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Oracle® Enterprise Managerライフサイクル管理ガイド
12cリリース5 (12.1.0.5)
B66837-13
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34 Oracle BPELプロセスのプロビジョニング

Business Process Execution Language (BPEL)とは、Webサービスを組み合せて使用し、複数のエンタープライズ間でタスクを共有できるようにするためのXMLベース言語です。BPELは、XMLスキーマ、Simple Object Access Protocol (SOAP)、Web Services Description Language (WSDL)をベースにしています。BPELは、ビジネス・プロセスのオーケストレーションと実行に関する業界標準を企業に提供します。

Oracle BPEL Process Manager (BPEL Process Manager)は、BPEL標準に基づくプロセスの設計、デプロイ、監視および管理を簡単に行うためのフレームワークを提供します。

Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)では、これらのBPEL Process Managerを検出および監視できますが、BPEL Process ManagerでのBPELプロセスのプロビジョニングに使用できるデプロイメント・プロシージャも用意されています。

この章では、BPEL Process ManagerのBPELプロセスをプロビジョニングする方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

34.1 Oracle BPELプロセスの概要

この項では、この章の手引きとして、Oracle BPELプロセスのプロビジョニングに関連する手順の概要を示します。この項は、Oracle BPELプロセスのプロビジョニングを成功させるために必要な一連の処理を理解するためのドキュメント・マップと考えてください。各手順の参照リンクをクリックすると、詳細情報が説明されている関連セクションが表示されます。

表34-1 Oracle BPELプロセスのプロビジョニングの概要

ステップ 説明 参照リンク

手順1

サポートされているリリースの把握

このデプロイメント・プロシージャでサポートされているOracle BPEL Process Managerのリリースを把握します。

デプロイメント・プロシージャでサポートされているリリースについては、第34.2項を参照してください。

手順2

前提条件の確認

デプロイメント・プロシージャを実行する前に、プロビジョニング環境の設定、必須パッチの適用およびOracleソフトウェア・ライブラリの設定などの前提条件を満たす必要があります。

Oracle BPELをプロビジョニングするための前提条件の詳細は、第34.3項を参照してください。

手順3

デプロイメント・プロシージャの実行

デプロイメント・プロシージャを実行して、Oracle BPELプロセスをプロビジョニングします。

Oracle BPELプロセスをプロビジョニングするには、第34.3項で説明されている手順を実行します。


34.2 Oracle BPELプロセスでサポートされているリリース

このデプロイメント・プロシージャを使用すると、Oracle BPEL Process Manager 10.1.3.1、10.1.3.3および10.1.3.4のBPELリソースをプロビジョニングできます。

34.3 Oracle BPELプロセスのプロビジョニング

この項では、Oracle BPEL Process ManagerのBPELプロセスをプロビジョニングする方法について説明します。

デプロイメント・プロシージャを実行する前に、次の前提条件を満たしている必要があります。

デザイナの前提条件

  • 第2章に示されている前提条件を満たしていることを確認します。

  • プロセス・スーツケース・ファイルのデプロイ先のBPEL Process Managerが、Cloud Controlですでに検出されて監視されていることを確認します。

  • BPELプロセス・スーツケース・ファイルを汎用コンポーネントとしてソフトウェア・ライブラリに格納します。汎用コンポーネントの作成手順は、第2.2項を参照してください。


    注意:

    BPELプロセスの汎用コンポーネントを追加する際には、ソフトウェア・ライブラリ・ウィザードの「コンポーネントの作成: 説明」ページで、「タイプ」リストから「汎用コンポーネント」を選択して親フォルダの名前を指定し、「ファイルのアップロード」ページに移動してファイルをアップロードします。ディレクティブのカスタマイズおよび設定ページに詳細を入力する必要はありません。

  • BPELプロセス・スーツケース・ファイル(JARファイル)と関連付けることができるデプロイ・プランを使用する場合は、このデプロイメント・ファイルを汎用コンポーネントとしてソフトウェア・ライブラリに格納します。汎用コンポーネントの作成手順は、第2.2項を参照してください。

オペレータの前提条件

  • 環境でPAM/LDAPが有効になっている場合は、ターゲット・エージェントがPAM/LDAPで構成されていることを確認します。詳細は、My Oracle Supportのノート422073.1を参照してください。

  • オペレーティング・システム・ユーザーがデプロイメント・プロシージャを実行する権限を持っていることと、rootユーザーに切り替えて宛先ホストですべてのコマンドを実行できることを確認します。たとえば、mkdirやlsなどのコマンドです。

    これを行う権限がない、つまり、ロックされたアカウントを使用している場合は、デプロイメント・プロシージャを別のユーザーとして実行できるように、または特別な権限を必要とする手順は無視できるように、管理者(設計者)にデプロイメント・プロシージャのカスタマイズを依頼します。

    たとえば、ユーザー・アカウントAがroot権限を持っているが、ユーザー・アカウントBを使用してデプロイメント・プロシージャを実行できるようにするとします。この場合、デプロイメント・プロシージャをカスタマイズして、ユーザー・アカウントBからAに切り替えることができます。

