この章では、チャージバック・アプリケーション、およびそのアプリケーションの設定および実行に必要となる管理作業の詳細について説明します。また、チャージバックで収集および集計された情報にアクセスして使用するための様々な方法を示します。
内容は次のとおりです。
この項では、チャージバックの最も重要な側面について簡単に説明します。内容は次のとおりです。
チャージバックの目的は、リソースの使用に関するデータを収集し、これらのリソースの使用に対してチャージを割り当てて、結果を包括的な形式で表示することです。
チャージバックは、ITリソースを消費する個人または組織に対するコストの割当てに使用されます。チャージバックは、ITリソースが専有されている状況にも適用できますが、消費量を計測し、それに応じて請求する方法がない場合、ユーザーの必要とする以上のリソースを使用する傾向があるため、リソースが共有されている状況では特に意味を持ちます。ユーザーが自身のリソースをセルフ・サービスでプロビジョニングできるクラウド環境では、これがさらに大きな問題となります。
次の主要なユースケースについて考えます。
組織はOracle ExadataやOracle Exalogicなどの統合プラットフォームを採用するようになっていますが、共有ハードウェア・プラットフォーム上では複数のアプリケーションが実行されています。各アプリケーションで消費されるリソースを測定し、それに応じてチャージを適用できる方法が必要です。これは、ひいては、IT投資のビジネス価値を測定し、アプリケーションに投資利益率(ROI)が高い順に優先順位を付けるのに役立ちます。
クラウド・コンピューティングの人気が上昇しています。クラウド・コンピューティングでは、データベースや仮想マシンなどのリソースのセルフサービス・プロビジョニングが可能であるため、各クラウド・コンシューマが使用するリソースを測定し、消費量に基づいてチャージできることが望まれます。クラウド・コンシューマもまた、最良のビジネス価値を提供し、それによって組織のIT投資のROIに貢献するものに消費を分配することで利益が得られます。
要約すると、チャージバック(またはショーバック)モデルを採用することで、ITおよび部門ユーザーの両方に大きな利益をもたらすことができます。
チャージバックは、ITコストをコントロールできることで、コンシューマの利益となります。
チャージバックは、管理を必要とする物理的なリソースの数を減らしながら使用率を高め、ITにとっての利益となります。
Chargebackは、その名前が示すように、アカウンタビリティのツールです。このアプリケーションの主な用途は、一般に次のように説明できます。
Enterprise Managerが収集する膨大なメトリック・データを集計および正規化することで、リソース使用率を測定します。
リソースを使用するコンシューマに金額をチャージする方法を提供します。
コンシューマに使用明細および関連するチャージ明細を提供します。
チャージバックはリソースの使用に基づいてチャージを計算します。通常、リソースはEnterprise Managerターゲットに関連付けられています。チャージバックは、Enterprise Managerターゲットのサブセットのメトリックおよび構成情報を収集してチャージを計算します。リソースには、Enterprise Managerで監視およびチャージするようにインテグレータがカスタマイズするものもあります。チャージバックでは、これらのEnterprise Managerターゲットとカスタム・リソースをエンティティとして集合的に認識します。カスタム・エンティティの作成の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control拡張プログラマーズ・ガイド』を参照してください。
注意: 現在、即時利用可能なチャージバック・サポートが存在しないEnterprise Managerターゲット・タイプにチャージバック・サポートを追加することもできます。詳細は、第56章「EMCLI動詞によるチャージバックとメータリング」を参照してください。 |
チャージバックには、使用モードの概念、つまり、エンティティの計測方法が含まれます。エンティティ・タイプを作成するインテグレータが、関連付けられた使用モードを定義します。すべてのエンティティ・タイプにはデフォルトの使用モードがあります。管理者は、チャージバックにエンティティを追加するときに、そのエンティティにデフォルト以外の使用モードがある場合、ある状況下で適用可能な使用モードを決定します。一般的な使用モードは次のとおりです。
メーター制 - 単一のコスト・センターに対してチャージが発生
サービスによる計測 - 複数のサービスを伴うデータベース・インスタンスのサービスによる請求。サービスによるチャージは、異なるコスト・センターに対してチャージすることも、すべてのサービスを同じコスト・センターに対してチャージすることもできます
J2EEアプリケーションによる計測 - J2EEアプリケーションによるWebLogic Serverの請求。アプリケーションによるチャージでは、異なるコスト・センターに対しチャージします
チャージバックにエンティティを追加する方法の詳細は、第43.2.6項を参照してください。
チャージ・プランは、チャージ対象のリソースおよびそれらに関連付けられているレートを定義します。チャージバックには、ユニバーサル・チャージ・プランと拡張チャージ・プランの2つのタイプがあります。
ユニバーサル・チャージ・プラン
ユニバーサル・チャージ・プランには、次の3つの共通リソースに対するレートが含まれます。
CPU
メモリー
記憶域
ユニバーサル・プランはすべてのエンティティ・タイプに適用されるわけではありません。たとえば、ユニバーサル・レートは、J2EEアプリケーションには適用されません。
拡張チャージ・プラン
CPU、メモリーおよび記憶域は様々なエンティティ・タイプのチャージバックに使用できますが、エンティティ固有のチャージが必要な場合もあります。たとえば、ホストOSのタイプ(WindowsまたはLinux)、またはパーティション化などのデータベース・オプションに基づいてチャージすることが必要な場合があります。このような場合に、拡張チャージ・プランを使用できます。拡張チャージ・プランは非常に柔軟性があり、チャージバックの管理者は次のことを行うことができます。
エンティティ・タイプ固有のチャージの定義
構成および使用ベースのレートの定義
構成または使用状況に関係しない定額チャージの定義
ユニバーサル・プランのレートのオーバライドまたは調整
チャージバックでは、お客様の環境に適した独自の拡張プランを作成するためのサンプルとして使用できる、即時利用可能な拡張プランが提供されています。付属のプランは、マシン・サイズによってチャージ・アイテムや適用可能レートが異なる、Oracle VMゲスト・エンティティ・タイプに対するチャージを定義します。
チャージ・プランの使用方法の詳細は、第43.2.4項を参照してください。
リソースの消費に対するチャージを計算したら、これらのチャージをどこかに割り当てる必要があります。チャージバックでは、これらのコストをコスト・センターに割り当てます。コスト・センターは一般にビジネス階層に編成され、販売、エンジニアリング、人事などのビジネス単位に対応しています。コスト・センター階層はチャージバック・アプリケーション内で定義され、使用量およびチャージをレポートする際に、ロールアップおよびドリルダウンのために使用されます。チャージバック以外に設定されたコスト・センター・プロパティに基づくデフォルトのメカニズムもあります。コスト・センターを作成する方法の詳細は、第43.2.5項を参照してください。
チャージバックを設定するメリットは、情報という資産をすぐに入手できることです。円グラフ、棒グラフなど様々な形式で、情報を入手できます。コスト・センター、エンティティ・タイプ、リソースごとに詳細にドリルダウンできます。傾向レポートには、一定期間(最大1年)のチャージおよびリソース使用率が示され、ITリソース・プランニングに役立ちます。アプリケーション内で管理者が利用できるレポート機能の他に、セルフ・サービス・ユーザーはセルフ・サービス・ポータル内でエンティティに関連するチャージバック情報を確認でき、部門ユーザーはBIパブリッシャ・レポートでチャージバック情報を確認できます。
レポート・サイクル
チャージバックは、現在のカレンダ月に対するチャージを計算します。これは、レポート・サイクルとなります。構成されているチャージ・プランおよびレートに対するすべての調整は、レポート・サイクルの最初の日(現在の月の最初の日)からの使用状況に対して、遡及的に適用されます。以前のカレンダ月で発生したチャージは、チャージ済とみなされます。このため、チャージ・プランを変更しても、以前の月について計算されたチャージは影響を受けません。
チャージバック情報にアクセスする方法の詳細は、第43.3項を参照してください。
この項では、チャージバック・サービスを実装およびサポートするために実行すべき次のタスクについて説明します。
これらのタスクを実行する担当者は、必要な権限を持っている必要があります。これらの権限は、EM_CBA_ADMINロールを使用して付与できます。
注意: チャージバックを設定して使用する方法の視覚的デモンストレーションを表示するには、次のURLを使用して、「Oracle Enterprise Manager 12c: Metering and Chargeback」というビデオを視聴してください。
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図43-1は、チャージバックの設定に必要な手順の簡単なワークフローを示しています。
次のような初期設定は、タスクを定期的に実行します。
チャージバックへの新規エンティティの追加
チャージ・プランの更新
チャージ・プランおよびコスト・センターの割当て
次のような他のイベントは、自動的に発生します。
SSAエンティティのチャージが上位のコスト・センターにロールアップされる
コンポジット・エンティティのメンバーである新規エンティティ(VMゾーン内のVMゲストなど)が検出され、チャージバックに追加される
日次データ収集ジョブでは、メトリックおよび構成データの収集に加え、これらの変更を取得します。
日次の収集ジョブの詳細は、第43.2.10項を参照してください。
チャージバックでは、Enterprise Managerが測定のベースとして収集した情報が使用されます。構成ベース、使用状況ベースまたは可用性ベースのチャージバック・メトリックを設定できます。
構成ベースのメトリックとは、CPU数やデータベース・バージョンを指します。これらのメトリックは静的であるとみなされるため、毎日集計されます。
