この章では、Apache WebサーバーとRUEIソフトウェアのインストール手順について説明します。既存のRUEI 5.xインストールをリリース6.5にアップグレードする手順については、第5章「RUEI 6.5.1へのアップグレード」で説明しています。インストール後の構成手順については、第6章「RUEIの構成」で説明しています。
ダウンロードしたRUEI zipファイルをサーバーの/root
ディレクトリにコピーし、解凍します。次のコマンドを使用します。
cd /root
unzip package_name
.zip
RUEIのインストールを完了するために必要なソフトウェアが含まれている次のディレクトリが作成されます。
/root/RUEI/65
/root/RUEI/ZendOptimizer
/root/RUEI/IC
/root/RUEI/PHP
/root/RUEI/Java
/root/RUEI/extra
この項で説明されている手順は、予定しているインストール(すなわち、ローカル・データベースを持つレポータ、リモート・データベースを持つレポータ、またはコレクタ)に関係なく、すべて実行する必要があります。
/etc/ruei.conf
ファイルでは、インストール内で使用する設定が指定されています。RUEI環境内のすべてのコンポーネント(リモート・データベースやコレクタなど)には、同じグローバルな/etc/ruei.conf
構成ファイルが必要です。表4-1に示す設定が定義されています。
表4-1 RUEIの設定
設定 | 説明脚注1 | 値 |
---|---|---|
RUEI_HOME脚注2 |
RUEIソフトウェアのホーム・ディレクトリ。 |
|
RUEI_DATA脚注2 |
RUEIデータ・ファイルのディレクトリ。 |
|
RUEI_USER |
RUEIオペレーティング・システム・ユーザー。 |
|
RUEI_GROUP |
RUEIオペレーティング・システム・グループ。 |
|
RUEI_DB_INST脚注3 |
データベース・インスタンス名。 |
|
RUEI_DB_USER脚注4 |
データベース・ユーザー名。 |
|
RUEI_DB_TNSNAME脚注5 |
データベース接続文字列。 |
|
脚注1 この表で指定されている変数はすべて、このマニュアル全体を通して使用される値であり、必要に応じて変更できます。
脚注2 ディレクトリ名は50文字以内です。
脚注3 データベース・インスタンス名は8文字以内です。
脚注4 データベース・ユーザー名は30文字以内です。
脚注5 別名は255文字以内です。
RUEIディストリビューション・パックに含まれているソフトウェアを使用する場合は、JAVA_HOMEおよびINSTANTCLIENT_DIRの設定を変更する必要はありません。
moniforce
グループおよびユーザーを作成します。moniforce
のホーム・ディレクトリは、グループ・メンバーの読取り権限付きで/var/opt/ruei
に設定する必要があります。
/usr/sbin/groupadd moniforce /usr/sbin/useradd moniforce -g moniforce -d /var/opt/ruei chmod -R 750 /var/opt/ruei chown -R moniforce:moniforce /var/opt/ruei
構成ファイルの例は、RUEIディストリビューション・パックに含まれています。次のコマンドを発行することにより、ファイルがRUEI_USERユーザーに読取り可能であることを確認します。
cp /root/RUEI/extra/ruei.conf /etc/ chmod 644 /etc/ruei.conf chown moniforce:moniforce /etc/ruei.conf
リモート・データベース・インストールの場合、ruei.conf
ファイルは、レポータ・システムのものと同一である必要があります。
レポータおよびコレクタの両システムには、Java Runtime Environment(JRE)をインストールする必要があります。Javaは、RUEIディストリビューション・パックにバンドルされています。
次のコマンドを発行します。
cd /root/RUEI/Java chmod +x ./jre-1_5_0_22-linux-amd64-rpm.bin ./jre-1_5_0_22-linux-amd64-rpm.bin
Javaの使用許諾契約に同意するように要求されます。同意しなければ、先に進めません。
これにより、必要なJavaソフトウェアが/usr/java/jre1.5.0_22
ディレクトリにインストールされます。インストール・ディレクトリをバージョンに依存しないものにするためには、次のコマンドを使用して、より一般的なsymlinkを作成します。
ln -s /usr/java/jre1.5.0_22 /usr/java/jre
レポータまたはリモート・データベース・サーバーの場合、この項は省略してかまいません。
コレクタ・システムにroot
ユーザーとしてログオンし、次のようにします。
RUEIのファイルとディレクトリの場所は固定です。したがって、後述の正確なディレクトリ名を使用する必要があります。次のコマンドを使用して、RUEIアプリケーションのルート・ディレクトリを作成します。
mkdir -p /opt/ruei chmod 750 /opt/ruei
RUEIルート・ディレクトリに変更し、次のコマンドを使用してruei-install.sh
スクリプトを実行します。
cd /root/RUEI/65 chmod +x ruei-install.sh ruei-check.sh ./ruei-install.sh collector
