この章では、Oracle JRockit JVMの問題の解決に役立つロードマップを提供します。
Oracle JRockit JVMの問題を解決するためのロードマップは次の手順で構成されます。
ステップ1: よくある原因の除外または特定
JRockit JVMでアプリケーションを実行中に発生した問題は、その原因をわずかな作業で診断および解決できる場合がほとんどです。表1-1に、基本的なJVMの問題を迅速に診断および解決するために実行できる処理の一覧を示します。
注意: このリストは決められた順序で並んでいるわけではありません。それぞれの処理は個別に実行できます。 |
表1-1 JRockit JVMの問題のよくある原因を特定および除外するための処理
処理 | 効果または重要度 |
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JRockit JVMの再インストール |
この処理は、インストールの問題によって引き起こされた問題を修正できる場合があります。関連するインストール手順については、Oracle JRockitインストレーション・ガイドを参照してください。 |
JRockit JVMで実行中のアプリケーションに対する最新パッチのインストール |
この処理は、JRockit JVMで実行中のアプリケーションの問題によって引き起こされた問題を修正できる場合があります。 |
JRockit JVMの最新リリースのインストール |
この処理は、JRockit JVMの新しいリリースで修復された問題を修正します。 リリースで修正された問題の詳細は、Oracle JRockitリリース・ノートを参照してください。 |
同一マシン上での問題の再現 |
ある特定の手順を実行するたびに再現される問題は、単純なプログラミング・エラーを示す場合があります。しかし、問題が断続的に発生する(間隔が変化するときも一定のときもある)場合は、スレッドのやり取りとタイミングの問題である可能性が高くなります。 |
別のマシン上での問題の再現 |
1台のマシンのみで発生する問題は、ハードウェア(プロセッサの数)、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアによって引き起こされている可能性があります。たとえば、JVMやユーザーJavaアプリケーションの競合状態の可視性が、JVMで特定の操作が実行される速度の影響を受ける場合があります。 |
最新のパッチをインストールしたサポート対象のオペレーティング・システムを使用していることの確認 |
この処理は、サポート対象外のオペレーティング・システムによって引き起こされた問題を修正できる場合があります。 |
実行しているサードパーティJNIコードが最新バージョンであることの確認 |
この処理は、サードパーティJNIコードの問題によって引き起こされた問題を修正できる場合があります。 JRockit JVMがクラッシュした場合、テキスト・クラッシュ・ファイル( |
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最適化ではコードがより効率的になります。コード最適化を無効にすると、最適化に関連する問題を特定しやすくなります。 |
ステップ2: 症状の観察
問題が発生したときは、アプリケーションの動作を注意深く観察し、その症状を記録します。
ステップ3: 問題の特定および解決
表1-2は、一般的なJRockit JVMの問題の症状を一覧表示し、問題の診断と解決に役立つ情報が記されている章を示します。解決しようとしている問題に対応する章に記述されたタスクを実行します。
表1-2 JRockit JVMのよくある問題の症状
症状 | 診断情報の参照先 |
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JVMがクラッシュしてダンプを生成します。 |
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JVMの起動にかかる時間が長すぎます。 |
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全体のスループットは良好でも、一部のトランザクションの実行に時間がかかりすぎます。 |
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全体のスループットが低すぎます。 |
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しばらく正常に動作した後、JVMのパフォーマンスが低下し始めます。例:
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JVMがフリーズしています(クラッシュはしていません)。 |
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ステップ4: Oracleサポートへの連絡
JRockit JVMのライセンスを所有するユーザーで、自力で問題を解決できない場合は、Oracleサポートにご連絡ください。
詳細は、第9章「サポートに関するオラクルへの連絡」を参照してください。