Oracle Cash Managementユーザー・ガイド リリース12 E06075-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
銀行口座残高の保守とレポートは、Oracle Cash Managementで定義されているシステムのすべての当方銀行口座でサポートされています。銀行口座ごとに、元帳、可能額、評価日、1日浮動、2日浮動、計画済月累計平均、年累計平均、など複数の銀行口座残高タイプを追跡できます。レポート・ツールを使用して、一元的に保存されているこれらすべての残高履歴を表示し、トレンド分析や残高の計画/実績比較を行うことができます。また、残高履歴やユーザー定義金利予定表に基づいて、銀行による利息の請求額または貸方記帳額を検証することもできます。
銀行口座残高値を手動で入力し、複数の日付に対する1つの銀行口座の残高、または1つの日付に対する複数の銀行口座の残高を入力できます。
「銀行取引明細書ローダー」プログラムは、銀行取引明細書でレポートされる次の残高を認識し、それに応じて新しい残高値を作成します。
元帳残高
使用可能残高
計算済利息残高
1日浮動と2日浮動
元帳クローズまでの平均月累計
元帳クローズまでの平均年累計
可能額クローズまでの平均月累計
可能額クローズまでの平均年累計
計画済口座残高は手動で入力することも、資金ポジション時に自動的に作成することもできます。銀行口座別の資金ポジション結果を表示するときに、計画済クローズ残高を自動的に取得するには、「計画済残高の保存」ボタンを選択します。
カスタム定義残高タイプを設定して、「残高タイプ」フィールドに名称を割り当てることができます。この名称は銀行口座残高タイプLOVの一部となるため、資金ポジション、利息計算、残高レポートなどアプリケーションの他の分野でも使用できます。銀行取引明細書ローダーの制約により、ユーザー定義の残高タイプはサポートされていません。これらの新規残高タイプは、手動で入力できます。
1つの銀行口座を選択し、複数の日付のすべての残高タイプを1つのページで管理できます。ノーショナル資金プール残高はプール参加者の残高合計として自動的に計算されるため、直接入力または更新することはできません。ノーショナル資金プール残高が不正確な場合、プール参加者口座の残高を更新する必要があります。
注意: Oracle Treasuryで使用されている銀行口座残高を保守する前に、これらの口座に金利予定表を割り当てておく必要があります。詳細は、金利予定表に関する項を参照してください。
「銀行口座残高の保守」ページにナビゲートします。
検索基準として、法的エンティティ、銀行名、通貨、口座名または口座番号を入力します。
「進む」をクリックします。
更新する口座を選択し、履歴残高または計画済残高の「更新」アイコンをクリックします。
適切な日付範囲を入力し、必要な残高日付が自動的に表示されない場合は、「進む」をクリックします。
口座残高を入力または更新します。
「適用」をクリックします。
複数の銀行口座を選択し、1つの日付のすべての残高タイプを1つのページで管理できます。
「銀行口座残高の保守」ページにナビゲートします。
検索基準として、法的エンティティ、銀行名、通貨、口座名または口座番号を入力します。
「進む」をクリックします。
更新する口座を選択して、「グループとして更新」をクリックします。
必要な残高レートを入力します。
口座残高を入力または更新します。
「適用」をクリックします。
Oracle Cash Managementでは、複数の方法で残高を表示およびレポートできます。
XML Publisherレポートを作成するために、次のコンカレント要求を使用できます。
銀行口座残高単日レポート: 特定日付の1つ以上の銀行口座残高をレポートします。
銀行口座残高日付範囲レポート: ある日付範囲の1つ以上の銀行口座残高をレポートします。
銀行口座残高実績対予測レポート: ある日付範囲に対して、1つ以上の銀行口座の実績残高と計画済残高を比較します。
「銀行口座残高単日レポート」と「銀行口座残高範囲日次レポート」では、報告通貨を指定して換算レート・タイプを選択すると、すべての銀行口座残高を単一通貨に換算できます。
銀行口座残高は、XMLレポートの他に、「銀行口座残高のレポート」ページでオンライン表示することもできます。
「銀行口座残高のレポート」ページにナビゲートします。
パーソナライズ・ビューが作成されていない場合、「拡張検索」ページにナビゲートされます。この場合、「検索の保存」をクリックします。少なくとも1つのビューが作成されている場合は、「ビュー」ページにナビゲートされます。この場合、「パーソナライズ」、「ビューの作成」の順にクリックします。
「ビューの作成」ページで銀行残高のパーソナライズ・ビュー・レイアウトを設定します。「一般プロパティ」リージョンで、ビュー名、ページ別の表示行数、デフォルト表示フラグおよび摘要の表示を入力します。
「列プロパティ」リージョンで、表示する列を選択し、それらを希望する順序に並べ、必要に応じて名称を変更し、しかるべき場所に合計を追加します。銀行口座残高データのソートに使用する列を指定することもできます。
「表のデータをフィルタするための問合せの検索」で銀行口座残高データを抽出するための検索基準を入力します。「名称」または「口座番号」のどちらかは、必ず選択する必要があります。
「適用」をクリックします。
「銀行口座残高のレポート」ページにナビゲートします。
