Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド リリース12 E05608-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Subledger Accountingの目的は、補助元帳に発生する取引の仕訳を生成することです。補助元帳会計をアプリケーションに統合するユーザーには、補助元帳仕訳について明確な共通定義が存在することが重要です。共通定義により、Subledger Accountingにより生成される全仕訳の有効性が確実になります。
この章では、補助元帳仕訳の構成要素とSubledger Accountingにより規定されている検証の詳細を説明します。該当する場合は、補助元帳会計表に格納されているデフォルト値も示します。
有効な補助元帳仕訳は、次に示すルールと検証をすべて満たす必要があります。これらのルールと検証のいずれかが正常に適用されない仕訳は、無効なステータスになります。
補助元帳仕訳にはヘッダーが1つ必要です。
参照: 補助元帳仕訳ヘッダーの検証
実績仕訳と予算引当仕訳には、2つ以上の仕訳明細が必要です。
参照: 補助元帳仕訳明細の検証
実績仕訳と予算引当仕訳の貸借は、入力通貨と元帳通貨の両方で一致する必要があります。STAT通貨入力の場合、仕訳の貸借が一致する必要はありません。
また、実績仕訳と予算引当仕訳の貸借は貸借一致セグメント別に一致する必要があります。
参照: 補助元帳仕訳の貸借一致ルール
予算引当仕訳を作成できるのは、予算引当会計用に有効化されている元帳の場合のみです。
補助元帳仕訳には、有効な通貨金額が必要です。
参照: 通貨金額の検証
実績仕訳は、オープンGL期間中または先日付オープンGL期間中に作成する必要があります。
同様に、予算仕訳はオープン予算年度中に作成し、予算引当仕訳はオープン予算引当年度中に作成する必要があります。
補助元帳仕訳の全明細には、有効な勘定科目が必要です。
報告通貨と副元帳の場合、予算仕訳は作成されません。
補助元帳仕訳のヘッダー情報は、XLA_AE_HEADERS表に格納されます。
XLA_AE_HEADERS表の詳細は、Oracle Subledger AccountingのeTRMを参照してください。
この項では、すべての補助元帳仕訳ヘッダー属性の検証ルールの詳細について説明します。該当する場合は、検証に失敗した場合に仕訳ヘッダーが作成されるかどうか、およびエラー発生時に格納される値についてもルールで記述しています。
ヘッダーIDにより、補助元帳仕訳ヘッダーが一意に識別されます。一意のヘッダー識別子は、順序XLA_AE_HEADERS_Sを使用して生成されます。
補助元帳仕訳が属する補助元帳アプリケーションは1つのみです。アプリケーション識別子は、各Oracle E-Business Suiteアプリケーションまたはカスタム・アプリケーションの標準識別子です。
補助元帳仕訳が属する元帳は1つのみです。元帳識別子は、会計設定マネージャ(ASM)により元帳に割り当てられる標準識別子です。
取引エンティティ識別子により、補助元帳仕訳に関連付けられているソース取引が識別されます。この値は常に移入されます。
次のルールが適用されます。
XLA_TRANSACTION_ENTITIES表に存在します。
補助元帳仕訳は、1つの会計イベントにのみ添付されます。ただし、複数の会計表示を使用している場合は、1つの会計イベントを使用して複数の補助元帳仕訳を生成できます。
イベント識別子(EVENT_ID)は、Subledger Accountingの各イベントの標準識別子です。イベント・タイプ・コード(EVENT_TYPE_CODE)も仕訳ヘッダーに格納されます。
次のルールが適用されます。
イベント・タイプが有効化されていない場合、仕訳ヘッダーは作成されません。
手動補助元帳仕訳のイベント・タイプは、Subledger Accountingにより自動的に割り当てられる「手動」です。
GL記帳日により、補助元帳仕訳の会計期間(PERIOD_NAME)と、仕訳が会計レポートおよび問合せに表示される時期が決まります。
次のルールが適用されます。
