この章では、Enterprise Manager Cloud Controlへのアップグレード後に実行する必要があるアップグレード後の手順を説明します。この章では特に、次のアップグレード後の手順について説明します。
『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』の新しいEnterprise Managerシステムのインストール方法に関する章で概説されているアップグレード後の手順を実行します。
アップグレードしたEnterprise ManagerシステムにOCMがインストールされている場合は、次の手順を実行します。
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードした場合は、次の手順を実行します。
環境変数ORACLE_HOME
をOracle Management Service(OMS)のホームに設定します。
bashターミナルで次のコマンドを実行します。
export ORACLE_HOME=<absolute_path_to_oms_home>
その他のターミナルで次のコマンドを実行します。
setenv ORACLE_HOME <absolute_path_to_oms_home>
OCMスケジューラを停止します。
$ORACLE_HOME/ccr/bin/emCCR stop
注意: Oracle Management AgentにOCMスケジューラがインストールされている場合は、管理エージェントのホームでもこれらの手順を繰り返します。その場合は、手順(1)に従って環境変数ORACLE_HOME を管理エージェントのホームに設定し、そのホームから手順(2)を実行します。 |
Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)からアップグレードした場合は、次の手順を実行します。
環境変数ORACLE_CONFIG_HOME
をOMSインスタンス・ホームに設定します。
bashターミナルで次のコマンドを実行します。
export ORACLE_CONFIG_HOME=<absolute_path_to_gc_inst>
その他のターミナルで次のコマンドを実行します。
setenv ORACLE_CONFIG_HOME <absolute_path_to_gc_inst>
環境変数ORACLE_HOME
をOMSホームに設定します。
setenv ORACLE_HOME <absolute_path_to_oms_home>
OCMスケジューラを停止します。
$ORACLE_HOME/ccr/bin/emCCR stop
注意: Oracle Management AgentにOCMスケジューラがインストールされている場合は、管理エージェントのホームでもこれらの手順を繰り返します。その場合は、手順(1)をスキップし、手順(2)に従って環境変数ORACLE_HOME を管理エージェントのホームに設定し、そのホームから手順(3)を実行します。 |
次のターゲットは、旧リリースのEnterprise Managerから自動的に削除されません。これらのターゲットには、通知ルール、メトリックしきい値設定、コンプライアンス標準設定、ジョブなどが作成されている可能性があり、それらをEnterprise Manager Cloud Controlの新しいOracle WebLogic Serverのターゲットにコピーすることが必要になる場合があるためです。それらをコピーした後、これらのターゲットを手動で削除します。
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする際には、次のターゲットが自動的に削除されません。これらを手動で削除する必要があります。
EM Webサイト
EM Webサイト・システム
古い各OMSの次のターゲット。これらを削除するには、古い各OMSの最上位のOracle Application Serverターゲットを削除します。
Oracle Application Server
OC4J
Oracle HTTP Server
Web Cache
Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードする際には、次のターゲットが自動的に削除されません。これらを手動で削除する必要があります。
EM Webサイト
EM Webサイト・システム
古い各OMSの次のターゲット。これらを手動で削除するには、最上位のファーム・ターゲットsecFarm_GCDomain
を削除します。
Oracle Fusion Middlewareファーム
Oracle WebLogicドメイン
アプリケーション・デプロイメント
メタデータ・リポジトリ
注意: 1システム・アップグレード方式でEnterprise Managerをアップグレードした後、これらのターゲットが稼働しているように表示される場合があります。このステータスは、現実とは異なり不正です。いずれの場合も、このステータスの問題を解決しようとしないでください。これらのターゲットはEnterprise Manager Cloud Controlで不要になったため、手動で削除してください。 |
2システム・アップグレード方式でアップグレードした場合は、デフォルトのインシデント・ルール・セットを無効にします。これらを無効にしない場合、すべてのクリティカルなメトリック・アラートに対してインシデントが自動的に作成されます。
デフォルトのインシデント・ルール・セットを無効にするには、次の手順を実行します。
