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Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド
12c リリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61771-02
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H WebLogic Portal(WLP)のサポート

この付録では、WebLogic Portal (WLP)ベースのアプリケーションの正確な監視のために提供されるサポートについて詳しく説明します。

H.1 概要

RUEIでは、追加設定なしでWLPアプリケーションを監視することができます。自動的にWLP Webアプリケーションを検出して、ネットワーク・オブジェクトをビジネス機能に変換します。このサポートを使用すると、個々のユーザー・アクションが正しいWebアプリケーション、デスクトップ、ポータル、ブックおよびページと自動的に一致し、コンテキスト分析を得られます。

RUEIでは、ファイルベース・ポータルとストリーミング・ポータルの監視がサポートされます。ストリーミング・ポータルの場合は、ディスク・フレームワークを有効にする必要があります。ディスク・フレームワークが有効でない状態でファイルベース・ポータルを監視するには、監視対象ポータルの構成に関する追加の情報をアップロードする必要があります。この詳細は、H.3項「RUEIとWLP環境の同期化」に記載されています。ディスク・フレームワークを使用しないストリーミング・ポータルの監視はサポートされないことに注意してください。

この付録でこれから説明する監視のサポートは、WLPバージョン10.3に基づくアプリケーションについて検証されています。

H.2 WLPスイート定義の作成

WLPベースのアプリケーションのスイート定義を作成できます。作成方法は、サポートされている他のOracle Enterpriseアーキテクチャの場合と同じです。スイートを作成する手順は、10.1項「スイートの使用」に記載されています。

H.3 RUEIとWLP環境の同期化

監視対象スイート・インスタンスがファイルベース・ポータルで、ディスク・フレームワークが有効でない場合、ポータルが環境にどのように実装されているかをRUEIが認識する必要があります。次を実行します。

  1. create_WLP_info.plスクリプトをRUEI_DATA/processor/local/downloadディレクトリから、スクリプトを実行する予定の場所にコピーします。監視対象アプリケーションで使用される.portalファイルを同じ場所にコピーします。

  2. create_WLP_info.plスクリプトをレポータ・システムで実行します。このスクリプトによって、監視対象環境の実装に関する情報が生成されます。このスクリプトは次の必須パラメータを指定して実行してください。

    perl create_WLP_info.pl -portal file.portal
    

    fileは、監視対象アプリケーションで使用される.portalファイルの名前です。

    複数インスタンス環境では、目的のインスタンスごとにスクリプトを実行し、作成される.txtファイルを別に保存します。10.1.1項「スイート定義の作成」で説明するように、各インスタンスに別のスイート定義を作成します。

  3. 10.1.2項「構成ファイルのアップロード」で説明している手順を実行し、生成されたファイルをレポータ・システムにアップロードします。

H.4 Cookieテクノロジの指定

WLPスイート・インスタンスを作成すると、WLP環境用の事前定義済Cookieが自動的に作成されます。これは、JSESSIONIDという名前のカスタムCookieとして実装されます。WLPはWebLogicテクノロジに基づいているため、事前定義済CookieはWLPアプリケーションに適しています。ただし、環境の構成によってはこのCookieを変更する必要があります。また、RUEIによって、完了したセッションのユーザーを監視および追跡するには、Cookieのパスを「/」に設定する必要があります。Cookie構成の詳細は、12.2項「セッション・トラッキング・メカニズムの指定」を参照してください。

H.5 ユーザー認証の構成

RUEIでは、RESTフレームワークに基づくユーザー認証を利用するWLPアプリケーションを追加設定なしで監視することができます。ただし、監視対象ポータルで他のユーザー認証メカニズムが使用される場合には、構成する必要があります。この手順は、8.3.14項「ユーザー識別の定義」に記載されています。

H.6 スイート定義のマッピング

WLPアプリケーションはホスト名で識別できます。一般的に、WLPスイートにアクセスする方法は2つあります。ホスト名のみを使用する方法、または完全修飾ホスト名(ドメインを含む)を使用する方法です。通常はドメインのみを指定してください。

H.7 データ・アイテム

表H-1に示すWLP固有のデータ・アイテムがRUEIでレポートされます。

表H-1 WLP固有のデータ・アイテム

項目 説明

WLPアクション

アクションの名前。WebLogicアクションはページで実行され、ポートレットを伴うことがあります。後者の場合、第2レベルにポートレットが表示されます。

WLPブック

ポートレットがあるページを含むWebLogicブックの名前。

WLPデスクトップ

WebLogicデスクトップの名前。これをWebLogicポータル、WebLogic Webアプリケーションおよびスイートの名前(「構成」の「スイート」で定義)と組み合せると、RUEIでのアプリケーション名になります。

WLPページ

WebLogicページの名前。ポートレットはページに含まれます。ページそのものはWebLogicブックに含まれます。

WLPポータル

WebLogicポータルの名前。これをWebLogicデスクトップ、WebLogic Webアプリケーションおよびスイートの名前(「構成」の「スイート」で定義)と組み合せると、RUEIでのアプリケーション名になります。

WLPポートレット

WebLogicポートレットの名前。

WLP Webアプリケーション

WebLogic Webアプリケーションの名前。これをWebLogicポータル、WebLogicデスクトップおよびスイートの名前(「構成」の「スイート」で定義)と組み合せると、RUEIでのアプリケーション名になります。


H.8 既知の制限事項

現在、RUEIではWLPのすべての機能はサポートされません。特に次の制約事項がすでに判明しています。

  • レポートは、最後にアクティブになった部分に基づいて行われます。したがって、1人のエンド・ユーザーが複数のブラウザ・ウィンドウで同時に参照しているとき、レポートされるページ名に間違った情報が含まれることがあります。

  • ポートレット・レベルのレポートは非常に限られています。ストリーミング・ポータルの場合、アクションにポートレット(「move portlet on page」など)が含まれ、ポートレット定義ラベルがレスポンス・コンテンツまたはアクションのURLで検出されると、ポートレット定義ラベルがWLPグループでレポートされます。「すべてのページ」グループではポートレットはレポートされません。

    ファイルベース・ポータルの場合、アクションにポートレットが含まれるときはインスタンス・ラベルがレポートされます。ファイルベース・ポータルにはポートレット定義ラベルがないためです。ファイルベースのポートレット・インスタンス・ラベルがレポートされるのは、ポータル構成ファイルがアップロードされる場合のみです(H.3項「RUEIとWLP環境の同期化」を参照)。

  • ディスク・フレームワークが有効になっていないストリーミング・ポータルの監視はサポートされません。

  • リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)・フレームワーク(Ajaxなど)を使用するアプリケーションは、再生機能が低下する場合があります。