使用状況ベースのメトリックとは、CPU使用率やメモリー消費量を指します。これらのメトリックは、毎時集計されます。
可用性ベースのメトリックは、エンティティを利用できる時間を測定します。エンティティの稼働時間とも呼ばれます。特定時間内でエンティティを利用できるとみなされる分数です。チャージは停止時間用に按分されます。
固定レートでチャージを適応することも可能です。
特定のメトリックにチャージ・レートを定義できるエンティティ・タイプには、ホスト、仮想マシン、WebLogic Server、データベース・インスタンス、スキーマ・サービスおよびプラガブル・データベース(PDB)があります。コンポジット・エンティティ・タイプも、チャージバックに追加できます。これには、クラスタ・データベース、Oracle WebLogicクラスタ、Oracle WebLogicドメイン、Oracle VMゾーン、PaaSインフラストラクチャ・ゾーン、Oracle VMサーバー・プールなどがあります。グループとシステムを追加すると、有効なチャージバック・エンティティであるすべてのメンバーが自動的に含められます。エンティティがチャージバックに追加されると、Enterprise Managerのエンティティ表に対して収集ジョブが1日に1回実行され、チャージバックで使用される情報が抽出されます。
チャージバック・データの保存期間
チャージバックは、収集したデータを次のように保存します。
毎時データは、デフォルトで3か月間使用できます。毎時データの現在の保存期間を表示するには、次の問合せを実行します。
select * from EM_INT_PARTITIONED_TABLES where table_name like@ 'EMCT_CBA_CHARGE_1HOUR'
毎時の保存期間を調整するには、次のコマンド・シーケンスを実行します。
begin gc_interval_partition_mgr.SET_RETENTION('SYSMAN', 'EMCT_CBA_CHARGE_1HOUR', 4); end;
この例では、毎時の保存期間が4か月に延長されます。
日次データは、デフォルトで24か月間使用できます。日次データの現在の保存期間を表示するには、次の問合せを実行します。
select * from EM_INT_PARTITIONED_TABLES where table_name like @ 'EMCT_CBA_CHARGE_1DAY'
日次の保存期間を調整するには、次のコマンド・シーケンスを実行します。
begin gc_interval_partition_mgr.SET_RETENTION('SYSMAN', 'EMCT_CBA_CHARGE_1DAY', 36); end;
この例では、日次の保存期間が36か月に延長されます。
クラウド・コンピューティングの主要コンポーネントは、セルフ・サービス・アプリケーションの機能です。Enterprise ManagerにはOracle VM、データベースおよびミドルウェアのSSAが含まれています。
個々のポータルにアクセスするには、「Enterprise」メニューから「クラウド」を選択し、「セルフ・サービス・ポータル」を選択します。
セルフ・サービス・ポータル・ページで、「管理」ドロップダウン・メニューからサービス・タイプを選択します。
チャージバック用に構成された場合、左ペインの「チャージバック」アイコンをクリックして、選択したサービス・タイプのチャージ傾向と詳細を表示します。
クラウド設定の実行時には、チャージバックに直接リンクして各ゾーンを構成できます。ゾーンの設定は前提条件です。
「設定」メニューから、「クラウド」を選択して、次のように選択します。
インフラストラクチャ: VMタイプを設定します。
PaaSインフラストラクチャ・ゾーン: PaaSインフラストラクチャ・ゾーンを管理します。
データベース: データベース・リソース・プールを設定します。
ミドルウェア: ミドルウェア・リソース・プールを設定します。
テスト: テスト・デザイナがテスト関連のアクティビティを整理するために使用するアプリケーション・タイプを追加します。
各ホーム・ページの左側では、「チャージバック」が選択されています。クリックすると、設定を実行するためのチャージバックへのリンクがある、チャージバック設定の情報ページが表示されます。
チャージバックは、Oracle VMやPaaSインフラストラクチャなど、DBaaS、MWaaS、Schema as a Service (SchaaS)およびPluggable Database as a Service (PdbaaS)を含むいくつかのゾーンをサポートします。
チャージバック内の各ゾーン階層は、「エンティティ」タブで次のように表示されます(「クラウド」カテゴリの下にPaaSインフラストラクチャが、「サーバー、ストレージおよびネットワーク」カテゴリの下にOracle VMが表示されます)。
注意: PaaSインフラストラクチャ・ゾーンには、次に示すように、データベース・インスタンス、RACインスタンス、データベース・サービス、コンポジット・アプリケーション、またはこれらの任意の組合せを含めることができます。 |
ゾーン | ゾーン階層 |
---|---|
PaaSインフラストラクチャ | PaaSインフラストラクチャ・ゾーン
単一インスタンス・データベース クラスタ・データベース データベース・インスタンス1 データベース・インスタンス2 スキーマ・サービス プラガブル・データベース Oracle Composite Application WebLogicドメイン Weblogicクラスタ Oracle WebLogic Server1 Oracle WebLogic Server2 Oracle WebLogic Server |
Oracle VM | Oracle VMゾーン
Oracle VM Serverプール Oracle VMゲスト1 Oracle VMゲスト2 |
次の特性は、すべてのエンティティ・タイプ・ゾーンに当てはまります。
チャージバックにゾーンを追加すると、自動的にすべての子インスタンスが含められます。
チャージバックからゾーンを削除すると、自動的にすべての子インスタンスが削除されます。
明示的にチャージ・プランが割り当てられていない子インスタンスは、階層内のすぐ上の祖先のプランを継承します。
明示的にコスト・センターが割り当てられていない子インスタンスは、階層内のすぐ上の祖先のコスト・センターを継承します。
階層内の特定レベルでチャージを問い合せると、そのレベルより下のすべてのチャージが含められます(直接的または間接的に)。
ゾーンで検出された、またはゾーンに追加された新規メンバーは、次のデータ収集サイクルでチャージバックによって自動的に認識されます。
セルフ・サービスに関するチャージバック管理者は、すべての構成関連タスクを子エンティティ上ではなくセルフ・サービス・ゾーン上で実行する必要があります。
SSAエンティティがチャージバックに追加されるときに、SSAユーザーはコスト・センターとして自動的にSSAエンティティに関連付けられます。コスト・センターを割り当てる方法については、第43.2.7項を参照してください。チャージ・プランを割り当てる場合、ゾーンに割り当てるプランは、他のプランを割り当てられていないゾーン内のすべてのメンバーに適用されます。チャージ・プランを割り当てる方法は、第43.2.8項を参照してください。
「ホーム」タブの「設定」サブタブをクリックして、通貨記号および稼働時間計算のグローバル設定を構成します。
通貨記号
通貨記号のテキスト・ボックスをクリックし、目的の通貨記号を入力して、デフォルトの通貨(USD)を変更できます。新規に選択した通貨は、すべてのチャージ・プラン(ユニバーサル・プランおよびすべての拡張チャージ・プラン)全体のデフォルトの通貨になります。新規の通貨は、履歴レポートを含め、すべてのレポートに反映されます。通貨を変更しても通貨換算は行われません。つまり、数値は同じ状態のままです。ドルからユーロに変更すると、1ドルのチャージは1ユーロのチャージになります。
稼働時間の計算
該当するラジオ・ボタンを選択して、チャージの計算に稼働時間を含めるか無視します。デフォルトでは、稼働時間を考慮事項に含めます。稼働時間を含めると、すべてのエンティティの固定および構成ベースの全チャージの計算に影響します。
チャージバックでは、チャージと割引をそれ相応に按分します。このため、たとえば、エンティティが24時間のうち22.5時間使用可能な場合、日次チャージは1.5時間調整されます。稼働時間設定の変更は、現在のレポート・サイクルの初めから有効になりますが、前のレポート・サイクルには影響しません。すなわち、履歴レポートのチャージが、現在のサイクルの設定に加えられた変更に基づいて比例配分されることはありません。
「保存」をクリックして設定を更新します。
例
稼働時間を計算に入れる場合の差異を示すために、次のチャージ・プラン構成を考えます。
GBのメモリー割当てごとに1日2ドル、およびGBの記憶域ごとに1日1ドルをチャージし、CPU使用率にはチャージしないユニバーサル・チャージ・プラン
基本チャージが1時間1ドルでx5のメモリー割当て調整を行う、ゲストVM (中規模)用の拡張チャージ・プラン
これらのチャージ・プランで、あるユーザーが4 GBのメモリーおよび100 GBのディスク領域を持つゲストVMを2日連続で依頼するとします。初日の稼働時間メトリック・レコードは20時間で、2日目は24時間でした。
稼働時間を計算に入れない場合、1日当たりのチャージは164ドルです。次のように計算されます。
メモリーに1日当たり4ドル(4 GB* $2 * 5)
記憶域に1日当たり100ドル(100 GB * $1)
基本チャージは1日当たり24ドル(24 hours * $1)
稼働時間を計算に入れる場合、1日当たりのチャージから4時間の停止時間を引いて(20/24 * 164)、初日のチャージは137ドル(切上げ)になります。
概要で説明したとおり、チャージ・プランには、ユニバーサル・チャージ・プランと拡張チャージ・プランの2つのタイプがあります。
ユニバーサル・チャージ・プランは、3つの基本的なメトリック(CPU、メモリーおよび記憶域)に対するレートを設けています。たとえば、1つのCPU (汎用)ごとに1日1ドル、メモリーの1GBごとに週2ドル、記憶域の1GBごとに週1ドルをチャージします。オプションで、CPUアーキテクチャごとに別のレートを適用できます。たとえば、PA-RISC、SPARC、x86のそれぞれに異なるレートでチャージします。ユニバーサル・チャージ・プランのリビジョンを複数作成して、後から使用することが可能です。
拡張チャージ・プランは、ユニバーサル・プランを拡張してエンティティ固有のメトリックを含めたものです。エンティティの特性に関連するチャージの実装が必要な場合があります。拡張チャージ・プランは柔軟性をもたらします。エンティティ・タイプによって、レートをチャージできるアイテムが決定されます。
