ヘッダーをスキップ

Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド
リリース12.2
E51769-01
目次へ
目次
前のページへ
前へ
次のページへ
次へ

Oracle Applications表領域モデル

Oracle Applications表領域モデルの概要

Oracle Applications表領域モデル(OATMまたはOracle E-Business Suite表領域モデルとも呼ばれます)では、12個の統合された表領域(一時、システムおよびUNDOセグメントの3つのシステム表領域を含む)を使用し、ローカル管理表領域をサポートしています。OATMはリリース11i.10で導入されました。11iリリースより前のOracle E-Business Suiteでは、各製品に対してデータと索引用の2つの表領域が割り当てられていました。移行ユーティリティはメニュー・ベースのPERLプログラムで、Oracle E-Business Suiteアプリケーション・スキーマを、1回の包括的な移行か、スキーマごとの分割移行のいずれかで変換できる一連のサイズ変更の見積レポートです。通常は、1回の包括的な移行の実行をお薦めしますが、停止時間の余裕と十分なディスク領域が必要です。表領域の部分的な移行はサポートされていません。スキーマごとの分割移行を実行する場合も、すべてのスキーマを移行する必要があります。

OATMを使用すると、各データベース・オブジェクトは、それぞれの入力/出力特性に基づいて表領域にマップされます。この特性には、オブジェクト・サイズ、有効期間、アクセス方法およびロックの精度が含まれます。このモデルを使用すると、Oracle E-Business Suiteの保守が容易になり、使用領域を削減できます。

ローカル管理表領域でサポートしている別の構成であるユーザー・エクステント管理は、ディクショナリ表領域がローカル管理表領域に移行した場合にのみ関連します。OATMへの移行は、表領域レベルではなくオブジェクト・レベルで実行されるため、ユーザー・エクステント管理は関連しません。OATMの推奨デフォルト構成は均一エクステント管理です。

OATMへの移行によるメリット

データベース・オブジェクトのOATMへの移行には、次のメリットがあります。

より統合された少数の表領域

OATMには、すべての製品について、一時表領域、システム表領域およびUNDOセグメントも含めて12個のローカル管理表領域があります。以前の表領域モデルには、Oracle製品ごとに2つの表領域があったため、何百もの表領域が存在していました。

ローカル管理表領域

このモデルでは、ローカル管理表領域で使用できる均一または自動割当のエクステント管理がサポートされています。ローカル管理表領域には、以前のモデルのディクショナリ表領域よりも優れたメリットがあり、エクステントのサイズはシステム(自動割当)によって自動的に決定されます。また、すべてのエクステントを同じサイズ(均一)にして、オブジェクト記憶域オプションを上書きすることもできます。

OATMでは、自動セグメント領域管理が実装され、セグメント内の領域を簡単かつ効率的に管理する方法が提供されます。表領域に作成されるスキーマ・オブジェクトの記憶域パラメータであるPCTUSED、FREELISTSおよびFREELISTS GROUPSの指定および調整は完全に不要となります。自動セグメント領域管理では、手動によるセグメント領域管理に比較して領域の使用効率が向上します。また、ユーザー数とインスタンス数の増加にあわせて拡張されるため、自己チューニング型といえます。Real Application Clusters環境の場合、自動セグメント領域管理は、インスタンスに対する領域の動的アフィニティに対処できるため、空きリスト・グループの使用に伴う領域の難しいパーティション化を回避できます。

均一エクステント・サイズ

均一エクステント・サイズの値は、システム要件に基づいて慎重に選択する必要があります。本番環境であり、取引表、取引索引、インタフェース、サマリー、アーカイブ、メディアなどの大きな表領域を使用する場合、均一エクステント・サイズを1MBまたは10MBにすることを(慎重に)検討する必要があります。選択したエクステント・サイズが小さすぎる場合、拡張が頻繁に発生し、システムのパフォーマンスが低下します。

リリース12のRapid Install本番データベースは、128KBの均一エクステントを持つローカル管理表領域の設定で出荷されます。このサイズがシステムの特性に適していない場合、後続の再移行ステップで、適切な均一エクステント・サイズの表領域を新たに作成し、オブジェクトをその表領域に移行できます。OATM移行ユーティリティでは、ローカル管理表領域のすべての構成をサポートしています。自動割当のエクステント管理を各要件に応じて使用すれば、推奨のデフォルト均一エクステント・サイズを自由に上書きできます。また、均一エクステント・サイズも構成可能です。

注意: Oracleデータベース・サーバーでは、ローカル管理表領域が作成された後に、エクステント管理タイプまたは均一エクステント・サイズの変更はサポートされていません。したがって、最初に使用したエクステント管理タイプまたは均一エクステント・サイズを変更する必要がある場合、表領域の再作成か、オブジェクトの再移行のみが使用可能なオプションです。

再移行ステップ

カスタマイズ・オプションを使用して、次の表のように既存のOATM表領域の名称を変更します。

表領域タイプ 古い表領域名 新しい表領域名
取引表 APPS_TS_TX_DATA APPS_TS_TX_DATA_1MB
取引索引 APPS_TS_TX_IDX APPS_TS_TX_IDX_1MB
参照 APPS_TS_SEED  
インタフェース APPS_TS_INTERFACE APPS_TS_INTERFACE_1MB
要約 APPS_TS_SUMMARY APPS_TS_SUMMARY_1MB
ロギングなし APPS_TS_NOLOGGING  
アドバンスト・キューイング(AQ) APPS_TS_QUEUES  
メディア APPS_TS_MEDIA APPS_TS_MEDIA_1MB
アーカイブ APPS_TS_ARCHIVE APPS_TS_ARCHIVE_1MB

均一エクステント・サイズを変更しない表領域のタイプについては、表領域名を変更せずに最初に選択した均一エクステント・サイズの表領域にそれぞれのオブジェクトが残るようにし、移行が実行されないようにする必要があります。表領域のサイズは、サイズ変更レポートで無視する必要があり、「create tablespace」スクリプトから「alter tablespace」文を削除した後、そのスクリプトを実行する必要があります。

メイン・メニューから、「オプション7. カスタマイズ・ステップの実行」を選択します。

カスタマイズ

  1. 新規表領域の表領域タイプの登録

  2. 既存の表領域の名称変更

  3. オブジェクト分類の登録

  4. オブジェクト分類の変更

「2. 既存の表領域の名称変更」を選択します。

Enter tablespace type: TRANSACTION_TABLES
Enter new tablespace name: APPS_TS_TX_DATA_1MB
Tablespace name for TRANSACTION_TABLES changed to APPS_TS_TX_DATA_1MB.
Do you want to continue changing tablespace names?[Y]:
Enter tablespace type: TRANSACTION_INDEXES
Enter new tablespace name: APPS_TS_TX_IDX_1MB 
...

