Oracle Project Managementユーザー・ガイド リリース12 E06006-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、Oracle Projectsを使用してプロジェクトの成果物を追跡および管理する方法を説明します。
この章では、次のトピックについて説明します。
プロジェクト成果物とは、プロジェクトまたはタスクを完了するために生成する必要がある出力です。成果物は、外部の契約義務を満たす必要性、または内部で計画された活動を履行する必要性から生じる可能性があります。多数のプロジェクト指向組織が、プロジェクトからの有形の出力を効果的に追跡し、プロジェクト・パフォーマンスを測定するメカニズムを提供するために成果物の概念を必要としています。
成果物の例は、次のとおりです。
製品
詳細設計文書
プロトタイプ
Oracle Project Managementで、プロジェクト成果物の作成、作業計画タスクとの関連付け、および追跡ができます。また、サプライ・チェーン管理アプリケーションおよび請求アプリケーションと統合してビジネス・プロセスを簡素化することもできます。この章では、プロジェクトの成果物を追跡および管理する方法を説明します。
成果物をプロジェクトまたはタスク・レベルで定義できます。各成果物は、そのタイプ区分で識別されます。成果物には、「品目」、「文書」および「その他」の3つのタイプ区分があります。1つのプロジェクトまたはタスクが複数の成果物を持つことができます。
場合によって、プロジェクト成果物が作業分解構造を計画するより前にわかっていることがあります。この場合、成果物は個別に定義できます。プロジェクトを完了するために生成する必要がある成果物のすべてを定義することもできます。その後、作業分解構造を定義してから成果物を作業計画タスクに関連付けることができます。
成果物が前もってわかっていない場合は、作業分解構造は成果物指向となります。成果物指向の作業分解構造と成果物を一緒に定義できます。また、1つ以上の作業計画タスクを成果物に関連付けることや、その逆も可能です。
必要に応じて、成果物を完了するために必要な処理である成果物処理を定義できます。1つの成果物が複数の成果物処理を持つことができます。
プロジェクト成果物を作成および処理するには、次の手順を実行します。
成果物の定義: プロジェクトの成果物を識別して成果物のリストを作成します。
成果物処理の定義: 成果物処理を識別して定義します。
成果物と作業計画タスクの関連付け: 成果物を、情報提供または進捗積上の目的で作業計画タスクに関連付けます。
成果物処理を実行します。
成果物添付の作成: 成果物の添付を作成できます。(文書成果物は成果物への添付と異なります。)
成果物進捗の回収および積上: 成果物タイプで進捗入力が有効になっている場合、成果物の進捗を回収できます。必要に応じて、関連付けられた作業計画タスクに成果物進捗を積み上げることができます。
成果物のコラボレーティブ管理: 「チーム・メンバー・ホーム」ページから成果物を管理できます。成果物詳細および成果物処理にドリルダウンできます。プロジェクトを横断した成果物関連セクションが、「チーム・メンバー・ホーム」ページ上の構成可能リージョンとして使用できます。
成果物を、「プロジェクト・ホーム」、「プロジェクト概要」、「ステータス・レポート」および「タスク概要」の各構成可能ページで追跡することもできます。
注意: 「タスク概要」ページでは、タスクに関連付けられた成果物のみを追跡できます。
他のアプリケーションとの統合: 成果物を、Oracleサプライ・チェーン管理アプリケーションおよびOracle Project Billingと統合できます。
実質完了率導出方法が「成果物」でない場合、タスクの進捗はタスクに成果物があってもそのタスク割当および子タスクから回収されます。
成果物には、次のページからアクセスできます。
「成果物リスト」ページ
「タスク更新の詳細」ページ
「チーム・メンバー・ホーム」ページ
作業計画と成果物セキュリティの組合せにより、成果物の更新、タスクと成果物の関連付けの作成または変更、成果物処理の更新、および成果物の表示が可能かどうかが決まります。次の表に、成果物および成果物処理へのユーザーのアクセス権にセキュリティがどのように影響するかを示します。
処理 | ページ | 必要なセキュリティ設定 |
---|---|---|
成果物の更新(タスクと成果物の関連付けを除く) | 「成果物リスト」、「タスク更新の詳細」および「チーム・メンバー・ホーム」 | ユーザーのプロジェクト・ロールがセキュリティ機能「プロジェクト: 成果物: 更新」に関連付けられている。 または ユーザーが成果物所有者で、プロジェクト・ロールがセキュリティ機能「プロジェクト: 成果物: 詳細の更新」に関連付けられている。 |
タスクと成果物の関連付けの作成または変更 | 「成果物リスト」および「チーム・メンバー・ホーム」 | ユーザーのプロジェクト・ロールが、「プロジェクト: 成果物: 更新」および「プロジェクト: オプション: 作業計画: 作業計画体系ビュー」の2つのセキュリティ機能に関連付けられている。 |