前述のアクションの他に、ネットワーク・インタフェースを構成する必要があります。これについては、「ネットワーク・インタフェースの構成」で詳しく説明しています。さらに、レポータ・システムから新しく作成したコレクタ・システムに、パスワードなしのリモート・ログインを設定する必要もあります。必要な構成手順は、「レポータ通信の構成(分割サーバー設定のみ)」で説明しています。
この項では、レポータ・システムの必須コンポーネントをインストールする手順について説明します。これらにはApache Webサーバー、OracleデータベースのInstant ClientおよびZend Optimizerが含まれます。
この項では、Apache Webサーバーとそれを使用するコンポーネントのインストールと構成について説明します。
root
ユーザーとして次のコマンドを実行して、OracleデータベースのInstant ClientおよびSQLplus拡張機能をインストールします。
cd /root/RUEI/IC rpm -Uhv oracle-instantclient11.2-basic-*.rpm rpm -Uhv oracle-instantclient11.2-sqlplus-*.rpm
次のコマンドを使用して、php-oci8
モジュール(RUEIディストリビューション・セットの一部)をインストールします。
cd /root/RUEI/PHP rpm -Uhv php-oci8-11gR2-5*
Zend Optimizerコードが格納されているディレクトリに移動し、tarファイルを解凍して、Zend Optimizerインストーラを実行します。使用許諾契約を確認します。使用許諾の条件に同意しなければ、先に進めません。デフォルトの設定をすべて使用し、インストーラがApache Webサーバーを再起動できるようにします。次のコマンドを発行します。
cd /root/RUEI/ZendOptimizer tar zxvf ZendOptimizer-3.3.3-linux-glibc23-x86_64.tar.gz cd ZendOptimizer-3.3.3-linux-glibc23-x86_64 ./install
注意: (Yumを使用するなどして)システム・パッケージをアップグレードする場合、以前に/etc/php.ini ファイルに加えた変更が上書きされる可能性があります。したがって、Zend Optimizerの再インストールの準備ができている必要があります。そうする場合は、Zend Optimizerインストーラでphp.ini ファイルの場所が、/usr/local/Zend/etc/php.ini ではなく、/etc/php.ini となっていることを確認します。 |
追加情報
/etc/php.ini
ファイルで作成されたZend構成の行を、RUEI固有のPHP構成ファイル/etc/php.d/ruei.ini
に移し、アップグレードの問題が起こらないようにすることをお薦めします。Zend Optimizerのデフォルトのインストールを実行した場合、これには次の行の移動が必要になります。
[Zend] zend_extension_manager.optimizer=/usr/local/Zend/lib/Optimizer-3.3.3 zend_extension_manager.optimizer_ts=/usr/local/Zend/lib/Optimizer_TS-3.3.3 zend_optimizer.version=3.3.3 zend_extension=/usr/local/Zend/lib/ZendExtensionManager.so zend_extension_ts=/usr/local/Zend/lib/ZendExtensionManager_TS.so
RUEIデータベースは、ローカル(つまり、レポータ・システム上)に置くことも、リモート・データベース・サーバーに置くこともできます。この項では、RUEIに必要なデータベース・インスタンスを作成し、レポータからこのデータベース・インスタンスに接続するために必要な接続データを生成します。
データベース・インスタンス(RUEI_DB_INST)が作成されるシステムに入るには、次のスクリプトが必要になります。
ruei-prepare-db.sh
: データベース・インスタンス、Oracleウォレットおよびデータベース接続ファイルを作成します。
ruei-check.sh
: これはハードウェアおよび環境のチェック・ユーティリティで、ruei-prepare-db.sh
によって自動的に起動されます。このスクリプトは、スタンドアロンのトラブルシューティング・ユーティリティとしても使用できます。 スクリプトの詳細は、付録A「ruei-check.shスクリプト」参照してください。
この項で説明する手順で作成される4つの接続データファイルは、次のとおりです。
cwallet.sso
ewallet.p12
sqlnet.ora
tnsnames.ora
RUEI構成ファイル(/etc/ruei.conf
)も、データベース上に存在し、「RUEI構成ファイル」で説明されているように構成する必要があります。
次のようにします。
ruei-prepare-db.sh
およびruei-check.sh
スクリプトを、データベース・インスタンスを実行するサーバーにコピーし、oracle
ユーザーのために実行可能にします。これらのスクリプトは、RUEIディストリビューションzipファイル(/root/RUEI/65
)にあります。
「RUEI構成ファイル」で説明されているように、/etc/ruei.conf
ファイル内の設定を調べて、必要に合わせます。
データベース・サーバー上のoracle
ユーザーとしてデータベースにログオンし、ORACLE_HOME環境変数を設定します。oracle
ユーザーとして、ruei-prepare-db.sh