均一エクステント・サイズを変更する、すべての表領域タイプに対して同じステップを実行します。カスタマイズの完了後、「Oracle Applications表領域移行ユーティリティの概要」の始めで説明しているユーティリティのステップを実行してください。

オブジェクトの入出力特性

OATMでは、オブジェクトに関する次のオブジェクト入出力特性が考慮されます。

自動セグメント領域管理

自動セグメント領域管理は、セグメント内の領域を簡単かつ効率的に管理する方法です。表領域に作成されるスキーマ・オブジェクトの記憶域パラメータであるPCTUSED、FREELISTSおよびFREELISTS GROUPSの指定と調整は完全に不要となります。自動セグメント領域管理では、手動によるセグメント領域管理に比較して領域の使用効率が向上します。また、ユーザー数とインスタンス数の増加にあわせて拡張されるため、自己チューニング型といえます。Real Application Cluster(RAC)環境の場合、自動セグメント領域管理は、インスタンスに対する領域の動的アフィニティに対処できるため、空きリスト・グループの使用に伴う領域の難しいパーティション化を回避できます。

移行後の領域の再生

表領域移行ユーティリティは、自動セグメント管理と均一または自動割当のエクステント管理を使用して、オブジェクトを既存のディクショナリ管理表領域からローカル管理表領域に移行します。その結果、領域の使用効率が向上し、無駄がなくなります。表セグメントと索引セグメントの1つの表領域から別の表領域への移行では、未使用の領域も再生されます。この再生は、特に、索引列を頻繁に挿入、更新または削除したときに断片化される索引に対して行われます。

Real Application Cluster(RAC)のサポート

OATMでは、表領域の数が減少したため、Real Application Cluster(RAC)のサポートが容易になっています。RACは、相互接続された複数のコンピュータの処理能力を活用するOracleデータベースの機能です。この機能によって、すべての有効インスタンスは、1つの共有データベース・ディスク・システムに対して取引を同時に実行できます。現在RAWデバイスが255に制限されているLinuxでRACを実装するときは、この新規表領域モデルが重要な役割を果たします。

その他のメリット

OATMには、他にも次のようなメリットがあります。

OATM表領域

OATMの製品表領域のメリットは、以前の表領域モデルの観点から見た場合に最もよく理解できます。以前のモデルには、Oracle E-Business Suite製品ごとに2つの表領域があり、1つは表に、もう1つは索引に割り当てられていました。このモデルの表領域に関する標準命名規則では、製品のOracleスキーマ名に「データ」表領域の場合は「D」、「索引」表領域の場合は「X」の接尾辞が付いていました。たとえば、表領域のAPDとAPXは、それぞれOracle Payablesの表と索引を表すデフォルトの表領域でした。

以前の表領域モデルとは対照的に、OATMには、UNDO、一時およびシステムの各データベース表領域に加えて、アプリケーション・オブジェクトに対する9個のデフォルトの表領域があります。取引表の索引は専用の表領域に個別に格納され、他のすべての索引は、親表/実表と同じ表領域に格納されます。すべてのOracle E-Business Suite製品スキーマには、データ・オブジェクトの場合はTRANSACTION_TABLES表領域タイプを、索引オブジェクトの場合はTRANSACTION_INDEXES表領域タイプを指し示すデフォルトの表領域セットが設定されています。

Oracle Applications表領域モデルでは、ローカル管理表領域を使用し、均一エクステント管理または自動エクステント管理をサポートしています。ローカル管理表領域でサポートしている別の構成であるユーザー・エクステント管理は、ディクショナリ表領域がローカル管理表領域に移行した場合にのみ関連します。OATMへの移行は、表領域レベルではなくオブジェクト・レベルで実行されるため、ユーザー・エクステント管理は関連しません。OATMの推奨デフォルト構成は均一エクステント管理です。移行ユーティリティでは、推奨のデフォルト均一エクステント・サイズは128KBですが、顧客データベースに応じて変更できます。ただし、他のエクステント・サイズを使用する場合でも、そのサイズは使用しているOracle Databaseのバージョンに必要な最小エクステント・サイズに準拠する必要があります。デフォルトより小さいサイズを使用して問題が発生した場合は、均一エクステント・サイズを増やすと問題が解決することがあります。

次の表に、表領域タイプを示します。

表領域タイプ
表領域タイプ 表領域名 内容
取引表 APPS_TS_TX_DATA 取引データを含む表。
取引索引 APPS_TS_TX_IDX 取引表の索引。
参照 APPS_TS_SEED データと索引の参照および設定。
インタフェース APPS_TS_INTERFACE インタフェースおよび一時データと索引。
要約 APPS_TS_SUMMARY 要約管理オブジェクト(マテリアライズド・ビュー、ファクト表、要約情報を記録するその他のオブジェクトなど)。
ロギングなし APPS_TS_NOLOGGING 要約管理オブジェクトおよび一時オブジェクトで使用されないマテリアライズド・ビュー。
アドバンスト・キューイング(AQ) APPS_TS_QUEUES アドバンスト・キューイングおよび依存表と依存索引。
メディア APPS_TS_MEDIA マルチメディア・オブジェクト(テキスト、ビデオ、音声、グラフィック、空間データなど)。
アーカイブ APPS_TS_ARCHIVE アーカイブされたパージ関連データを含む表。
UNDO UNDO 自動UNDO管理(AUM)表領域。AUMが有効な場合、UNDOセグメントは、ROLLBACKセグメントと同じです。
一時 TEMP グローバル一時表、ソートおよびハッシュ結合の一時表領域。
システム SYSTEM Oracle Databaseが使用するシステム表領域。