実績仕訳の場合、GL記帳日はオープンGL期間中または先日付入力可能GL期間中である必要があります。
予算引当仕訳の場合、GL記帳日はオープン予算引当年度中である必要があります。
予算仕訳の場合、GL記帳日はオープン予算年度中である必要があります。
期間検証に失敗した入力は「無効」でマーク付けされます。仕訳の期間検証に失敗した場合も、「会計プログラム」により引き続き明細が作成されます。
複数期間仕訳の場合、未オープン期間中のGL記帳日を使用できます。この場合、「GLへ転送」プロセスでは、GL期間のステータスが「オープン」または「先日付入力可能」に変わるまで、仕訳はGeneral Ledgerに転送されません。
GL記帳日には時間構成要素がありません。タイムゾーンの違いに関しては、考慮する必要はありません。
参照日をレポート連番の基準として使用できます。これはオプション属性です。補助元帳仕訳が作成されて完了する時点で、参照日はGeneral Ledger内のオープン期間または先日付オープン期間に属している必要があります。
次のルールが適用されます。
補助元帳仕訳が完了する時点で、参照日はオープン会計期間内または先日付オープン会計期間内である必要があります。
参照日は、実績手動仕訳についてのみ格納されます。
参照日には時間構成要素がありません。タイムゾーンの違いに関しては、考慮する必要はありません。
補助元帳仕訳の残高タイプは、次の値のいずれかです。
実績
予算
予算引当
次のルールが適用されます。
実績仕訳の場合、予算バージョン識別子と予算引当タイプ識別子はNULLです。
予算仕訳の場合、予算バージョン識別子はNULLでなく、予算引当タイプ識別子はNULLです。
予算引当仕訳の場合、予算引当タイプ識別子はNULLでなく、予算バージョン識別子はNULLです。
これはGL仕訳カテゴリの名称です。
次のルールが適用されます。
手動仕訳と更新仕訳の場合、ユーザーは仕訳カテゴリを入力する必要があります。
標準仕訳と複数期間仕訳の場合、仕訳カテゴリは「会計設定」の「補助元帳会計オプション」ページでイベント区分に対して指定したカテゴリから導出されます。
補助元帳仕訳のGL転送ステータス・コードは、次の値のいずれかです。
転送しない
転送分選択
転送済
補助元帳仕訳が作成されて完了する時点では、この列の値は「転送しない」です。「GLへ転送」プロセスでは、補助元帳仕訳がGeneral Ledgerに転送されると、この列が更新されます。
補助元帳仕訳には、「草案」、「確定」、「未完了」、「無効」または「無効な関連入力」の各ステータスがあります。
草案: 仕訳ステータスは、次の条件が満たされる場合に「草案」に設定されます。
補助元帳仕訳が草案モードで会計処理されること。
補助元帳仕訳が有効であること。
元イベントにエラーがないこと。(同じイベントに関連付けられている他のすべての補助元帳仕訳が有効であること。)
同じ文書に対するすべての前イベントが会計処理済であること。
確定: 仕訳ステータスは、次の条件が満たされる場合に「確定」に設定されます。
補助元帳仕訳が確定モードで会計処理されること。
補助元帳仕訳が有効であること。
元イベントにエラーがないこと。(同じイベントに関連付けられている他のすべての補助元帳仕訳が有効であること。)
同じ文書に対するすべての前イベントが会計処理済であること。
未完了: 仕訳ステータスは、次の条件が満たされる場合に「未完了」に設定されます。
補助元帳仕訳が未完了で、さらに変更対象となっていること。このステータスは、手動仕訳と複数期間仕訳に適用可能です。
無効: 仕訳ステータスは、次の条件が満たされる場合に「無効」に設定されます。
補助元帳仕訳にエラーがあること。
無効な関連入力: 仕訳ステータスは、次の条件が満たされる場合に「無効な関連入力」に設定されます。
補助元帳仕訳は有効でも、同じ会計イベントに関連付けられている他の1つ以上の補助元帳仕訳が無効であること。
補助元帳仕訳のタイプは、次のいずれかです。
標準
アップグレード
手動
複数期間
アプリケーション会計定義のタイプ・コード、コードおよびバージョンには、「会計プログラム」により仕訳の作成に使用されたアプリケーション会計定義に関する情報が格納されます。