タスクと成果物の関連付けの作成または変更 | 「タスク詳細」 | ユーザーのプロジェクト・ロールが、「プロジェクト: 成果物: 更新」または「プロジェクト: オプション: 作業計画: 作業計画体系」のいずれかのセキュリティ機能に関連付けられている。 または ユーザーがタスク・マネージャで、プロジェクト・ロールが、「プロジェクト: オプション: 作業計画: 作業計画体系」または「プロジェクト: タスク: タスク詳細の更新」のいずれかのセキュリティ機能に関連付けられている。 |
成果物処理の更新 | 「成果物リスト」、「タスク更新の詳細」および「チーム・メンバー・ホーム」 | ユーザーが成果物処理所有者である必要がある。
注意: 成果物を更新するアクセス権がない場合、ユーザーが成果物処理所有者であり、そのプロジェクト・ロールがセキュリティ機能「プロジェクト: 成果物: 処理の更新」に関連付けられていても成果物処理を更新することはできません。 |
成果物の表示 | 「タスク詳細」 | ユーザーのプロジェクト・ロールが、「プロジェクト: 成果物: 表示」または「プロジェクト: オプション: 作業計画: 作業計画体系ビュー」のいずれかのセキュリティ機能に関連付けられている。 |
Oracle Projectsのセキュリティ機能の詳細は、『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
この項では、プロジェクト成果物を作成および管理するための次のステップについて説明します。
成果物の定義
作業計画タスクへのプロジェクト成果物の割当て: 進捗を回収したり情報を収集するために、プロジェクト成果物を作業計画タスクに割り当てることができます。
プロジェクト成果物のコピー: 現行プロジェクトから成果物をコピーしたり、外部プロジェクトまたはプロジェクト・テンプレートから成果物をコピーできます。
プロジェクト成果物の表示
プロジェクト成果物処理の管理: 出荷機能、請求機能および調達機能を成果物処理に関連付けて、それらの成果物処理を実行できます。
プロジェクト成果物の削除: 特定の条件に当てはまらない場合は、成果物を削除できます。
成果物を定義するには、プロジェクトを問い合せ、「作業計画」タブを選択してから、「成果物」サブタブを選択します。
各成果物について、次の内容を入力します。
一意名
短縮名
ステータス
成果物タイプ。各成果物タイプは、品目や文書などに分類されます。
所有者
期限
進捗加重。成果物タイプの進捗入力が使用可能になっている場合は、進捗加重を指定できます。
説明
オプションで、成果物定義の一環として成果物処理を定義することもできます。また、成果物にファイルを添付することもできます。
作業計画階層の任意のレベルで成果物をタスクに関連付けることができます。この関連は、情報提供または進捗積上のために、成果物と作業計画タスクとを多対多の関連にできます。
プロジェクト成果物と作業計画タスクの関連には、2つのタイプがあります。
情報収集
情報提供のため、複数の作業計画タスクを1つ以上の成果物に関連付けることができます。
進捗積上
成果物とタスクを関連付けて進捗を追跡できるため、成果物についての実質完了率が、関連付けられた作業計画タスクに積み上げられます。
実質完了率導出方法が成果物となっている各タスクについては、別の成果物ベースのタスクにまだ関連付けられていない成果物のみを関連付けることができます。
複数の成果物を成果物ベースのタスクに割り当てることができます。ただし、これらの成果物を、他の成果物ベースのタスクに割り当てることはできません。
タスクに成果物ベースではない導出方法が割り当てられている場合、そのタスクには、別のタスクに割り当てられている成果物も含め、すべての成果物を関連付けることができます。
成果物は、(タスク・バージョンではなく)作業計画タスクに関連付けられます。成果物関連について公開済タスクの作業中バージョンが変更されると、その変更は自動的に公開済バージョンにも反映されます。
作業計画タスクに対して次の変更を加えると、その変更は関連する成果物にも影響を及ぼします。
タスク・ステータス: 成果物ベースのタスクのステータスが「取消済」または「保留中」のいずれかの場合、そのステータスは関連成果物に適用されません。これらの成果物についての進捗が使用可能になっていない場合、成果物についての進捗は引き続き入力できます。この進捗はタスクに積み上げられません。
タスクでの実質完了率導出方法: タスクでの実質完了率導出方法を「成果物」から「タスク」に変更すると、関連成果物からそのタスクに積み上げられてきた進捗データがすべて失われます。このような変更を行う前に、関連成果物についての進捗を検討しておくことをお薦めします。
注意: 実質完了率導出方法が「成果物」となっている他のタスクに関連付けられた成果物を持つタスクでは、実質完了率導出方法を変更できません。タスク階層の分岐内にある1つのタスクのみが実質完了率導出方法を「成果物」にできます。
