ヘッダーをスキップ
Oracle Secure Backupリファレンス
リリース10.3
B56062-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

lsjob

用途

lsjobコマンドは、次の種類のスケジュール済ジョブのステータスを取得する場合に使用します。

表示するジョブを、日付、ステータスおよび表示の詳細度別に選択できます。各ジョブには、ログインしたOracle Secure Backupユーザーのユーザー名、スラッシュおよび一意の数値IDで構成されるIDが割り当てられます。ジョブIDの例は、admin/15のようになります。

lsjobコマンドでは、アクティブなジョブおよび保留中のジョブがすべて、1行に1ジョブで表示されます。

Job-ID   Sched time  Contents   State

関連項目:

関連コマンドについては、「ジョブ用コマンド」を参照してください。

前提条件

別のユーザーのジョブをリストするには、所有者を問わないジョブのリスト(list any job, regardless of its owner)権を備えている必要があります。自身のジョブをリストするには、ユーザーが所有するジョブのリスト(list any jobs owned by user)権を備えている必要があります。

構文

lsjob::=

lsjob
[ --active/-a ][ --complete/-c ][ --pending/-p ]
[ --inputrequest/-i ][ --all/-A ]
[ { [ --from/-f date-time ] [ --to/-t date-time ] } |
  [ --today/-T ] ]
[ --timescheduled/-e ][ --type/-Y job-type[,job-type]...]...
[ --host/-h hostname ][ --dataset/-D dataset-name ]
[ --piecename/-E piecename[,piecename]... ]
[ --dbname/-d dbname[,dbname]... ][ --dbid/-I dbid[,dbid]... ]
[ --system/-y | { --username/-u username } | --me/-m ]
[ --superseded/-S ] [ --subjobs/-j | --primary/-P ]
[ { --short/-s [ --oneperline/-1 ] } | --long/-l ]
[ --noheader/-H ] [ --results/-r ] [ --progress/-o ] [ --requires/-R ]
[ --times/-C ] [ --log/-L ] [ --catalog/-G ]
job-id...

意味

次のオプションを使用して、表示するジョブを選択します。状態を使用するオプションを指定しなかった場合は、obtoolにより、アクティブなジョブおよび保留中のジョブのみが表示されます。追加式のオプションが複数あります。

状態を使用したジョブ・オプション

このオプションを使用して、ステータス別にジョブをフィルタ処理します。実例は例2-58を参照してください。

--active/-a

アクティブ・ジョブ、すなわち、現在処理されているジョブが表示されます。デフォルトではlsjobコマンドにより、アクティブなジョブと保留中のジョブが表示されます。

--complete/-c

正常終了または異常終了したジョブが表示されます。

--pending/-p

保留中のジョブ、すなわち、実行されておらず将来処理されるようにスケジュールされているジョブが表示されます。デフォルトではlsjobコマンドにより、アクティブなジョブと保留中のジョブが表示されます。

--inputrequest/-i

現在、入力をリクエストしているジョブが表示されます。ジョブが入力を要求するのは、たとえば、スタンドアロンのテープ・ドライブを使用しながらマルチボリュームのボリューム・セットからバックアップをリストアしようとする場合や、リストア操作に必要なボリュームテープ・ライブラリにない場合です。

--all/-A

すべての状態のジョブが表示されます。

job-id

ステータスを取得するスケジュール済バックアップおよびリストア・ジョブのジョブIDを指定します。

時間を使用したジョブ・オプション

次のオプションを使用して、ジョブの状態が更新された時期かまたはジョブが実行されるようにスケジュールされていた時期によって、ジョブをフィルタ処理します。実例は例2-59を参照してください。

--from/-f date-time

date-time以降に状態が更新されたジョブのみが表示されます。たとえば、昨日保留中からアクティブに更新されたジョブが表示されます。date-timeプレースホルダの詳細は、「date-time」を参照してください。

--to/-t date-time

date-time以前に状態が更新されたジョブのみが表示されます。たとえば、昨日以前に保留中からアクティブに更新されたジョブが表示されます。date-timeプレースホルダの詳細は、「date-time」を参照してください。

--today/-T

今日状態が更新されたジョブのみが表示されます。

--timescheduled/-e

選択基準としてジョブ変更時間ではなくスケジュール時間が使用されます。date-timeの範囲を選択するには、--todayまたは--fromを使用します。どちらのオプションも指定しない場合は、date-timeの範囲には制限が適用されません。

タイプ/ホスト名/データセットを使用したジョブ・オプション

次のオプションを使用して、ジョブ・タイプ、ホスト名またはデータセットIDによってジョブをフィルタ処理します。実例は例2-60を参照してください。

--type/-Y job-type[,job-type]...