これらの識別子には、次のルールが適用されます。
手動、アップグレードまたはサード・パーティ・マージ仕訳の場合は移入されません。
これは補助元帳仕訳ヘッダーの摘要です。標準、アップグレードおよびサード・パーティ・マージの各仕訳の場合、摘要には常に元帳の言語が使用されます。
補助元帳仕訳摘要には、次のルールが適用されます。
手動仕訳の場合、ヘッダー摘要は必須です。他の仕訳タイプの場合はオプションです。
これは、補助元帳取引の文書連番の導出に使用された文書連番カテゴリの識別子です。
これらは、仕訳の作成時に有効な文書連番に対応する連番識別子および値です。
これは、補助元帳仕訳の作成に使用されたバッチの識別子です。
次のルールが適用されます。
手動、サード・パーティ・マージおよびアップグレードの各補助元帳仕訳の場合、この列はNULLです。
これらは、完了した補助元帳仕訳に割り当てられた連番バージョン、識別子および値です。
これらは、期間クローズ時に補助元帳仕訳に割り当てられた連番バージョン、識別子および値です。
これは予算バージョンの識別子です。
次のルールが適用されます。
予算入力についてのみ移入されます。
予算が存在し、「確定」または「無効」ステータスでなく、元帳に関連付けられている必要があります。
「エラー」ステータスで作成される場合、予算の補助元帳仕訳は作成されません。
これは予算引当タイプの識別子です。
次のルールが適用されます。
予算引当入力についてのみ移入されます。
予算引当タイプが存在し、有効化されている必要があります。
前述のいずれかの検証に失敗した場合、予算引当の補助元帳仕訳は作成されません。
補助元帳仕訳の残余予算ステータス・コードは、次のいずれかです。
通過
失敗
処理中
これはオプション列です。残余予算ステータス・コードには、次のルールが適用されます。
残余予算チェックが元帳に対して有効化されている場合は、各明細に使用可能資金が存在する必要があります。この条件が満たされない場合、補助元帳仕訳のステータスが「無効」に設定され、残余予算ステータスが「失敗」に設定されます。
ユーザーは「失敗」残余予算ステータスの手動補助元帳仕訳を完了できません。
これは、GL_BC_PACKETS表内の予算管理パケットの識別子です。予算管理の実装に使用されます。
次のルールが適用されます。
手動仕訳についてのみ移入されます。
グループ識別子は、仕訳インポートにより仕訳インポート・バッチの識別に使用されます。
完了日は、有効な仕訳が確定モードで会計処理される日付です。
完了日には時間構成要素があります。タイムゾーンの違いに関しては、考慮する必要があります。
補助元帳仕訳の明細情報は、XLA_AE_LINES表に格納されます。
XLA_AE_LINES表の詳細は、Oracle Subledger AccountingのeTRMを参照してください。
この項では、すべての補助元帳仕訳明細属性に関する検証ルールの詳細を説明します。
これは、補助元帳仕訳ヘッダーの識別子です。指定した補助元帳仕訳のすべての明細で同じヘッダー識別子が共有されます。
これは、補助元帳仕訳の各明細を識別する連番です。AE_HEADER_IDとAE_LINE_NUMにより、補助元帳仕訳明細の一意のキーが構成されます。補助元帳仕訳ヘッダーと補助元帳仕訳明細には、1対多の関係があります。
これは、補助元帳仕訳の各補助元帳仕訳明細を識別する連番です。手動補助元帳仕訳の作成時に更新可能な値です。
これは、補助元帳仕訳明細の転記先のGL勘定科目を識別するコード組合せ識別子です。
次のルールが適用されます。
有効なコード組合せである必要があります。パフォーマンス上の理由で、次の検証が実行されます。
「会計プログラム」により、コード組合せがGL_CODE_COMBINATIONS表に存在するかどうかがチェックされます。「会計プログラム」では、ベース製品がGeneral Ledgerの相互検証ルールへの準拠を満たしているものと想定されます。
取引オブジェクトのソースから勘定科目を導出するかわりに、勘定科目導出ルールで指定した定数値からコード組合せを導出することもできます。この場合は、General Ledgerの相互検証ルール違反がないことも想定されます。
