この章では、Oracle Fail Safeのインストールと削除における問題のトラブルシューティングに役立つ一般的情報を提供します。この章には、次の各項目が含まれます。
リリース3.4.2より前は、ORACLE_HOME\fs\fsmgr\bin
がシステム・パスの環境変数に含まれていたため、FSCMD
コマンドの呼出しに完全なディレクトリ指定は不要でした。3.4.2以降は、ディレクトリはシステム・パスの環境変数に含まれていません。
FSCMD
実行可能ファイルはORACLE_HOME
\fs\fsmgr\bin
に格納されており、ORACLE_HOME
はOracle Fail Safeホーム・ディレクトリです。ディレクトリをORACLE_HOME
\fs\fsmgr\bin
に設定していない場合、FSCMD
コマンドをの実行時にフル・パスを指定する必要があります。
MSCSがインストールされていないシステム(クライアント・システムなど)でOracle Universal Installerを実行しており、さらにOracle Services for MSCSのインストールを試みる場合、Microsoft Cluster Serverを実行しているクラスタ上にOracle Services for MSCSをインストールする必要があることを示すエラーを表示するためにインストーラによってエラー・ウィンドウが開きます。Oracle Services for MSCSをインストールする前にWindowsフェールオーバー・クラスタを構成する必要があります。
このようなメッセージが表示された場合には、インストールを続行しないでください。「OK」をクリックしてインストール・ウィンドウに戻り、「クライアントのみ」のインストールを選択してください。「クライアントのみ」のインストールの詳細は、第2章を参照してください。
第4章では、Oracle Fail Safeを削除する前にクラスタからノードを削除しないように警告されています。すべてのクラスタ・ノードでノードを削除すると、Fail Safeに関するクラスタ・メタデータ情報が削除されます。
1つのクラスタ・ノードのみからノードを削除すると、クラスタ・メタデータ情報が他のノードで使用できる状態のままです。クラスタ・メタデータの損失を回避するには、クラスタからノードを削除せず、最初のノードにMSCSを再インストールし、インストール手順でプロンプトが表示されたときに既存のクラスタに結合をクリックして、ノードをクラスタに再追加し、クラスタ・メタデータをリカバリします。
Oracle Fail Safeを削除する前にすべてのクラスタ・ノードでノードを誤って削除した場合、Oracle Fail Safe Managerを使用して次の手順を実行することで、データベースをリカバリできます(すべてのクラスタ・ノードにMSCSを再インストールした後)。
Oracle Fail Safe Managerのツリー・ビューでスタンドアロン・リソースを選択します。
「リソース」メニューから、「スタンドアロン・データベースの検証」
操作を選択します。
スタンドアロン・データベースの検証ウィンドウに、スタンドアロン・データベース情報を入力します。
検証が正常に終了したら、リソースをグループに追加ウィザードを使用して、スタンドアロン・リソースをグループに追加します。
注意: Oracle Application Serverなどの、データベース以外の他のリソースの構成を手動でリカバリしなければならない場合があります。 |
Oracle Services for MSCSの実行には、Oracle Services for MSCSを実行するユーザー・アカウントに対して、「バッチ ジョブとしてログオン」および「サービスとしてログオン」のユーザー権利ポリシーが使用可能である必要があります。通常、Oracle Fail Safeをインストールすると、セキュリティの設定時に、ユーザー・アカウントに対してこのユーザー権利が使用可能になります。ただし、場合によってはユーザー権利ポリシーがバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)で正しく作動しないことがあります。この問題は、BDC上のアカウント・データベースが読取り専用で直接変更できないために発生します。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
次のどちらかの操作を実行します。
プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)がクラスタの一部の場合は、PDCにOracle Fail Safeをインストールします。
PDCがクラスタの一部でない場合は、PDCのOracle Services for MSCSユーザー・アカウントに対して、「バッチ ジョブとしてログオン」および「サービスとしてログオン」の権利を付与します。
Server Manager管理ツールを使用して、アカウント・データベースとBDCの同期をとります。
Oracle Fail SafeをBDCにインストールします。