、仕入先タイプ、業種、製品およびサービス、一般分類および産業分類、国および所在地目的で関連付けられた属性グループが含まれます。
マージ・プロセスでは、次のルールを使用すると同時に、UDAの詳細情報をマージします。
仕入先の有効なUDA属性グループに属性グループ全体に対する値がない場合、値はソース仕入先からターゲット仕入先へと全属性グループのために完全にコピーされます。ただし、ターゲット仕入先の属性グループですでにいくつかの属性値が定義されている場合は、ターゲット仕入先の属性グループにおいて空になっている属性値のみにソース仕入先のレコードの属性値が入力されます。
特定の属性グループにおいて、ターゲット仕入先のレコードにマージする必要があるソース仕入先レコードが複数ある場合、その属性値のコピーの順番については、直近に作成された最新のソース仕入先UDAレコードをターゲット仕入先のUDAレコードに投入します。このプロセスは、マージ・ソース仕入先リストの同じ属性グループの次に最新の仕入先UDAレコードでオーバーレイされます。オーバーレイは、その属性グループのすべてのソース仕入先レコードに対して降順に整理した作成日に基づいて実行されます。
複数行の属性グループの場合、その属性グループの主要な情報が一致した場合はマージ・プロセスは最初の2つのルールを適用し、一致しなかった場合は新しい行を作成します。
パーティ・サイト・レベルのUDAの場合は、ソース仕入先パーティ・サイトがパーティ・マージからターゲット仕入先の新しいパーティ・サイトとして移動された場合、UDA情報は前述のルールに基づいて転送されます。
スタンドアロン・ハブおよび統合EBSの両方からなり、パーティ・マージ・プロセスの一環として、ターゲットTCAパーティが現在仕入先組織でない場合は、ターゲット・パーティが仕入先として有効化されます。
仕入先パーティ・マージの例
この例では、仕入先パーティのマージ・プロセスについて説明します。この例では、2つの仕入先パーティComputer Supplier IncおよびComputer Supply Incのレコードがマージされ、ゴールデン・レコードを実現します。マージによって、仕入先Computer Supplies Inc (マスターとして選択)の1つのレコードが作成され、詳細情報や追加情報は他方のComputer Supply Inc.のレコードから追加されます。仕入先パーティ・マージ・プロセスによって、パーティ、プロファイル、所在地、担当者、一般分類、連絡先、パーティ関連、仕入先プロファイル、仕入先サイト、製品およびサービス、銀行詳細、業種、および3つのレベルのユーザー定義属性が統合されます。仕入先パーティ・マージ・プロセスは、スタンドアロン型、統合仕入先ハブ型インストールでご利用いただけます。
次の表に、様々な仕入先パーティをマージしていかにして「真の単一ソース」を実現するかを示します。
仕入先 1: Computer Supplies Inc.(ターゲット) | 仕入先 2: Computer Supply Inc.(ソース) | 仕入先マスター: Computer Supplies Inc. |
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パーティ・プロファイル
| パーティ・プロファイル
| パーティ・プロファイル
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所在地
| 所在地
| 所在地
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担当者
| 担当者
| 担当者
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一般分類
| 一般分類
| 一般分類
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連絡先
| 連絡先
| 連絡先
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パーティ関連
| パーティ関連
| パーティ関連
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仕入先プロファイル
| 仕入先プロファイル
| 仕入先プロファイル
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仕入先サイト
| 仕入先サイト
| 仕入先サイト
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銀行情報
| 銀行情報
| 銀行情報
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仕入先: 事業分類
| 仕入先: 事業分類
| 仕入先: 事業分類
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仕入先: 製品およびサービス
| 仕入先: 製品およびサービス
| 仕入先: 製品およびサービス
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仕入先レベル: UDA