表領域分類

OATMは、固有の明示的および暗黙的分類ルールに依存しています。これらのルールは、該当するオブジェクト・タイプの記憶域に関する考慮事項に基づいて決定されます。Oracle Applications表領域移行ユーティリティは、これらのルールに基づいてオブジェクトを移行します。次の表に、OATMでオブジェクト・タイプに基づいて適用される暗黙的な分類ルールを示します。暗黙的な分類ルールまたは明示的なオブジェクト分類が設定されていないオブジェクトは、そのオブジェクトが常駐するスキーマのデフォルトの表領域に移行されます。

明示的分類ルール

明示的なオブジェクト分類は、オブジェクトの入出力特性に基づいてシードされています。

暗黙的な分類ルール

次の表に、Oracle Applications表領域移行ユーティリティの暗黙的な分類ルールを示します。

暗黙的な分類ルール
オブジェクト・タイプ Tablespace_Type
AQ表 AQ
索引構成表(IOT) Transaction_Tables
マテリアライズド・ビュー 要約
マテリアライズド・ビュー・ログ 要約
他のすべての索引 表と同じ表領域タイプ
ドメイン索引 Transaction_Indexes
取引表の索引 Transaction_Indexes

カスタマイズと拡張

Oracle Applications表領域移行ユーティリティは、主として、標準のOracle E-Business Suiteスキーマが所有する表、索引、マテリアライズド・ビュー、マテリアライズド・ビュー・ログおよび他のデータベース・オブジェクトを、既存の表領域モデルからOATMに移行するために設計されています。カスタム・スキーマやサード・パーティ・スキーマも、Oracle Applications表領域移行ユーティリティ、顧客優先方法またはOracle Enterprise Manager(OEM)などのデータベース管理ツールを使用して移行することができます。標準のOracle E-Business Suite製品スキーマにあるカスタム・オブジェクトは、デフォルトで移行されます。

Oracle Applications表領域移行ユーティリティでは、次のカスタマイズを有効にできます。

カスタム・スキーマまたはサード・パーティ・スキーマの移行

システム管理者職責で、フォーム・ベース・バージョンのOracle E-Business Suiteにログインします。「セキュリティ」 -> 「Oracle」 -> 「登録」の順にナビゲートし、外部スキーマを登録します(未登録の場合)。「権限」を「使用可能」に設定します。

特定スキーマの移行防止

Oracle E-Business Suiteに登録しているOracle以外のスキーマなど、スキーマの一部を移行しない場合があります。これを実行するには、システム管理者職責で「セキュリティ」 -> 「Oracle」 -> 「登録」の順にナビゲートし、該当するスキーマに対して「外部」または「禁止」を選択し、移行しないスキーマを無効にする必要があります。反対に、移行する特定のスキーマにフラグを付ける場合は、システム管理者職責で「セキュリティ」 -> 「Oracle」 -> 「登録」の順にナビゲートし、「使用可能」を設定して、特定のスキーマを有効にします。

Oracle Applications表領域移行ユーティリティの概要

表領域移行ユーティリティはメニュー・ベースのPERLプログラムです。このユーティリティを使用すると、表領域に対する将来の領域要件を見積り、Oracle E-Business SuiteのデータベースをOATMに移行できます。ユーザーが表示できるログ・ファイルは、PERLプログラムを実行する作業ディレクトリに作成されます。ログ・ファイルの名称と場所は、必要なオプションを選択すると表示されます。

表領域移行ユーティリティでは、1回の包括的な移行でスキーマのすべてを移行することも、スキーマごとに分割して移行することもできます。停止時間を最小限にするために、1回の包括的な移行でスキーマのすべてを移行することをお薦めしますが、停止時間の余裕と十分なディスク領域が必要です。移行を実行するために、停止時間とディスクに十分な余裕がない場合は、スキーマごとに分割して移行できます。オブジェクトを既存の表領域からOATMに移行した後、その処理を戻すことはできません。スキーマごとの分割移行でOATMに移行したスキーマのロールバックはサポートされていません。この移行を戻す唯一の方法は、バックアップから移行したスキーマをリカバリすることです。

注意: OATMに対して1つ以上のスキーマの移行を開始した後は、異なるPERLメニューから追加の移行を実行することはできません。1つの移行が完了してから別の移行を開始する必要があります。

移行の計画

サイズ変更要件

可能なかぎり、次の操作をお薦めします。

表領域移行ユーティリティの設定

表領域移行ユーティリティの設定

表領域移行ユーティリティの初回インストール時では、次のように実行されます。

表領域移行ユーティリティ・メイン・メニューの起動

次の操作を実行して、表領域移行ユーティリティ・メイン・メニューを起動します。

  1. fndtsmig.pl PERLスクリプトを実行します。

     perl $FND_TOP/bin/fndtsmig.pl.
  2. 表領域移行ユーティリティ・メイン・メニューへのアクセスを求めるプロンプトで、次の情報を入力します。

情報は、対話形式か、OATM構成ファイルに指定されたすべての情報を格納する形式で提供されます。OATM構成ファイルは、有効なタグの付いた次のフォーマットになります。

APPL_TOP                   - valid APPL_TOP value or $ENV$
FND_TOP                    - valid FND_TOP value or $ENV$
APPS_SCHEMA                - valid apps schema name
APPLSYS_SCHEMA             - valid applsys schema name
ALLOC_TYPE                 - UNIFORM/AUTOALLOCATE
UES	                        - valid integer (uniform extent size)
DBF_DIR                    - valid directory for generated database file
INDIVIDUAL_DATAFILE_SIZE   - maximum datafile size
NUM_WORKER                 - integer (number of concurrent workers.)
MIGRATION_SCHEMA           - % or comma separated list of schemas
CONNECT_STRING             - database connect string
AUTO_START_MIGRATION       - should migration be started automatically after 
preparatory steps are completed Y(default)/N

$ENV$は、OATM構成ファイルの予約語です。$ENV$が特定のトークンの値として使用されると、そのトークンの実値は実行時に、使用している環境から動的に導出されます。