動的挿入が有効になっていて、コード組合せが存在しなければ、新しい組合せが作成されます。この場合、Subledger Accountingでは対応するApplication Object Library APIがコールされ、そのAPIにより、General Ledgerの相互検証ルールなどの必要な検証がすべて実行されます。
GL記帳日現在で有効である必要があります。
無効化されており、General Ledgerで代替勘定科目が定義されている場合、Subledger Accountingでは代替勘定科目が使用されます。代替勘定科目が無効で、仮入力勘定科目が定義されている場合、Subledger Accountingでは仮入力勘定科目が使用されます。有効な仮入力勘定科目が使用できない場合は、エラー・メッセージが表示されます。
要約勘定科目でない必要があります。
「実績」および「予算引当」タイプの仕訳の場合、勘定科目コード組合せの「転記の許可」オプションを有効化する必要があります。
予算入力の場合、勘定科目コード組合せの「予算登録の許可」オプションを有効化する必要があります。
仮入力勘定科目を使用する場合は、「仮勘定」オプションを有効化する必要があります。(仮入力勘定科目は、General Ledgerでの元帳設定から導出されます。)
サード・パーティ管理勘定科目の場合は、補助元帳アプリケーション登録でのパーティ・タイプが明細のパーティ・タイプと一致する必要があります。
サード・パーティ管理勘定科目の場合は、明細のパーティ・タイプが勘定科目のパーティ・タイプと一致する必要があります。
ユーザーには、元帳、元帳または貸借一致セグメント値、あるいは元帳または管理セグメント値への書込みアクセス権が必要です。
勘定科目コード組合せが存在しない場合は、CODE_COMBINATION_ID列に-1を格納する必要があります。
この参照コードにより、補助元帳仕訳明細のGeneral Ledgerへの転送方法が決まります。次のルールが適用されます。
値は「詳細」または「要約」です。
標準仕訳明細と遅延仕訳明細の場合、属性値はAMBで設定した仕訳明細タイプから導出されます。
手動仕訳の場合は、ASMで元帳について入力した補助元帳会計オプションから導出されます。
これらの識別子により、補助元帳仕訳明細がGL仕訳明細とリンクされます。
Subledger Accountingにより作成された仕訳の場合、GL_SL_LINK_TABLEの値は常にXJAJELです。アップグレードされた仕訳の場合、値はリリース11iでGeneral Ledgerに転送された値にマップされます。
補助元帳仕訳の完了時には、GL_SL_LINK_IDはNULLです。この列には、補助元帳仕訳がGeneral Ledgerに転送された時点で「GLへ転送」プロセスにより値が移入されます。
この参照コードは、補助元帳仕訳明細の会計区分を示します。次のルールが適用されます。
会計区分は仕訳明細タイプから導出されます。
サード・パーティ・マージ補助元帳仕訳の場合は移入されません。
このパーティ識別子は、仕訳を生成する補助元帳取引に関連付けられています。サード・パーティを使用しない補助元帳製品もあるため、この列はオプションです。
次のルールが適用されます。
パーティ・サイト情報が入力されている場合は、有効な情報である必要があります。
パーティ識別子が入力されている場合は、有効なパーティ識別子である必要があります。
パーティ・タイプ情報とパーティ情報の一方が入力されている場合は、他方も入力されている必要があります。どちらか一方の情報が入力されていない場合は、他方がNULLである必要があります。
仕訳明細の勘定科目がサード・パーティ管理勘定科目の場合は、パーティ情報が入力されている必要があります。
前述の検証に失敗すると、パーティ識別子がNULLになります。パーティ情報が必須の場合に入力されていなければ、仕訳が「無効」でマーク付けされます。
これは、イベントに関連付けられている補助元帳取引のパーティ・サイト識別子です。サード・パーティを使用しない補助元帳製品もあるため、この列はオプションです。
次のルールが適用されます。
パーティ・サイト情報が入力されている場合は、パーティ情報も入力されている必要があります。
