ここでは、このガイドで説明するOracle Content Serverのシステム管理における新しい機能と変更された機能について説明します。
このガイドで説明する11g リリース1(11.1.1)の機能は次のとおりです。
このガイドには、次のOracle Content Serverバージョン10gのドキュメントにすでに記載されている情報も含まれています。
Enterprise Searchの管理
セキュリティおよびユーザー・アクセスの管理
システムの移行の管理
システム設定とプロセスの管理
システムの概要
コンポーネントの処理
Need to Knowコンポーネントのインストールおよび管理ガイド
これには、Oracle Content Server構成を管理するためのOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用に関する章が含まれています。
Oracle Content Serverインスタンスは、Oracle WebLogic Serverインスタンスに、Oracle Universal Content Management (Oracle UCM)システムの一部としてデプロイされ、これにより、Oracle Content Server構成がいくつか変更されます。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用: Oracle Content Serverの機能には、サーバーの起動と停止、特定のサーバー構成パラメータや電子メール構成パラメータの変更、ログ情報の表示、およびパフォーマンス情報の表示など、Fusion Middleware Controlのユーザー・インタフェースで管理できるものがあります。
システム・データベースへの接続: Oracle Content Serverシステムは、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用して、メタデータやその他の情報が格納されているリレーショナル・データベースと通信します。データベース接続および通信の情報は、Oracle Content ServerのSystemPropertiesユーティリティではなく、JpsUserProviderを経由してOracle WebLogic Server管理コンソールで管理されます。そのため、JDBCユーザー名およびパスワードの情報は、Oracle Content Serverのconfig.cfgファイルに格納されません。(SystemPropertiesユーティリティを使用してJdbcUserNameなどのデータベース接続情報を設定する場合、情報は暗号化されて秘密の場所に格納され、悪質な攻撃を阻止します。)
管理ユーティリティをスタンドアロン・アプリケーションとして実行: 特定のOracle Content Serverアプリケーションや管理ユーティリティをスタンドアロン・モードで(つまり、コマンドラインまたはWindowsの「スタート」メニューから)実行するには、データベース接続情報を、Oracle Content Serverのconfig.cfgファイルに入力する必要があります。管理者は、SystemPropertiesユーティリティを実行して、データベース接続情報(データベース・タイプ、データベース・ユーザー名、データベース・ユーザー・パスワードなど)をconfig.cfgファイルに入力する必要があります。この構成を実行しないと、Oracle Content Serverのスタンドアロンのアプリケーションおよびユーティリティは、データベースに接続できないため、スタンドアロン・モードで機能できません。管理者、またはOracle Content Serverインスタンスで作成された割当て済のローカル・ユーザーのみが、管理アプレットをスタンドアロン・モードで実行できます。
データベース接続プーリングおよび管理: Oracle Content Serverシステムは、Oracle WebLogic Serverのデータベース接続プーリングのメカニズムを使用して、データベース通信を処理します。SystemDatabaseプロバイダはまだ存在しており、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用して、実際のデータベース認証および通信を処理します。
デフォルトのユーザー・プロバイダ: JpsUserProviderは、Oracle Content ServerインスタンスとOracle WebLogic Serverドメイン間の通信の、デフォルトのユーザー・プロバイダです。
データベース・プロバイダ: Oracle Content Serverの管理者は、次の2つのうち1つの方法で、Oracle Content Serverシステムにデータベース・プロバイダを作成できます。1つ目の方法では、管理者は、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースをデータベースに作成し、Oracle Content Serverのデータベース・プロバイダを構成して、そのデータ・ソースを使用できます。もう1つの方法では、管理者は、Oracle Content Serverのデータベース・プロバイダを作成して、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースを使用せずに、JDBCでデータベースに直接接続します。この2つ目の方法は、主にリリース10gR3のデプロイメントでこのように接続してアップグレードしているサイト向けに提供されています。
