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Oracle Applications概要
リリース12
E05390-02
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複数組織アーキテクチャ

概要

Oracle Applicationsの複数組織アーキテクチャ(以降、複数組織と記述)では、定義した関係を利用して、単一インストールのOracle E-Business Suiteで複数組織をサポートできます。複数組織では、異なる組織間の相互作用と取引フローが指定されます。このような組織としては、元帳、ビジネス・グループ、法的エンティティ、営業単位または在庫組織が可能です。

概要

任意のOracle Applications製品を複数組織環境で実行するときは、最初に、暗黙的に(職責を選択することで)または明示的に(取引入力ページへのデータ入力時に営業単位を選択することで、あるいはレポートを実行することで)組織を選択します。在庫組織は「組織の選択」ウィンドウで選択でき、その後の各ウィンドウおよびレポートには、選択した組織のみの情報が表示されます。

複数組織アーキテクチャの基本用語は、次のとおりです。

表14-1 複数組織の用語
元帳(旧リリースでは会計帳簿) 特定の勘定体系、機能通貨、会計カレンダおよび補助元帳会計処理基準が使用された財務諸表作成エンティティ。Oracle General Ledgerでは、元帳ごとに取引情報(仕訳、残高)が保護されます。単一のOracle General Ledger職責で、そのデータ・アクセス・セットに割り当てられた1つ以上の元帳のデータのアクセス、処理およびレポートを実行できます。
営業単位 Oracle Cash Management、Oracle Order Management and Shipping Execution、Oracle Payables、Oracle PurchasingまたはOracle Receivablesなど、Oracleの補助元帳により使用される組織。このコンテキストでは、営業事務所、部署または部門などが考えられます。営業単位は法的エンティティおよび主要元帳と関連付けられています。
情報は営業単位ごとに保護されます。単一のアプリケーション職責で、そのセキュリティ・プロファイルに割り当てられた1つ以上の営業単位のデータのアクセス、処理およびレポートを実行できます。

注意: 詳細は、『Oracle Applications Multiple Organizations Implementation Guide』、『Oracle General Ledger Implementation Guide』および『Oracle Financials Implementation Guide』を参照してください。

複数組織パーティション・オブジェクト

複数組織データが含まれる表は、表名内の接尾辞「_ALL」で識別できます。これらの表には、複数組織データを組織別にパーティション化するORG_IDと呼ばれる列が含まれます。

すべての複数組織表には、表のデータを営業単位ごとにパーティション化した対応ビューがあります。複数組織ビューでは、内部変数CLIENT_INFOにDECODEを含めることでデータがパーティション化されます。この変数は、セキュリティ・システムによって、職責用に指定された営業単位に設定されます。現行セッションの言語を戻す変数LANGUAGEと動作の面で類似しています。

注意: CLIENT_INFOが設定されていないときに複数組織パーティション・オブジェクトからデータにアクセスする場合(たとえばSQL*Plusから)、ビューではなく_ALL表を使用する必要があります。

SO_HEADERS_ALL(対応ビューはSO_HEADERS)は、複数組織パーティション・オブジェクトの一例です。

複数組織への変換

E-Business Suite本番システムをインストールする場合、複数組織を実装するかどうかに関係なく、データ・モデルは同一です。データのパーティション化に使用する複数組織ビューは標準インストールに組み込まれており、事前定義済テキストが使用されます。複数組織に変換する際、表は複数組織パーティション・データが含まれていることを示すために接尾辞「_ALL」が付いた名前に変更されます。

リリース12では、シード・データおよびトランザクション・データから複数組織への最初の変換時にAD管理ユーティリティが使用されます。基礎となるデータ・モデルは変更されないので注意してください。新規営業単位を作成すると、コンカレント・プログラムにより適切なシード・データが追加されます。

注意: 詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・ユーティリティ』の「AD管理」を参照してください。