特定のエンティティ・タイプでの使用に適したチャージ・プランを定義する場合、CPU、メモリー、記憶域の3つの基本メトリックでリソースの使用を十分にチャージできるかどうかを、ケースバイケースで判断する必要があります。そうできない場合、エンティティ・タイプに拡張プランを定義する必要があります。
いずれの場合も、一般的な目的でユニバーサル・チャージ・プランを定義できます。その後、拡張チャージ・プランで、ユニバーサル・プランのレートを適用する方法を示すことができます。
拡張チャージ・プランは、エンティティ・タイプ固有のチャージ・アイテムのグループで構成されます。次のエンティティ・タイプで、エンティティ固有のチャージ・テンプレートを使用できます。
Host
Oracle WebLogic Server (J2EEアプリケーションを含む)
Oracle VMゲスト
データベース・インスタンス(データベース・サービスを含む)
プラガブル・データベース(PDB)
スキーマ・サービス
チャージ可能なアイテムと適用されるレート調整は、エンティティ・タイプによって異なります。
拡張プランでは、エンティティ固有のチャージ・アイテムをチャージのベースにすることができます。たとえば、Windows OSが実行するホスト、またはパーティショニング・オプションがインストールされているデータベースに対する追加のチャージを要求できます。さらに、構成または使用ベースのアイテムといった、固定チャージも可能です。たとえば、消費量に関わらず、各ホストに対して1か月100ドルをチャージします。
拡張プランでも、指定されたエンティティ・タイプで使用可能なチャージ・アイテムが、特定のニーズを満たさない場合があります。この場合は、CLI動詞を使用して、カスタム・チャージ・アイテムを導入できます。詳細は、第56章「EMCLI動詞によるチャージバックとメータリング」を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
チャージ・プラン(ユニバーサルまたは拡張)を作成する際には、プランの有効日(常に月の初日)を確定します。プラン・リビジョンは、新しいプラン・リビジョンが作成されるまで使用されますが、このプラン・リビジョンの有効日が前のプラン・リビジョンの終了を決定します。
たとえば、四半期ごとに新しいプラン・リビジョンが有効になる、カレンダ年のチャージ・プランを設定するとします。1月1日に有効になる最初のプラン・リビジョンを作成します。プランの有効日は、「Jan. 1, yyyy - 以降」と表示されます。4月1日に有効になるプラン・リビジョンを作成します。最初のプラン・リビジョンの有効日が「Jan. 1, yyyy - Mar. 31, yyyy」になり、新しいプラン・リビジョンの有効日が「Apr. 1, yyyy - 以降」と表示されます。プラン・リビジョンをさらに2つ作成し、1つの有効日を7月1日に、もう1つの有効日を10月1日にします。これで、有効日が次の日付のプラン・リビジョンが4つになります。
Jan. 1, yyyy - Mar. 31, yyyy
Apr. 1, yyyy - Jun. 30, yyyy
Jul. 1, yyyy - Sep. 30, yyyy
Oct. 1, yyyy - 以降
現在および将来のプラン・リビジョンのみが、「チャージ・プラン」ナビゲーション・ペインに表示されます。期限切れのプラン・リビジョンを取得するには、「表示」メニューから「履歴リビジョン」を選択します。
実行方法はリビジョン日によって異なります。
「ユニバーサル・チャージ・プラン」の有効日が過去から始まる場合、ナビゲーション・ペインでリビジョンを選択し、「作成」メニューから「リビジョン」を選択します。
「ユニバーサル・チャージ・プラン」の有効日が現在または将来の場合、ナビゲーション・ペインでリビジョンを選択し、「レートの設定」をクリックします。
表示されるダイアログで、リビジョンの有効日を選択します。現在使用されているレートへの変更は、サイクルの初めに遡って適用されます。「OK」をクリックします。
チャージ・プラン・エディタで、3つの基本メトリックに対してレートおよびチャージ頻度を設定します。
行を選択してレートを入力し、ドロップダウン・メニューから頻度を選択します。
ここで設定するレートは現在の月の始めから有効になり、それよりも前の月には影響しません。
必要に応じて、異なるCPUアーキテクチャに追加入力を行います。
「追加」ボタンをクリックします。
ドロップダウン・メニューからCPUを選択し、「OK」をクリックします。
表に追加された新しい行にレートを入力し、ドロップダウン・メニューからチャージ頻度を選択します。
実行したら、右上にある「保存」ボタンをクリックして、ユニバーサル・チャージ・プランのリビジョンを完了します。
「作成」メニューから、「プラン」を選択します。チャージ・プラン・エディタが表示されます。
プランの名前を入力します。名前は一意にする必要がありますが、プランから日付ベースの複数のリビジョンを作成できます。
「追加」をクリックします。「エンティティ・タイプの追加」ダイアログが開きます。
サポート対象のエンティティ・タイプのリストから選択します。1つのプランで複数のエンティティ・タイプに対応できるため、ダイアログで複数選択することが可能です。「OK」をクリックします。
1つの構成(デフォルト)が示された状態で、選択したエンティティ・タイプが表に表示されます。
「構成の設定」をクリックして「構成の設定」ダイアログを表示し、「追加」をクリックして「構成の追加」ダイアログを開きます。
選択したエンティティ・タイプの構成を設定する条件を追加します。使用できる条件のリストは、エンティティ・タイプから取得されます。一覧から演算子を選択し、条件値を設定します。値を指定して条件値をリストから選択するか、検索アイコンをクリックしてその他の値を検索できます。
たとえば、ホスト・エンティティ・タイプのマシン・アーキテクチャ(sparc sun4uとAMD64の2つのオプションがある)の条件を設定するとします。必要に応じて「上に移動」および「下に移動」ボタンを使用して、一致する条件の優先順位を設定できます。
構成設定が完了したら、「OK」をクリックします。
図43-2に示すように、チャージ・プラン表には、条件構成と、「その他」というデフォルト構成に関する別の列が表示されます。
構成に設定できる条件は1つのみであることに注意してください。条件を、VMゲストのマシン・サイズから高可用性に変更するとします。これを実行するには、「構成の設定」ダイアログを開き、マシン・サイズの条件アイテムを削除します。「追加」をクリックすると、高可用性の条件アイテムが使用可能になっています。
「アイテムの追加」をクリックして、「アイテムの追加」ダイアログを開きます。このダイアログは、請求目的のエンティティ・タイプに基づいてチャージ・アイテムを追加するために使用します。
ドロップ・ダウン・リストからチャージ・アイテムを選択します。アイテムのリストはエンティティ・タイプから取得されます。特定のアイテムには、ドロップダウン・リストからフラット・レート、単位別などのチャージ・タイプを選択できます。手順5の構成と同じように、条件も設定できます。サービスによって計測されるデータベースの場合、チャージはサービス単位です。J2EEアプリケーションによって計測されるWebLogic Serverの場合、チャージはアプリケーション単位です。選択して「OK」をクリックします。
チャージ・プラン表に、追加したチャージ・アイテムの行が表示されます。各構成に対して列が1つ表示されます。「ヘルプ」アイコンをクリックして、チャージ・アイテムの説明をポップアップで表示します。
チャージ・アイテムの行でレートを指定し、各構成の頻度を選択します。たとえば、SPARCアーキテクチャにユニット当たり1ドル/週、AMDアーキテクチャにユニット当たり0.50ドル/週、その他すべてのアーキテクチャに週当たり0.75ドル/ユニットを請求するエンティティ・タイプ・ホストのCPU数チャージ・アイテムを追加したとします。図43-3に示すように、それぞれの列に適切に入力します。
オプション。この拡張チャージ・プランのユニバーサル・チャージ・プラン基本メトリックに対してレート調整を行います。基本レートの係数を指定することにより、調整を行います。デフォルトは1で、一般的な基本レートを表します。このため、たとえば、1.5と入力して率を50パーセント上げたり、.5と入力して率を50パーセント下げます。ユニバーサル・プラン・レートをすべて無視する場合は、0を入力します。
メトリックのレート係数を開いて、実際のチャージを確認します。たとえば、メモリー割当てのレート調整が1.5で、レートが月に2ドルの場合、調整されたレートは月に3ドルになります。
エンティティ・タイプに使用可能なメトリックは、レート調整が可能かどうかを決定します。たとえば、J2EEアプリケーションによって計測されるWebLogic Serverに対してレート調整を行うことはできません。
たとえば、前述の例のCPUレートについて、AMDアーキテクチャに対しては75パーセントに調整し、SPARCに対しては125パーセントに調整し、その他についてはそのままにするとします。図43-4に示すように、適切に入力します。
実行したら、右上にある「保存」ボタンをクリックして、エンティティ・タイプの拡張チャージ・プランのリビジョンを完了します。
適切なエンティティ・タイプのエンティティ・インスタンスに拡張チャージ・プランを割り当てることができます。拡張チャージ・プランは、月の始めから自動的に有効となることを忘れないでください。
チャージ・アイテム・ライブラリにより、チャージバック・インストール内で既知のチャージ・アイテムに関する詳細情報を一目で確認できます。これには、既知のEnterprise Managerターゲット・タイプに加えて、インテグレータによって導入されたカスタム・エンティティ・タイプのすべてのチャージ・アイテムが含まれます。
多くの場合、チャージ・アイテムはそのとおり(使用されるメモリーの量)に受け取ることができます。ただし、それほど明確ではない場合もあります。データベース・メモリー使用のチャージは、割り当てられたSGAメモリーと使用されるメモリー量のどちらについて計算されますか。CPU時間またはDB時間の使用量を判断するために使用される基になるメトリックまたは構成は何ですか。このようなケースでは、使用値はチャージの計算に使用される式またはカスタマイズされた問合せの一部にすぎません。任意のイベントで、拡張チャージ・プランを作成する際に使用可能な詳細情報を利用できます。
「Enterprise」メニューで、「チャージバック」を選択し、「チャージ・プラン」タブをクリックします。
