この章では、Enterprise Manager Cloud Control環境にApplication Dependency and Performance (ADP)をインストールする方法について説明します。
この章の具体的な内容は次のとおりです。
Application Dependency and Performance (ADP)はJava EE、SOA、ポータル、OSBおよびADFアプリケーションの分析を可能にするEnterprise Manager Cloud Controlの重要な機能の1つです。Oracleのインテリジェント・プラットフォームの核であるアプリケーション・スキーマ・モデル内の様々なビルディング・ブロック間の複雑な関係を取得します。
このためアプリケーションを効率的に管理し、様々なビジネス機能や関連付けられた相互接続コンポーネント、および基盤となるランタイム環境の複雑な関係を理解するには、Application Dependency and Performance (ADP)エンジンをデプロイして、対応するADPエージェントをインストールすることにより、それらを監視する必要があります。
ADPをインストールするには、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールからアクセスできる「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページを使用します。このページにアクセスするには、「設定」メニューからミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。
「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページでは、ADPエンジンやADPエージェントのデプロイ、アップグレードおよび削除を行うことができ、信頼性が高く効率的な方法でADPエージェント・アプリケーションの状態を監視できます。
図9-1は「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページを表示しています。
「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページを使用して次の操作を行うことができます。
ADPエンジンのデプロイ、アップグレードおよび削除
すべてのADPエンジンの可用性の監視
ADPエンジンをデプロイするホストや現在の状態、実行中のポート、バージョンなど、ADPエンジンに関する情報へのアクセス
ADPエージェントのデプロイ、アップグレードおよび削除
レポートしているADPエージェント数と、それらのアップグレードの必要性の通知
Application Dependency and Performanceをインストールする前に、次のことに留意してください。
ADPエンジンの場合:
ADPエンジンをデプロイするWeblogic Serverが稼働している必要があります。
ADPエンジンをデプロイする管理対象サーバーには、他のアプリケーションをデプロイしないことをお薦めします。
ADPエージェントの場合:
ADPエージェントをデプロイするには、対象のアプリケーション・サーバーが実行中である必要があります。
ADPエージェントをデプロイするには、少なくとも1つのADPエンジンがアクティブな状態で、実行中であることを確認してください。
次の前提条件を満たしていることを確認します。
ADPエンジンのハードウェア要件の詳細は、「Oracle Management ServiceのCPU、RAM、ヒープ・サイズおよびハード・ディスク領域要件」を参照してください。
Enterprise Manager Cloud ControlのADP機能がサポートするプラットフォームについては、My Oracle Supportナレッジ・ベースの「ADPプラットフォーム・サポートの一覧」から現在の保証アーティクルを検索してください。
ADPエージェントをデプロイする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
この項では、「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページを使用したOMSホストへのADPエンジンおよびADPエージェントをデプロイする方法について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Management Service (OMS)ホストにADPエンジンをデプロイするには、次の手順を実行します。
「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。
アプリケーション・パフォーマンス管理ページで、「追加」メニューから「アプリケーションの依存性とパフォーマンス・エンジン」を選択します。
ADPエンジンのデプロイ・ページで、管理対象サーバーを作成するOMSホストを「ホスト」に選択します。
注意: OMSホストにADPエンジンをデプロイすると、アプリケーションがホストに管理対象サーバーを作成し、作成した管理対象サーバーにADPエンジンをデプロイします。作成した管理対象サーバーは、Enterprise ManagerのWebLogicドメインの一部です。 |
「管理対象サーバー名」で、作成する管理対象サーバーの一意の名前を入力します。
たとえば、EMGC_ADPMANAGER1
、EMGC_ADPMANAGER2
などです。
注意: EMGC_ADPMANAGER* パターンに名前を入力することをお薦めします。 |
「リスニング・ポート」、「SSLリスニング・ポート」、「ADPエンジン・レジストリ・ポート」、「ADPエンジンJavaプロバイダ・ポート」および「ADPエンジン・コントローラ・ポート」に、使用するポート値を入力します。必ずまだ使用されていないポート値を入力してください。デフォルトで、これらのフィールドにはそれぞれ値4200、4201、51099、55003および55000が割り当てられます。
「Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明」および「Oracle WebLogic Serverドメインの資格証明」の値を指定します。ADPエンジンをデプロイするホストで管理サーバーを実行していない場合、「Oracle WebLogic管理対象サーバー・ホストの資格証明」の値も指定する必要があります。
Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明は、(Enterprise Manager WebLogicドメインの) WebLogic管理サーバーがデプロイされているホストのホスト資格証明です。「Oracle WebLogicドメインの資格証明」は、Enterprise Manager WebLogicドメインの管理サーバーの資格証明です。Oracle WebLogic管理対象サーバー・ホストの資格証明は、WebLogic管理対象サーバーがデプロイされているホストのホスト資格証明です。
「デプロイ」をクリックしてEnterprise Managerシステムにデプロイメント・ジョブを発行します。
注意: 「デプロイ」をクリックすると、WebLogicドメインがすでに編集モードであり、変更内容が保存されておらず、有効な変更内容がないことを示す警告が表示されます。保存されていない変更または無効な変更がない場合、または変更がADPエンジンのデプロイメントに影響しないことが判明している場合、この警告を無視して続行します。前述の変更はWebLogic管理コンソールから表示できます。 |
ADPエンジンのデプロイメント・ステータス・ページがジョブ・ステータスへのリンク付きで表示されます。リンクをクリックすると、発行したジョブのステータスが表示されます。
