Oracle Electronic Kanban User's Guide リリース12.2 E63520-01 | ![]() 目次 | ![]() 前 | ![]() 次 |
コンカレント要求は、「ホーム」タブ付きリージョンのダッシュボードの表示更新、カンバンの補充および新規カードの生成を実行します。電子カンバンには次のコンカレント・プログラムがあります。
要求の発行は、固定スケジュールに基づいた頻度で実行可能です。コンカレント要求の発行時に組織が指定されていない場合、プログラムはシステム内のすべての組織を対象に実行されます。Oracle E-Business Suiteユーザーズ・ガイドの要求の発行に関する項を参照してください。
「実績需要対計画需要」および「実績リードタイム対計画リードタイム」の計算プログラムは、コンカレント要求セット「eカンバン実績需要およびリード・タイム・メトリックの計算」に含まれています。これらのコンカレント・プログラムは連続して実行されます。
要求グループFLM_EKB_REQ_GRPには、次のものが含まれています。
要求セット「eカンバン実績需要およびリード・タイム・メトリックの計算」
eカンバン在庫ヘルス計算
eカンバン未移動カードの計算
この要求グループおよび要求セットを発行するには、Oracle Flow Manufacturingアプリケーションで適切な職責に割り当てる必要があります。
「実績需要VS計画需要」パネルには、指定された日付範囲に基づいて実績需要と計画需要を比較する計算が表示されます。次の表とパラメータは、「eカンバン実績vs計画需要の計算」(FLMKBADB)コンカレント・プログラムで計算に使用されます。
計画需要と実績需要は次の2つの表のデータから計算されます。
FLM_EKB_ACT_SNAPSHOT
プル順序の実績需要および実績リード・タイムのアクティビティ・データを保管します。
MTL_KANBAN_PULL_SEQUENCES
組織、在庫品目、保管場所、保管棚、ソース・タイプなどのプル順序データを保管します。
需要計算は次の電子カンバン・パラメータで設定されます。「カンバン・パラメータの構成」を参照してください。
実績vs計画需要 - デフォルト日数: 補充されたカードおよびプル順序の需要を計算するためのデフォルト期間。
実績vs計画需要 - 等価許容範囲: 補充されたカードおよびプル順序に関する実績需要と計画需要間の計算上のマージン。
PL/SQLパッケージ:
FLMKBADS.pls: 実績需要の仕様
FLMKBADB.pl: 実績需要のボディ
「実績需要VS計画需要」を参照してください。
「実績リード・タイムVS計画リード・タイム」パネルには、各プル順序の補充済カードの実績リード・タイムを計画リード・タイムと比較した計算が表示されます。プログラムは、指定された日付範囲に基づき、実績リード・タイムが計画リード・タイムより大きいプル順序の数、より小さいプル順序の数、および等しいプル順序の数を計算します。次の表とパラメータは、「eカンバン実績vs計画リード・タイムの計算」(FLMKBLTB)コンカレント・プログラムで計算に使用されます。
リード・タイムは次の2つの表のデータから計算されます。
FLM_EKB_ACT_SNAPSHOT
プル順序の実績リード・タイムおよび計画リード・タイムのアクティビティ・データを保管します。
MTL_KANBAN_PULL_SEQUENCES
組織、在庫品目、保管場所、保管棚、ソース・タイプなどのプル順序データを保管します。
リード・タイム計算は次の電子カンバン・パラメータで設定されます。「カンバン・パラメータの構成」を参照してください。
実績vs計画リード・タイム - デフォルト日数: 需要リード・タイム計算のために使用されるデフォルト日数。
実績vs計画リード・タイム - 等価許容範囲: 実績および計画需要リード・タイム間の計算上のマージン。
PL/SQLパッケージ
FLMKBLTS.pls: リード・タイムの仕様
FLMKBLTB.pls: リード・タイムのボディ
「実績リード・タイムVS計画リード・タイム」を参照してください。
「カンバンの生成」プログラムは電子カンバン用に構成されており、新しいカンバンの生成、複数の仕入先に対応したカードのサポートおよび既存のカードを取り消さないカード生成が可能です。次のような電子カンバン生成機能があります。
電子カンバン・ワークベンチを通じて品目用にカンバンの生成計算が発行される際、ソース・タイプが「仕入先」の場合には複数の仕入先がサポートされます。プル順序に複数の仕入先が定義されている場合、電子カンバン・ワークベンチからカードを生成すると、カードは仕入先に対してこの設定の順序と比率で作成されます。
既存のカードの有効日が過ぎていたり、計画によりカンバン数の削減が推奨されていても、既存のカードは取り消されません。取消は補充時に処理されます。
臨時カードはカード生成では考慮されず、計画済カード・ステータスの永久カードのみが計算で考慮されます。
このプログラムでは、カードを「計画済」ステータスから「有効」ステータスに更新できます。「カンバンの生成」要求ウィンドウからカードを生成する場合、「パラメータ」ウィンドウの「計画カードの更新」フィールドに「Yes」を入力します。
このフィールドに「Yes」を入力し、計画により推奨された有効日が失効している場合、「計画済」ステータスのカードが「有効」ステータスに変更されます。
Oracle Inventoryユーザーズ・ガイドのカンバンの生成に関する項と、「プル順序とカンバンの表示と編集」を参照してください。
「在庫ヘルス」パネルには、実績在庫レベルを安全在庫と比較する計算が表示されます。在庫ヘルスは、「良」、不良および「警告」に分類できます。次のパラメータとプログラムは、「eカンバン在庫ヘルス計算」(FLMKBADB)コンカレント・プログラムで計算に使用されます。
