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Oracle® Business Intelligence Applications新機能ガイド
リリース7.9.6.2
B61365-01
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6 Oracle Project Analyticsの新機能と更新

この章の内容は次のとおりです。

6.1 Oracle EBS用の新しいサブジェクト・エリア「プロジェクト取引約定」

この項の内容は次のとおりです。

6.1.1 概要

Oracle EBS用として、次の新機能がOracle Project Analyticsに追加されました。

  • 「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリア

  • 「プロジェクト実績」サブジェクト・エリアに対する取引約定指標

「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリアには、プロジェクト取引約定に関するレポートを作成するための機能が用意されています。このレポートには、組織、プロジェクト、タスク、リソース、および関連する階層ごとの請求書、発注書、サプライヤ請求書の合計行と負債額が組み込まれています。これにより、取引約定を取引約定のドキュメント・レベルで追跡できます。

Oracle Business Analytics Warehouseには、新しいサブジェクト・エリアをサポートするための新しいスター・スキーマがあります。このスターには、すべての取引約定とその構成要素に関するレポートを作成するための指標が用意されており、請求書、発注書、サプライヤ請求書の数量と金額が組み込まれています。

スター・スキーマの中央に位置するW_PROJ_COMMITMENT_Fファクト表には、トランザクション・ソースPA_COMMITMENT_TXNSから取得された最新の取引約定データが格納されます。

既存の取引約定レポートは、新しい指標と次元を使用するように再設計されています。

6.1.2 前提作業

この章の構成手順を実行する前に、Oracle Business Intelligence Analytics Informatica PowerCenterユーザーのための構成ガイドに記載されている次の章の説明に従って、ソースに依存しない構成手順を実行します。

  • 「共通のエリアと次元」

  • 「Oracle Project Analyticsの構成」

6.1.3 「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリアの構成手順

新規の「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリアを使用するには、Oracle EBSの実装で組織が使用する取引約定タイプをdomainValues_Project_CommitmentType_ora<ver>.csvファイルに構成する必要があります。

表6-1に、「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリアのCSVワークシート・ファイルとドメイン値の説明を示します。

表6-1 「プロジェクト取引約定」サブジェクト・エリアのCSVワークシート・ファイルとドメイン値

ドメイン値 ドメイン値表の列 説明 セッション

domainValues_Project_CommitmentType_ora<ver>.csv

W_PROJ_COMMITMENT_F.W_COMMITMENT_TYPE

Oracle11i/12 Applicationの取引約定タイプ・コードとそれに対応する取引約定タイプのドメイン値の一覧です。

SDE_ORA_ProjectCommitmentFact


domainValues_Project_CommitmentType_ora<ver>.csvを構成するには:

  1. 次のSQLを使用して、Oracle EBSソース・システムのプロジェクト取引約定タイプを特定します。

    SELECT LOOKUP_CODE FROM FND_LOOKUP_VALUES WHERE LOOKUP_TYPE = 'COMMITMENT LINE TYPE'
    
  2. テキスト・エディタを使用して、$pmserver\lkpfilesフォルダにあるdomainValues_Project_CommitmentType_ora<ver>.csvファイルを開きます。

  3. このファイルのCOMMITMENT_TYPE列にLOOKUP_CODEをコピーします。6行目以降のデータをコピーしてください。カンマを使用してエントリを区切ります。

  4. 各参照コード(COMMITMENT_TYPE)を1つのドメイン値とそれに対応する意味にマップします。プロジェクト取引約定の詳細は、Oracle Business Analytics Warehouseデータ・モデル・リファレンスを参照してください。

  5. 保存してファイルを閉じます。

6.2 Oracle Project Analytics用のユニバーサル・アダプタに対する更新

この項に記載されている構成手順を実行する前に、次のガイドを参照してください。

構成手順のドキュメントに記載されているCSVファイルの他に次のCSVファイルを構成して、コード次元が正常にロードされた後、コードと名前の組合せが次元表で正しく解決されるようにする必要があります。

ETLの実行時に「Not Null」エラーが発生しないようにするために、原則として数値の列にはデフォルト値の0を、文字列の列には「N/A」または「Unspecified」を使用します。日付フィールドもNullにしてかまいません。

ファクト・ステージング表内の次元IDフィールドには、各種次元のintegration_idを移入する必要があります。そうしないと、そのファクト表の次元IDフィールドがデフォルトで0になるため注意してください。

次のSQLを使用して、DACメタデータからプロジェクトのファクトの外部キー情報を取得します。また、スター・スキーマのダイアグラムとその他の外部キー情報については、Oracle Business Analytics Warehouseデータ・モデル・リファレンスを参照してください。

select a.name tbl, b.name col, aa.name fk_tbl, bb.name fk_col
from W_ETL_TABLE a, W_ETL_TABLE_COL b,W_ETL_TABLE aa, W_ETL_TABLE_COL bb
where a.row_wid  = b.table_wid
and b.fk_table_wid = aa.row_wid  
and b.fk_col_wid = bb.row_wid
and a.name like 'W_PROJ%F'
and b.name like '%WID'
AND B.NAME NOT IN ('ETL_PROC_WID')
order by 1,2;

同様に、プロジェクトが使用する共通の次元(W_INT_ORG_D、W_MCAL_DAY_D、W_MCAL_CONTEXT_G、W_EMPLOYE_D、W_JOB_D、W_INVENTORY_PRODUCT_Dなど)についても、ソース・ファイルから正しく移入する必要があります。

