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Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド
リリース12.2
E51769-01
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アプリケーションDBAシステム構成ツール

システム構成について

新規インストール中または既存のシステムのアップグレード中に、次のような情報を指定して、システムの構成を定義します。

これらの値は、個々のシステム構成ファイルに伝播されるほか、コンテキストと呼ばれる中央リポジトリ・ファイルに格納されます。

構成情報のレポートおよび管理のために設計された複数のユーティリティのいずれかを使用して、システム構成を随時変更できます。これらのユーティリティには、コマンド・ラインからアクセスするものとWebベースのものがあります。

Webベースの構成ユーティリティ

次のユーティリティはWebベースです。これらのユーティリティには、Oracle Applications Manager (OAM)からアクセスします。

AutoConfig

システム構成パラメータは、AutoConfigによって格納および管理されます。これは、Rapid Installによって使用される主要な構成エンジンです。Rapid Installは構成情報をAutoConfigに提供し、AutoConfigはコンテキスト・ファイルと呼ばれるノード固有の構成ファイルに各システム・ノードの構成を格納します。

Rapid Install操作とは関係なくAutoConfigを使用して、システムを定義する個々の構成パラメータを表示および編集することもできます。初回インストール後はいつでも、Oracle Applications Managerの構成エディタを使用して、様々なシステム設定を更新できます。

注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要のAutoConfigに関する項を参照してください。

License Manager

初回インストール後にライセンスを取得する、または使用を開始する製品、国固有機能(ローカライズされた製品)および言語については、それらが様々なシステム・メンテナンス・タスクに含まれるように、アクティブなものとして登録する必要があります。License Managerを使用すると、現在登録済の製品に関するレポートを作成できるほか、追加の製品、国固有機能(ローカライズされた製品)を登録できます。

注意: 詳細は、『Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド』のLicense Managerに関する項を参照してください。

コマンド・ラインの構成ユーティリティ

次のADユーティリティは、コマンド・ラインから実行します。これらについては、この章の後半で詳細に説明します。

ADスプライサ

スプライシングとは、ベース・リリースに含まれていない製品を既存のシステム内の製品に追加するプロセスを指します。ADスプライサを使用してAPPL_TOPおよびデータベースを修正し、その製品がAutoPatchおよびAD管理で有効なものとして認識されるようにします。

注意: 詳細は、この章の「ADスプライサ」を参照してください。

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータ

このユーティリティは、個々のファイル(AD管理、AutoPatchまたはRapid Installによって実行される処理に含まれていないもの)のキャラクタ・セットを現在のシステムで使用されているキャラクタ・セットに変換します。

ADスプライサ

ADスプライサでは、License Managerと同じ製品登録機能を実行します。ただし、オフサイクル製品(リリース・アップデート・パック間にリリースされたもの)をアクティブなものとして登録します。この「スプライシング」のプロセスでは、APPL_TOPおよびデータベースを修正して、AutoPatchおよびAD管理でそのオフサイクル製品が特定のリリースの有効な製品として認識されるようにします。

オフサイクル製品が含まれるパッチには、ADスプライサで製品を登録するために必要な制御ファイルが含まれています。このパッチには、新製品のインストール方法について説明するReadmeファイルが含まれています。

ADスプライサの制御ファイル

ADスプライサの制御ファイルには、製品定義と製品構成の2つの種類があります。まず製品構成ファイルをカスタマイズして、ADスプライサを実行する前にそのファイルと製品定義ファイルをAPPL_TOP/adminにコピーする必要があります。

製品定義ファイル

スプライスされた製品ごとに、<prod>prod.txtおよび<prod>terr.txtという2つの製品定義ファイルがあります。これらのファイルには製品および関連する言語情報が定義され、いずれも編集できません。たとえば、Oracle Sales Analyzer (zsa)の製品定義ファイルは、zsaprod.txtおよびzsaterr.txtです。

製品構成

newprods.txtファイルは、スプライスされた製品に必要なパラメータを定義するためのテンプレートとして機能します。

次に、Oracle Sales Analyzer (zsa)の製品構成ファイルの例を示します。

product=zsa
base_product_top=*APPL_TOP*
oracle_schema=zsa
sizing_factor=100
main_tspace=*Product_Name*D
index_tspace=*Product_Name*X
temp_tspace=*Temporary_Tablespace*
default_tspace=*Product_Name*D

このファイルのパラメータの値を一部編集することが必要になる場合もあります。詳細は、次の表を参照してください。製品構成ファイルのエントリの順番は変更しないでください。これらのエントリは、例に示されたとおりに表示される必要があります。