チャージ・アイテム・ライブラリ・アイコンをクリックします。
チャージ・アイテム・メタデータ・ブラウザが開き、すべての既知のチャージ・アイテムの表が表示されます。
オプション。「表示」メニューから「列」を選択し、表示を変更したり、関心がありそうな非表示の列を表示させたりします。
オプション。「エクスポート」をクリックして、スプレッドシート内のチャージ・アイテムのメタデータ・コンテンツを保存します。
チャージ・アイテムのメタデータを表示する際は、次の点を考慮してください。
情報は、エンティティ・タイプ別に編成されます。
リソース・カテゴリは、チャージバックがチャージ・アイテムを整理するために使用する内部バケットです。
ソース・タイプは、使用ベース、構成ベース、または固定としてチャージ・アイテムを示します。
「チャージ可能」とは、アイテムに定義できるレートのことです。「チャージ可能」列にチェックがないアイテムには、定義されたレートがありません。たとえば、マシン・アーキテクチャは、チャージ可能アイテムではなく、条件です。
「無効」インジケータは、選択した使用モードがエンティティ・タイプに適していないことを意味します。
「ユーザー定義」は、カスタム・チャージ・アイテムをデフォルトのチャージ・アイテムと区別します。
非アクティブなチャージ・アイテムは新しい計画に追加できませんが、既存の計画で使用できます。これは履歴プランを意味する可能性もあります。
「メトリック・グループ」および「メトリック列」は、チャージ・アイテムをEnterprise Managerの収集データにリンクします。詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の「メトリック拡張の使用」の章を参照してください。
拡張チャージ・プランの作成時に指定する条件は、相当な柔軟性を生み出します。構成と呼ばれる変動を作成すると、エンティティ構成に基づいて、チャージする一連のレートを決定できるようになります。構成は、仮想マシンのサイズなど、エンティティのプロパティまたは属性をベースにします。たとえばサンプルの拡張プラン(サンプル・チャージ・プランとして識別)では、マシン・サイズに応じて異なるチャージのセットを適用できるように、仮想マシンのサイズに基づいてVMゲスト・エンティティ・タイプの条件を設定します。構成が設定されていない場合のチャージ・プラン自体や、一致する構成条件がない場合のレコードのチャージ・プランなど、暗黙のデフォルト構成もあります。そのため、サンプルの拡張計画には、小、中、大それぞれのマシン・サイズと、デフォルトの「その他」の4つの構成があります。
同様に、個別のチャージ・アイテムに、チャージを適用するかどうかを決定する条件を設定できます。たとえば、「パーティショニング」という条件のセットは、パーティショニングが使用される場合にのみチャージします。
文字列値の範囲と一致するように、文字列ベースのエンティティ・タイプとチャージ・アイテムでLike演算子を使用します。たとえば、すべての11gリリースと一致するように、データベース・インスタンスにLike演算子を設定します(Like 11%)。または、任意の文字列(またはなし)と一致するように、ワイルドカードとして使用します(Like %)。任意の単一文字と一致するように、アンダースコアを使用します(Like _)。バックスラッシュを使用して、ワイルドカード文字をエスケープします(Like \%)。二重バックスラッシュを使用して、エスケープ文字をエスケープします(Like\\%)。
複数の構成がある場合は、条件をどのように適用するかを決定する優先順位を設定する必要があります。ホスト・オペレーティング・システムに基づいて、次のような構成の順序があるとします。
%Linux%などのOS
%Linux 6%などのOS
デフォルト
OSがどのバージョンのLinuxであっても、常に1つ目が優先されるため、2つ目の条件(Linux 6)がテストされることはありません。そのため、チャージの基準が明確にLinux 6 OSになるよう、Linux 6用のテストを最初にする必要があります。
Like演算子と対比して、Equals演算子は、完全に一致する必要があり、ワイルドカードは認識しません。そのため、たとえばEquals 11.2%と指定した場合、11.2.0や11.2.1は一致しません。Equals 11.2.0またはEquals 11.2.1と指定する必要があります。また、すべての文字列の一致では、大/小文字が区別されることに注意してください。Equals UPPERはEquals upperと同じではありません。また、Not Equals演算子を使用すると、特定の文字列値を除外できます。
次の、その他の条件の例を考えます。
共有データベースに、RACのノードに基づいてチャージする条件を設定します。
専用データベース・インスタンスで、SQL実行チャージ・アイテムを使用して、秒当たりのSQL文の実行に対するチャージ・レートを設定します。
条件を使用すると柔軟性が増します。たとえば、条件なしで多数のチャージ・プランを作成し、エンティティに対して個別に割り当てることができます。または、多数の条件がある単一のチャージ・プランを作成し、これを多くのエンティティに割り当てることもできます。
次の方法で拡張チャージ・プランを更新できます。
現在および将来のサイクルで有効なチャージ・レートに変更を加えます。
既存のプランをベースに次またはそれ以降のレポート・サイクルのプラン・リビジョンを作成します。
現在および将来のサイクルで有効なチャージ・レートに変更を加えるには
ナビゲーション・ペインでプラン・リビジョンを選択して、「レートの設定」をクリックします。
チャージ・アイテムを調整して、レートを有効化します。
「保存」をクリックして、プラン・リビジョンを更新します。
現在のサイクルのチャージ・レートを変更する場合、変更はサイクルの初めに遡って適用されるという警告が示されます。
既存のプランをベースに次またはそれ以降のレポート・サイクルのプラン・リビジョンを作成するには
ナビゲーション・ペインでプランを選択して、「作成」メニューから「リビジョン」を選択します。
表示されるダイアログで、リビジョンの有効日を選択します。デフォルトの日付は、直近に追加されたリビジョンの次の月です。たとえば、現在のサイクルが5月分で、6月のリビジョンが存在している場合、デフォルトの有効日は7月1日です。「OK」をクリックします。
使い慣れた類似物作成モデルでは、ナビゲーション・ペインで選択したプランの構成、チャージ・アイテムおよびレート調整が、右側のプランの詳細表に表示されます。
必要に応じて、プランの詳細を編集します。
エンティティ・タイプを追加および削除します。
構成を追加および削除します。
チャージ・アイテムを追加、変更および削除します。
メトリック・レートを調整します。
終了したら、「保存」をクリックして、プラン・リビジョンを完了します。
コスト・センターは、チャージを集計するための手段です。コスト・センターは、個人、組織内の部門または企業全体にチャージを分配する複数層のビジネス階層です。コスト・センターを設定し、ビジネス・ユニットにユーザーを割り当てることで、ビジネス階層を作成できます。
Enterprise Managerユーザー設定の一部として、管理者をコスト・センターに割り当てることができます。このコスト・センターのプロパティは、デフォルトのコスト・センターのかわりにチャージバックの内の親になります。たとえば、次のようになります。
日次データ収集ジョブは、Enterprise Managerの各ユーザーに対するコスト・センターを作成します。コスト・センターがユーザー設定の一部として割り当てられている場合、ユーザーの日次収集コスト・センターの親になります。それ以外の場合は、チャージバックのデフォルトのコスト・センターが、ユーザーの日次収集コスト・センターの親になります。
コスト・センターは、セットアップ中に自動的にSSAエンティティに割り当てられます。SSAエンティティがチャージバックに追加される前に、コスト・センターがEnterprise Managerユーザー設定の一部としてSSAリクエスタに割り当てられた場合、SSAコスト・センターの親になります。それ以外の場合は、チャージバックのデフォルトのコスト・センターが、SSAコスト・センターの親になります。
Oracleは、チャージバック内のコスト・センター階層を管理する方法として、Enterprise Managerユーザーのコスト・センター・プロパティを使用することをお薦めします。
コスト・センターは、次の方法で生成できます。
チャージバックを管理するEnterprise Managerのユーザーは、そのアカウント・プロファイルのコスト・センターに割り当てられる必要があります。
「設定」メニューから、「セキュリティ」、「管理者」の順に選択します。
検索して対象の管理者を選択してから「編集」をクリックします。
プロパティ・ページで、このユーザーに発生する請求に関連するように、「コスト・センター」プロパティに適切な値を入力します。
確認ページに進み、「終了」をクリックします。
全体的なユーザー・アカウントの作成プロセスの一部として、コスト・センター・プロパティを設定することもできます。
このコスト・センターはチャージバックのデフォルトのコスト・センターに優先されます。
セルフ・サービス・アプリケーションの設定中にサーバー・リクエストを作成すると、ターゲット(たとえばVMゲスト)のコスト・センター・ターゲット・プロパティが、リクエストを作成した担当者のユーザー・ログインに自動的に設定されます。チャージバックにエンティティを構成している場合、ユーザー・ログインがインポートされ、「エンティティ」タブのそのエンティティの「コスト・センター」列に表示されます。その親がEnterprise Managerユーザーのコスト・センターです(割り当てられている場合)。それ以外の場合、チャージバックのデフォルトのコスト・センターに割り当てられます。
SSAエンティティのコスト・センターの割当てを変更することはできませんが、第43.2.5.3項で説明されているとおり、必要に応じてSSAユーザーをデフォルトのコスト・センターから別のより適切なコスト・センターに再割当てすることができます。
同様にチャージバックにエンティティが構成されている場合は、エンティティのコスト・センター・ターゲット・プロパティを適切な値(ユーザーID)に手動で設定すると、その後、この値はインポートされて、「エンティティ」タブの「コスト・センター」列に表示されます。その親がEnterprise Managerユーザーのコスト・センターです(割り当てられている場合)。それ以外の場合、ユーザーIDがチャージバックのデフォルトのコスト・センターに割り当てられ、後で別のコスト・センターに再度割り当てることができます。この方法は、セルフ・サービス以外のエンティティにのみ適していて、チャージバックにエンティティが追加されたときにコスト・センターを自動的に設定する方法を提供します。