指定されたタイプのジョブ・エントリのみが表示されます。デフォルトでは、すべてのタイプが表示されます。job-typeプレースホルダの詳細は、「job-type」を参照してください。

--host/-h hostname

指定されたホストに関連したジョブ・エントリのみが表示されます。

--dataset/-D dataset

指定されたデータセット・ファイルに関連したジョブ・エントリのみが表示されます。データセット・ファイル情報を表示するには、lsdsコマンドを実行します。


注意:

--dataset--hostのオプションをどちらも指定した場合、lsjobコマンドの出力はNULLになります。その理由は、--datasetのみを指定して実行したlsjobはホスト情報を示さず、一方--hostのみを指定して実行したlsjobはデータセット情報を示さないからです。

ユーザー名を使用したジョブ・オプション

次のオプションを使用して、ジョブを開始者によってフィルタ処理します。実例は例2-61を参照してください。

--system/-y

Oracle Secure Backupによってスケジュールされたジョブが表示されます。

--username/-u username

usernameが所有者であるジョブが表示されます。すべてのOracle Secure Backupユーザーを表示するには、lsuserコマンドを実行します。

--me/-m

現在ログインしているOracle Secure Backupユーザーが所有者となっているジョブが表示されます。現行のOracle Secure Backupユーザーを表示するには、idコマンドを実行します。

その他のジョブ・オプション

次のオプションを使用して、その他の基準によってジョブをフィルタ処理します。実例は例2-62を参照してください。

--superseded/-S

実行される前に無効にされたジョブが表示されます。

特定のジョブを実行する機会がある場合に、その後、同じジョブがスケジュールされると、初めのジョブは無効となります。たとえば、毎晩午後9時に増分バックアップをスケジュールしているとします。水曜日の朝になって、火曜日の夜のバックアップが、テープ・ライブラリに使用可能なテープがなかったために実行されていなかったことがわかります。この場合、水曜日にスケジュールされているバックアップが前の晩のバックアップに優先します。

--subjobs/-j

選択されたジョブに下位ジョブが含まれていれば表示されます(デフォルト)。たとえば、lsjob --primaryにより、sbt/25のみでなく、sbt/25.1sbt/25.2およびsbt/25.3も表示されます。

--primary/-P

各プライマリ・ジョブのみが表示されます。たとえば、lsjob --primaryにより、sbt/25.1sbt/25.2およびsbt/25.3ではなく、sbt/25が表示されます。

形式制御ジョブ・オプション

次のオプションを使用して、ジョブ情報の表示を制御します。実例は例2-63を参照してください。

--short/-s

ジョブIDのみが表示されます。

--long/-l

列形式においてではなくラベル付きで情報が表示されます。

--noheader/-H

列ヘッダーが表示されません。

--oneperline/-1

--shortオプションとともに使用して、1行に1つのジョブIDを表示します。

コンテンツ・レベルのジョブ・オプション

次のオプションを使用して、含まれているコンテンツの量によってジョブをフィルタ処理します。実例は例2-64を参照してください。

--results/-r

--completedオプションと組み合せて使用して、完了したジョブの結果を表示します。たとえば、結果は次のようになります。

saved 3.4 MB to VOL000003 (tag ADE202), file 12
ok:   /home

関連項目:

「--progress/-o」

--progress/-o

--activeオプションと組み合せて使用して、アクティブなジョブの進捗を表示します。たとえば、進捗は次のようになります。

processed 3.1Mb, 42 files

完了したジョブの進捗情報は表示されません。--progressオプションはアクティブなジョブにのみ適用されるからです。


関連項目:

「--results/-r」

--requires/-R

各ジョブの実行に必要なリソースが表示されます。たとえば、どのようなデバイスを使用しても実行できるジョブは、「必要なデバイスは任意です。」と表示されます。

--times/-C

各ジョブの関連する時間がすべて表示されます。ジョブの時間の例を次に示します。

introduced 2008/03/21.16:59, earliest exec 03/23.00:00, last update
2008/03/21.16:59, expires never
--log/-L

各ジョブのログが表示されます。ログには、ジョブの作成時間、ジョブがディスパッチされたホスト、ジョブの完了時間などのデータが表示されます。

--catalog/-C

カタログ・リカバリ・バックアップに関する詳細情報が表示されます。また、Oracle Secure Backupではカタログ・バックアップ障害がないかチェックし、検出された場合は管理者への電子メールを生成します。

出力

表2-11で、lsjobコマンドの出力について説明します。

表2-11 lsjobの出力

ラベル 意味

Job ID

スケジュールされたバックアップ・ジョブまたはリストア・ジョブに割り当てられた、一意のOracle Secure Backup ID。

Type

ジョブのタイプ。設定は、datasetbackuprestoreorabackuporarestorescancontrolmediamovementまたはduplicationです。詳細は、「job-type」を参照してください。