製品構成パラメータ
パラメータ 摘要
product= このエントリは編集しないでください。製品の略称<prod>はすでに設定済で、この製品の<prod>prod.txtおよび<prod>terr.txt制御ファイルと一致するようになっています。ほとんどの内部参照は、<prod>を使用します。
base_product_top= 製品のファイルが含まれているベース・ディレクトリを識別します。デフォルト値APPL_TOPは、APPL_TOP環境が設定されているディレクトリ内に製品のファイルが記述されていることを意味します。製品ファイルを別のディレクトリに記述する場合は、APPL_TOP値をフル・ディレクトリ・パスに置き換えます。
oracle_schema= 製品のデータベース・オブジェクトが作成されているOracleスキーマを識別します。デフォルトのOracleスキーマは、製品の略称と同じです。製品のデータベース・オブジェクトを別のスキーマに置く場合は、これを変更できます。あるスキーマから別のスキーマへの製品オブジェクトの移動には、エクスポート/インポートおよび内部Oracle E-Business Suite表への更新を伴います。したがって、最初のスキーマは慎重に選択してください。
sizing_factor= この製品の表と索引を作成する際にOracle E-Business Suiteで使用するサイズ変更係数を識別します。デフォルト値の100は、100%を意味します。製品の表と索引は、Oracleが定めるデフォルト・サイズを使用して作成されます。デフォルトのサイズ変更係数を使用することをお薦めします。

表領域

リリース12ではOracle Applications Tablespace Model (OATM)が使用されるため、表領域を識別するためのパラメータをADスプライサで指定する必要はありません。

注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要の表領域管理に関する項を参照してください。

ADスプライサのインタフェース

ADスプライサはコマンド・ライン・ユーティリティです。メニューや入力の画面はありません。

対話形式でのADスプライサの実行

たとえば、『Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド』に記載されているように、新しいオフサイクル製品を追加する際にADスプライサを対話的に実行します。この手順は次のとおりです。

  1. 環境の設定。

    システムを定義する環境変数を適用するために、環境を設定する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティに共通しています。基本的なステップは、『Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド』の環境に関する項を参照してください。

  2. ADスプライサの起動。

    ご使用のオペレーティング・システム用の適切なコマンドを使用して、ADスプライサを起動します。

UNIX

$ cd $APPL_TOP/admin
$ adsplice

Windows

C:\> cd %APPL_TOP%\admin
C:\> adsplice

製品がデータベースに正しくスプライスされているものとしてApplicationsのユーティリティによって認識されるように、APPL_TOPとデータベースの組合せごとにADスプライサを実行する必要があります。

非対話形式でのADスプライサの実行

非対話形式でのADスプライサの実行をサポートする複数のオプションがあります。必要に応じてコマンド・ラインに追加します。これらのオプションは次のとおりです。

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータ

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータは、あるキャラクタ・セットから別のキャラクタ・セットへと、個々のファイルを1つずつ変換します。このタスクが必要になるのは、Oracleから受け取ったテキスト・ファイルを現在のシステムで使用されているキャラクタ・セットに変換する場合です。たとえば、SQL*Plusスクリプト、PL/SQLスクリプト、ローダー・ファイル、ドライバ・ファイル、ODFファイル、ヘッダー・ファイルまたはHTMLファイルの変換が必要になる場合があります。

ヒント: 通例、ファイル・キャラクタ・セット・コンバータを手動で実行する必要はありません。AD管理、AutoPatchおよびRapid Installでは通常、必要なキャラクタ・セットの変換が自動的に実行されます。

必須パラメータ

コンバータを実行する際、次のパラメータが使用されます。

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータのパラメータ
パラメータ 定義
source_file 変換する(ソース)ファイルのパスとファイル名。
source_char_set 変換するファイル(ソース)のキャラクタ・セット。
destination_file 変換後の(変換先)ファイルのパスとファイル名。
dest_char_set 変換後の(変換先)ファイルのキャラクタ・セット。

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータのインタフェース

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータはコマンド・ライン・ユーティリティです。メニューや入力の画面はありません。

ファイル・キャラクタ・セット・コンバータの実行

このユーティリティを実行するために、次のステップを行います。

  1. 環境の設定。

    システムを定義する環境変数を適用するために、環境を設定する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティに共通しています。基本的なステップは、『Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド』の環境に関する項を参照してください。

  2. ユーティリティの起動。

    このコマンドを使用して、ファイル・キャラクタ・セット・コンバータを起動します。

    $ adncnv <source_file> <source_char_set> <destination_file> <dest_char_set>

    変換元ファイルのディレクトリとAPPLTMPディレクトリが同じファイル・システム上にある場合は、変換元ファイルと変換先ファイルのパスとファイル名を同じにすることができます。

    ヒント: 同じファイル名に変換できない場合は、別のファイル名に変換するか、APPLTMPを変換元ファイルのディレクトリと同じファイル・システム上のディレクトリに変更します。

    たとえば、afdict.ldtファイルのキャラクタ・セットをWE8ISO8859P1からUTF8に変換するには、この例に示すコマンドを入力します。

    UNIX

    $ cd $FND_TOP/patch/115/import/<language>
    $ cp afdict.ldt afdict.old
    $ adncnv afdict.old we8iso8859p1 afdict.ldt utf8