1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
長形式のリストのサブセットを生成する (-o format)
A. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
B. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant
C. Logical Domains Manager の検出
D. Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用
Logical Domains 1.3 以降のソフトウェアでは、DR 動作を自動的に実行する方法をポリシーで決定できます。現時点では、仮想 CPU の動的資源管理を制御するポリシーのみを作成できます。
注意 - CPU の動的なリソース管理 (Dynamic Resource Management、DRM) には、以下のことが影響します。
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資源管理ポリシーでは、論理ドメインで仮想 CPU を自動的に追加および削除できる条件について指定します。ポリシーを管理するには、ldm add-policy、ldm set-policy、および ldm remove-policy コマンドを使用します。
ldm add-policy [enable=yes|no] [priority=value] [attack=value] [decay=value] [elastic-margin=value] [sample-rate=value] [tod-begin=hh:mm[:ss]] [tod-end=hh:mm[:ss]] [util-lower=percent] [util-upper=percent] [vcpu-min=value] [vcpu-max=value] name=policy-name ldom... ldm set-policy [enable=[yes|no]] [priority=[value]] [attack=[value]] [decay=[value]] [elastic-margin=[value]] [sample-rate=[value]] [tod-begin=[hh:mm:ss]] [tod-end=[hh:mm:ss]] [util-lower=[percent]] [util-upper=[percent]] [vcpu-min=[value]] [vcpu-max=[value]] name=policy-name ldom... ldm remove-policy [name=]policy-name... ldom
これらのコマンドの詳細および資源管理ポリシーの作成については、ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
ポリシーは、tod-begin プロパティーと tod-end プロパティーで指定された期間の間有効です。複数のポリシーが同時に有効になっている場合、ポリシーは、priority プロパティーの値を使用して、使用するポリシーを決定します。
このポリシーは、util-high および util-low プロパティー値を使用して、CPU 使用率の上限と下限を指定します。利用率が util-high の値を超えた場合、仮想 CPU の数が vcpu-min から vcpu-max までの値の範囲に収まるまで、仮想 CPU がドメインに追加されます。利用率が util-low の値を下回った場合、仮想 CPU の数が vcpu-min から vcpu-max までの値の範囲に収まるまで、仮想 CPU がドメインから削除されます。vcpu-min に達すると、仮想 CPU をそれ以上動的に削除できません。vcpu-max に達すると、仮想 CPU をそれ以上動的に追加できません。
例 10-4 資源管理ポリシーの追加
たとえば、数週間に渡ってシステムの標準利用率を観測したあと、資源使用状況を最適化するためにポリシーを設定する場合があります。使用率が最も高いのは、毎日太平洋標準時の午前 9:00 潤オ午後 6:00、使用率が低いのは、毎日太平洋標準時の午後 6:00 潤オ午前 9:00 です。
このシステム利用率の観測に基づき、システム全体の利用率に従って次の高利用率ポリシーと低利用率ポリシーを作成することにします。
高: 毎日太平洋標準時の午前 9:00 潤オ午後 6:00
低: 毎日太平洋標準時の午後 6:00 潤オ午前 9:00
次の ldm add-policy コマンドで、高利用率時に ldom1 ドメインで使用される high-usage ポリシーを作成します。
次の high-usage ポリシーは次のことを行います。
tod-begin プロパティーと tod-end プロパティーを設定することで、開始時間と終了時間がそれぞれ午前 9:00 と午後 6:00 であることを指定します。
util-lower プロパティーと util-upper プロパティーを設定することで、ポリシー分析を実行する上限と下限がそれぞれ 25 パーセントと 75 パーセントであることを指定します。
vcpu-min プロパティーと vcpu-max プロパティーを設定することで、仮想 CPU の最小数と最大数がそれぞれ 2 と 16 であることを指定します。
attack プロパティーを設定することで、任意の 1 回のリソース制御サイクルで追加される仮想 CPU の最大数は 1 であることを指定します。
decay プロパティーを設定することで、任意の 1 回のリソース制御サイクルで削除される仮想 CPU の最大数は 1 であることを指定します。
priority プロパティーを設定することで、このポリシーの優先順位が 1 であることを指定します。優先順位が 1 であるため、別のポリシーが有効になることが可能であっても、このポリシーが実施されます。
name プロパティーを設定することで、ポリシーファイルの名前が high-usage であることを指定します。
enable や sample-rate など、指定されていないプロパティーではデフォルト値を使用します。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
# ldm add-policy tod-begin=09:00 tod-end=18:00 util-lower=25 util-upper=75 \ vcpu-min=2 vcpu-max=16 attack=1 decay=1 priority=1 name=high-usage ldom1
次の ldm add-policy コマンドで、低利用率時に ldom1 ドメインで使用される med-usage ポリシーを作成します。
次の med-usage ポリシーは次のことを行います。
tod-begin プロパティーと tod-end プロパティーを設定することで、開始時間と終了時間がそれぞれ午後 6:00 と午前 9:00 であることを指定します。
util-lower プロパティーと util-upper プロパティーを設定することで、ポリシー分析を実行する上限と下限がそれぞれ 10 パーセントと 50 パーセントであることを指定します。
vcpu-min プロパティーと vcpu-max プロパティーを設定することで、仮想 CPU の最小数と最大数がそれぞれ 2 と 16 であることを指定します。
attack プロパティーを設定することで、任意の 1 回のリソース制御サイクルで追加される仮想 CPU の最大数は 1 であることを指定します。
decay プロパティーを設定することで、任意の 1 回のリソース制御サイクルで削除される仮想 CPU の最大数は 1 であることを指定します。
priority プロパティーを設定することで、このポリシーの優先順位が 1 であることを指定します。優先順位が 1 であるため、別のポリシーが有効になることが可能であっても、このポリシーが実施されます。
name プロパティーを設定することで、ポリシーファイルの名前が high-usage であることを指定します。
enable や sample-rate など、指定されていないプロパティーではデフォルト値を使用します。ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
# ldm add-policy tod-begin=18:00 tod-end=09:00 util-lower=10 util-upper=50 \ vcpu-min=2 vcpu-max=16 attack=1 decay=1 priority=1 name=med-usage ldom1