<!-- OATM Migration Configuration File>
<OATM>
<APPL_TOP> $ENV$ </APPL_TOP>
<FND_TOP> $ENV$ </FND_TOP>
<CONNECT_STRING> atgtsmqa </CONNECT_STRING>
<APPS_SCHEMA> APPS </APPS_SCHEMA>
<APPLSYS_SCHEMA> APPLSYS </APPLSYS_SCHEMA>
<ALLOC_TYPE> U  </ALLOC_TYPE> 
<UES> 1024 </UES> 
<DBF_DIR> /slot05/oracle/atgtsmqadata/ </DBF_DIR>
<INDIVIDUAL_DATAFILE_SIZE> 2000 </INDIVIDUAL_DATAFILE_SIZE> 
<NUM_WORKER> 8 </NUM_WORKER> 
<MIGRATION_SCHEMA>  %   </MIGRATION_SCHEMA>
< AUTO_START_MIGRATION >  Y  </ AUTO_START_MIGRATION >
</OATM>

OATM構成ファイルがある場合、構成ファイルで指定した値が対話形式で入力された値によって上書きされる可能性があります。提供されるすべての情報の要約が表示され、必要に応じて検討および訂正できます。

注意: 対話形式で入力された情報に従って構成ファイルが変更されることはありません。対話形式で入力された値(ある場合)は、OATMセッションでのみ有効です。構成ファイルに新しくタグが追加されても認識されません。前述のOATM構成ファイルで指定された値はすべて例であり、推奨値ではありません。

表領域移行ユーティリティ・メイン・メニューの理解

表領域移行ユーティリティ・メイン・メニューには、データベース・オブジェクトをOATMに移行するための6つの必須ステップと1つのオプション・ステップがリストされています。これらのステップは3つのフェーズに分類されます。フェーズ1では、オブジェクトをOATMに移行するための準備ステップを実行します。フェーズ2では、オブジェクトをOATMに移行するためのステップを実行し、フェーズ3では、移行後の必須ステップを実行します。

  1. (準備ステップ)移行サイズ変更レポートの生成

  2. (準備ステップ)新規表領域の作成

  3. (準備ステップ)移行コマンドの生成

  4. (移行ステップ)移行コマンドの実行

  5. (移行ステップ)移行ステータス・レポートの実行

  6. (移行後ステップ)移行後ステップの実行

  7. (オプション)カスタマイズ・ステップの実行

  8. (オプション、バッチ・モード)バッチ・モードでの移行の実行

ステップ1、2、3は、ユーザーがOracle E-Business Suiteを使用中に実行できます。ステップ4は、ユーザーがOracle E-Business Suiteを使用していないときに実行する必要があります。ステップ5、6は、ユーザーがOracle E-Business Suiteを再び使用する前に完了する必要があります。オプションのステップ7は、他のステップより前に実行する必要があります。

注意: 準備ステップの最後のステップ3を実行した後は、データベースをバックアップすることをお薦めします。後続の移行ステップを実行する前に、データベースのバックアップ・コピーを確保しておく必要があります。

データベースのバックアップ

データベースのバックアップは、次のように、2回実行することをお薦めします。

  1. 前の表領域モデルのコピー: 移行ステップを実行する前にデータベースのバックアップを作成します。移行したデータベース・オブジェクトのロールバックはサポートされていないため、これが、前の表領域モデルを回復する唯一の方法です。

  2. 移行用に準備したデータベースのコピー: 「ステップ3: 移行コマンドの生成」を実行した後にデータベースのバックアップを作成します。これによって、移行用に準備したデータベースの最新で完全なコピーを使用して、データベース・オブジェクトをOATMに移行できます。

「オプション8. バッチ・モードでの移行」メニューの使用を選択すると、個別に準備ステップを実行するように選択した場合は、移行前および準備ステップの完了後(または、そのいずれか)に、データベースのバックアップを実行する必要があります。

フェーズ1: 準備ステップ

ステップ1: 移行サイズ変更レポートの生成

「ステップ1: 移行サイズ変更レポートの生成」を選択して、レポートのリストにアクセスします。これらのレポートは、新規表領域モデルに対する領域要件の測定、およびユーザーの要件に最適な移行方法の決定に役立ちます。これらレポートでは、DBMS_SPACE.UNUSED_SPACEパッケージを使用して各オブジェクトのサイズを計算するプログラムを実行し、表FND_TS_SIZINGを移入することで、サイズ変更を見積ります。このサイズ変更レポートでは、この表のデータが必要な情報の表示に使用されます。この「移行の計画」メニューには、次のオプションがあります。

  1. Oracle E-Business Suite製品の全スキーマの移行で各新規表領域に必要な総領域の計算

  2. Oracle E-Business Suite製品の各スキーマ(スキーマごとの移行に関連)の移行で各新規表領域に必要な総領域の計算

  3. 各オブジェクトの詳細を含むOracle E-Business Suiteのスキーマごとに必要な総領域の計算

  4. サイズ変更例外レポートの表示

オプション1: Oracle E-Business Suite製品の全スキーマの移行で各新規表領域に必要な総領域の計算

オプション1を選択すると、1回の包括的な移行でOracle E-Business Suite製品の全スキーマを移行するときに、各新規表領域に必要な総領域が計算され、レポートfndtrep1.txtが生成されます。レポートを実行する前に、サイズ変更表の情報は最新か、更新する必要があるかの指定を求められます。1回の包括的な移行で全スキーマを移行するための領域要件を計算するには、次の事項を入力します。

Sizing Program was last run on 02-SEP-03
Do you want to run the Sizing program again before running the report [N]:y
Enter the Extent Allocation type A(utoallocate) or U(niform Extent Size) [U]: U
Enter Uniform Extent Size for the Tablespaces in KBytes[128]:

オプション2: Oracle E-Business Suite製品の各スキーマの移行で各新規表領域に必要な総領域の計算

オプション2を選択すると、Oracle E-Business Suite製品の各スキーマの移行で各新規表領域に必要な総領域が計算され、レポートfndtrep2.txtが生成されます。次の情報の入力を求められます。

Enter the Schema name: <HR>
Sizing Program was last run on 02-SEP-03
Do you want to run the Sizing program again before running the report [N]:

オプション3: 各オブジェクトの詳細を含むOracle E-Business Suiteのスキーマごとに必要な総領域の計算

オプション3を選択すると、各オブジェクトの詳細を含むOracle E-Business Suiteのスキーマごとに必要な総領域が計算され、レポートfndtrep4.txtが生成されます。次の情報の入力を求められます。