この方法でコスト・センターを作成するには
すべてのターゲット・ページで問題のターゲットを選択して、ターゲット・ホーム・ページに移動します。
ターゲット・タイプのメニューから、「ターゲット設定」、「プロパティ」の順に選択します。
「編集」をクリックして「コスト・センター」プロパティの値を入力し、「OK」をクリックします。
ターゲットにチャージバックを構成している場合、説明したとおりに値が表示されます。
チャージバックにすでに追加されているエンティティの「コスト・センター」プロパティを変更した場合、新しい値は認識されません。
セルフ・サービス・ポータルを使用してエンティティをプロビジョニングするユーザーは、チャージバックにSSAエンティティを追加した結果として、関連付られたEnterprise Managerユーザーのコスト・センターの下に表示されます。Oracle Enterprise Managerユーザーのコスト・センターが割り当てられていない場合、SSAユーザーは、チャージバックのデフォルト・コスト・センターの下に表示され、次のプロセスのステップ4に示すように、ユーザーは後で適切なコスト・センターに再割当てできます。また、再割当ては、LDAPを使用して自動化することもできます。
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「コスト・センター」タブを選択し、「追加」ボタンをクリックします。
「新規コスト・センター」ダイアログに、適切な情報を入力します。
コスト・センターには、システム内部で一意に識別できる名前があります。
コスト・センターには、ユーザー・インタフェースや生成されたレポートに表示される意味のわかりやすい名前もあります。
ツリー階層内のコスト・センターの位置、つまり、ルートなのか、ネストされるのかを示します。それに続き、階層内の位置を変更できます。
「OK」をクリックすると、新規コスト・センターが表に示されます。
コスト・センターは一般に、ビジネス組織に相当します。コスト・センター行を選択すると、組織に含まれるユーザーが下の領域に表示されます。ユーザーを割当て解除することもできます。
ユーザーが作成するコスト・センターの他に、未割当てユーザーの決済機構として機能するシステムのデフォルトのコスト・センターもあります。これには次のものがあります。
セルフ・サービス・ユーザー。つまり、SSAを設定する個人のユーザー・ログインで、それ以外に、Enterprise Managerユーザーのコスト・センターが割り当てられていないユーザー
ターゲットのホーム・ページでコスト・センターのターゲット・プロパティとして指定され、それ以外に、Enterprise Managerユーザーのコスト・センターが割り当てられていないユーザー
これらのユーザーを再割当てして、チャージを上位のコスト・センターにロールアップできます。
まず、「コスト・センター」表でデフォルトのコスト・センターを選択します。これにより、デフォルトのコスト・センターに割り当てられているユーザーが公開されます。
次に、「ユーザー」表でユーザーを選択します。
アクティブになった「コスト・センターへの割当て」ボタンをクリックします。
開かれたダイアログでユーザーを割り当てるコスト・センターを指定して、「OK」をクリックします。
ユーザーが指定されたコスト・センターに表示されます。
コスト・センター・リストが大きくなるにつれて、コスト・センターを、たとえばマーケティングごとの売上などで結合する場合があります。そのためには、コスト・センター行を選択し、「アクション」メニューから「移動」を選択します。変更は、現在のレポート・サイクルの最初から有効になります。
開かれたダイアログで、ネストされたコスト・センターを含めるかどうかを指定し、コスト・センターをツリーのどこに移動するかを選択して、「OK」をクリックします。
ある時点で、コスト・センターを非アクティブ化する場合があります。これを行うには、コスト・センターの行を選択し、「削除」ボタンをクリックします。ネストされたコスト・センターも非アクティブ化するかどうかを示します。変更は、現在のレポート・サイクルの最初から有効になります。非アクティブ化とは、コスト・センターをエンティティに割り当てることはできなくなったが、エンティティとの関連付けは前のレポート・サイクルに残ることを意味します。すなわち、前のサイクルのレポートを実行すると、エンティティ割当てが非アクティブ化されたコスト・センターに影響します。
コスト・センターの移動に関する次の点に注意してください。たとえば、コスト・センター(およびそのユーザー)が別の親に移動する場合などです。
エンティティ・リソースのユーザー割当ては同じままです。JDoeに割り当てられたPCはJDoeに割り当てられたままです。
同様に、管理者が割当てを変更していないかぎり、リソース使用量の割当ては同じままです(ただし、レポートのロールアップには新規コスト・センターの親子関係が反映されます)。コスト・センター移動の影響は、コスト・センターおよびユーザーIDに関連する使用量割当ての変更に影響します。
LDAPサーバーからビジネス階層をインポートできます。LDAPサーバーは次のものをサポートしています。
Oracle Internet Directory
Microsoft Active Directory
Sun iPlanet
Novell eDirectory
OpenLDAP
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「コスト・センター」タブを選択します。
「アクション」メニューから「LDAP設定」を選択します。
「LDAP設定」ダイアログが開き、次の値が指定されます。
ドロップダウン・リストからLDAPサーバー・タイプを選択します(デフォルトはOracle Internet Directory)。
LDAPサーバーのホスト名を指定します。
認証IDとして使用するIDを選択します(ユーザー名または電子メール・アドレスなど、LDAPサーバーが認証に使用する属性)。
ログインが必要な場合、チェック・ボックスを選択し、資格証明を指定します(cn=orcladminなど、ユーザー名がLDAPサーバーのプリンシパル)。
LDAPサーバーのポート番号を入力します。
セキュアな接続のチェック・ボックスを選択します。
チェック・ボックスを選択して、カスタム検索ベースを入力します(dc=oracle、dc=comなど、ユーザーを格納するベースDN)。
コスト・センターを保持するレベルを選択します。これは、各レポート・サイクルの最後にLDAPサーバーと同期化するコスト・センター階層内のレベルを示します。LDAP内で指定したレベルより低いレベルは、Chargebackに指定したレベルに含まれます。このため、たとえば、レベル5を指定するときにLDAPに7つのレベルがある場合、LDAPレベル6および7はChargeback内のレベル5に含まれます。
「OK」をクリックします。
LDAPコスト・センターは、手動で作成された同じ名前のコスト・センターを上書きしながら、エンティティ割当てを保持します。エンティティを他のコスト・センターに再割当てすることもできます。
正常にインポートされたLDAPコスト・センター階層により、階層をLDAPサーバー上の階層と同期するために、各レポート・サイクルの最初(通常、月の第1日目)に実行する、スケジュールされた反復可能ジョブが生成されます。「アクション」メニューから「オンデマンドLDAP同期」を選択して、この操作を臨時に実行することもできます。
LDAP同期ジョブは既存のSSAユーザー(SSAエンティティをチャージバックに追加した結果として、すでにチャージバックで認識されているSSAユーザー)のみ同期します。同期ジョブでは、LDAPディレクトリ内のその他(SSAなど)のユーザーを自動的に同期しません。
SSAエンティティがチャージバックに追加される場合、SSAユーザーはデフォルトのコスト・センターに自動的に表示されます。LDAP同期ジョブは、次に、LDAPディレクトリのMANAGER属性によって決定される管理階層構造に基づいて、デフォルトのコスト・センターSSAユーザーをコスト・センター階層に移入します。また、手動で再割当てされたすべてのSSAユーザーのコスト・センターも、同期ジョブによって、同じ管理階層構造に基づいて上書きされます。
リソースをチャージバック内で管理するエンティティを決定します。エンティティを追加し、チャージを計算するメトリックの収集を開始する必要があります。メンバー・インスタンスがチャージバックですでに監視されているReal Application Cluster (RAC)を追加する場合は、まずそれらのインスタンスをチャージバックから削除する必要があります。
特定のデータベース・エンティティ・タイプの場合は、チャージバックにこれらのタイプのエンティティを追加する前に、メトリック収集を有効化する必要があります。
サービスごとに測定されるデータベース・インスタンス
サービスごとに測定されるクラスタ・インスタンス
CDB (単一インストールとRACの両方)
スキーマ・サービスのプロビジョニングに使用されるプール・データベース、およびPaaSインフラストラクチャ・ゾーンの一部として提供されるプラガブル・データベース・サービス
メトリック収集を有効にする方法の詳細は、第43.2.6.1項を参照してください。
CDBはコンポジット・エンティティです。CDBインスタンスを追加する際は、すべてのプラガブル・データベース(PDB)が自動的に検出され、CDBインスタンスの子としてレポートされます。使用状況とチャージは、PDBレベルで計算されます。
PaaSインフラストラクチャ・ゾーン・エンティティを追加する場合、そのすべてのデータベース(単一インスタンスおよびRAC)、データベース・サービスおよびPDBは、自動的に検出され、ゾーンの子としてレポートされます。使用状況とチャージは、エンティティ・レベルで計算されます。
注意: チャージバックで追跡されているPaaSインフラストラクチャ・ゾーンのサービスをプロビジョニングするプール・エンティティは、チャージバックでエンティティとして個別に追跡することはできません。そうすると、チャージ・プランの割当てで動作が不定になることがあります。このため、たとえばPaaSインフラストラクチャ・ゾーンの一部であるPDBサービス・エンティティのプール・エンティティとして機能するCDBは、チャージバックにコンポジット・エンティティとしても追加することはできません。 |