他のいずれかの検証に失敗した場合、パーティ・サイトはNULLである必要があります。
この列では、補助元帳取引に関連付けられているサード・パーティのタイプが識別されます。現在、このフィールドには次の2つの有効値があります。
顧客
仕入先
Oracle Trading Community Architectureが同時に実装されない補助元帳製品もあるため、サード・パーティ識別子が同一の場合があります。したがって、サード・パーティ・タイプ・コードに基づいて識別する必要があります。
次のルールが適用されます。
取引の通貨を使用している必要があります。
借方または貸方のどちらか一方である必要があります。
サイド(借方/貸方)が計上金額と一致する必要があります。
入力通貨の精度に従う必要があります。
入力通貨が元帳通貨と同一で、仕訳明細の会計区分が「端数処理」でない場合は、入力済金額と計上金額が同一である必要があります。
計上金額には、次のルールが適用されます。
元帳の機能通貨を使用している必要があります。
借方または貸方のどちらか一方である必要があります。
サイド(借方/貸方)が入力済金額と一致する必要があります。
元帳通貨の精度に従う必要があります。
入力通貨が元帳通貨と同一で、仕訳明細の会計区分が「端数処理」でない場合は、入力済金額と計上金額が同一である必要があります。
これは補助元帳仕訳明細の統計金額です。この列はオプションです。
統計金額には、次のルールが適用されます。
「仕訳: 統計と金額の混合」プロファイル・オプションが「Yes」に設定されている場合は、統計金額と通貨金額を同じ仕訳に入力できます。
入力通貨がSTATの場合、統計金額はNULLである必要があります。
統計通貨明細と金額通貨明細の両方を含む仕訳は無効です。
STAT通貨は実績仕訳にのみ使用されます。
これは入力通貨です。値は常に移入されます。入力通貨が元帳通貨と同一の場合、この列には元帳通貨が移入されます。
補助元帳仕訳では、明細ごとに異なる入力通貨を使用できます。Payablesでは、異なる請求書通貨を使用する複数の請求書に対して単一の支払を行うことができます。この場合は、1つの補助元帳仕訳内で異なる通貨コードを使用できます。
次のルールが適用されます。
仕訳明細ごとに入力する必要があります。
通貨コードが「開始」の場合、入力済金額は計上金額と同じです。統計金額(STATISTICAL_AMOUNT)はNULLです。
単一の補助元帳仕訳にSTAT通貨と他の通貨を混在させることはできません。
STAT仕訳の貸借が一致する必要はありません。
予算仕訳と予算引当仕訳の場合、STAT通貨明細は作成されません。
これは、仕訳明細に関連付けられている換算レート・タイプ、換算日および換算レートです。
次のルールが適用されます。
入力通貨と元帳通貨が同一で、換算レートと換算レート・タイプが移入されている場合、換算レートと換算レート・タイプの値は無視され、使用されません。
入力通貨が元帳通貨とは異なる場合、換算情報が仕訳明細に格納されている必要はありません。ただし、換算情報が移入されている場合、次の条件はエラーとみなされます。
換算タイプが「ユーザー」で、換算レートが空白の場合
換算タイプが「ユーザー」でなく、換算日が空白の場合
これは消込参照値です。この列はオプションで、検証は適用されません。
このフラグは、補助元帳仕訳明細が管理勘定科目残高の計算に貢献するかどうかを示します。「管理残高」フラグの有効値は次のとおりです。
「N」: 残高計算に不適格
「P」: 残高計算保留中
「Y」: 残高計算完了
このフラグは、補助元帳仕訳明細が分析基準残高の計算に貢献するかどうかを示します。「分析残高」フラグの有効値は次のとおりです。
「N」: 残高計算に不適格
「P」: 残高計算保留中
「Y」: 残高計算完了
注意: 貸借一致ルールは、実績仕訳と予算引当仕訳にのみ適用されます。貸借不一致でも片側しかなくてもよい予算仕訳には適用されません。実績仕訳と予算引当仕訳は、3つの貸借一致条件をすべて満たす必要があります。
この項で説明するルールは、指定した補助元帳仕訳全体に適用されます。したがって、これらの条件は仕訳ヘッダーとすべての仕訳明細が生成されるまで評価されません。