Enter the Schema name: <HR>
Sizing Program was last run on 02-SEP-03
Do you want to run the Sizing program again before running the report [N]:

オプション4: サイズ変更例外レポートの表示

オプション4を選択すると、fndtrep5.txtが生成されます。このレポートには、サイズ変更見積でのエラーとなったすべてのオブジェクトがリストされます。スキーマ名の入力を求められます。すべてのスキーマに対してパーセント記号(%)を入力します。

Enter the Schema name: <%>

ステップ2: 新規表領域の作成

「ステップ2: 新規表領域の作成」を選択して、データベース・オブジェクトの移行先であるOATM表領域を作成します。「新規表領域の作成」メニューには、次のオプションがあります。

  1. 表領域作成スクリプトの生成

  2. 新規表領域の作成

オプション1: 表領域作成スクリプトの生成

オプション1では、新規表領域の作成に使用される自動割当、均一エクステント、均一エクステント・サイズなどのエクステント割当タイプを入力します。このユーティリティでは、データ・ファイルを作成するディレクトリの名称の入力を求められます。OATMの一部として作成されるすべての表領域に関して、データ・ファイルの数やサイズなどの情報を入力します。表領域名に順序番号が、生成されたデータ・ファイル名に.dbf拡張子が追加されます。たとえば、データ・ファイル・ディレクトリに/u01/oradataを、取引データ表領域にAPPS_TS_TX_DATAを入力し、さらに、データ・ファイルの数に2を、サイズに2000Mを入力した場合は、「/u01/oradata/APPS_TS_TX_DATA01.dbf」と「/u01/oradata/APPS_TS_TX_DATA02.dbf」という名称で、各サイズが2000Mの2つの表領域データ・ファイルを持つ表領域作成スクリプトが作成されます。データ・ファイルを異なるサイズで作成するか、または異なる場所に作成するには、生成したスクリプトcrtts.sqlを変更する必要があります。

ディスク領域に制限がない場合は、レポート#1でリストされた見積サイズですべての表領域を作成します。これによって、移行中に表領域を拡張する必要がなくなります。すべての表領域を合計サイズで作成するための十分なディスク領域がない場合は、参照用のレポート#2<Schema Name>の見積値を使用します。使用しているオペレーティング・システムに、dbfファイルのサイズに関する制限がある場合は、プロンプトが表示されたときに、この見積サイズより小さい値を入力してください。

Enter the Extent Allocation type A(utoallocate) or U(niform Extent Size)[U]:
*****************************************************************
The utility will append a sequence number to the tablespace name
and a .dbf extension to generate the datafile names.
Datafile size should not be greater than OS file size limit.
Please edit the generated script to change the file name/size
*****************************************************************

Enter the absolute path for the datafiles directory: /u01/oradata
Enter the Number of Datafiles for Transaction data tablespace[1]: 2
Enter the Datafile Size for Transaction data tablespace (MB): 2000
Enter the Number of Datafiles for Transaction index tablespace[1]: 2
Enter the Datafile Size for Transaction index tablespace (MB): 2000
Enter the Number of Datafiles for Reference tablespace[1]: 1
Enter the Datafile Size for Reference tablespace (MB): 2000
Enter the Number of Datafiles for Interface tablespace[1]: 1
Enter the Datafile Size for Interface tablespace (MB): 1700
Enter the Number of Datafiles for Summary tablespace[1]: 2
Enter the Datafile Size for Summary tablespace (MB): 2000
Enter the Number of Datafiles for Nologging tablespace[1]:
Enter the Datafile Size for Nologging tablespace (MB): 60
Enter the Number of Datafiles for Archive tablespace[1]:
Enter the Datafile Size for Archive tablespace (MB): 1400
Enter the Number of Datafiles for Queue tablespace[1]:
Enter the Datafile Size for Queue tablespace (MB): 150
Enter the Number of Datafiles for Media tablespace[1]:
Enter the Datafile Size for Media tablespace (MB): 2000

オプション2: 新規表領域の作成

前のステップで生成したスクリプトcrtts.sqlを実行して新規表領域を作成するには、オプション2を選択します。このスクリプトは、ファイルの最大サイズに関してオペレーティング・システムの制限を確認しません。

ステップ3: 移行コマンドの生成

「ステップ3: 移行コマンドの生成」を選択して、スキーマの移行コマンドを生成します。「移行コマンドの生成」メニューには、次のオプションがあります。

注意: 移行がすでに実行中の場合は移行コマンドを生成しないでください。OATMユーティリティにより、コマンド生成中または移行プロセス実行中の移行コマンドの生成が回避されます。特に移行コマンドの生成中または実行中には、FND_TS_MIG_CMDS表を手動で更新しないことをお薦めします。

  1. 無効な索引レポート

  2. すべてのスキーマに対する移行コマンドの生成

  3. スキーマ・リストに対する移行コマンドの生成

オプション1: 無効な索引レポート。これらの索引は、移行コマンドの生成前に修正または削除してください。

Oracle E-Business Suiteスキーマ内の無効な索引をすべてリストしたレポートを生成するには、オプション1を選択します。このレポートはfndinvld.txtに格納されます。すべてのスキーマ、または指定のスキーマに対して移行コマンドを生成する前に、無効な索引すべてを修正または削除する必要があります。これは、特にコンテキスト索引に関連します。オブジェクトの無効な索引は、実表移行時のエラーの原因となり、無効なコンテキスト索引は移動されません。

オプション2: すべてのスキーマに対する移行コマンドの生成

すべてのスキーマのオブジェクトを適切な表領域に移行するコマンドを生成するには、オプション2を選択します。この移行コマンドは、表FND_TS_MIG_CMDSに格納されます。生成処理時のエラーについては、生成されたログ・ファイルfndgmcmd <timestamp>.logで確認できます。オブジェクトの移動を順次にするか、またはパラレルにするかを決定するために、オブジェクト・サイズのしきい値が、FND_TS_SIZINGのサイズ変更データに基づいて計算されます。しきい値ブロック以上の合計ブロックがあるすべてのオブジェクトの場合、移行コマンドはPARALLEL句で生成され、実行モードは順次です。しきい値より少ない合計ブロックのオブジェクトの場合、移行コマンドはNOPARALLEL句で生成され、実行モードはパラレルです。分割されたオブジェクトは、そのサイズに関係なく、常に順次に実行されます。