作業計画の作成および更新: タスク階層の同一の分岐内に、複数の成果物ベースのタスクを持つ作業計画を作成することはできません。また、「コピー」、「移動」、「インデント」または「アウトデント」を使用して、タスク階層の同一の分岐内にある、複数の成果物ベースのタスクを持つ作業計画を更新することもできません。
タスクの削除: 関連成果物に請求、出荷、または調達取引があるか、あるいは進捗レコードがある場合は、実質完了率導出方法が「成果物」のタスクを削除できません。
成果物をコピーするには、次の4種類のシナリオがあります。
すでに現行プロジェクト用に定義されている成果物をコピーします。
別のプロジェクトまたはプロジェクト・テンプレート用に定義されている成果物(外部成果物)をコピーします。外部成果物をコピーする場合は、ソース・プロジェクトまたはプロジェクト・テンプレートを選択する必要があります。
プロジェクトまたはプロジェクト・テンプレートをコピーすることによって、プロジェクトを作成する際に、成果物をコピーします。プロジェクト・テンプレートからプロジェクトを作成する場合は、成果物のリストがそのプロジェクト・テンプレートから新規プロジェクトにコピーされます。
新規タスクを作成する際に、ソース・タスクから成果物をコピーします。
「成果物」ページには、プロジェクトの成果物のリストが表示されます。各成果物の詳細にドリルダウンできます。このページから、成果物を同一のプロジェクトからコピーしたり、成果物を外部プロジェクトまたはプロジェクト・テンプレートからコピーできます。成果物のリストで、複数の成果物を選択してコピーできます。コピーされた成果物内の属性は、後で「成果物の更新」ページを使用して変更できます。「処理」ショート・カットリストから「外部からコピー」オプションを選択することによって、外部ソースから(別のプロジェクトまたはプロジェクト・テンプレートから)成果物をコピーできます。
オプションで、次の情報をコピーすることもできます。
品目詳細(品目成果物について)
成果物処理
成果物添付
関連タスク(現行プロジェクトから成果物をコピーする場合にのみ使用可能)
次の表に、成果物がコピーされる際にコピーされる成果物の属性を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名称、短縮名、タイプ、所有者および進捗加重 | コピーされます。 |
成果物期限 | 成果物処理に調達機能が含まれている場合、成果物は作業計画タスクに関連付けられ、作業計画タスクの「早期開始日」が使用可能になり、その結果、成果物処理期限のデフォルト値はそのタスクの早期開始日となります。成果物処理に出荷機能が含まれている場合、成果物は作業計画タスクに関連付けられ、作業計画タスクの「早期終了日」が使用可能になり、その結果、成果物処理期限のデフォルト値はそのタスクの早期終了日となります。他のすべての場合については、成果物処理期限のデフォルト値は成果物期限となります。 |
進捗レコード | コピーされません。 |
成果物ステータス | 成果物タイプからデフォルト値がコピーされます。 |
次の表に、成果物がコピーされる際にコピーされる成果物処理の属性を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名称、所有者、機能および摘要 | コピーされます。 |
成果物処理期限 | コピー中のプロジェクトまたはプロジェクト・テンプレート内の開始日と、新規プロジェクト用に入力する開始日との間の日数によって修正されます。 |
「完了日」および「完了済」フラグ | コピーされません。 |
財務タスク | コピーされません。 |
計画、出荷、調達 | コピーされます。機能における日付属性(「希望出荷日」、「発注希望入手日」など)は、それぞれのデフォルト値を新規処理期限から取得します。 |
「請求」属性 | コピーされません。 |
コピーされた成果物の属性および成果物処理の属性は修正できます。成果物タイプは、同一のタイプ区分内でのみ変更できます。成果物処理用の機能は変更できません。
作業計画タスクをコピーする際に、そのタスクに対する成果物関連をコピーできます。
外部タスクをコピーする場合には、成果物関連はコピーされません。
プロジェクトを作成する際に、オプションでソース・プロジェクトまたはテンプレートから成果物をコピーできます。
「作業計画」タブの下の「成果物」サブタブで、プロジェクトの成果物を表示できます。このページから、成果物詳細を表示できます。また、成果物をコピー、作成または更新したり、外部成果物をコピーすることもできます。
「タスク詳細」ページから、「成果物」タブをクリックして、そのタスクに関連付けられた成果物のリストを取得できます。このページから、成果物の詳細の更新、新規成果物の作成、成果物の更新、および作業計画タスクへの新規成果物の関連付けを行うこともできます。
成果物処理とは、成果物を完了させるために完了する必要があるチェックリスト項目です。成果物処理は、出荷、請求または調達との統合を使用して定義できます。1つのプロジェクトには、複数の成果物がある場合と、1つの成果物に複数の成果物処理がある場合があります。
成果物の所有者またはプロジェクト・マネージャは、成果物処理を所有者に割り当てることによって、成果物をさらに詳細に定義できます。