    カスタマイズの詳細は、第51章を参照してください。

BPELプロセスをターゲットのBPEL Process Managerにプロビジョニングするには、次の手順を実行します。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」「Middlewareプロビジョニング」を選択します。

  2. 「デプロイメント・プロシージャ」セクションで、リストから「BPELプロセスのプロビジョニング」プロシージャを選択し、「起動」をクリックします。

  3. 「ソース選択」ページで、次の手順を実行します。

    1. 「ソース」セクションで「追加」をクリックし、ターゲットのBPEL Process ManagerにデプロイするBPELプロセス・スーツケース・ファイルを選択します。選択したファイルに基づいて表に値が移入されます。

      ソース

      複数のスーツケース・ファイルを選択した場合は、表からBPELプロセス・スーツケース・ファイルを選択し、「上に移動」および「下に移動」を使用して、デプロイメント・プロシージャによりデプロイする順序どおりにコンポーネントを並べ替えます。

    2. 「デプロイ・プランの選択」で、BPELプロセス・スーツケース・ファイル(JARファイル)と関連付けることができるデプロイ・プランを選択します。

      デプロイ・プランの選択

      デプロイ・プランは、構成の詳細と、特定の環境に対して設定したパートナー・リンク・バインド・プロパティを実行時に変更するのに役立ちます。特定の環境に対して設定した文字列とURLを検索および置換するためにも使用できます。これにより、開発、テストおよび本番環境にあるBPEL Process Managerに同じBPELプロセスをデプロイできます。これらの環境で設定を再構成する必要はありません。

    3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「ターゲット選択」ページの「ターゲット」セクションで、「追加」をクリックし、BPELプロセスのデプロイ先のBPEL Process Managerを選択します。BPELターゲットに使用可能なドメインが複数ある場合は、「BPELドメイン」リストから、スーツケース・ファイルをデプロイする適切なドメインを選択できます。「次へ」をクリックします。

    ターゲット

    注意:

    「次へ」をクリックすると、コンテキスト・プロバイダURLが取得されたかどうかをCloud Controlが内部チェックします。このURLが取得されない場合、エラーが表示されることがあります。この問題を解決するには、BPELターゲットの「監視構成」ページでURLを設定します。

  5. 「資格証明」ページで、次の項目を指定します。

    1. 選択したBPEL Process Managerが稼働しているアプリケーション・サーバー・インスタンスの資格証明。

      Application Serverの資格証明
    2. 選択したOracle BPEL Process ManagerのBPEL管理者資格証明(および10.1.2 BPELターゲット用のRMI資格証明)。

      BPEL Process Manager資格証明

      BPEL Process Managerに必要な資格証明は、サポートされているBPEL Process Managerバージョンによって異なります。BPEL 10.1.3ターゲットの場合、BPEL Process Managerへのアクセスに使用される一連の資格証明を指定するだけですみます。しかし、BPEL 10.1.2ターゲットの場合、BPEL管理者のパスワードと、リモート・アクセス用の別の一連のOC4J RMIアクセス資格証明を指定する必要があります。

      優先資格証明がすでに設定されて管理リポジトリに格納されている場合は、デフォルトでその優先資格証明がこのページに事前入力されます。事前入力されたこれらの優先資格証明値を選択することも、これらの値を編集して変更した資格証明を使用することもできます。優先資格証明が格納されていない場合、フィールドは空白になります。この場合は、資格証明を指定する必要があります。ここで指定した資格証明は、現在のデプロイメント・プロシージャ・セッションにのみに適用され、今後使用するために管理リポジトリに格納されることはありません。

      資格証明を変更した場合、変更は現在のデプロイメント・プロシージャ・セッションにのみ適用されるので、管理リポジトリに格納されている優先資格証明が上書きされることはありません。

    3. 「次へ」をクリックします。

  6. 「スケジュール」ページで、デプロイメント・インスタンス名を指定します。プロシージャを即時に実行する場合は、デフォルトの選択(「1回(即時)」)を保持します。プロシージャを後で実行する場合は、「1回(後で)」を選択し、タイムゾーン、開始日および開始時刻の詳細を指定します。デプロイメント・プロシージャのステータスに応じて、通知プリファレンスを設定できます。前提条件のみを実行する場合は、「前提条件チェックの実行後に結果を分析するためにプロシージャを停止します」を選択すると、すべての前提条件チェックの実行後にプロシージャ実行を一時停止できます。「次へ」をクリックします。

  7. 確認ページで、デプロイメント・プロシージャに対して指定した詳細を確認します。その詳細で問題がない場合は、「発行」をクリックし、スケジュール・セットに従ってデプロイメント・プロシージャを実行します。詳細を変更する場合は、そのセクションにある「編集」リンクをクリックして変更するか、または「戻る」のクリックを繰り返して変更したいページに戻ります。

  8. 「プロシージャ・アクティビティ」ページで、デプロイメント・プロシージャのジョブおよび手順の実行ステータスを確認します。各手順の「ステータス」リンクをクリックすると、各手順の実行の詳細が表示されます。ロギング・レベルを「デバッグ」に設定するには、「デバッグ」をクリックし、プロシージャの実行を停止するには、「停止」をクリックします。