チャージバック・サポートを受けられるEnterprise Managerインスタンスで監視されるエンティティを追加するには、ADD_CHARGEBACK_TARGETロールが割り当てられている必要があります。これがない場合、「エンティティの追加」ボタンは無効になっています。エンティティの追加のプロセスとして、チャージ・プランおよびコスト・センターを割り当てることもでき、MANAGE_CBA_ENTITY_OBJ_PRIV、ASSIGN_CHAREG_PLAN_PRIVおよびASSIGN_CBA_COST_CENTER_PRIVの権限を含める必要があります。
VIEW_CAT_TARGETロールでは、特定のエンティティに関連するチャージバック・データを確認できます。VIEW_ANY_CAT_TARGETロールでは、すべてのエンティティに関連するチャージバック・データを確認できます。
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「エンティティ」タブを選択し、「エンティティの追加」ボタンをクリックします。
エンティティの追加ウィザードが開き、ここで次の手順を実行します。
測定データが表示されるまで、エンティティのチャージバックへの追加後、最大24時間かかることがあります。エンティティでのデータ収集を中止するには、該当するエンティティを選択し、「エンティティの削除」ボタンをクリックします。
注意: チャージバック範囲からエンティティを削除すると、使用量およびチャージ・データが現在のレポート・サイクルから削除されます。この操作への警告は、削除プロセスの一部として表示されます。 |
クラスタ・メンバーの新規サービスが毎日の収集において検出されると、そのサービスはツリー階層のRACノードの下に自動的に表示されます。有効なチャージ・プランが自動的に割り当てられます。それに従ってコスト・センターの割当を行います。
Enterprise Managerデータベース・サービスのメトリックの収集は、デフォルトでは次のエンティティ・タイプに対して無効になります。
データベース・サービスにより計測されるデータベース・インスタンス
データベース・サービスまたはPDBにより計測されるRAC
CDB (単一インストールとRACの両方)
スキーマ・サービスのプロビジョニングに使用されるプール・データベース、およびPaaSインフラストラクチャ・ゾーンの一部として提供されるプラガブル・データベース・サービス
チャージバックがこれらのエンティティでリソースを管理できるようにするには、メトリック収集を有効にする必要があります。
メトリック・データ収集の変更を有効にするには、そのターゲットのMANAGE_TARGET_METRICSロールの割当てが必要です。
「ターゲット」メニューから「データベース」を選択します。
表内でターゲットを特定し、そのホームページを開きます(要求された場合、資格証明を提供します)。
「Oracle Database」メニューから、「監視」を選択し、「メトリックとコレクション設定」を選択します。
メトリックとコレクション設定ページで、ビューを「すべてのメトリック」に変更します。
図43-5で示されているとおり、「EMデータベース・サービス」(単純な「データベース・サービス」ではなく)にスクロールし、「無効」をクリックして、有効化プロセスを完了します。
RAC内の各クラスタ・メンバーおよびCDBインスタンスに対してこれを実行します。
また、その代替方法として、次のEMCLIコマンドを使用して、対応するデータベース・エンティティ・インスタンスでメトリック収集を有効にすることもできます。
emcli modify_collection_schedule -targetType='oracle_database' -targetNames=target_name1;target_name2
-collectionStatus='ENABLED' -collectionName='DBService' -preview='N';
ここで、target_namen
は、該当するデータベース・ターゲット・インスタンスです。
エンティティの追加ウィザードのステップ1では、チャージバックに追加および該当する場合に使用モードを設定するエンティティを選択します。
特定のデータベース・エンティティ・タイプの場合は、チャージバックにこれらのタイプのエンティティを追加する前に、Enterprise Managerメトリック収集を有効化する必要があります。
サービスごとに測定されるデータベース・インスタンス
サービスごとに測定されるクラスタ・インスタンス
CDB (単一インストールとRACの両方)
Oracleデータベース・サービスのプロビジョニングに使用されるプール・データベース、およびPaaSインフラストラクチャ・ゾーンの一部として提供されるプラガブル・データベース・サービス
メトリック収集を有効にする方法の詳細は、第43.2.6.1項を参照してください。
「追加」ボタンをクリックします。
開いたダイアログで、追加するエンティティ・タイプを検索します。検索内容をフィルタするには条件を使用します。
データベースをサービス・エンティティ・タイプ(DBaaSまたはSchaaS)として追加するには、「PaaSインフラストラクチャ・ゾーン」エンティティ・タイプを選択します。データベース・サービスおよびPDBは、ゾーンの親の子として表示されます。
注意: データベース(単一インスタンスおよびRAC)とPaaSインフラストラクチャ・ゾーンのサービス・エンティティをプロビジョニングするCDBエンティティは、チャージバックにエンティティとして自身を追加できません。そうすると、チャージ・プランの割当てで動作が不定になることがあります。 |
検索結果のリストで、追加する特定のエンティティを選択します。複数のエンティティを選択できます。「選択」をクリックします。
ダイアログが閉じ、進捗状況インジケータに関連エンティティの検索が示されます。選択されたエンティティが表に表示されます。コンポジット・エンティティの場合、そのメンバーが「メンバー」列に表示されます。メーター・フラグは、エンティティに対してメトリックおよび構成データが収集されていることと、チャージの計算に使用されていることを示します。したがって、たとえばデータ収集はWebLogicサーバー・レベルで発生するため、メーター・フラグはWebLogicドメインに対して設定されません。
オプション。測定を実行する方法の宣言に該当する場合は、デフォルト以外の使用モードを設定します。
ドロップダウン・リストから、使用モードを選択します。選択肢は、エンティティのタイプによって異なります。選択肢が「メーター制」の1つしかない場合があります。たとえば、データベースの場合は、次の3つの選択肢を提供します。「データベース・インスタンスによる計測」、「サービスによる計測」、「PDBによる計測」です。
「次へ」をクリックして、チャージ・プランとコスト・センターの割当てを行います。
エンティティの追加ウィザードのステップ2では、チャージ・プランとコスト・センターの割当てを行います。
チャージ・プランは、リソース消費のコストを計算するための基準を提供します。
表でエンティティを選択して、「プランの割当て」ボタンをクリックします。
開いたダイアログで、エンティティの選択内容に適したユニバーサルまたは拡張チャージ・プランを選択して、「OK」をクリックします。ダイアログが閉じ、エンティティ表の行にプランの割当てが表示されます。
今はチャージ・プランを割り当てず、チャージバックにエンティティを追加した後に割り当てることも選択できます。詳細は、第43.2.8項を参照してください。
コスト・センターを使用すると、リソース消費に対して発生したチャージを集計できます。
表でエンティティを選択して、「コスト・センターの割当て」ボタンをクリックします。
開いたダイアログで、エンティティの選択内容に適したコスト・センターを選択して、「OK」をクリックします。
ダイアログが閉じ、エンティティ表の行にコスト・センターの割当てが表示されます。
今はコスト・センターを割り当てず、チャージバックにエンティティを追加した後に割り当てることも選択できます。詳細は第43.2.7項を参照してください。
終了したら「次へ」をクリックしてエンティティの設定を確認し、チャージバックへのエンティティの追加タスクを完了します。
エンティティの追加ウィザードのステップ3では、タスクを完了する前に、選択内容と割当てを確認できます。問題ない場合は、「発行」をクリックします。
「エンティティ」タブに戻り、メッセージで、n個のエンティティが正常に追加されたことを確認します。エンティティが追加された後の動作の詳細は、第43.2.6項の3つのウィザード手順以降の段落を参照してください。
コスト・センターは、リソース使用率にチャージを分散する方法です。コスト・センターは、SSA設定の一部としてSSAエンティティに自動的に割り当てられます(コスト・センター・ターゲット・プロパティ)。この手動プロセスは、コスト・センターをSSA以外のエンティティに割り当てる場合にのみ使用します。
注意: エンティティをチャージバックに追加するときに、コスト・センターの割当てを実行することもできます。第43.2.6.3項で説明されているエンティティの追加ウィザードのステップ2を参照してください。 |
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「エンティティ」タブを選択します。
コスト・センターを割り当てるエンティティを選択して、「コスト・センターの割当て」ボタンをクリックします。
コスト・センターのリストが表示されたダイアログが開きます。エンティティのコスト・センターを選択し、「OK」をクリックします。
エンティティ割当ての表がリフレッシュされ、割当てが反映されます。
チャージが計算されると、未割当てのエンティティはデフォルトのコスト・センターに割り当てられます。コスト・センターをコンポジット・エンティティに割り当てると、コンポジット・エンティティに直接マップされ、直接割り当てられたコスト・センターがない場合は、子に割り当てられます。
影響を受けるグループ・メンバーについて、「エンティティ」タブに示されているように、あるコスト・センター割当てを持ち、別コスト・センター割当てを持つ別のグループのメンバーであるグループ・メンバーは競合します。グループ・メンバーがグループと同じように通常のターゲット階層に含まれることもあります。たとえば、データベース(DB1)が、ゾーン(PaaSゾーン1)の下とグループ(グループ1)の下に表示されるとします。この場合、チャージの計算は続行されますが、チャージが適切なコスト・センターに対して発生しても、管理者が競合を解決するまではデフォルトのコスト・センターにチャージされます。
RACノードの下の共有サービスは、異なるコスト・センターに割当てできます。