パーソナライズ・ビューが作成されていない場合、「拡張検索」ページにナビゲートされます。この場合、検索基準を入力して「進む」をクリックします。システムのデフォルト・レイアウトで銀行口座残高が表示されます。
少なくとも1つのビューが作成されている場合は、「ビュー」ページにナビゲートされます。この場合、リストからビュー名を選択して「進む」をクリックします。パーソナル・レイアウトで銀行口座残高が表示されます。
金利の受け取りまたは支払いが発生する銀行口座残高がある場合、Oracle Cash Managementで金利予定表を保守できます。Oracle Treasuryでの使用が承認された銀行口座がある場合、銀行口座残高を保守する前に、こうした口座に金利予定表を割り当てておく必要があります。
金利予定表の属性の1つである金利の更新のみをユーザーに許可する機能も使用できます。
「金利予定表」ページにナビゲートします。
「予定の作成」をクリックします。
計画名を入力し、「計画通貨」、「基準」、「利息端数処理」および「日数計算基準」を選択します。ページをパーソナライズして「利息算入」パラメータを表示する場合は、その値を選択することもできます。デフォルトでは、「利息算入」パラメータの値は「前落し」に設定されています。
「基準」: このパラメータは、同じ利率を残高金額全体に適用する場合、または残高金額の部分ごとに別個の利率を適用する場合に定義します。オプションとして「定率」と「ステップ」があります。たとえば、残高金額が150,000で「定率」オプションを選択した場合、レート体系は次のようになります。
レート | 金額 |
5% | 0から100,000 |
3% | 100,000より大きい |
金利3%が残高金額150,000全体に適用されます。同じ残高金額と同じレート体系に「ステップ」オプションを選択した場合、残高金額の最初の100,000に金利5%が適用され、残りの50,000に3%が適用されます。
「利息端数処理」: このパラメータは、計算済利息を通貨精度に端数処理する方法を定義します。オプションとして、「四捨五入」、「切捨て」、「切上げ」があります。たとえば、正確に計算された利息額が100.1078で、銀行口座の通貨精度では小数第2位までしか使用できないとします。「四捨五入」オプションを選択した場合、利息額は100.11に端数処理されます。「切捨て」オプションを選択した場合、利息額は100.10に端数処理され、「切上げ」オプションを選択した場合は100.11に端数処理されます。
「日数計算基準」: この規則では、年度内の日数を定義します。オプションとして、「実日数 / 実日数」、「実日数 / 360」、「実日数 / 365」があります。
「利息算入」: このパラメータは、最初の使用可能清算日における利息額計算の日数を定義します。オプションとして、「後落し」、「前落し」、「両端」があります。たとえば、銀行口座の最初の清算日が3月1日で、次の清算日が3月2日であるとします。「後落し」オプションを選択した場合、3月1日から3月2日までの利息計算日数は1日となり、利息は3月1日に計上されるとみなされます。「前落し」オプションを選択した場合、3月1日から3月2日までの利息計算日数は1日となり、利息は3月2日に計上されるとみなされます。「両端」オプションを選択した場合、3月1日から3月2日までの利息計算日数は2日となり、利息は3月1日と3月2日に部分的に計上されるとみなされます。
「次」をクリックします。
異なるレートを適用する残高範囲(最低値から最高値まで)を入力します。1つの範囲にプラスおよびマイナスの残高の両方を含めることはできません。すべての可能な残高を対象とする場合、次のようになります。
「値: 至」フィールドに入力する数値は計画通貨の最小精度で1ずつ増分し、 次の行では「値: 自」値とみなされます。
最終範囲の「値: 至」のフィールドには値を入力しないでください。
デフォルトでは、マイナスおよびプラス金額の残高範囲が自動的に作成されます。
「次」をクリックします。
前のステップで定義した残高金額範囲に適用する利率を入力します。
「次」をクリックします。
「勘定科目の割当」をクリックして、金利予定表を適用する銀行口座を選択します。
「終了」をクリックします。
「金利予定表」ページにナビゲートします。
オプションで、「検索」リージョンに金利予定表名の一部を入力できます。
「進む」をクリックします。
「金利予定表」の名称をクリックして、詳細を表示します。
「金利予定表」ページにナビゲートします。
オプションで、「検索」リージョンに金利予定表名の一部を入力できます。
「進む」をクリックします。
金利予定表の名称を選択して、「更新」アイコンをクリックします。
銀行口座を追加または削除するなど、必要に応じて詳細を編集します。
「適用」をクリックします。
銀行口座に金利予定表が割り当てられている場合、オンライン計算機を使用して銀行に対する支払利息額または受取利息額を検証できます。銀行口座単独の利息だけでなく、ノーショナル資金プールの利息も計算できます。
「銀行口座金利」ページにナビゲートします。
検索基準を入力して、「進む」をクリックします。
1つ以上の銀行口座を選択して、「利息の計算」をクリックします。
利息を計算する日付範囲を入力して、「進む」をクリックします。
利息を計算する日付範囲を入力して、「進む」をクリックします。
計算された利息額をクリックして、計算に使用された利息と残高金額を確認します。