1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
長形式のリストのサブセットを生成する (-o format)
A. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
B. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant
C. Logical Domains Manager の検出
D. Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用
電源管理 (Power Management、PM) を使用するには、まず Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 ファームウェアで PM モードを設定する必要があります。この節では、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアで PM を使用するために必要な情報をまとめます。
ILOM の詳細については、次のドキュメントを参照してください。
『Sun Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 CLI 手順ガイド』 の「消費電力の監視」
Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 機能更新およびリリースノート
電源モードは、任意の時点でのシステムの電力使用量を管理する設定です。Logical Domains 1.3 以降のリリースでは、ベースとなるプラットフォームに PM 機能が実装されていれば、次の電源モードがサポートされます。
パフォーマンスモード。システムは、利用可能なすべての電力を使用できます。
エラスティックモード。システムの電力使用量は、現在の使用レベルに応じて調整されます。たとえば、リソースの使用率が低いと、電力状態も引き下げられます。
PM の機能は以下のとおりです。
CPU コアの自動的な無効化。PM は、CPU コアのすべてのストランドが無効になっているとき、そのコアを自動的に無効化します。
CPU クロックサイクルのスキップ。Oracle VM Server for SPARC 2.0 以降のリリースでは、PM は SPARC T3 プラットフォーム上で CPU クロックサイクルのスキップを自動的に調整できます。調整により、スキップされるクロックサイクル数が増減し、すべてのドメインを電力使用率のしきい値内に保つことができます。PM は、CPU 使用率に基づいて、このような調整を行うかどうかを決定します。システムがパフォーマンスモードに移行すると、スキップされるクロックサイクルの数は自動的に 0 に調整されます。
ディープアイドルモードでのメモリ操作。 Oracle VM Server for SPARC 2.0 以降のリリースでは、SPARC T3 プラットフォームがエラスティックモードのとき、使用率の低いメモリーが自動的に、電力節減のためより深いアイドルモードで動作するように構成されます。
電力の制限。Oracle VM Server for SPARC 2.0 以降のリリースでは、SPARC T3 プラットフォームで、システムの消費電力を制限するための「電力の制限」を設定できます。消費電力が電力の制限を超えている場合、PM 手法を使用して電力が削減されます。ILOM サービスプロセッサ (Service Processor、SP) を使用して、電力の制限を設定できます。
次のドキュメントを参照してください。
ILOM インタフェースを使用して、電力の制限、猶予期間、および制限を超えた場合の動作を設定できます。電力の制限を超えた期間が猶予期間よりも長くなった場合、制限を超えた場合の動作が実行されます。
現在の消費電力が電力の制限を超えている場合、電源管理が可能なリソースの電力状態の引き下げが試みられます。消費電力が電力の制限以下に低下すると、それらのリソースの電力状態を引き上げることが許可されます。システムがエラスティックモードの場合、リソースの電力状態の引き上げは使用レベルによって引き起こされます。
システムがエラスティックモードのとき、ドメイン構成に対する一部の変更においては、電力の制限を超えていないことの検証が最初に行われます。電力の制限を超えている場合、要求されたリソースの一部についてのみ変更または追加が行われる可能性があります。あとで電力の制限が増やされた場合、変更に失敗したリソースをそのあとで追加できます。
ドメインの負荷によりリソースの消費電力が増えた場合、消費電力が電力の制限を下回っているリソースのみが正常に電力投入されます。
ILOM 3.0 ファームウェアの CLI を使用して電源モードを構成する手順については、『Sun Integrated Lights Out Manager (ILOM) 3.0 CLI 手順ガイド』 の「消費電力の監視」を参照してください。
この節では、電源管理されているストランドおよび仮想 CPU を一覧表示する方法について説明します。
出力で、CPU の UTIL 列にダッシュ (---) が表示されている場合、そのストランドは電源管理されています。
# ldm list -l primary NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active -n-cv SP 8 4G 4.3% 7d 19h 43m SOFTSTATE Solaris running MAC 00:14:4f:fa:ed:88 HOSTID 0x84faed88 CONTROL failure-policy=ignore DEPENDENCY master= VCPU VID PID UTIL STRAND 0 0 0.0% 100% 1 1 --- 100% 2 2 --- 100% 3 3 --- 100% 4 4 --- 100% 5 5 --- 100% 6 6 --- 100% 7 7 --- 100% ....
出力で、util= のあとが空白の場合、そのストランドは電源管理されています。
# ldm list -l -p VCPU |vid=0|pid=0|util=0.7%|strand=100 |vid=1|pid=1|util=|strand=100 |vid=2|pid=2|util=|strand=100 |vid=3|pid=3|util=|strand=100 |vid=4|pid=4|util=0.7%|strand=100 |vid=5|pid=5|util=|strand=100 |vid=6|pid=6|util=|strand=100 |vid=7|pid=7|util=|strand=100
出力の PM 列に yes が表示されている場合は CPU が電源管理されていることを意味し、no が表示されている場合は CPU の電源が投入されていることを意味します。100 パーセント未使用の CPU はデフォルトで電源管理されることが前提となっているので、PM 列の下にダッシュ (---) が表示されます。
# ldm list-devices -a cpu VCPU PID %FREE PM 0 0 no 1 0 yes 2 0 yes 3 0 yes 4 100 --- 5 100 --- 6 100 --- 7 100 ---
出力の pm= フィールドに yes が表示されている場合は CPU が電源管理されていることを意味し、no が表示されている場合は CPU の電源が投入されていることを意味します。100 パーセント未使用の CPU はデフォルトで電源管理されることが前提となっているので、このフィールドは空白になります。
# ldm list-devices -a -p cpu VERSION 1.4 VCPU |pid=0|free=0|pm=no |pid=1|free=0|pm=yes |pid=2|free=0|pm=yes |pid=3|free=0|pm=yes |pid=4|free=0|pm=no |pid=5|free=0|pm=yes |pid=6|free=0|pm=yes |pid=7|free=0|pm=yes |pid=8|free=100|pm= |pid=9|free=100|pm= |pid=10|free=100|pm=