出荷機能、請求機能または調達機能を成果物処理に関連付けることができます。成果物が品目ベースである場合は、「出荷」リージョンに製造計画属性も含まれています。
この統合により、次のことが可能になります。
資材需要を計画システムに入力し、需要計画を生成できます。
注意: 需要計画は、成果物からは非表示になります。需要計画は、Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningアプリケーションから表示できます。
プロジェクト用に購買依頼などの調達文書を作成できます。成果物から調達処理を開始する場合、購買依頼はOracle Procurementで開始されます。
成果物の出荷要求を作成し、出荷および搬送ステータスを追跡できます。
請求書を生成して収益を認識するために、請求イベントを生成できます。
成果物処理を定義する際に、「出荷」、「請求」および「調達」リージョンにデフォルトの財務タスクが表示される場合があります。このデフォルトの財務タスクは上書きできます。成果物処理に有効な財務タスクを次の表に示します。
体系設定 | 成果物とタスクの関連 | 「出荷」および「調達」リージョンについての財務タスク | 「請求」リージョンについての財務タスク |
---|---|---|---|
完全共有構造 | 成果物は1つ以上の作業計画タスクに関連付けられています。 | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 賦課可能な最下位の財務作業計画タスクが成果物に関連付けられている唯一のタスクである場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 | 最上位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 関連付けられている作業計画タスクが同一の最上位の財務タスクを導出する場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 |
完全共有構造 | タスクとの関連なし | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 | 最上位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 |
部分共有構造 | 成果物は1つ以上の作業計画タスクに関連付けられています。 | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 賦課可能な最下位の財務作業計画タスクが成果物に関連付けられている唯一のタスクである場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 | 最上位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 関連付けられている作業計画タスクが同一の最上位の財務タスクを導出する場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 |
部分共有構造 | タスクとの関連なし | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 | 最上位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 |
マップ済体系 | 成果物は1つ以上の作業計画タスクに関連付けられています。 | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 関連付けられている作業計画タスクが同一の賦課可能な最下位の財務タスクにマップされる場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 | 最上位のすべての財務タスクのリストから選択できます。 関連付けられている作業計画タスクが同一の最上位の財務タスクを導出する場合は、そのタスクがデフォルトの財務タスクとなります。 |
マップ済体系 | タスクとの関連なし | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクから選択できます。 | 最上位のすべての財務タスクから選択できます。 |
分割体系 | 賦課可能な最下位のすべての財務タスクから選択できます。 | 最上位のすべての財務タスクから選択できます。 | |
財務体系のみ使用可能 | プロジェクト用に定義されている賦課可能な最下位のすべての財務タスクから選択できます。 | プロジェクト用に定義されている最上位のすべての財務タスクから選択できます。 |
製造計画との統合を使用すると、プロジェクトの品目成果物についての製造需要を開始できます。プロジェクトの品目成果物について、「需要の開始」をクリックして製造計画を開始し、需要計画を生成します。
「プロジェクト成果物処理の開始」コンカレント・プログラムを実行することにより、複数のプロジェクト、および1つのプロジェクト内の複数の成果物についての需要を開始することもできます。