デプロイメント中にエラーが発生した場合は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーション・ガイドを参照してください。
「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページを使用して監視されているWebLogicドメインに、ADPエージェントをデプロイするには、次の手順を実行します。
「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。
アプリケーション・パフォーマンス管理ページの「アプリケーション・パフォーマンス管理エージェント」セクションで、「診断エージェントの管理」をクリックします。
注意: 「診断エージェントの管理」ボタンは、有効なJVMDまたはADPエンジンがない場合、およびJVMDやADPエージェントがデプロイされていない場合は無効になります。 |
「操作」で、「デプロイ」が選択されていることを確認します。
「表示」メニューから「すべてを開く」を選択すると、検出されたすべてのWebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバー(検出されたすべてのWebLogicドメインの一部)のターゲット名、ターゲット・タイプ、ターゲット・ホスト、ターゲット・ステータス、プラットフォームなどを参照できます。
ADPエージェントをデプロイするWebLogicが管理するサーバーを選択します。「次へ」をクリックします。
ターゲットの資格証明ページで、WebLogicドメインごとに「Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明」および「Oracle WebLogicドメインの資格証明」の値を指定し、「適用」をクリックします。
Oracle WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明は、選択したWebLogicドメインを監視している管理エージェントが実行されているホストのホスト資格証明です。Oracle WebLogicドメインの資格証明は、選択したWebLogicドメインの管理サーバーの資格証明です。
「次へ」をクリックします。
ADPエージェント構成ページで、WebLogicドメインごとに「使用可能なADPエンジン」でADPエンジンを選択し、「適用」をクリックします。選択したWebLogicドメインの管理対象サーバーにデプロイされているすべてのADPエージェントが、選択したADPエンジンに関連付けられます。
ADPエージェント・ソフトウェア用に別の場所を指定できます(これは、指定した管理サーバー・ホストの資格証明にデフォルトの場所に対する書込み権限がない場合に使用されます)。これを行うには、「エージェント・ディレクトリ」セクションで、「必要に応じて、デフォルトのADPエージェント・ディレクトリの場所を編集してください」を選択し、「エージェント・ディレクトリ」の値を指定します。
「追加構成」セクションに「WebLogicホーム」および「ミドルウェア・ホーム」フィールドが表示されている場合、それらに値を指定します。「WebLogicホーム」および「ミドルウェア・ホーム」フィールドは、それらの値が内部的に取得できない場合に表示されます。
また、WebLogic管理サーバーがファイアウォール内または仮想ホスト上にある場合に、アプリケーションがデフォルトのホスト値を使用して接続できないことがあります。この場合は、追加情報を「追加構成」セクションに入力する必要がある場合があります。たとえば、WebLogic管理サーバーが仮想ホスト上にあり、アプリケーションがデフォルトのホスト値を使用して接続できない場合は、「追加構成」セクションにその仮想ホストのIPアドレスを入力する必要がある場合があります。
「次へ」をクリックします。
Enterprise Manager OMS資格証明ページで、「Oracle Enterprise Manager WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明」および「Oracle Enterprise Manager WebLogicドメインの資格証明」の値を指定します。
Oracle Enterprise Manager WebLogic管理サーバー・ホストの資格証明は、OMSホストのホスト資格証明です。Oracle Enterprise Manager WebLogicドメインの資格証明は、Enterprise Manager WebLogicドメインのドメイン資格証明です。
「次へ」をクリックします。
確認ページですべての情報を確認し、「デプロイ」をクリックします。
ADPエージェントのデプロイメントに対して、ジョブが作成されます。リンクをクリックすると、ジョブの進行状況が表示されます。ADPエージェントのデプロイメントに成功すると、「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページに移動して「アプリケーション・パフォーマンス管理エージェント」セクションを表示することで、そのデプロイメントを確認できます。
デプロイメント中にエラーが発生した場合は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーション・ガイドを参照してください。
この項では、ADPエンジンとADPエージェントをインストールした後に実行できる、検証タスクを説明します。内容は次のとおりです。
ADPエンジンをデプロイした後、次の健全性チェックを実行し、ADPエンジンが管理対象サーバーに正しくインストールされたかを検証できます。
Cloud Controlの「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。
新規にデプロイしたADPエンジンが、「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページに表示され、そのステータスが稼働中である必要があります。
次の手順を実行します。
Cloud Controlで、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
「ミドルウェアの機能」メニューで、「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」を選択します。
ADPホームページの「登録」タブに、ADPエンジンがデプロイされた管理対象サーバーが表示されている必要があります。
ADPエンジン名を選択して「テスト接続」をクリックし、ADPエンジンが稼働中であることを確認します。
ADPエージェントをデプロイした後、管理対象サーバーにADPエージェントが正しくインストールされているかを、次の手順に従って検証します。
Cloud Controlで、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。
「ミドルウェア」ページの「ミドルウェアの機能」メニューから、「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」をクリックします。
「監視中」タブで、デプロイされたADPエージェントに関連するADPエンジンに対応するフォルダを展開します。
ナビゲーション・ツリーの「ステータス」ノードを選択して、ノードをクリックします。ノードを展開しないでください。「エージェント情報」の表で、デプロイしたADPエージェントの管理対象サーバーを確認します。
注意: 管理対象サーバーを再起動していない場合、デプロイされたEJBのステータスは「True」で、インストールされたエージェントのステータスは「False」である必要があります。管理対象サーバーを再起動すると、これらのサーバーのエージェントのステータスは「レポート作成」になっている必要があります。 |