W_MCAL_CONTEXT_Gには、2つの値(GLまたはPROJECTS)を保持するためのクラス・フィールドがあります。ファクト表のプロジェクト会計日付を解決するには、この表にクラス「PROJECTS」のデータが存在する必要があります。

6.3 Oracle EBSのプロジェクト顧客用の構成の更新

デフォルトでは、Oracle EBSのPA_PROJECT_CUSTOMERS表には「PRIMARY」関係コードしかありません。そのため、Informaticaの参照に値が追加されました。この参照は、ソースの抽出マッピングでプロジェクト次元にプロジェクトの顧客を取得する際に使用されます。顧客は、関係値として「OVERRIDE CUSTOMER」などの値を追加で定義できます。この場合、追加する値がすべて参照に含まれるように編集する必要があります。

参照を編集するには:

  1. PowerCenter Designerを開いて、この変更の反映先となるInformaticaリポジトリに接続します。

  2. Informaticaリポジトリの「SDE_ORA_11510_Adaptor」フォルダまたは「SDE_ORA_R12_Adaptor」フォルダを開きます。

  3. マッピングSDE_ORA_ProjectDimensionを開いて、そこにあるmplt_SA_ORA_ProjectDimensionマップレットを開きます。

  4. mplt_SA_ORA_ProjectDimensionマップレットをチェックアウトします。

  5. 参照LKP_PROJ_CUSTを開いて、「Properties」タブを選択し、SQL問合せを開きます。

  6. 既存のSQLを削除して、次のサンプルSQLを追加します。ここでは、値として「PRIMARY」および「OVERRIDE CUSTOMER」を使用することを想定していますが、構成内容に応じて値を変更してください。この値をいずれの関係からも独立させる場合は、PROJECT_RELATIONSHIP_CODEのフィルタを削除してください。

    SELECT MAX(PA_PROJECT_CUSTOMERS.CUSTOMER_ID) AS CUSTOMER_ID,
    PA_PROJECT_CUSTOMERS.PROJECT_ID            AS PROJECT_ID
    FROM PA_PROJECT_CUSTOMERS
    WHERE UPPER(PA_PROJECT_CUSTOMERS.PROJECT_RELATIONSHIP_CODE) in ('PRIMARY','OVERRIDE CUSTOMER')
    AND PA_PROJECT_CUSTOMERS.CUSTOMER_BILL_SPLIT                   =
      (SELECT MAX(CUSTOMER_BILL_SPLIT)
      FROM PA_PROJECT_CUSTOMERS A
      WHERE A.PROJECT_ID = PA_PROJECT_CUSTOMERS.PROJECT_ID
      and UPPER(a.PROJECT_RELATIONSHIP_CODE) in ('PRIMARY','OVERRIDE CUSTOMER')
      )
    GROUP BY PA_PROJECT_CUSTOMERS.PROJECT_ID 
    
  7. 参照SQLを検証して「OK」を2回クリックしたら、リポジトリを保存してマップレットをチェックインします。マッピングが有効になっていることを確認します。

  8. PowerCenter Workflow Managerを開いて、リポジトリ・フォルダ「SDE_ORA_11510_Adaptor」または「SDE_ORA_R12_Adaptor」のいずれかに接続します。

    1. 「Task Developer」タブでSDE_ORA_Projectセッションをチェックアウトします。

    2. セッションで検証、保存、および確認を行います。

    3. リポジトリを保存します。

6.4 コスト集計単位が期間または年に設定されている場合のRPD構成方法に関するMy Oracle Supportテクニカル・ノート

コスト(W_PROJ_COST_A)の集計単位を会計期間、会計四半期または会計年に構成する方法について、My Oracle Supportにテクニカル・ノートが掲載されています。

My Oracle Supportでこの注意事項を確認するには、検索フィールドに「1088171.1」と入力します。

6.5 プロジェクト予算および売上予想ファクト用の新しい次元

Oracle Project Analyticsに支出カテゴリ次元が追加されました。この新しい次元は、Oracle Business Analytics Warehouseデータ・モデル・リファレンスに記載されているプロジェクト予算と売上予想ファクトに追加された次元です。

6.6 プロジェクト予算ファクト用の線形拡散指標

Oracle EBS Projectアプリケーションでは、特定の期間に対する費用金額、ITD費用金額、またはPTD費用金額を計算する際に、予算明細金額が予算明細期間のすべての日(週末も含めて)に均等に分割されます。デフォルトでは、Oracle Project Analyticsはすべての予算明細金額を予算明細開始日も含めた期間に割り当てます。Oracle Projectアプリケーションで採用される計算方法をサポートするために必要なメタデータは、すべてRPDに用意されています。Oracle Projectアプリケーションでは、線形拡散を使用してPTDおよびITD指標を計算します。

新しい論理表「ファクト – プロジェクト予算線形拡散」が追加されました。この表には、線形拡散ロジックを使用してビジネス・モデルおよびマッピング・レイヤーで作成される予算指標が格納されます。ただし、新しい指標はプレゼンテーション・レイヤーには公開されません。プレゼンテーション・レイヤーの既存の予算指標を新しい指標に置き換えるか(新旧の論理予算ファクト表で使用されている指標名は同じ)、新しい指標を公開するための新規サブジェクト・エリアを作成できます。1つ目のオプションの場合、既存のレポートを変更せずに、予算指標とともに再利用できます。