管理サーバー: 各Oracle Content Serverインスタンスには、Oracle Content Server管理サーバー・インスタンスが1つ存在する必要があります。管理サーバーは、同じOracle WebLogic ServerドメインにインストールされているOracle Content Serverインスタンスのみ管理できます。管理サーバーは、サーバーの起動、停止または再起動はサポートしていませんが、構成変更、ステータス情報およびログはサポートしています。Oracle Content Serverインスタンスの停止および起動は、Enterprise Manager Fusion Middleware ControlコンソールまたはOracle WebLogic Server管理コンソールで管理する必要があります。
プロキシ・サーバーおよびマスター・サーバー: Oracle UCMは、プロキシOracle Content Serverインスタンスをサポートしていません。各Oracle WebLogic Serverドメインに、Oracle Content Serverを1つのみデプロイできます。1つのOracle WebLogic Serverドメインは、1つのOracle Content Serverインスタンス、1つのInbound Refineryインスタンス、1つのUniversal Records Managementインスタンス、およびその他のFusion Middlewareアプリケーションを実行できます。複数のOracle Content Serverインスタンスを実行する場合は、各Content Serverインスタンス(およびInbound RefineryインスタンスとUniversal Records Managementインスタンス)に対して、個別のOracle WebLogic Serverドメインが必要です。
Content Serverポート: Oracle Content Serverソフトウェアの初期インストール後は、Oracle Content Serverインスタンスはすべてのポートでリスニングしません。構成後のページでIntradocServerPort
パラメータを設定すると、Oracle Content Serverインスタンスは、指定したポートでリスニングを開始します。必要に応じて、Fusion Middleware Controlを使用して、ポート番号を再構成できます。
HTTPおよびHTTPS: デフォルトでは、Oracle Content ServerインスタンスはHTTPとHTTPSの両方にアクセスできます。Oracle WebLogic Server管理コンソールで、アクセス方法を構成できます。
セキュリティ構成: Oracle Content Serverシステムのセキュリティ構成は、別々に管理されます。ユーザー作成および認証は、Oracle Platform Services Security (OPSS)およびOracle Access Manager (OAM)を使用して、Oracle WebLogic Server管理コンソールで管理されます。シングル・サインオン(SSO)はサポートされています。
ユーザー管理: デフォルトでは、Oracle UCMはOracle WebLogic Serverユーザー・ストアを使用して、Oracle Content Serverインスタンスのユーザー名およびパスワードを管理します。そのため、Oracle Content Serverインスタンスのユーザー管理アプレットではなく、Oracle WebLogic Serverのユーザー管理ツールを使用して、ユーザー管理を実行する必要があります。すべてのユーザー認証は、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアに対して実行されます。管理アプレットを使用して、ローカル・ユーザーを作成し、パスワードを割り当てることができますが、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアでもユーザーを作成し、パスワードを割り当てる必要があります。
エンタープライズ・レベルのシステムの場合、ユーザーを認証および認可するために、Oracle WebLogic Serverユーザー・ストアではなく、Oracle Platform Security Services (OPSS)を使用できます。
システム設定およびプロセスの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
ファイル・ストア・システム: データを管理するファイル・ストア・システムは、コンテンツを保管および編成する従来のファイル・システムの代わりとなります。FileStoreProviderコンポーネントは、Oracle Content Serverインタフェースでファイル・ストア機能を公開し、追加の構成オプションを許可します。Oracle Content Serverをインストールすると、デフォルトで、FileStoreProviderコンポーネントがインストール、有効化およびアップグレードされます。詳細は、4.3項「ファイル・ストア・システムの構成」を参照してください。
セキュリティおよびユーザー・アクセスの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