オプション3: スキーマ・リストに対する移行コマンドの生成

カンマ区切りのスキーマ名のリストにあるオブジェクトを、適切な表領域に移行するコマンドを生成するには、オプション3を選択します。この移行コマンドは、表FND_TS_MIG_CMDSに格納されます。生成処理時のエラーについては、生成されたログ・ファイルfndgmcmd <timestamp>.logで確認できます。オブジェクトの移動を順次にするか、またはパラレルにするかを決定するために、オブジェクト・サイズのしきい値が、FND_TS_SIZINGのサイズ変更データに基づいて計算されます。しきい値ブロック以上の合計ブロックがあるすべてのオブジェクトの場合、移行コマンドはPARALLEL句で生成され、順次に実行されます。しきい値より少ない合計ブロックのオブジェクトの場合、移行コマンドは、NOPARALLEL句で生成され、複数の処理を使用してパラレルで実行されます。分割されたオブジェクトは、そのサイズに関係なく、常に順次に実行されます。

Enter a comma separated list of schema names: HR,AP

注意: 準備ステップの最後のステップ3を実行した後は、データベースをバックアップすることをお薦めします。後続の移行ステップを実行する前に、データベースのバックアップ・コピーを確保しておく必要があります。

フェーズ2: 移行ステップ

ステップ4: 移行コマンドの実行

「ステップ4: 移行コマンドの実行」を選択し、スキーマに対して移行コマンドを実行します。「移行コマンドの実行」メニューには、次のオプションがあります。

  1. すべてのスキーマに対する移行コマンドの実行

  2. スキーマ・リストに対する移行コマンドの実行

  3. CTXSYSスキーマの移行

すべての移行プロセス(順次、パラレルおよび LONGやLONG RAW列がある表に対するJavaのプロセス)が起動し、「続行するにはReturnキーを押してください。」というプロンプトが表示されれば、すぐにOATMメニューに戻ることができます。メニューに戻っても移行が完了しているわけではありません。バックグラウンドで移行プロセスが実行されていますが、メニューに戻り、移行の進捗レポートを実行して、移行のステータスやエラーをモニターできます。移行セッションは、nohupを使用して内部的に起動されるため、停止シグナルを回避できます。したがってVPN接続の有効時間切れなどの問題を回避できます。

注意: 移行がすでに実行中の場合は移行コマンドを実行しないでください。OATMユーティリティにより、移行プロセスの実行中に追加の移行実行プロセス起動と移行コマンド生成が回避されます。追加の移行プロセスを起動すると、データの破損および移行プロセスのパフォーマンスへの重大な影響を引き起こすエラーが発生します。特に移行コマンドの生成中や実行中には、FND_TS_MIG_CMDS表を手動で更新しないことをお薦めします。

オプション1: すべてのスキーマに対する移行コマンドの実行

すべてのスキーマのオブジェクトを適切な表領域に移行するには、オプション1を選択します。パラレル処理の数を求めるプロンプトが表示されます。このオプションでは、表FND_TS_MIG_CMDSから生成されたコマンドが実行され、次のイベントが順次生成されます。

  1. 最初に、すべての制約、トリガー、ポリシーが無効となり、次にキューが停止します。

  2. Javaプログラムoracle.apps.fnd.tsmig.TSMigrationが実行され、LONG列とLONG RAW列があるすべての表がその索引とともに移行されます。LONG列の表の移行に関するログ・ファイルfndmlong<timestamp>.logが生成されます。

  3. 順次処理が開始され、スクリプトfndemseq.sqlを実行して、順次の実行モードで生成したすべてのオブジェクトが移動されます。順次処理に関するログ・ファイルfndemseq<timestamp>.logが生成されます。

  4. 複数の処理が開始され、SQLスクリプトfndemcmd.sqlを実行して、パラレルの実行モードで生成したオブジェクトを移行します。ログ・ファイルのfndemcmd<timestamp>.logが生成されます。

Are you sure you want to migrate all schemas[N]: y
Enter the maximum number of parallel processes[4]:10

Starting the Migration process for all schemas. Please wait...
 
Migration processes for tables with LONG and LONG RAW columns started. 
Please monitor the log file $APPL_TOP/admin/log/fndmlong20050120230037.log 
for errors

Sequential migration process started. Please monitor the log file 
$APPL_TOP/admin/log/fndemseq20050120230038.log for errors
 
Parallel migration processes started. Please monitor the log file 
$APPL_TOP/admin/log/fndemcmd20050120230048.log for errors
 
Press Return key to continue...

オプション2: スキーマ・リストに対する移行コマンドの実行

指定したスキーマ・リストのオブジェクトを適切な表領域に移行するには、オプション2を選択します。カンマ区切りのスキーマ名のリストおよびパラレル処理の数を入力します。このオプションでは、表FND_TS_MIG_CMDSから生成されたコマンドが実行され、次のイベントが順次生成されます。

  1. 最初に、すべての制約、トリガー、ポリシーが無効となり、次にキューが停止します。

  2. Javaプログラムoracle.apps.fnd.tsmig.TSMigrationが実行され、LONG列とLONG RAW列があるすべての表がその索引とともに移行されます。LONG列の表の移行に関するログ・ファイルfndmlong<timestamp>.logが生成されます。

  3. 順次処理が開始され、スクリプトfndemseq.sqlを実行して、順次の実行モードで生成したすべてのオブジェクトを移動します。順次処理に関するログ・ファイルfndemseq<timestamp>.logが生成されます。

  4. 複数の処理が開始され、SQLスクリプトfndemcmd.sqlを実行して、パラレルの実行モードで生成したオブジェクトを移行します。ログ・ファイルfndemcmd<timestamp>.logが生成されます。

Enter a comma separated list of schema names: HR,AP

Enter the maximum number of parallel processes [4]: <10>

注意: 移行が完了する前に、移行処理が終了する場合は、次のように問い合せて、キューSYSTEM.TBLMIG_MESSAGEQUEのエンキュー/デキューのステータスを確認してください。

select NAME, ENQUEUE_ENABLED, DEQUEUE_ENABLED
          from dba_queues
          where owner = 'SYSTEM'
          and name = 'TBLMIG_MESSAGEQUE';