| 仕入先レベル: UDA
| 仕入先レベル: UDA
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仕入先所在地レベル: UDA
| 仕入先所在地レベル: UDA
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仕入先サイト・レベル: UDA
| 仕入先サイト・レベル: UDA
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仕入先管理管理者および仕入先データ・ライブラリアン・スーパーユーザーは、既存のパーティのレコードを仕入先として有効化することができます。有効化するパーティは、個人ではなく、組織である必要があります。適切な仕入先有効化設定を行うことで、既存のTCAパーティ組織が仕入先組織として有効化されます(iPayeeでの仕入先パーティの設定、EBiz Taxでの仕入先パーティの設定、Oracle Payablesでの仕入先パーティの設定)。
また、これによりすべての既存のTCAパーティ組織の担当者/個人は、仕入先としてのシステムの利用が可能になります。したがって、TCAパーティ組織の担当者は仕入先プロファイル・ワークベンチで仕入先担当として表示されます。ただし、すべての既存の組織の担当者に仕入先としてのシステムの利用が自動的に有効になるのではなく、「担当ディレクトリ」ページに「仕入先担当の有効化」ボタンが表示されます。このボタンを押すことで、既存のパーティ担当者は仕入先担当者としてシステムで有効になります。そのパーティに対して組織担当者が定義されていない場合は、「仕入先担当の有効化」ボタンは表示されません。このような場合には、「担当の作成」ボタンをクリックして新しく有効化された仕入先の担当者の詳細情報を追加します。ただし、そのTCAパーティ (パーティ・サイト)に関連付けられているすべての所在地が仕入先パーティ・サイトとして有効化されます。仕入先サイトは、デフォルトで作成されません。このため、各パーティ・サイトで「サイトの管理」ボタンをクリックして、関連する事業単位を選択して手動で作成する必要があります。
仕入先」タブと「仕入先として有効化」ボタンを使用して、既存の組織を仕入先として有効化します。
既存のパーティを仕入先として有効にするには、次の手順を実行します。
既存の組織を検索します。そのパーティがすでに仕入先である場合は、このチェック・ボックスは、グレー表示されています。Oracle Supplier Hubでは、同じTCAパーティに複数の仕入先を関連付けることはできません。検索結果には、明確な仕入先列と顧客列が表示され、パーティが顧客または仕入先、あるいはその両方としてシステムで使用される場合について記載されています。
「検索結果」領域で該当する組織を選択し、「仕入先として有効化」をクリックします。「組織の更新」ページが表示されます。
この組織の仕入先担当者を有効にする必要があります。
既存のパーティの仕入先の担当者を有効にするには、次の操作を実行します。
会社プロファイル情報の下で「担当ディレクトリ」リンクを選択します。
「仕入先担当の有効化」ボタンをクリックして仕入先の担当者を追加します。「担当の作成」ページで担当者の詳細情報を入力し、「適用」をクリックします。
「住所録」をクリックしてその仕入先に関連付けられているすべての住所を表示します。すべてのTCAアドレスが仕入先パーティ・サイトとして有効化されます。必要に応じて、仕入先サイトを作成します。所在地の横にある「サイトの管理」ボタンをクリックして、1つ以上の事業単位を選択します。
パーティのパージ選択すると、TCA登録からパーティを永久的にパージすることができます。たとえば、重複しているパーティや誤って入力してしまったパーティを消去する場合に使用します。パーティのパージは、関連付けられている取引がない場合、またそのパーティのレコードに他のデータベース・テーブルからの参照がない場合にのみ可能です。一度パージしたパーティは復元できません。パージには、次の機能が含まれます。
「パージ要求」ページを開くには、「パージ要求」サブタブをクリックします。Oracle Customer Data Librarian User Guideの「パーティのパージ」を参照してください。
また、請求書、発注書、請求書支払、仕入先スケジュール、領収書などその他の仕入先関連レコードをパージすることができます。『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』の「リソース管理」を参照してください。
パーティの保守では、次のことができます。
パーティに認証レベルとその理由を割り当てます。
パーティが自組織の内部であるかどうかを示します。
パーティを有効化または無効化します。
「パーティ保守」サブタブをクリックして、「組織パーティ保守」ページを開きます。このページを使用して、組織別のパーティを検索します。Oracle Customer Data Librarian User Guideのパーティ保守に関する項を参照してください。
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