Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド リリース12 E06013-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
米国食品医薬品局(FDA)は、食品および医薬品業界を規制して国民の健康を保護しています。1997年、FDAは、コンピュータ化されたソフトウェアを使用した品質システムに対して、FDA連邦規制基準(CFR)Title 21 Part 11(別名21 CFR Part 11)という新規定を発行しました。この規定の目的は、コンピュータ化された記録が安全で信頼できるものであり、紙ベースの記録と同等に正確であることを保証することです。
21 CFR Part 11によれば、データ管理プロセスにおけるソフトウェア・アプリケーションの役割は、製造済製品のデータが、製品の製造中に電子的に取得、操作、抽出およびコード化されることを保証し実証することです。すべての主要データおよび定義オブジェクト(メタデータ)には、完全な監査証跡が含まれています。
一般的に、21 CFR Part 11は、電子記録および電子署名を使用する際の要件が記載されていますが、必要とされる分野については記載されていません。FDAでは、電子記録を使用する分野の定義や、どの署名を電子署名として適用するかという定義が、品質管理システムの一部としてソフトウェア・アプリケーションを使用する医療機器メーカーの自由裁量のままになっています。医療機器メーカーは従前規則としてFDA 21 CFR Part 820を使用しています。Oracle Discrete Manufacturing Applicationsは、特定のビジネス・イベントでの電子記録および電子署名を可能にし(後述)、Oracle E-Records製品を使用することで、21 CFR Part 11の要件を満たすビジネス・イベントの選択肢をユーザーに提供します。ユーザーのニーズに合ったOracle E-Recordsの調整方法の詳細は、『Oracle E-Recordsインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
ビジネス・イベントのタイプによって、電子署名はオンライン署名または遅延署名のいずれかになります。オンライン署名の場合は、イベントまたは取引を保存する前に有効な署名の入力が求められます。遅延署名の場合は、最終署名を取得する前に「承認保留中」状態でイベントを保存できます。イベントが保存されるのは、完全な承認がワークフロー・プロセスから戻される前であるため、複数回遅延署名を行う場合にはワークフロー承認が必要です。
特定のビジネス・イベントには、電子記録のビジネス・イベント・オブジェクトへの添付も含まれます。たとえば、設計変更の図面が設計変更に添付される場合、設計変更の電子記録で図面を検討できます。
電子記録および電子署名(ERES)フレームワークは、必要なOracle Applicationsのビジネス・イベントに対する21 CFR Part 11に準拠するように作成された中心的ツールです。ERESフレームワークは、Oracle Workflowビジネス・イベントやXMLゲートウェイなどのOracle Applicationsに共通の構成部品を使用します。
Oracle Applicationsの電子レコードと署名を有効にするには、『Oracle E-Records Implementation Guide』の電子レコードの実装に関する項にリストされたステップに従う必要があります。それ以外の場合は、電子レコードまたは電子署名は必要ありません。
次の表は、Oracle E-Recordsにシード済のOracle Purchasingイベントの一覧です。
イベント | 電子署名の種別(オンラインまたは遅延) | 電子レコードに添付が含まれる |
---|---|---|
ASL作成 | オンライン* | No |
ASL更新 | オンライン* | No |
受入品質検査 | オンライン | Yes |
品質データ収集を伴う受入移動 | オンライン* | Yes |
品質データ収集を伴う受入搬送 | オンライン* | Yes |
* アスタリスク(*)の付いたオンライン電子署名はデフォルトでは無効です。これらのイベントに対して電子署名を有効にするには、ESIG_REQUIRED構成変数のデフォルト値をYに変更します。必要な電子署名についてデフォルト値を変更する方法の詳細は、『Oracle E-Recordsインプリメンテーション・ガイド』の「構成変数の設定」を参照してください。
重要: Oracle Purchasingで電子レコードと電子署名を取得するには、Oracle Qualityを導入して「QA: PO検査」プロファイル・オプションを「Oracle Quality」に設定する必要があります。
電子レコードは、「承認済仕入先リスト」ウィンドウで、発注承認ワークフローで、または「価格カタログのインポート」を介して承認済仕入先リスト(ASL)を作成または更新するときに取得します。
受入検査の実行時に電子レコードを取得するには、Oracle Qualityをインストールしておく必要があります。電子レコードは、「品質結果の入力」ウィンドウで受入検査結果を入力するときに取得します。受入検査結果の入力後に、必要な電子署名を取得する必要があります。イベントがウィンドウで発生している間に、署名をオンラインで入力する必要があります。電子署名のステータスは、「電子署名詳細」ウィンドウを表示すればいつでも確認できます。
「受入取引」ウィンドウで受入移動取引を入力するときに電子レコードを取得してから、「検査」ボタンを選択し、「品質結果の入力」ウィンドウで品質データを入力します。
「受入取引」ウィンドウで受入搬送取引を入力するときに電子レコードを取得してから、「検査」ボタンを選択し、「品質結果の入力」ウィンドウで品質データを入力します。
次の方法を使用して、電子レコードおよび電子署名を表示できます。
Oracle E-Recordsの「証拠ストアー」を使用して電子レコードおよび電子署名を問い合せます。関連項目: 『Oracle E-Recordsインプリメンテーション・ガイド』の「証拠ストアー」
取引の開始ウィンドウまたは要約ウィンドウの「ツール」メニューから「電子レコード詳細」オプションを選択します。