計算は次の電子カンバン・パラメータで設定されます。「カンバン・パラメータの構成」を参照してください。
在庫ヘルスしきい値 - 不良: 在庫ヘルスにとって許容外とみなされる安全在庫率で、ステータスは不良になります。
在庫ヘルスしきい値 - 良: 在庫ヘルスに適しているとみなされる安全在庫率で、ステータスは「良」になります。
PL/SQLパッケージ
FLMKBHSS.pls: ヘルス・ステータスの仕様
FLMKBHSB.pls: ヘルス・ステータスのボディ
より詳細に良および不良の在庫ヘルスしきい値レベルを定義できるように、カスタム・プログラムが用意されています。「在庫ヘルス分析の構成」を参照してください。
「在庫ヘルス」を参照してください。
論理カンバン補充はバックグラウンドで自動的に発生しますが、資材の受入はカンバンまたは関連付けられた文書と照合されて物理的に処理されます。論理カンバン補充計算プログラム(「eカンバン論理カード補充」)は、補充が論理タイプのプル順序をチェックします。このプログラムにより、特定の保管場所にある品目に関して手持または満杯のカンバン数が検査され、次の順序でターゲット数量と受入済数量が検討されます。
補充タイプが「論理」のプル順序の必要数が識別されます。
これには、補充の準備が完了している「有効」カードと、ステータスが「空」、「待機」、「混載」および「処理中」のカンバンが含まれます。
搬送先保管場所の対象品目に関してターゲット在庫が計算されます。
保管場所の手持数量が識別されます。
手持数量から差し引かれる一部受入(ステータスが「処理中」か、「フル」に移行可能なカスタム・ステータス)が識別されます。
補充される数量が識別され、計算されます。この計算を次に示します。
ターゲット在庫数量
- 手持数量
- 搬送先保管場所の一部受入
= 補充される数量
プル順序に複数の仕入先が関連付けられている場合、カードの必要数はソーシング・パーセントに従ってそれぞれの仕入先に割り振られます。補充のために識別されるカードは、ステータスが「新規」または「フル」か、補充が可能なカスタム・ステータスです。
ステータスが「新規」のカードは、他のステータスよりも優先度が高くなり、最初に補充されます。カードは、「新規」および「フル」のステータスの順にピックされてから、カード番号順にピックされます。
カードの補充が正常に完了すると、カードのステータスが「空」、「待機」または「混載」に変わります。
補充オーダー統合は、同じプル順序に添付される複数のカードのために単一の補充文書を作成する機能です。混載のオプションは、ソース・タイプが「仕入先」、「組織内」および「組織間」のプル順序で使用できます。補充オーダー統合コンカレント・プログラム(eカンバン混載補充オーダー)は、1つの組織を必須パラメータとして使用します。実際の混載は、購買依頼インポート中または自動作成中に発生します。混載の機能には次のものが含まれます。
「統合」チェック・ボックス
「プル順序詳細」ページの「カンバン」タブの「混載」チェック・ボックスは、混載文書の生成を有効にするために使用します。「混載」が選択されていない場合、独立した文書が補充用に作成されます。このチェック・ボックスが選択されると、資材が必要になったとき、カンバンのステータスは「統合待機」になります。
「統合待機」ステータス
「統合待機」は電子カンバンのシード・ステータスで、「要約」および「処理」タブ付きリージョンでステータスが「新規」または「フル」のカンバン用に「補充」を選択すると自動的に作成されます。このステータスをカンバン用に手動で作成することはできません。
カードのグループのためにプログラムを実行するには、「混載グループ」値を使用できます。使用しない場合、プログラムは「統合待機」ステータスのすべてのカンバンを同じプル順序の単一文書に混載します。
混載は、「購買」で設定されたその他のパラメータを使用して複数の出荷明細を含む単一の購買依頼を生成します。
各出荷明細用に1つの受入明細が作成されます。これは複数の配分明細に分割可能です。カンバン番号と配分明細の間には1対1の関係があります。一部受入が作成された場合、適切なカンバンに対して受け入れることができます。
未移動カードの計算プログラムは、ユーザーにより構成された期間の各供給ステータスのカンバン数を計算します。プログラム:
組織のすべてのプル順序を選択します。プル順序ごとにすべてのカンバンが選択されます。
有効なステータスを対象にリード・タイムのパーセントを調べます。
プル順序の計画リード・タイムを取得します。
カードごとに、「最終活動日」、「ステータス」および「作成日」を取得します。
プログラムのロジックを上書きして独自のロジックを作成することもできます。独自のロジックを追加できるようにカスタム・プログラムが用意されています。
次の表とパラメータは、「eカンバン未移動カードの計算」(FLMKBUCB)コンカレント・プログラムで計算に使用されます。
未移動カードは次の表のデータから計算されます。
FLM_EKB_ACT_SNAPSHOT
プル順序とカンバンのアクティビティ・データを保管します。
MTL_KANBAN_CARDS
組織、在庫品目、保管場所、保管棚およびソース・タイプなどのカンバン・データを保管します。
カードが未移動とみなされる各供給ステータスの期間の長さは、次の電子カンバン・パラメータで設定されます。「カンバン・パラメータの構成」を参照してください。
カード供給ステータス
リード・タイムのパーセントを入力して、カードが未移動とみなされる各供給ステータスの期間の長さを示します
PL/SQLパッケージ:
FLMKBUCS.pls: 未移動カードの仕様
FLMKBUCB.pls: 未移動カードのボディ
未移動カードの計算のために用意されているカスタム・プログラムでは、独自のロジックとコードを作成できます。「未移動カンバン判別プログラム」を参照してください。
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