補助元帳仕訳の貸借は、元帳の通貨で一致している必要があります。これは、計上済借方金額(ACCOUNTED_DR)の合計が計上済貸方金額(ACCOUNTED_CR)の合計と一致する必要があることを意味します。1つの仕訳明細で借方金額と貸方金額の両方を計上することはできないため、仕訳には2つ以上の仕訳明細が必要で、一方を借方金額に使用し、その他を貸方金額に使用します。
「会計プログラム」では、仕訳が元帳通貨で貸借不一致の場合、元帳定義で指定された元帳通貨貸借一致勘定への貸借一致入力を作成することで、補助元帳仕訳の貸借が一致させられます。元帳通貨貸借一致勘定の割当てを有効化するには、「元帳通貨による貸借一致」オプションを選択します。「元帳通貨による貸借一致」が有効化されていない場合、「会計プログラム」では仕訳が元帳通貨で貸借不一致の場合に例外が発生します。
補助元帳仕訳の貸借は、入力通貨で一致する必要があります。補助元帳仕訳に入力通貨の異なる明細がある場合、その補助元帳仕訳の貸借は各通貨で一致する必要があります。これは、入力通貨(CURRENCY_CODE)ごとに、入力済借方金額(ENTERED_DR)の合計が入力済貸方金額(ENTERED_CR)の合計と一致する必要があることを意味します。
「会計プログラム」では、仕訳が入力通貨で貸借不一致の場合、貸借一致が必要な通貨ごとに入力に追加明細を作成することで、補助元帳仕訳の貸借が一致させられます。このような明細には、元帳定義で指定した入力通貨貸借一致勘定が使用されます。
仕訳に含まれる明細のコード組合せ識別子(CODE_COMBINATION_ID)が異なる貸借一致セグメントに属している場合、補助元帳仕訳の貸借は各貸借一致セグメントの計上金額に基づいて一致する必要があります。これは、貸借一致セグメントごとに、補助元帳仕訳明細の計上済借方金額(ACCOUNTED_DR)の合計が補助元帳仕訳明細の計上済貸方金額(ACCOUNTED_CR)の合計と一致する必要があることを意味します。
「会計プログラム」では、借方と貸方の貸借一致セグメント明細を作成することで、貸借一致セグメントによる貸借不一致の補助元帳仕訳の貸借が一致させられます。これらの明細には、会計設定マネージャ(ASM)の「会社内貸借一致ルール」ページで元帳に対して定義した勘定科目が使用されます。貸借一致ルールを適用可能にするには、元帳定義内で「会社内貸借一致使用可」オプションを選択する必要があります。「会計プログラム」には、貸借一致セグメントによる貸借不一致となっている手動補助元帳仕訳のための自動貸借一致メカニズムは用意されていません。手動補助元帳仕訳の貸借は、作成時に貸借一致セグメント別に一致させる必要があります。
参照: 『Oracle Financialsインプリメンテーション・ガイド』の会社内貸借一致ルールに関する項
予算引当会計仕訳には、会社間貸借一致ルールは適用されません。
「会計プログラム」では、予算引当勘定に対する逆仕訳を使用して「予算引当」残高タイプの仕訳の貸借が一致させられます。各予算引当仕訳の貸借は、貸借一致セグメント値(BSV)、予算引当タイプおよび予算引当(RFE)勘定で一致させられます。
注意: 予算引当勘定はGeneral Ledgerで定義します。この勘定は、予算管理が有効化されている場合にのみ必須です。
注意: 予算引当タイプをGeneral Ledgerで定義して有効化する必要があります。
すべての補助元帳仕訳には、有効な通貨金額が必要です。仕訳明細には、入力済金額と計上金額(元帳金額)という2つのタイプの通貨金額があります。
計上金額には常に元帳の通貨が使用され、入力済金額には常に取引の通貨が使用されます。取引通貨は、各補助元帳仕訳明細に格納されます。
入力済金額と計上金額の両方にサイドが1つあります。サイドは、借方または貸方です。Subledger Accountingデータ・モデルでは、金額のサイドは独立列として処理されません。金額のサイドは列名に追加され、入力済金額の場合はentered_drおよびentered_cr、計上金額の場合はaccounted_drおよびaccounted_crとなります。
補助元帳仕訳明細の通貨金額には、次のルールが適用されます。