アクセス制御リスト: アクセス制御リスト(ACL)をサポートするように、Oracle Content Serverインスタンスを構成できます。アクセス制御リストは、ユーザー、グループまたはエンタープライズ・ロールのリストであり、コンテンツ・アイテムに対するアクセス権限または操作権限が指定されています。詳細は、5.6項「アクセス制御リストのセキュリティ」を参照してください。
拡張ユーザー属性: 拡張ユーザー属性コンポーネントによって、管理者はOracle Content Serverユーザーに拡張属性を追加できます。拡張属性は既存のユーザー属性とマージされ、ユーザーの管理の柔軟性を向上させることができます。Oracle Content Serverをインストールすると、デフォルトで、拡張ユーザー属性コンポーネントがインストールおよび有効化されます。詳細は、5.9.3項「拡張ユーザー属性」を参照してください。
検索ツールの管理に関する新しい情報は、次のとおりです。
Oracle SES構成: Oracle Content Serverインスタンスの外部検索エンジンとしてOracle Secure Enterprise Search (Oracle SES)を使用するように、Oracle UCMを構成できます。詳細は、7.2項「Oracle Secure Enterprise Search」を参照してください。
SESCrawlerExport: SESクローラ・エクスポート・コンポーネントは、Oracle Content ServerインスタンスにRSSフィード・ジェネレータとしてとしての機能を追加し、Oracle Secure Enterprise Search (Oracle SES)による検索を可能にします。このコンポーネントは、Oracle Content Serverインスタンスの現在のコンテンツのスナップショットを生成して、Oracle SES Crawlerに提供します。
11gリリース1(11.1.1)の変更点は次のとおりです。
Sysadminユーザー: Oracle Content Serverインスタンスのシステム管理者としての役割を果たすsysadminユーザーは、デフォルトでは作成されません。Oracle Content Serverインスタンスの管理権限を持つユーザーを明示的に作成できます。
ディレクトリ構造: インストール済のOracle UCMサーバーのディレクトリ構造が変更されました。リリース10gR3とは異なり、ランタイム・ファイル、構成ファイル、サーバー構成ファイル、ファイル・ストア、および、Oracle Content Serverインスタンス、Oracle Inbound RefineryインスタンスおよびOracle Universal Records Managementインスタンス間で共有する必要があるファイルは、別々の場所にあります。次に示す場所と用語は、Oracle UCM 11g リリース1(11.1.1)のインストールを理解する際に重要です。
IdcHomeDir: この変数は、Oracle UCM(ucm
)サーバー・メディアが存在するECM_ORACLE_HOMEにあるディレクトリを参照します。サーバー・メディアは、Oracle Content Server、Oracle Inbound RefineryおよびOracle Universal Records Managementソフトウェアを実行できます。
DomainHome: この変数は、Oracle WebLogic Serverのアプリケーション・サーバー上で実行するためにOracle UCMサーバーがデプロイされる、ユーザー指定のディレクトリを参照します。DomainHome/ucm/short-product-id/binディレクトリには、intradoc.cfgファイルおよび実行可能ファイルがあります。
short-product-id: この変数は、Oracle WebLogic ServerにデプロイされるOracle UCMサーバーのタイプを参照します。次の値を指定できます。
cs
(Oracle Content Server)
ibr
(Oracle Inbound Refinery)
urm
(Oracle Universal Records Management)
IntradocDir: この変数は、Oracle WebLogic ServerインスタンスのOracle UCMドメインにデプロイされるOracle Content Serverインスタンスに固有の構成およびデータ・ファイル用のルート・ディレクトリを参照します。Oracle Content Serverインスタンスのタイプ(Oracle Content Server(cs
)、Oracle Inbound Refinery(ibr
)またはOracle Universal Records Management(urm
))用に、このIdocスクリプト変数を構成します。このディレクトリは別の場所にあってもかまいませんが、デフォルトの場所はDomainHome/ucm/short-product-id/です。
OracleTextSearch: OracleTextSearchコンポーネントはOracle Content Serverメディアに組み込まれているため、OracleTextSearchエンジンは検索および索引作成のオプションの1つです。OracleTextSearchインタフェースはリポジトリ・マネージャのインデクサ機能と統合されているため、個別のOracleTextSearchページはありません。詳細は、「OracleTextSearch」を参照してください。