出荷との統合を使用すると、全成果物に対する出荷要求を作成できます。また、出荷処理についてのデータを入力し、出荷および搬送ステータスを追跡することもできます。成果物の出荷準備が整った場合、成果物処理を「出荷可能」とマークすることにより出荷を開始できます。
出荷要求を出荷アプリケーションに送信するには、「出荷の開始」を選択します。一度に1つの成果物についてのみ出荷処理を開始できます。需要および出荷を開始する前に、処理を保存する必要があります。
出荷を開始した後、Oracle Shipping Executionで、出荷取引および搬送を実行します。プロジェクト・マネージャ、タスク・マネージャまたは成果物の所有者は、出荷ステータス、搬送番号、追跡番号、数量などの出荷詳細情報を表示できます。
注意:Oracle Shipping Executionで出荷取引を作成する場合は、ソースとしてProject Contracts、オーダー番号としてプロジェクト番号を使用する必要があります。
プロジェクト成果物を製造計画および出荷と統合するために、Oracle Project Contracts(OKE)を実装する必要はありません。
請求イベントとの統合を使用すると、関連のある成果物処理が完了したときに、請求を処理できます。たとえば、マイルストン文書を完成させた後に、顧客への請求を行うことができます。請求との統合の利点は、マイルストン書を完成させる前に、未請求の収益を追跡できることです。
請求処理は、プロジェクトが「契約」プロジェクト・タイプ区分に属している場合にのみ作成できます。請求機能を持つ処理を作成すると、請求イベントが作成されます。この請求処理を完了すると、この処理の完了日が請求イベント日となります。請求イベントが処理されるまでは、請求情報は成果物処理からのみ変更できます。変更は自動的に「請求イベント」ウィンドウに反映されます。
収益生成プログラムまたは請求書生成プログラムのいずれかによって請求イベントが処理されると、「請求」リージョン内の表に結果が示されます。請求イベントが完全に処理された後は、その成果物処理の請求情報を更新できません。請求イベントが部分的にしか処理されていない場合、または請求書が取り消された場合は、「請求イベント」ウィンドウから、請求イベント詳細を更新できます。変更は対応する成果物処理の「請求」リージョンに反映されます。
調達との統合を使用すると、プロジェクト用に購買依頼などの調達文書を作成できます。成果物処理についての調達関連の属性を入力できます。
調達は、品目ベースまたは金額ベースにできます。
調達は在庫に移動するか、直接プロジェクトに対して費用として賦課できます。品目ベースの調達については、出力先タイプを「在庫」または「費用」にできます。通常は、原価を追跡する高原価の品目を追跡するためか、あるいはプロジェクトにとってオーダーおよび受入に長い時間がかかる長い引合の品目を追跡するために、品目ベースの調達は出力先を「在庫」にして使用します。金額ベースの調達については、出力先タイプは「費用」となります。金額ベースの調達は、コンサルティング時間など、プロジェクトに対する在庫品目以外の品目の原価の追跡に使用できます。
調達情報が完了すると、処理を「調達可能」として宣言できます。成果物について調達処理を開始するには、「調達の開始」を選択します。「プロジェクト成果物処理の開始」コンカレント・プログラムを実行することによって、調達可能になっているすべての成果物処理の調達を開始することもできます。
成果物ごとに、調達処理を1つのみ定義できます。1つの成果物処理について1度だけ調達を開始できます。調達処理が正常に開始された後は、調達処理情報を変更することも、調達処理を再度開始することもできません。
調達処理が開始された後、購買部門の担当は購買依頼をOracle Purchasingにインポートするために、Oracle Purchasingで「購買依頼インポート」コンカレント・プログラムを実行する必要があります。購買および受入部門では、発注および受入をさらに作成できます。プロジェクト・マネージャ、タスク・マネージャまたは成果物の所有者は、成果物から購買依頼、発注および受入情報を追跡できます。
注意:「購買依頼インポート」コンカレント・プログラムを実行する際には、必ずソースとしてOKEを選択してください。ただし、調達との統合を使用するために、Oracle Project Contracts(OKE)を実装する必要はありません。
次のいずれかに当てはまる場合は、成果物のステータスを「完了済」に変更することはできません。
成果物処理に、まだ開始されていない出荷機能が関連付けられている場合
成果物処理に、まだ開始されていない調達機能が関連付けられている場合
成果物処理に請求機能が関連付けられており、対応する請求イベントがまだ収益配分コンカレント・プログラムまたは請求書生成コンカレント・プログラムのいずれかによって処理されていない場合
重要:成果物のステータスを「完了済」に変更すると、次のどちらも、追加、削除または修正できなくなります。
成果物処理