符号付きの数値(ゼロを含む)である必要があります。
関連する通貨と同じ小数点以下桁数を使用する必要があります。
たとえば、元帳通貨の小数点以下桁数が2であれば、通貨金額にも小数点以下桁数2を使用する必要があります。
金額は常に借方または貸方のいずれかにする必要があります。借方または貸方のいずれかに値(ゼロを含む)が必要です。
入力済金額と計上金額の両方のサイドが同一である必要があります。つまり、入力済金額が借方であれば、それに関連付けられている計上金額にも借方を使用し、入力済金額が貸方であれば、それに関連付けられている計上金額にも貸方を使用する必要があります。
ただし、入力済金額と計上金額の符号は異なっていてもかまいません。たとえば、仕訳明細の入力済金額に借方の端数処理差異が存在し、計上金額に貸方の端数処理差異が存在する場合があります。この場合は、プラスの入力済借方金額とマイナスの計上済借方金額を使用して、端数処理明細が1つ作成されます。
入力通貨が元帳通貨と同一の仕訳の場合は、入力済金額と計上金額が一致する必要があります。
注意: このルールは、端数処理明細には適用されません。
予算管理モードの会計エンジンを介して作成された仕訳の検証により、予算管理が確実に実行されます。予算管理の検証には、Projects、Grants、Contract Commitmentsおよび必要な場合はGeneral Ledgerの予算管理が含まれます。
仕訳検証が完了すると、会計エンジンにより予算管理の失敗または警告が処理されます。失敗は明細レベルで発生し、予算管理モードに依存します。仕訳全体を「失敗」としてマーク付けするか、個別明細を「失敗」としてマーク付けでき、ヘッダーは警告でマーク付けされます。次の表に、検証結果メッセージを示します。
メッセージ | 摘要 |
---|---|
予算管理成功 - 合格 | すべての仕訳明細が予算管理を通過し、仕訳ヘッダー上のメッセージに反映されます。仕訳は有効です。 |
予算管理失敗 - 失敗 | 仕訳の1つ以上の明細の検証に失敗し、予算管理オプションは取引全体の失敗を示します。仕訳はエラーとみなされ、これが仕訳ヘッダー上のメッセージに反映されます。メッセージは、予算管理に失敗した明細ごとに表示されます。仕訳はエラーがあるため無効です。 |
勧告予算管理 - 勧告失敗 | 仕訳の1つ以上の明細の検証に失敗し、予算管理オプションは勧告メッセージを表示することを示しますが、仕訳は引き続き有効です。仕訳ヘッダーのメッセージは勧告失敗を示し、失敗した明細ごとに勧告予算管理メッセージが表示されます。 |
予算管理一部失敗 - 一部 | 仕訳の1つ以上の明細が検証に失敗し、予算管理オプションは個別明細が個別に処理されて取引の一部が検証を通過することを示しています。このため、同じ取引で一部の明細は予算管理を通過し、他の明細は失敗します。仕訳には追加の処理が必要です。この仕訳は有効です。仕訳のヘッダーに警告メッセージが表示されます。失敗した特定の明細には、予算管理に失敗し、明細の金額が0(ゼロ)に設定されていることを示すメッセージが含まれています。予算引当仕訳の場合、失敗して0(ゼロ)に再設定された明細に対して仕訳を貸借一致にするために、予算引当勘定も修正する必要があります。 |
予算管理の重大/予期せぬエラー | 予算管理検証ルーチンの実行中にシステム・エラーが発生しました。データベース、中間層または他の基礎となるインフラストラクチャ・エラーに関連するエラーの可能性があります。 |
予算管理不要 | 予算管理が元帳レベルで有効化されていますが、予算管理オプションは勘定科目コード組合せ、プロジェクト、付与または契約約定レベルで設定されています。このような場合は、予算管理の検証が自動的に開始されます。 |
1. 入力通貨と元帳通貨が同一の場合
次の表に、入力通貨と元帳通貨が同一の補助元帳仕訳の収益明細と売掛/未収金明細の詳細を示します。
勘定科目 | 借方 入力 (USD) | 貸方 入力 (USD) | 計上済 借方 (USD) | 計上済 貸方 (USD) | 端数 処理前の 借方入力 | 端数 処理前の 貸方入力 | 端数 処理前の 計上済 借方 | 端数 処理前の 計上済 貸方 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01-売掛/未収金 | 100.00 | NULL | 100.00 | NULL | 100.00 | NULL | 100.00 | NULL |
