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Oracle® Enterprise Manager Cloud管理ガイド
12c リリース5 (12.1.0.5)
B70509-13
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38 JVM Diagnostics as a Serviceの設定

この章では、JVM Diagnostics as a Serviceを設定して有効化する手順について説明します。内容は次のとおりです。

38.1 JVM Diagnostics as a Serviceについて

JVM Diagnostics as a Service (JVMDaaS)によって、IT組織では、セルフ・サービスの方法でJVM診断機能を提供し、Webベースのポータル内でJVMを監視できます。監視するJVMとして、Enterprise Managerの監視対象ターゲットまたはリモート・ターゲットを指定できます。

たとえば、開発組織では、開発者やQA担当者にJVM診断機能を提供できます。システム管理者は、JVMDaaSを通じてこのサービスを提供できます。これによって、開発者とQA担当者は、作業中のインスタンスで簡単にJVM診断にアクセスできるため、開発タスクが迅速に完了し、組織のコストを低下できます。セルフ・サービス・アプローチを使用しているため、システム管理者の作業負荷が増加することはありません。

38.2 ユーザーおよびロールの作成

Oracle Enterprise Managerでは、管理している環境や、Oracle Enterprise Managerを使用しているコンテキストに応じて、Oracleユーザーの様々なクラスをサポートしています。ユーザー権限は、Enterprise Managerの基本レベルのセキュリティを提供します。ユーザー権限はデータへのユーザーのアクセスの制御およびユーザーが拡張できるSQL文の種類の制限をするように設計されています。ユーザーを作成したら、データベースへの接続、問合せの実行および更新、スキーマ・オブジェクトの作成などを行うための権限を付与します。ロールはEnterprise Managerリソース権限またはターゲット権限(あるいはその両方)の集まりであり、管理者または他のロールに付与することができます。これらのロールは、地理的位置(カナダのシステムを管理するためのカナダの管理者用ロールなど)、業務系列(人事管理システムや販売システムの管理者用ロールなど)または他のモデルに基づいて作成できます。ロールの作成により、多数の権限を個別に付与するのではなく、チーム・メンバーに適切な権限をすべて含むロールを割り当てます。

JVMDaaSを使用する前に、スーパー管理者は、次のロール用のユーザーを作成する必要があります。

  • EM_SSA_ADMINISTRATOR: このロールを持つユーザーはセルフ・サービス・ユーザーの割当て制限と制約を定義し、アクセス権限を付与できます。このロールを持つユーザーはまた、プロビジョニングおよびパッチ・デザイナの権限を持ち、デプロイメント・プロシージャの作成および保存を行い、パッチ計画を作成および表示し、管理エージェント上のプラグインのライフサイクルをサポートします。これらの権限は、インフラストラクチャの初期設定および進行中のメンテナンスに必要です。

  • JVMDAAS: このロールを持つユーザーは、クラウドJVM診断セルフ・サービス・ポータルにアクセスできます。EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーは、このロールを持つユーザーがEnterprise Managerの他の機能にアクセスできる追加の権限を提供できます。このロールを作成する場合、次のことを確認してください。

    • このロールにEM_SSA_USER_BASEロールが明示的に付与されていること。

    • このロールに次のリソース権限が付与されていること。

      • 任意のサービス・ファミリの表示

      • サービス・ファミリ表示権限の付与

38.3 JVMDaaSの設定

前提条件

EM_SSA_ADMINISTRATORおよびJVMDAASロールを持つユーザーが作成されている必要があります。「ユーザーおよびロールの作成」を参照してください。

JVMDaaSを設定するには、次の手順に従います。

  1. EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーとして、Enterprise Managerにログインします。

  2. 「エンタープライズ」メニューから「クラウド」を選択し、「JVM診断ホーム」を選択します。

    図38-1 JVMDAAS - ホーム

    図38-1については前後の文で説明しています。
  3. 「割当て制限」タブをクリックし、JDAASロールを持つ1人以上のユーザーに割当て制限を割り当てます。「割当て制限の定義および割当て」を参照してください。

  4. 「ホーム」タブをクリックし、JVM診断エージェントを管理および監視します。「JVM診断エージェントおよびエンジンの監視」を参照してください。

38.4 割当て制限の定義および割当て

特定のロールに属するセルフ・サービス・ユーザーに割当て可能なJVMの合計数を指定するために割当て制限を定義できます。EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーはセルフ・サービス・ユーザーの割当て制限を定義できます。

前提条件

  • EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーが作成されている必要があります。このユーザーは、EM_SSA_ADMINおよびJVM診断管理者権限を持っている必要があります。

  • JVMDAASロールを持つ1人以上のユーザーが作成されている必要があります。

割当て制限を設定するには、次の手順に従います。

  1. 「割当て制限」タブをクリックします。このページには、ロールおよび各ロールに割り当てられたJVMの最大数のリストが表示されます。

    図38-2 JVMDAAS - 割当て制限

    図38-2については前後の文で説明しています。
  2. 「作成」をクリックします。表示された割当て制限の作成ウィンドウで、次の指定をします。

    • ロール名: 割当て制限が割り当てられるEM_SSA_USERロールを指定します。

    • JVM: 選択したロールに使用可能なJVMの最大数または割当て制限を指定します。

    • JVMDエンジン: 次のいずれかを選択できます。

      • JVM診断エンジン: JVM診断サービスに対して登録するJVM診断エンジンを選択します。

      • カスタム: ロード・バランサが有効になっているJVM診断マネージャのホストおよびポート番号を指定します。

  3. 「OK」をクリックして割当て制限を作成し、JVM診断クラウド・セルフ・サービス・ポータル設定ページに戻ります。指定されたJVMの数の割当て制限(JVMプール)が割当て制限ページにリストされます。

割当て制限が割り当てられているロールの名前を選択し、必要に応じて、 「編集」または「削除」オプションをクリックして、割当て制限を編集または削除できます。


注意:

アクティブなJVMを含む割当て制限を変更すると、新しい割当て制限は、新しいJVM接続にのみ適用されます。既存のJVMは、古い割当て制限を引き続き使用します。

38.5 JVM診断エージェントおよびエンジンの監視

「ホーム」タブをクリックし、JVM診断ホームページを表示します。次のリージョンが含まれます。

  • 概要: このリージョンには、割当て制限が割り当てられているJVMプールおよびJVMの合計数が表示されます。ここには、アクティブなJVMおよび非アクティブ化されたJVMの数が表示されます。

  • JVMの状態: このリージョンには、JVMの様々な状態を示すグラフが表示されます。

  • アクティブなJVM: 「アクティブなJVM」リージョンには、指定した期間においてアクティブなJVMの数が表示されます。

  • JVMおよびプール: このリージョンには、割当て制限が割り当てられているJVMおよびJVMプールがリストされます。JVMプールごとに、プール内のJVMの数、所有者、JVMプールの作成日が表示されます。JVMごとに、JVMのステータス(アクティブまたは非アクティブ)、所有者、およびJVMの作成日が表示されます。

    JVMの「アクティブ化」「非アクティブ化」、またはJVMプールの「削除」が可能です。対応するホーム・ページにドリルダウンするには、JVMプールまたはJVMをクリックします。

  • エンジンおよびエージェント: このリージョンには、JVMエンジンおよびJVMエージェントのリストが表示されます。