スクリプトを実行する必要があります。このスクリプトによりRUEI_DB_INSTデータベースが作成されますが、それはいくつかのハードウェアおよびソフトウェア環境チェックが実行された後です。実行される実際のチェックは、インストール中のシステム・タイプによって異なります。
スクリプトによりRUEIデータベース・ユーザー・パスワードの入力を要求されます脚注1 。この結果、RUEIアプリケーションでデータベースに自動的にログインできるようになります。このスクリプトにより、ここで自分用の接続データも作成されます。
レポータとデータベース・サーバーの組合せのためにruei-prepare-db.sh
スクリプトを実行すると、すべてのファイルが自動的に正しい場所に置かれます脚注2 。リモート・データベースの場合、別の.tar
ファイルが生成され、手順4の実行が必要になります。
次のコマンドを発行します。
chmod +x ruei-prepare-db.sh ruei-check.sh export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1 ./ruei-prepare-db.sh
前述のコマンドをレポータとデータベース・サーバーの組合せで実行した場合、手順4を省略して、手順5に進んでかまいません。
この手順は、リモート・データベースを使用する場合にのみ当てはまります。
リモート・データベースを使用するレポータの場合、手順3で生成された/tmp/ruei-database-configuration.tar
ファイルを、データベース・サーバーからレポータ・システムにコピーする必要があります。/tmp/ruei-database-configuration.tar
ファイルは、レポータ・サーバーの/var/opt/ruei
ディレクトリ(RUEI_DATA)で解凍する必要があります。ファイルの権限は、指定したRUEI_USER(moniforce
)がそれらのファイルを使用できるように設定する必要があります。
生成された.tar
ファイルをレポータ・システムにコピーします。このファイルには接続データ・ファイルが入っています。レポータ・サーバーにログオンし、次のコマンドを使用して.tar
ファイルを解凍します。
cd /var/opt/ruei
tar xvf path-to-tar-file
/ruei/database-configuration.tar
chown moniforce:moniforce cwallet.sso ewallet.p12 sqlnet.ora tnsnames.ora
データベースのロギングには大量のディスク領域が使用される可能性があるため、不要なディスク領域の使用を避けるために、クリーンアップ・スクリプトをインストールすることをお薦めします。スクリプト(例)をoracle
ユーザー・ディレクトリにコピーし、次のコマンドを使用して、cron
によりアクティブ化します。
mkdir -p /home/oracle/bin cp /root/RUEI/extra/ruei-clean.sh /home/oracle/bin chmod +x /home/oracle/bin/ruei-clean.sh su - oracle -c 'echo "10 0 * * * /home/oracle/bin/ruei-clean.sh" | crontab'
RUEIディレクトリの場所は、どこでもかまいません。そのため、/etc/ruei.conf
ファイルで構成されているとおりの正確なディレクトリ名を使用する必要があります。次のコマンドを使用して、RUEIアプリケーションのルート・ディレクトリを作成します。
mkdir -p /opt/ruei chmod 750 /opt/ruei
注意: 指定したRUEI_HOMEディレクトリおよびRUEI_DATAディレクトリには、それらのために定義された750の権限があります。 |
次のコマンドを使用して、2つの追加グループのapache
およびmoniforce
メンバーを作成します。
/usr/sbin/usermod -aG moniforce apache /usr/sbin/usermod -aG uucp apache /usr/sbin/usermod -aG uucp moniforce
RUEIソフトウェアがあるディレクトリに移動し、RUEIパッケージをインストールします。必要なインストールに応じて、reporter
またはcollector
をruei-install.sh
スクリプトに指定できます。
cd /root/RUEI/65 chmod +x ruei-install.sh ./ruei-install.sh reporter
次のコマンドを使用して、Apache Webサーバーを再起動します。
/sbin/service httpd restart
次のコマンドを発行して、RUEIソフトウェアが正しくインストールされたことを確認します。
./ruei-check.sh postinstall
次のコマンドを使用して、moniforce
ユーザーとしてRUEIadmin
ユーザー・パスワードを設定し、RUEIインタフェースにログインできるようにします。
su - moniforce set-admin-password
パスワードの入力と確認を求められます。
注意: admin ユーザー・パスワードを定義する際は、次のことに留意してください。
|
この項は、レポータ・システムおよびコレクタ・システムにのみ関係があります。
監視ネットワーク・インタフェースのupステータスを、インタフェースの構成ファイルで取得インタフェースのONBOOTパラメータをyesに設定することで、(再起動後に)永続化します。ネットワーク・インタフェースの構成は、/etc/sysconfig/network-scripts/devices/ifcfg-eth
X
(X
