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Oracle® Fail Safe概要および管理ガイド
リリース3.4.2 for Microsoft Windows
B63057-01
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A ネットワーク構成に関する注意事項

この付録では、Microsoft Windowsソフトウェアのネットワークに関する注意事項を説明します。

この付録では、次の項目について説明します。

A.1 ホスト名およびIPアドレスの登録

IPアドレスとそれに対応するホスト名は、WINSを使用するかどうかにかかわらず、各クラスタ・ノード上の(システム・ディレクトリの下のsystem32\drivers\etc\ディレクトリ内にある)Hostsファイル、またはDNSのいずれかに登録する必要があります。次のアドレスをすべて登録する必要があります。

名前レジストリ(DNSサーバーまたはHostsファイル)のいずれかに変更を加えた場合は、次のコマンドを使用して、ローカル・キャッシュを削除し、変更を有効にします。

nbtstat -R

A.2 クラスタ内の正しい名前解決の有効性検査

この項では、全システムに対してpingを実行し、IPアドレスとホスト名が正しく登録されていることを確認する方法を説明します。この項で説明する手順を実行して、ホスト自体からホスト名に対してpingを実行した場合も、他の任意のシステムからpingを実行した場合も、同一のIPアドレスが返されることを確認します。

2つのシステムから構成されるクラスタと1つのクライアント・システムがあるとします。これらのシステムとクラスタ別名のホスト名を次の表に示します。

システム ホスト名
クラスタ・システム1 ClusterHost1
クラスタ・システム2 ClusterHost2
クラスタ別名 ClusterAlias
クライアント・システム ClientHost

クラスタ・システム1、クラスタ・システム2およびクライアント・システムの各システム上で、4つのホスト名すべてに対してpingを実行します。たとえば、クラスタ・システム1で次を実行します。

ping ClusterHost1

ping ClusterHost2

ping ClusterAlias

ping ClientHost

pingを実行した各ホスト名に対して、pingテストでは同一のIPアドレスが返されます。たとえば、ClusterHost1がIPアドレス192.1.99.202にマップするように登録されている場合、クラスタ・システム1、クラスタ・システム2およびクライアント・システム上でのClusterHost1のpingにより、192.1.99.202が返されます。

pingテストがすべて正常に終了した場合、ネットワークは正しく構成されています。

pingテストのいずれかで正しいIPアドレスが返されなかった場合は、A.4項を参照してください。

A.3 クラスタ・ノードのIPアドレスの変更

通常、Microsoft Windowsクラスタ・システムは2つのノードと2つのネットワークで構成されます。ネットワークの1つは、クラスタのクライアントが使用するパブリック・ネットワークです。もう1つはクラスタ・インターコネクトと呼ばれるプライベート・ネットワークで、クラスタのハードウェアおよびソフトウェアが2つのノードの動作中の状態を監視するために内部的に使用します。

そのため、各ノードは少なくともパブリック・ネットワーク用とプライベート・ネットワーク用に1つずつ、合計2つのIPアドレスを持ちます(たとえば、192.168.10.1がパブリック・ネットワークのIPアドレス、10.10.0.1がプライベート・ネットワークのIPアドレスになります)。

これらのアドレスはMicrosoft Cluster Serverソフトウェアで指定します。

次の手順は、Microsoft Windowsクラスタ内のクラスタ・ノードのIPアドレスを変更する方法について説明したものです。この手順では、ノードAとノードBという2つのクラスタ・ノードが存在すると仮定しています。特に指定のないかぎり、手順はノードAに対して実行します。

  1. Oracle Fail Safe Managerを開き、Cluster Groupを除くすべてのグループをオフライン化します。(ツリー・ビューでグループを右クリックし、「オフラインに設定」を選択します。Cluster Groupを除くすべてのグループがオフラインになるまで、この操作を繰り返します。)

  2. Oracle Fail Safe Managerを閉じます。

  3. MSCSクラスタ アドミニストレータを開き、Cluster Groupを除くすべてのグループがオフラインであることを確認します。その後、次の手順に従います。

    1. ツリー・ビューで「リソース」フォルダを選択します。

    2. 「Oracle Services for MSCS」を右クリックして、「オフラインにする」を選択します。

    3. グループを右クリックし、グループの移動を選択します。すべてのグループがノードBに移動されるまで、この操作を繰り返します。

  4. クラスタのIPアドレス(ノードA)をMSCSクラスタ アドミニストレータで次のように変更します。

    1. 「リソース」フォルダを選択します。

    2. 「クラスタ IP アドレス」を右クリックします。

    3. 「プロパティ」を選択します。

    4. IPアドレスを変更します。

    5. 「OK」をクリックします。

  5. 各グループについて、IPアドレスをMSCSクラスタ アドミニストレータで次のように変更します。

    1. 「リソース」フォルダを選択します。

    2. グループのネットワーク名IP addressを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

    3. 「全般」タブでネットワーク名を変更し、「パラメータ」タブでIPアドレスの名前を変更します。

    4. 「適用」をクリックします。

    5. すべてのグループについて、手順bからdを繰り返します。

  6. ノードAのネットワーク・アダプタのIPアドレスを変更します。(手順については、Microsoft社のWebサイトで公開されている「Microsoft Article ID: Q230356 - Changing the IP Address of Network Adapters in Cluster Server」を参照してください。)

  7. ノードAを再起動します。

  8. ノードAが再起動されたら、MSCSクラスタ アドミニストレータを開きます。

  9. グループを右クリックし、グループの移動を選択します。すべてのグループがノードAに移動されるまで、この操作を繰り返します。

  10. ノードBのネットワーク・アダプタのIPアドレスを変更します。

  11. ノードBを再起動します。

  12. ノードBが再起動されたら、ノードAとノードBの両方でホスト・ファイルを更新します(winnt/system32/drivers/etc/hostにあります)。

  13. 必要に応じてDNSサーバーを更新します。

  14. MSCSクラスタ アドミニストレータを開き、Cluster Groupとすべてのリソースがオンラインであることを確認します。

  15. Oracle Fail Safe Managerを開き、次の手順に従います。

    1. すべてのリソースがオンラインであることを確認します。

    2. ツリー・ビューからクラスタを選び、「トラブルシューティング」メニューで「クラスタの検証」を選択します。ホスト名からIPアドレスを解決する際の問題による警告が発生しないことを確認します。

    3. ツリー・ビューからグループを選択し、「トラブルシューティング」メニューで「グループの検証」を選択します。この場合、Oracle Net構成ファイルとMicrosoft Windowsサービスで数多くのエラーが報告され、エラーを修正するかどうかを尋ねられます。修正結果をすべて受け入れて、修正結果の提示と警告の発生がなくなるまで「グループの検証」操作を繰り返し実行します。

    4. クラスタの各グループについて、手順15cを繰り返します。

    5. 両方のノードで各グループの手動フェイルオーバーをテストし、次にクライアントからの接続性をテストします。(グループの手動フェイルオーバーをテストするには、Oracle Fail Safe Managerのツリー・ビューでグループを右クリックし、「グループの移動」を選択します。)

A.4 不適切な名前解決に関する問題のトラブルシューティング

A.2項でのpingテストで正しいアドレスが返されない場合は、次のいずれかが原因です。