注意: SSAを介してリクエストされプロビジョニングされるエンティティの場合、コスト・センター・ターゲット・プロパティはユーザー・ログインに設定されます。SSAユーザーは、チャージバックにSSAエンティティを追加した結果として、関連付られたEnterprise Managerユーザーのコスト・センターの下に表示されます。Enterprise Managerユーザーのコスト・センターが割り当てられていない場合、SSAユーザーは、チャージバックのデフォルト・コスト・センターの下に表示されます。SSAエンティティのコスト・センターの割当てを変更することはできませんが、第43.2.5.3項で説明されているとおり、必要に応じてSSAユーザーをデフォルトのコスト・センターから別のより適切なコスト・センターに再割当てすることができます。 |
コスト・センターを割当て解除するには、該当するエンティティを選択して「アクション」メニューから「コスト・センターの割当て解除」を選択します。
エンティティにチャージ・プランを割り当てる場合、子メンバーに個別にプランを割り当てたり、祖先レベルで割り当てて、割り当てられたプランを子メンバーに継承させることができます。
拡張チャージ・プランには、割当て済エンティティにユニバーサル・チャージ・レートを適用する方法を示すパラメータが含まれています。ユニバーサル・プランをエンティティに再割当てして、拡張プランを置き換えることもできます。
SSAエンティティ(ゾーン)の場合、SSA設定を実行する担当者が設定の一部としてチャージ・プランをゾーンに割り当てて、ゾーン内のすべてのエンティティがそのプランを継承します。
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「エンティティ」タブを選択します。割当て済コスト・センターおよびチャージ・プランを示すエンティティの階層リストが表示されます。
チャージ・プランを割り当てるエンティティを選択して、「プランの割当て」ボタンをクリックします。
選択したエンティティ・タイプのみに適用されるプランのリストを表示しているダイアログが開きます。割り当てるプランを選択し、「OK」をクリックします。
エンティティ割当ての表がリフレッシュされ、割当てが反映されます。
チャージ・プランをコンポジット・エンティティに割り当てると、コンポジット・エンティティに直接マップされ、直接割り当てられたプランがない場合は、暗黙的に子に割り当てられます。
影響を受けるグループ・メンバーについて、「エンティティ」タブに示されているように、あるプラン割当てを持ち、別プラン割当てを持つ別のグループのメンバーであるグループ・メンバーは競合します。グループ・メンバーがグループと同じように通常のターゲット階層に含まれることもあります。たとえば、データベース(DB1)が、ゾーン(PaaSゾーン1)の下とグループ(グループ1)の下に表示されるとします。この場合、計算が再開されても、管理者が競合を解決するまでは、エンティティのチャージは計算されません。レポート・サイクルのクローズ前に解決されないと、チャージが計算できなくなります。
RACはデータベース・インスタンス、データベース・サービスまたはPDBで計測できます。各RACメンバーがツリー階層のRACノードの下に表示され、異なるチャージ・プランや異なるコスト・センターに割り当てることができます。
チャージ・プランを割当て解除するには、該当するエンティティを選択して「アクション」メニューから「プランの割当て解除」を選択します。
チャージバックにエンティティを追加するプロセスの一環として、エンティティ・タイプのデフォルトのチャージ・プランを設定するオプションがあります。このため、そのタイプのエンティティを追加するかエンティティが検出されるたびに、指定したプランが自動的に割り当てられます。チャージ・プランの可用性は、少なくとも1つの拡張チャージ・プランが特定のエンティティ・タイプに対して作成されていることを前提とします。ユニバーサル・チャージ・プランは、すべてのエンティティ・タイプに対して使用可能です。
「Enterprise」メニューで、「チャージバック」を選択し、「エンティティ」タブをクリックします。
「アクション」メニューで、「デフォルト・プランの設定」を選択します。
エンティティ・タイプ行をクリックすると、「デフォルト・プラン」列にドロップダウン・コントロールが表示されます。
ドロップダウン・リストからプランを選択します。
デフォルト・プランの設定が終了したら、「OK」をクリックします。
デフォルトのプランが設定されているエンティティを追加すると、エンティティの追加ウィザードで「割当ての作成」ステップに進んだときに、プランが自動的に「チャージ・プラン」列に表示されます。
デフォルト・チャージ・プランについて次の点に注意してください。
後でデフォルト・プランが割り当てられているエンティティのチャージ・プラン割当てを変更できます。
デフォルトとして指定されたチャージ・プランは、デフォルト・ステータスから削除されるまで削除できません。
デフォルトの割当ておよびプランの継承は異なることがあります。デフォルトのプランがWebLogicドメインおよびWebLogic Serverエンティティ・タイプに対して設定されている、次のシナリオを考えてみます。
WebLogic Serverを含むWebLogicドメインを追加します。デフォルトのプランがドメイン・レベルでのみ割り当てられます。
これまでWebLogicドメインが追加されていないWebLogic Serverを追加します。デフォルトのプランがWebLogic Serverに割り当てられます。
以前にWebLogicドメインが追加されたWebLogic Serverを追加します。デフォルトのプランはWebLogic Serverに割り当てられません。
チャージバックの日次データ収集は、情報が1つのソースから抽出され、適切な形式に変換され、リポジトリにロードされる、ETL(抽出、変換、ロード)プロセスです。
Enterprise Managerは、エンティティに関するメトリックおよび構成情報を収集し、管理リポジトリに格納します。これらの収集は、様々な頻度で行われます。チャージバックにエンティティが追加されると、アプリケーションはリポジトリからデータを抽出して、チャージバック専用表で使用するために変換します。このデータを抽出および変換するプロセスは、チャージバック・データ収集プロセスで、24時間ごとに実行するようにスケジュールされています。チャージバックでは様々なデータ変換を実行し、履歴データ参照を提供する必要があるため、独自のデータ収集表が保持されます。
24時間サイクルの場合、すべてのチャージバック・アクティビティが即座に明白になるわけではありません。たとえば、コスト・センター割当てを変更した場合、レポートに変更が表示されるまでに最大24時間かかることがあります(次のデータ収集ジョブが実行されるまで)。このサイクルを回避する場合、オンデマンドで収集ジョブを実行して、即座に表を更新できます。
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「エンティティ」タブを選択します。
「アクション」メニューから、「オンデマンド・データ収集」を選択します。
チャージバック・データ収集表が、直近のアクティビティを反映するために更新されます。
ジョブのスケジュールを確認するには、次の手順を実行します。
「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」、「アクティビティ」の順に選択します。
ジョブ・アクティビティ・ページで「拡張検索」をクリックします。
「拡張検索」リージョンで、「ジョブ・タイプ」ドロップダウン・リストから「チャージバック・データ・ローダー」を選択し、「実行」をクリックします。
次にスケジュールされているジョブ実行の「スケジュール済」列を確認します。
ジョブのスケジュールを変更しないでください。
アップグレードの考慮事項
データベースまたはWebLogic Server共有ターゲットが存在する環境でチャージバックを12.1.0.5から12.1.0.6にアップグレードした場合、オンデマンドで日次データ収集ジョブを実行するまで(またはジョブがスケジュールどおりに実行されるまで)「エンティティ」および「レポート」タブは適切に表示されません。ジョブが実行されると、共有コンポーネントは、新しいリリースに従って独自のコスト・センターおよびチャージ・プランに割当て可能なチャージバック・エンティティになることに注意してください。
チャージバック・データ収集サイクルが完了したら、様々な方法で情報の解析を開始できます。この項の内容は次のとおりです
チャージ・プランを定義し、コスト・センターを設定して、エンティティの監視を開始すると、使用状況およびチャージの傾向が表れます。傾向レポートは、定義済期間のメトリックまたはチャージの傾向を示し、チャージが時間経過とともにどのように変化するかを確認したいエンド・ユーザーにとって役立ちます。また、IT部門にとっても、キャパシティ・プランニング用として役立ちます。
「ホーム」タブに、時間の経過に伴う使用状況やチャージの傾向を示す棒グラフが表示されます。それぞれの傾向リージョンの右上隅には、表示をカスタマイズするダイアログを開く「オプション」リンクがあります。
使用状況傾向オプション
使用状況の傾向の表示をカスタマイズするには、次の手順に従います。
期間–使用状況の傾向を図示する期間を選択します(デフォルトは今年1年)
集計–選択した期間内で、使用状況をどのようにグループ化するかを選択します(デフォルトは月ごと)
使用状況値タイプ–使用状況をパーセント(使用率)または消費量を示す値として表示します(デフォルトは使用率)
リソース–使用状況を特定のメトリック(CPU、メモリー、記憶域)ごとに表示します(デフォルトは3つのメトリック)
図43-6は、毎日集計された前週のCPU、ディスク、メモリーの使用率の傾向を示しています。
チャージ傾向オプション
チャージの傾向の表示をカスタマイズするには、次の手順に従います。
期間–チャージの傾向を図示する期間を選択します(デフォルトは今年1年)
集計–選択した期間内で、チャージをどのようにグループ化するかを選択します(デフォルトは月ごと)
グループ化 - コスト・センターまたはエンティティ・タイプのいずれかでチャージをグループ化します。デフォルト: コスト・センター
コスト・センター–すべてのコスト・センター、特定のコスト・センターまたは未割当てユーザーのチャージの傾向を表示します(デフォルトはすべて)
図43-7は、毎日集計された前週のVMゲスト・エンティティ・タイプのチャージを示すチャージ傾向です。
エンティティのメトリックは、グラフ・フォームまたはRAWメトリック・データのタイムスタンプ付きレポートとして表示できます。後者のビューは、スプレッドシートなどの外部アプリケーションにエクスポートできます。メトリック収集ステータスを確認することもできます。