オプション3: CTXSYSスキーマに対する移行コマンドの実行

CTXSYSスキーマはAPPSスキーマではありません。移行プロセスに含めるには、CTXSYSスキーマを次の方法で登録する必要があります。システム管理者職責で、フォーム・ベース・バージョンのOracle E-Business Suiteにログインします。「セキュリティ」 -> 「Oracle」 -> 「登録」の順にナビゲートし、CTXSYSスキーマを登録します(未登録の場合)。「権限」を「使用可能」に設定します。CTXSYSスキーマ・オブジェクトは、デフォルトでは分類されず、CTXSYSの表および索引がそれぞれ取引表および取引索引の表領域に移行されます。Oracle Applications表領域移行ユーティリティのカスタマイズ・ステップを使用すると、CTXSYSオブジェクトを目的の表領域や表領域タイプに分類して移行できます。

CTXSYSスキーマのオブジェクトを適切な表領域に移行するには、オプション3を選択します。入力としてパラレル処理数を求めるプロンプトが表示されます。このオプションでは、表FND_TS_MIG_CMDSから生成されたコマンドが実行され、次のイベントが順次生成されます。

  1. 最初に、すべての制約、トリガー、ポリシーが無効となり、次にキューが停止します。

  2. Javaプログラムoracle.apps.fnd.tsmig.TSMigrationが実行され、LONG列とLONG RAW列があるすべての表がその索引とともに移行されます。LONG列の表の移行に関するログ・ファイルfndmlong<timestamp>.logが生成されます。

  3. 順次処理が開始され、スクリプトfndemseq.sqlを実行して、順次の実行モードで生成したすべてのオブジェクトを移動します。順次処理に関するログ・ファイルfndemseq<timestamp>.logが生成されます。

  4. 複数の処理が開始され、SQLスクリプトfndemcmd.sqlを実行して、パラレルの実行モードで生成したオブジェクトを移行します。ログ・ファイルfndemcmd<timestamp>.logが生成されます。

ステップ5: 移行ステータス・レポートの実行

「ステップ5: 移行ステータス・レポートの実行」を選択して、移行処理の進捗レポートとエラー・レポートを実行します。「移行ステータス・レポートの実行」メニューには、次のオプションがあります。

  1. 移行ステータス・レポートの実行

  2. 移行エラー・レポートの実行

オプション1: 移行ステータス・レポートの実行

正常に移行したオブジェクトの数、エラーのオブジェクト(ある場合)、スキーマ別またはすべてのスキーマに対する完了率、オブジェクト・タイプ別のオブジェクト数を記載したレポートを生成するには、オプション1を選択します。このオプションでは、スキーマ名を入力すると、レポートfndtrep8.txtが生成されます。

Enter the Schema name[%]: <HR>

オプション2: 移行エラー・レポートの実行

移行処理中にエラーが発生したオブジェクトのリストを記載したレポートを生成するには、オプション2を選択します。このレポートには、エラーの詳細が記載されます。このオプションでは、スキーマ名を入力すると、レポートfndtrep10.txtが生成されます。

Enter the Schema name[%]: <HR>

フェーズ3: 移行後ステップ

注意: スタンバイ・データベースが存在する場合、またはデータベース、表領域またはオブジェクト全体レベルで、すべての取引をリカバリ可能にする場合、OATMの移行プロセスの前後で、すべてのオブジェクトのロギング属性値が適切であることを確認し、すべての取引がログに記録され、メディア・リカバリでリカバリできるようにすることをお薦めします。

ステップ6: 移行後ステップの実行

「ステップ6: 移行後ステップの実行」を選択して、まだOATMに移行していないオブジェクトを確認し、制約、トリガー、ポリシーを有効にし、キューを開始し、古い表領域のサイズを変更します。「移行後ステップの実行」メニューには、次のオプションがあります。

  1. 監査レポートの実行

  2. 制約、トリガー、ポリシーの有効化およびアドバンスト・キューの開始

  3. 古い表領域のサイズ変更

  4. 空の表領域を削除するスクリプトを生成

注意: 移行後ステップを実行した後は、すべてのマテリアライズド・ビューの完全リフレッシュを実行する必要があります。これは、表領域移行ユーティリティのメニューにはない必須の手動ステップです。

オプション1: 監査レポートの実行

適切な表領域に移行されていないオブジェクトのリストを記載したレポートを生成するには、オプション1を選択します。このオプションでは、スキーマ名を入力すると、レポートfndtrep6.txtが生成されます。

Enter the Schema name[%]: <HR>

オプション2: 制約、トリガー、ポリシーの有効化およびアドバンスト・キューの開始

制約、トリガー、ポリシーを有効にしてキューを開始し、ログ・ファイルfndenabl<timestamp>.logを生成するには、オプション2を選択します。このオプションでは、スキーマ名の入力を求められます。

Enter the Schema name[%]: <HR>

オプション3: 古い表領域のサイズ変更

古い表領域のサイズを小さくするには、オプション3を選択します。このオプションは、前の表領域のすべてのデータ・ファイルに関するデータ・ディクショナリを問い合せて、サイズ変更が可能なレベルを決定し、スクリプトresizdb.sqlにサイズ変更コマンドを生成します。後で行うデータ・ファイルのサイズ変更では、このスクリプトが実行されます。

オプション4: 空の表領域を削除するスクリプトを生成

空の表領域を削除するスクリプトを生成するには、オプション4を選択します。このオプションは、すべての古い表領域に関するデータ・ディクショナリに対して問合せを行い、表領域にセグメントが残っていないかを判別します。セグメントが残っていないすべての古い表領域に対する「drop tablespace ... including contents and datafiles」文がスクリプトfndtsdrp.sql内に生成されます。スクリプトが実行されると、古い空の表領域とそのデータ・ファイルがすべて削除されます。