Cloud Controlで、「設定」メニューから「インシデント」、「インシデント・ルール」の順に選択します。
「インシデント・ルール - すべてのエンタープライズ・ルール」ページで表を下にスクロールし、「すべてのターゲットのインシデント管理ルールセット」を開きます。
無効にするルール・セットの行を選択します。
「アクション」メニューから「無効化」をクリックします。
ポップアップ・ウィンドウで「OK」をクリックします。
無効にするルール・セットごとに、手順(3)~(5)を繰り返します。
すべてのルール・セットを無効にした後、表の「有効」列に「いいえ」と表示され、その横に警告アイコンがあることを確認してください。
旧リリースのEnterprise ManagerでSOAターゲットを監視していた場合は、第12章で生成した状態レポートに、メトリック「SOAの上位SQL問合せ」および「デハイドレーション・ストア表」に対するメトリック収集エラーが表示されていた可能性があります。
この問題を解決するには、SOAターゲットの「監視構成」ページにアクセスしてデータベース資格証明を入力します。
Enterprise Managerをアップグレードしたら、アップグレード前に発行されたLinuxパッチ適用のアクティブ・ジョブをすべて停止して、同じターゲットで再発行する必要があります。この項では、その方法を説明します。
この項の具体的な内容は次のとおりです。
DownloadLatestPackagesジョブを構成するには、次の手順を実行します。
次の手順で、アップグレード前にスケジュールされたアクティブ・ジョブを停止します。
「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」→「アクティビティ」を選択します。「ジョブ・アクティビティ」ページが表示されます。
「ジョブ・アクティビティ」ページで「拡張検索」リンクをクリックします。
「拡張検索」オプションで、「ジョブ・タイプ」に対してDownloadLatestPkgs、「ターゲット・タイプ」に対して「ホスト」、「ステータス」に対して「アクティブ」、「スケジュール開始」に対して「すべて」を選択し、「実行」をクリックします。
拡張検索結果で、表にリストされている各ジョブを選択し、「停止」をクリックします。
アクティブなDownloadLatestPkgsジョブが停止された各ホスト・ターゲットに対して、新しいDownloadLatestPkgsジョブを次のように再発行します。
「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」→「Linuxパッチ適用」を選択します。「パッチ適用設定」ページが表示されます。
「パッチ適用設定」ページで「RPMリポジトリの設定」をクリックします。
「RPMリポジトリの設定」ページでホスト・ターゲットを選択し、このホスト・ターゲットの「通常ホスト資格証明」および「特権ホスト資格証明」を設定します。
「適用」をクリックして新しいジョブを発行します。
UpdateHostPackagesジョブを構成するには、次の手順を実行します。
次の手順で、アップグレード前にスケジュールされたアクティブ・ジョブを停止します。
「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」→「アクティビティ」を選択します。「ジョブ・アクティビティ」ページが表示されます。
「ジョブ・アクティビティ」ページで「拡張検索」リンクをクリックします。
「拡張検索」オプションで、「ジョブ・タイプ」に対してUpdateHostPackages、「ターゲット・タイプ」に対して「ジョブが発行されたすべてのターゲット・タイプ」、「ステータス」に対して「アクティブ」、「スケジュール開始」に対して「すべて」を選択し、「実行」をクリックします。
拡張検索結果で、表にリストされている各ジョブを選択し、「停止」をクリックします。
アクティブなUpdateHostPackagesジョブが停止された各グループ・ターゲットに対して、新しいUpdateHostPackagesジョブを次のように再発行します。
「設定」メニューから、「プロビジョニングとパッチ適用」→「Linuxパッチ適用」を選択します。
「パッチ適用設定」ページで「グループの設定」をクリックします。「グループの設定」ページが表示されます。
「グループの設定」ページで、アクティブなUpdateHostPackagesジョブを停止したグループを選択して「編集」をクリックします。グループの編集ウィザードが表示されます。
「グループの編集: プロパティ」ページで「次へ」をクリックします。
「グループの編集: パッケージ・リポジトリ」ページで「次へ」をクリックします。
「グループの編集: 資格証明」ページで、Host Preferred Credentialsまたは「優先資格証明のオーバーライド」を使用して、「通常ホスト資格証明」および「特権ホスト資格証明」を指定します。「次へ」をクリックします。
注意: このステップを編集する前に、ホスト優先資格証明がすでに設定されていること、または適切な名前付き資格証明がすでに作成されていることを確認してください。まだ行われていない場合は、「設定」メニューから「セキュリティ」→「名前付き資格証明」を選択して名前付き資格証明または「優先資格証明」を作成し、Linuxパッチ適用グループに含まれるホスト・ターゲットの優先資格証明を設定します。 |
「グループの編集: 確認」ページで「終了」をクリックして、新しいジョブを発行します。