01-収益 | NULL | 0 | NULL | 0 | NULL | 0 | NULL | 0 |
01-収益1 | NULL | 33.33 | NULL | 33.33 | NULL | 33.33333 | NULL | 33.33333 |
01-端数処理 | NULL | 0.01 | NULL | 0.01 | NULL | NULL | NULL | NULL |
2. 入力通貨が元帳通貨とは異なる場合
次の表に、入力通貨と元帳通貨が異なる補助元帳仕訳の収益明細と売掛/未収金明細の詳細を示します。換算レート1.1を想定しています。
勘定科目 | 借方 入力 (USD) | 貸方 入力 (USD) | 計上済 借方 (EUR) | 計上済 貸方 (EUR) | 端数 処理前の 借方入力 | 端数 処理前の 貸方入力 | 端数 処理前の 計上済 借方 (EUR) | 端数 処理前の 計上済 貸方 (EUR) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01-売掛/未収金 | 70.09 | NULL | 56.77 | NULL | 70.088 | NULL | 56.77128 | NULL |
01-収益 | NULL | 0 | NULL | 0 | NULL | 0 | NULL | 0 |
01-収益2 | NULL | 35.04 | NULL | 28.39 | NULL | 35.044 | NULL | 28.38564 |
01-端数処理 | <0.01> | NULL | 0.01 | NULL | NULL | NULL | NULL | NULL |
01-為替差損益 | 0 | NULL | 28.39 | NULL | 0 | NULL | 28.38564 | NULL |
この項では、不正な仕訳明細の借方と貸方の例を示します。これらの明細は、Subledger Accountingでは作成されません。
入力通貨と元帳通貨が同一の場合
勘定科目 | 借方入力 (USD) | 貸方入力 (USD) | 計上済 借方 (USD) | 計上済 貸方 (USD) | 事由 |
---|---|---|---|---|---|
01-収益 | 100 | 200 | 100 | 200 | 同じ勘定科目の借方と貸方を同時に移入することはできません。 |
01-収益 | 0 | 0 | 100 | NULL | 入力済金額が借方側と貸方側の両方に移入されています。 |
01-収益 | NULL | NULL | NULL | NULL | 両方の金額を同時にNULLにすることはできません。 |
01-収益 | 100 | NULL | NULL | 100 | 入力済金額と計上金額のサイド(借方または貸方)は同一である必要があります。 |
01-収益 | 100 | NULL | NULL | -100 | 入力済金額と計上金額のサイド(借方または貸方)は同一である必要があります。 |
01-収益 | 0 | NULL | NULL | NULL | 計上金額は、0(ゼロ)の場合にも各入力済金額について移入する必要があります。 |
01-収益 | NULL | NULL | NULL | 0 | 入力済金額を移入する必要があります。 |
01-収益 | 0 | NULL | 100 | NULL | 入力通貨が元帳通貨と同一の場合、入力済金額と計上金額には異なる金額を使用できません。 |
入力通貨が元帳通貨とは異なる場合
勘定科目 | 借方入力 (USD) | 貸方入力 (USD) | 計上済 借方 (EUR) | 計上済 貸方 (EUR) | 事由 |
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01-収益 | NULL | NULL | 100 | NULL | 入力済金額と計上金額の両方を移入する必要があります。 |