注意: 取り返しのつかないデータの損失を回避するために、削除する表領域にデータが残っていないかどうか確認してから、表領域を削除するスクリプトを実行してください。

ステップ7: カスタマイズステップの実行

「ステップ7: カスタマイズ・ステップの実行」を選択し、表領域、表領域タイプおよびオブジェクト分類を必要に応じてカスタマイズします。カスタマイズ・ステップの実行は、データベース・オブジェクトのOATMへの移行に関する他のステップを実行する前に、選択する必要があります。「カスタマイズ・ステップの実行」メニューには、次のオプションがあります。

  1. 新規表領域の表領域タイプの登録

  2. 既存の表領域の名称変更

  3. オブジェクト分類の登録

  4. オブジェクト分類の変更

オプション1: 新規表領域の表領域タイプの登録

OATMではデフォルトで使用できないカスタム表領域タイプを登録するには、オプション1を選択します。表領域タイプまたは表領域名がすでに登録されている場合は、すでに存在していることを示すメッセージが表示されます。

Enter the tablespace type: CUSTOM_TABLESPACE_TYPE
Enter the tablespace name: CUSTOM_TABLESPACE

Tablespace CUSTOM_TABLESPACE registered.

Do you want to continue registering tablespaces ?[Y]:

デフォルトの「Y」を選択すると、次の表領域タイプと表領域名のペアの入力を求められます。「N」を選択すると、前のメニューに戻ります。

オプション2: 既存の表領域の名称変更

デフォルトのOATM表領域または登録したカスタム表領域の名称を更新するには、「オプション2: 既存の表領域の名称変更」を選択します。

Enter the tablespace type: CUSTOM_TABLESPACE_TYPE
Enter the new tablespace name: CUSTOM_TBLSP

Tablespace name for CUSTOM_TABLESPACE_TYPE changed to CUSTOM_TBLSP.

Do you want to continue changing tablespace names?[Y]:

デフォルトの「Y」を選択すると、次の既存の表領域と新規表領域のペアの入力を求められます。「N」を選択すると、前のメニューに戻ります。

オプション3: オブジェクト分類の登録

新規オブジェクトの表領域分類を登録するには、「オプション3: オブジェクト分類の登録」を選択します。これは、明示的な分類が必要な表などのオブジェクトにのみ関連します。これらのオブジェクトには、Oracle E-Business Suite製品のスキーマ内のカスタム表やカスタム・スキーマ内のカスタム表などがあります。オブジェクトのオブジェクト分類がすでに登録されている場合は、分類がすでに存在していることを示すメッセージが表示され、新規オブジェクト名の入力を求められます。既存の分類は、「カスタマイズ・ステップの実行」メニューからオプション4を選択することで変更できます。

Enter the application short name: FND
Enter the object name: FND_TABLES
Enter the tablespace type: CUSTOM_TABLESPACE_TYPE

Tablespace type CUSTOM_TABLESPACE_TYPE for object FND_TABLES registered.

Do you want to continue registering tablespace types for other objects?[Y]:

デフォルトの「Y」を選択すると、次のオブジェクト分類の登録を求められます。「N」を選択すると、前のメニューに戻ります。

オプション4: オブジェクト分類の変更

既存オブジェクトの表領域分類を変更するには、「オプション4: オブジェクト分類の変更」を選択します。オブジェクトのオブジェクト分類がまだ登録されていない場合は、分類が存在しないことを示すメッセージが表示され、新規オブジェクト名の入力を求められます。新規オブジェクト分類は、「カスタマイズ・ステップの実行」メニューからオプション3を選択することで入力できます。

Enter the application short name: FND
Enter the object name: FND_LOBS
Enter the tablespace type: MEDIA

Tablespace type for object FND_LOBS changed to MEDIA.

Do you want to continue changing tablespace types for other objects?[Y]:

デフォルトの「Y」を選択すると、次のオブジェクト分類の変更の入力を求められます。「N」を選択すると、前のメニューに戻ります。

ステップ8: バッチ・モードでの移行の実行

注意: 「ステップ8: バッチ・モードでの移行の実行」は、前述の移行ステップの代替ステップとなります。「OATM」メニューのステップ1から7を実行した場合、ステップ8を実行する必要はありません。

準備ステップと移行コマンドを1回のフローで実行するには、「ステップ8: バッチ・モードでの移行の実行」を選択します。OATMのメニュー・ベースの設計によって、オブジェクトの移行方法の詳細な制御と最高の柔軟性が提供されます。OATMユーティリティを繰り返し使用する必要がある場合は、「ステップ8: バッチ・モードでの移行の実行」が自動管理で非常に役立ちます。

OATMバッチ・モードを選択すると、OATM移行ユーティリティによって、まず必要な情報が収集され、必要なすべてのチェック(必要なスクリプトの有無、無効な索引、データベースのログ・モードなど)が実行されます。チェックのステージでエラーがあった場合、ログを検討して問題を修正するようにプロンプト表示されます。バックグラウンド処理中に発生したエラーは、ステータス表に記録され、エラーが発生したプロセスは終了します。エラーが修正された後、プロセスを再起動してバッチ・モードでの移行を継続できます。

オプション1: バッチ・モードでの移行の実行

「オプション1: バッチ・モードでの移行の実行」メニューには、2つのサブメニューがあります。1つは、バッチ・モードでの移行を開始するメニューで、もう1つは、バッチ・モードでの移行の進捗をモニターするメニューです。バッチ・モードでは、OATM移行ユーティリティによって、無効な索引のチェック、サイズ変更、ディスク領域使用量のチェック、関連するシステム・パラメータのチェック、新規表領域の作成、移行コマンドの生成および実行が行われます。AUTO_START_MIGRATIONパラメータの値に基づいて、移行を準備ステップの完了後に自動開始するか(デフォルト)、ユーザー入力を待機してから続行するか(チェックおよびデータベースのバックアップなどを実行する場合)が決まります。各ステップは、前のステップの完了時に自動開始され、バックグラウンドで実行されます。

オプション2: 移行のモニターの実行

移行全体のステータス・レポートには、すべてのOATMプロセス・フェーズ(表領域の作成、移行コマンドの生成および実行)が含まれます。すべての移行ステップで、渡されたパラメータやログ・ファイルの名称などのステータスの詳細のみではなく、移行コマンドの合計数、正常に実行されたコマンド数、実行中に失敗したコマンド数に基づいた移行の進捗状況が報告されます。