Level

バックアップ・レベルを指定します。デフォルトのレベルは0(ゼロ)です。詳細は、「backup-level」を参照してください。

Family

ジョブに使用するメディア・ファミリを指定します。

Encryption

on: Oracle Secure Backupにより暗号化されたバックアップ

transient: ユーザー入力による1回かぎりのパスフェーズを使用してOracle Secure Backupにより暗号化されたバックアップ

forcedoff: 暗号化されなかったオンデマンド・バックアップ(ホストで必須の暗号化設定に優先)

off: バックアップを暗号化しない場合

hardware: 暗号化に対応しているテープ・ドライブによってバックアップを暗号化する場合

transient_hardware: 暗号化に対応しているテープ・ドライブによって一時バックアップを暗号化する場合

RMAN: Recovery Manager(RMAN)により暗号化されたバックアップ

このフィールドには、完了しなかったRMANバックアップ・ジョブに対するawaiting job completionが表示されます。RMANバックアップの終了時にのみ、このフィールドには、バックアップの暗号化状態がレポートされます。

バックアップの暗号化の詳細は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。

Scheduled time

ジョブの開始がスケジュールされた時間。

Contents

使用されたデータセットまたはバックアップされたホスト。

State

ジョブの状態。設定は、processedpendingcompleted successfullyfailedまたはwaiting for input since date-timestampです。

注意: waiting for input since date-timestamp状態は、ジョブが実行されたものの、現在ブロックされ、ユーザーの入力待ち状態であることを示します。この入力はrpyjobを使用して供給できます。

Priority

ジョブの優先度レベル。1が最も高い優先度です。

Privileged op

ジョブに対する管理者権限の必要有無。

Run on host

ジョブが実行されるホスト。

Attempts

Oracle Secure Backupによりジョブの実行が試行される回数。


例2-58 状態によるジョブのフィルタ処理

この例では、完了状態のジョブを表示しています。

ob> lsjob --complete
Job ID     Sched time  Contents                          State
---------- ----------- --------------------------------- ------------------------------------------
admin/1    none        dataset tbrset/entire_backup      completed successfully at 2007/06/13.10:11
admin/1.1  none        backup brhost2                    completed successfully at 2007/06/13.10:11
admin/2    none        restore 1 item to brhost2         completed successfully at 2007/06/13.10:11
sbt/1      none        database tstvw1 (dbid=1586108579) completed successfully at 2007/06/13.10:15
sbt/1.1    none        archivelog backup                 completed successfully at 2007/06/13.10:15
sbt/2      none        database tstvw1 (dbid=1586108579) completed successfully at 2007/06/13.10:16
sbt/2.1    none        controlfile autobackup            completed successfully at 2007/06/13.10:16
sbt/3      none        database tstvw1 (dbid=1586108579) completed successfully at 2007/06/13.10:16
sbt/3.1    none        datafile backup                   completed successfully at 2007/06/13.10:16
sbt/4      none        database tstvw1 (dbid=1586108579) completed successfully at 2007/06/13.10:17
sbt/4.1    none        restore piece '03ik5p7p_1_1'      completed successfully at 2007/06/13.10:17

例2-59 時間によるジョブのフィルタ処理

この例では、今日のみアクティブなジョブおよび保留中のジョブを表示しています。

ob> lsjob --today
Job ID           Sched time  Contents                       State
---------------- ----------- ------------------------------ -----------------------------------
5                06/13.04:00 dataset datadir.ds             processed; host backup(s) scheduled

例2-60 ホストによるジョブのフィルタ処理

この例では、ホストbrhost2で実行されている、すべての状態のジョブを表示しています。

ob> lsjob --all --short --oneperline --host brhost2
admin/1.1
admin/2

例2-61 ユーザーによるジョブのフィルタ処理

この例では、Oracle Secure Backupユーザーsbtが所有者である、アクティブおよび保留中のジョブを表示しています。

ob> lsjob --user sbt
Job ID           Sched time  Contents                       State
---------------- ----------- ------------------------------ ---------------------
admin/13         06/23.00:00 dataset fullbackup.ds          future work

例2-62 無効にされたジョブの表示

この例では、無効にされたアクティブなジョブおよび保留中のジョブを表示しています。

ob> lsjob --superseded
Job ID           Sched time  Contents                       State
---------------- ----------- ------------------------------ ----------------------
admin/13         06/23.00:00 dataset fullbackup.ds          future work

例2-63 長い形式でのジョブ・データの表示

この例では、アクティブなジョブおよび保留中のジョブを長い形式で表示しています。

ob> lsjob --long
5:
    Type:                   datadir.ds
    Level:                  full
    Family:                 full
    Encryption:             on
    Scheduled time:         06/13.04:00
    State:                  processed; host backup(s) scheduled
    Priority:               5
    Privileged op:          no
    Run on host:            (administrative server)
    Attempts:               1

例2-64 すべての時間関連データの表示

この例では、アクティブなジョブおよび保留中のジョブの時間関連データをすべて表示しています。

ob> lsjob --times
Job ID           Sched time  Contents                       State
---------------- ----------- ------------------------------ ----------------------
5                06/13.04:00 dataset datadir.ds             processed; host backup(s) scheduled
    introduced 2007/06/13.13:37, earliest exec 06/13.04:00, last update
    2007/06/13.13:37, expires 2007/07/13.04:00