「品目」リージョン
注意:成果物の成果物タイプ区分が「文書」であれば、「文書成果物」セクションに文書が添付されている場合にのみ、成果物のステータスを「完了済」に変更できます。同様に、成果物の成果物タイプ区分が「品目」であれば、成果物に品目が割り当てられている場合にのみ、成果物のステータスを「完了済」に変更できます。
次の場合は、成果物処理のステータスを「完了済」に変更できません。
成果物処理に、まだ開始されていない出荷機能が関連付けられている場合
成果物処理に、まだ開始されていない調達機能が関連付けられている場合
成果物のタイプ区分が「品目」で、成果物処理に請求機能が含まれており、「品目」リージョンが定義されていないか、入力された品目が請求可能でない場合
注意:成果物処理に請求機能が関連付けられており、かつ、イベントが収益配分コンカレント・プログラムまたは請求書生成コンカレント・プログラムのいずれかによって処理されている場合、完了した成果物処理の「完了済」チェック・ボックスの選択を解除できません。
次の条件がいずれも存在しない場合にかぎり、成果物を削除できます。
進捗レコードが存在する場合
出荷処理が開始されているか、「出荷可能」が選択されている場合
請求処理が処理されている場合
調達処理が開始されているか、「調達可能」が選択されている場合
関連付けられたタスク割当のある成果物を削除すると、そのタスク割当に対する関連も削除されます。
関連項目
『Oracle Projects インプリメンテーション・ガイド』の成果物ステータスの定義に関する項
『Oracle Projects基礎』のプロジェクト成果物プログラムに関する項
『Oracle Projects基礎』のプロジェクトのコピーに関する項
『Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド』の提出物タイプの定義に関する項
『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』
『Oracle Project Billing User Guide』のプロジェクトに対する収益の見越に関する項
『Oracle Project Billing User Guide』のプロジェクトの請求に関する項
プロジェクト・マネージャまたはタスク・マネージャとして、プロジェクトまたはタスクの成果物進捗および成果物進捗履歴を追跡できます。成果物進捗には、次のものが含まれます。
実質完了率
進捗状況
成果物ステータス
進捗概要
現在日
成果物について完了する必要のあるすべての処理
添付
「成果物の更新」ページを使用して成果物進捗履歴を表示します。
成果物進捗の入力および発行は、プロジェクト・マネージャが一元的に行うか、チーム・メンバーが協力して行うことができます。「成果物の更新」ページを使用して、成果物進捗を入力および発行します。
チーム・メンバーは、所有するすべての成果物の進捗をチーム・メンバー・ホーム・ページから入力および発行できます。各成果物にドリルダウンして成果物処理などの詳細情報を表示できます。
タスク・マネージャは、タスクのすべての成果物の実質完了率を入力および発行できます。実質完了率はタスクに積み上げられます。
成果物を多数の作業計画タスクに関連付けることはできますが、実質完了率は、1つ以上の成果物から単一の作業計画タスクにしか積み上げられません。成果物を成果物ベースのタスクに関連付け、同じ成果物を従事ベースのタスクなど、非成果物ベースのタスクに関連付けることができます。このような場合、進捗は成果物ベースのタスクに積み上げられます。
成果物進捗入力の一部として成果物処理を完了できます。「完了」チェック・ボックスを選択すると、システム日付が完了日として自動入力されます(この日付は上書きできます)。成果物に出荷処理または調達処理がある場合、成果物処理を完了するには、これらの処理を開始する必要があります。
成果物進捗入力が成果物タイプに対して無効になっている場合、「成果物の更新」ページで成果物ステータスを入力し、成果物処理を完了します。
成果物の実質完了率は、1つ以上の成果物から関連作業計画タスクに積み上げることができます。
成果物を多数の作業計画タスクに関連付けることはできますが、実質完了率は、1つ以上の成果物から単一の作業計画タスクにしか積み上げられません。成果物を成果物ベースのタスクに関連付け、同じ成果物を従事ベースのタスクなど、非成果物ベースのタスクに関連付けることができます。このような場合、進捗は成果物ベースのタスクに積み上げられます。
関連作業計画タスクの実質完了率導出方法によって、このタスクの進捗回収ソースが決定されます。この導出方法が成果物である場合、実質完了率は、タスクに関連付けられている成果物から回収されます。成果物加重は、実質完了率がタスクに積み上げられるときの作業計画タスクに対する加重を計算するために使用されます。
注意: 成果物以外の実質完了率導出方法を持つタスクに成果物が関連付けられている場合、進捗積上は実行されません。このような場合、タスクが成果物に関連付けられていても、タスクの実質完了率は資源割当またはサブタスクから導出されます。
関連項目