は必要なネットワーク・インタフェースを表す)にあります。または、グラフィカル・ユーティリティsystem-config-networkを使用して、該当するインタフェースを「activate device when computer starts」に設定します。
この項は、レポータ・システムにのみ関係があります。
マルチバイト・キャラクタ・コンテンツを使用したPDFを生成するには、追加フォントを有効にする必要があります。これらのフォントはJavaで使用できるようにする必要があります。次のコマンドを使用して、RUEIでインストールされたフォントを、適切なJavaディレクトリにコピー(または移動)します。
cp /opt/ruei/gui/include/bi_publisher/fonts/* \ /usr/java/jre/lib/fonts/
この項は、レポータ・システムにのみ関係があります。
RUEIでは、PDFレポートおよび電子メール・アラートの送信に、稼働しているローカルMTAの使用を想定しています。デフォルトでは、LinuxでSendmail MTAが使用されます。デフォルトでは、Sendmailにより電子メールが宛先のMTAに直接配信されます。この動作が必要性や方針に合致しない場合は、かわりの手段として、SmartHost (リレー)経由でメールを送信できます。SendmailでSmartHostを構成するには、次のようにします。
アップロードされたRPMがあるティレクトリに移動し、次のコマンドを発行して、Sendmail構成ユーティリティをインストールします。
rpm -Uhv sendmail-cf-8.13.8-*.el5.x86_64.rpm
/etc/mail/sendmail.mc
でSmart Host設定を含む行を検索します。SMART_HOST設定を必要に合せて変更します。次に例を示します。
define('SMART_HOST', 'my.example')dnl
次のコマンドを実行することにより、新しい構成を新しいsendmail.cf
で生成します。
make -C /etc/mail
Sendmailを再起動します。次に例を示します。
/etc/init.d/sendmail restart
RUEI MIB定義ファイルは、レポータ・インタフェースを介してダウンロードできます。この定義ファイルは、SNMPマネージャに追加できます。MIBファイルのダウンロードの手順は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で説明されています。
この項は、レポータ・システムにのみ関係があります。
ブラウザを正しいRUEIパスに自動的にリダイレクトするには、/var/www/html/index.html
ファイルを次の内容で作成します。
<head> <meta http-equiv="REFRESH" content="0;URL=/ruei/"> </head>
この項は、リモート・コレクタを使用するレポータ・システムにのみ関係があります。
パスワードなしのSSH接続は、レポータ・システムから各コレクタ・システムまで、Moniforce
ユーザー間で設定する必要があります。次のようにします。
レポータ・サーバーにroot
としてログオンします。次のコマンドを発行します。
su - moniforcessh-keygen -P ""
[Enter]を押して、デフォルトを使用します。
各コレクタ・システムにroot
としてログオンし、次のコマンドを発行してmoniforce
ユーザーになります。
su - moniforce
次のコマンドを発行して、各コレクタ・システム上にmoniforce
ユーザー用の.ssh
ディレクトリ(まだ存在していない場合)を作成します。
mkdir ~/.ssh chmod 700 ~/.ssh
次のコマンドを発行して、レポータ・システム上のSSHキーを、コレクタ・システム上の必要な場所にコピーします。
cd ~/.ssh
ssh root@Reporter
cat /var/opt/ruei/.ssh/id_rsa.pub >> authorized_keys
(レポータ・システムのroot
パスワードを指定する必要があります。)
chmod 600 authorized_keys
レポータ・システムで、パスワードを使用せずにリモート・コマンドを実行(moniforce
ユーザーとして)できるようになったことを確認します。次に例を示します。
root
としてレポータ・サーバーにログオンします。
moniforce
ユーザー(su - moniforce
)としてログオンします。
リモートのpwdコマンド(ssh
Collector pwd
)を実行します。
「Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?」という質問に対して「yes」と入力します。
コマンドから/var/opt/ruei
が返されます。
これらの手順をコレクタごとに実行する必要があります。
注意: レポータとコレクタ間の接続が正しく構成されていない場合、リモートのコレクタを登録しようとすると、認可エラーを受け取ります。 |
Initial setup wizard(「初期RUEI構成の実行」で説明)での作業が完了すると、「System」、「Status」を選択することで、インストールを検証できます。すべてのシステム・インジケータが「OK」になっているはずです。システム・アラートがまだ構成されていないため、「Status」の通知は「Unknown」と表示されます。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。
脚注の説明
脚注1: データベース・パスワードは、Oracleウォレット・パスワードとしても使用できます。どちらのパスワードも8〜30文字で、数字と文字の両方を含める必要があります。Oracleウォレット・パスワードの変更については、該当するOracleドキュメントを参照してください。