後述の指示で参照されるサブタブを公開するには、「エンティティ」タブの下部のメトリック・データ・リージョンを展開する必要があるので注意してください。
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「エンティティ」タブを選択し、表示するエンティティを選択します。
エンティティ・リストの下の「メーター・データ(チャート)」サブタブを選択し、エンティティのデータ・メトリックの波グラフを表示します。右側のドロップ・ダウン・リストから表示するメトリックを選択します。メトリックの選択はエンティティ・タイプによって異なります。J2EEアプリケーションによって計測されるWebLogic Serverの場合、メトリックはアプリケーションごとになります。サービスによって計測されるデータベースの場合、メトリックはサービス関連になります。RACの場合、メトリックはクラスタ・メンバーによってグループ化された複数行グラフとして表されます。各行は、選択したサービスに対する特定のメンバーによる使用状況にマップされます。
「メーター・データ(表)」サブタブを選択して、RAW番号を表示します。このビューでは、データをフィルタ処理し、CSV形式ファイルにエクスポートできます。対象を別のエンティティに変更することもできます。RACの場合、ビューではRAC内のすべてのクラスタ・メンバーに対して同じサービス・データが表示されます。
「収集のステータス」サブタブを選択して、エラー数、メトリック・データが最後に収集されたタイミングなど、統計データを収集します。RACの場合、選択したサービスに関係なく、収集のステータスはRAC内のすべてのクラスタ・メンバーが対象です。
「問題」サブタブを選択して、データ収集プロセスなど、選択したエンティティに関連する問題を表示します。サマリー・エントリはインシデント・マネージャに直接リンクしており、問題および考えられる解決策の詳細を表示することができます。サービス・リクエスト(SR)番号が表示されます(割り当てられている場合)。「ホーム」タブには、チャージバック全体に関連する問題が表示される「問題」サブタブもあります。同様に、ここには、インシデント・マネージャへの直接リンクもあります。
注意: インシデント・マネージャ内で、問題とその関連インシデントのライフサイクルを表示、追跡および管理できます。サポート・ワークベンチでは、問題をさらに調査してレポートできます。サポート・ワークベンチで問題の詳細を表示するには、チャージバック管理者は、すべてのホストおよびOracle Management Serviceに関連付けられた管理エージェントに対する完全な権限を持っている必要があります。 |
チャージの詳細行に表示するヘルプ・アイコンをクリックすると、該当するチャージ・アイテムの説明がポップアップで表示されます。
図43-8は、選択したエンティティの16日間のインスタンス稼働時間を追跡するグラフを示しています。
ジョブ・アクティビティ・ページで、その他の詳細を確認できます。
「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」、「アクティビティ」の順に選択します。
「拡張検索」をクリックして、次のフィルタ条件を指定します。
ジョブ・タイプとして「チャージバック・データ・ローダー」を選択します。
ターゲット・タイプとして「ターゲットなし」を選択します。
「ステータス」および「スケジュール開始」に適切な値を指定します。
「実行」をクリックします。
各ジョブ・ステップのログ出力に、警告または発生したエラーが表示されます。
チャージバック・サマリー・レポートは、リソース使用率およびチャージ配分を追跡する強力な分析ツールです。これらのサマリー・レポートは、コスト・センター、エンティティ・タイプおよびリソース別に分類されたチャージまたはリソース使用率に関連する情報を表示します。これらにより、チャージまたはリソース使用率が最大のエンティティまたはコスト・センターを迅速に評価できます。サマリー・レポートは、主に、ドリルダウンの用途で役立ちます。
データの収集は、1日に1回行われます。現在のサイクルのための日次データ収集ジョブは、チャージ・プランとコスト・センターの割当てに基づいています。レポート・サイクルは、チャージを計算する期間を定義します。このサイクルは現在の月のもので、その月の最初の日から始まります。
非定型レポートの生成手順:
「エンタープライズ」メニューから「チャージバック」を選択します。
「レポート」タブを選択します。
次のオプションで、レポートを設計します。
現行レポート・サイクルを使用するか、レポートの日付範囲をカスタマイズします。
サマリーおよび傾向のレポート・タイプを選択します。サマリー・レポートは円グラフによって内訳を示し、傾向レポートはY軸が複数の棒グラフで使用状況の傾向を示します。
特定のコスト・センターを選択するか、すべてのユーザーについてレポートします。
特定のエンティティまたはエンティティ・タイプを選択するか、すべてのエンティティ・タイプ内のすべてのエンティティについてレポートします。
レポートするメトリックを選択します。
「レポートの表示」をクリックして、結果を表示します。
レポートには、コスト・センター、エンティティ・タイプおよびリソースごとのチャージをまとめて色分けしたグラフが表示され、下部には詳細が表で示されます。対応するグラフの絵の具箱リンクをクリックすると、色分けされた選択のレポート・コンテンツが再計算されます(例: リソース内のメモリーのグラフ)。
図43-9は、現在のレポート・サイクルでのすべてのコスト・センターおよびエンティティ・タイプのチャージをリソース別に示したサマリー・レポートです。
ドロップ・ダウン・リストから選択することで、詳細をフィルタ処理します(デフォルトは「すべて」)。例示問合せ機能(アクション・ボタンの右側のアイコン)を使用してレポートの詳細を検索します。このアイコンはトグルし、クリックすると、表の列の上のテキストおよび選択ボックスを交互に表示または非表示します。この機能は「表示」メニューでも使用できます。それぞれの列で、日付を選択したり値を入力したりして、様々な組合せで検索基準を入力します。「入力」をクリックして検索をアクティブ化します。
詳細リージョンの「エクスポート」ボタンをクリックして、レポートの内容をファイルにエクスポートします。
「レポートの公開」をクリックし、レポート・コンテンツを公開します。このアクションはBI Publisherと結合し、次のことができます。
様々なフォーマット(Excel、PowerPoint、HTML、PDF)でのレポートの保存
定義済のスケジュールに基づく、生成されたレポートの電子メール・リスト(Enterprise Managerへのアクセス権がないユーザーなど)への配信
BIパブリッシャの設定の詳細は、『Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』の「Enterprise ManagerでのBIパブリッシャのインストール」を参照してください。
稼働時間のレポート
稼働時間メトリックのレポートを選択すると、詳細情報に、レポート・サイクルを通して1日のうちでエンティティを使用できた時間数が表示されます。稼働時間のレポートでチャージは按分されないことに注意してください。レポート結果に基づいてチャージを調整するための最適な方法を、顧客に知らせます。そのためには、Microsoft Excel HTML形式ファイルに結果をエクスポートして、さらに分析および検討します。
セルフ・サービス・ポータルから、セルフ・サービス・アプリケーションに関連するチャージバック情報にアクセスできます。
「エンタープライズ」メニューから「クラウド」を選択し、「セルフ・サービス・ポータル」を選択します。
セルフ・サービス・ポータル・ページで、「管理」ドロップダウン・メニューからサービス・タイプを選択します。
チャージバック用に構成された場合、左ペインの「チャージバック」アイコンをクリックして、選択したサービス・タイプのチャージ傾向と詳細を次の情報ごとに分類して表示します。
チャージ傾向: ある日付範囲の様々なメトリックのチャージを計算します。あるメトリック(たとえば、メモリー)の上にカーソルを置くと、そのメトリックのみを反映して棒グラフが変更されます。日付範囲を設定し、「実行」をクリックしてチャージを再計算します。
詳細: 上述のチャージおよび日付範囲が反映されます。「詳細レベル」ドロップダウン・メニューから選択して、データを並べ替えることができます。より多くの列を表示して、追加情報を示すこともできます。
チャージ・プラン: ゾーンを選択して、実施されているチャージ・プラン(この場合、特定のエンティティ・タイプに定義されている拡張チャージ・プラン)を表示できます。そのエンティティ・タイプ(たとえば、Oracle VMゲスト)には、プラン定義の一部として設定された特定のチャージ・アイテムがあり、「チャージ・アイテム」タブに表示されます。チャージ・プランにより、左側の傾向と詳細に表示されるチャージが決定されます。もう1つのタブ、「ユニバーサル・レート調整」には、基本プラン・レート(CPU、メモリー、記憶域)に対して行われた調整が表示されます。
図43-10は、セルフ・サービス・ポータルにチャージバック情報を分けて表示するサンプルを示しています。
蓄積されたチャージバック・データは、他のアプリケーションが使用できる有用なデータです。これを行うには、次のいくつかの方法があります。
管理レポートをエクスポートします(チャージバックの「レポート」タブの「エクスポート」ボタン)
BIパブリッシャを使用して管理レポートを公開します(チャージバックの「レポート」タブの「公開」ボタン)
セルフ・サービス・アプリケーションのチャージ傾向の詳細をエクスポートします(セルフ・サービス・ポータルの「チャージバック」タブの「エクスポート」ボタン)
EM CLI動詞get_metering_data
を実行して、使用状況およびチャージ・データ(オプション)に関するカンマ区切りの出力を生成します(詳細は第56章「EMCLI動詞によるチャージバックとメータリング」を参照)。
また、Enterprise Managerはリポジトリ・ビューをサポートするため、管理リポジトリ内の情報にアクセスしてさらに処理や表示を行えます。管理リポジトリ内のチャージバック情報にアクセスするために使用できる、2つのビュー(MGMT$EMCT_CBA_CHARGE_HOURLY
およびMGMT$EMCT_CBA_CHARGE_DAILY
)があります。詳細は、Enterprise Manager Cloud Controlの拡張性に関するプログラマ・リファレンスを参照してください。