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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース1(12.1.0.1)
B65086-03
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17 サイレント・モードでのOMSおよびリポジトリのアップグレード

この章では、アップグレード方式の1つを使用して、サイレント・モードで既存のOracle Management Service(OMS)およびOracle Management Repository(管理リポジトリ)をアップグレードする方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。


注意:

HPUNIX、HPia64、Solaris Sparc以外のすべてのUNIXプラットフォームでは、OMSおよび管理エージェントのエントリは/etc/oragchomelistファイルにあります。HPUNIX、HPia64、Solaris Sparcプラットフォームでは、これらのエントリは/var/opt/oracle/oragchomelistにあります。

サイレント・モードでの1システム・アップグレード方式のアップグレード


注意:

1システム・アップグレード方式を使用してアップグレードする場合、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードでは、OMSはインストールされますが管理エージェントはインストールされません。管理エージェントは、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールを使用して事前にデプロイされます。これは予測されている動作です。

サイレント・モードで1システム・アップグレード方式を使用して既存のOMSおよび管理リポジトリをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のレスポンス・ファイルをローカル・ホスト上のアクセス可能な場所にコピーします。

    <Software_Location>/response/upgrade.rsp

    このコマンドで、<Software_Location>はソフトウェア・キットをダウンロードした場所です。

  2. レスポンス・ファイルを編集し、表17-1に示された変数に適切な値を入力します。

  3. インストーラを起動します。

    ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path>/upgrade.rsp


    注意:

    インストーラの起動時に渡すことができる追加の拡張オプションの詳細は、「拡張インストーラ・オプションの使用」を参照してください。


    注意:

    UNIXプラットフォームでインストール・ウィザードを起動するには、runInstallerを起動します。Microsoft Windowsプラットフォームで起動するには、setup.exeを起動します。

拡張インストーラ・オプションの使用

インストーラの起動中に渡すことができる、追加の拡張オプションを次に示します。

  • 複数のホスト名を持つホスト(仮想ホストなど)上でアップグレードする場合は、インストーラを起動しながら、ORACLE_HOSTNAME引数を使用して完全修飾ホスト名を渡します。

    例:

    ./runInstaller ORACLE_HOSTNAME=example.com -silent -responseFile <absolute_path>/upgrade.rsp

  • インストールが正常に終了した後、OMSおよび管理エージェントは自動的に起動されます。自動起動しないようにするには、インストーラをSTART_OMSおよびb_startAgentオプションとともに起動し、制御方法に応じてこれらのオプションをTRUEまたはFALSEに設定します。

    たとえば、管理エージェントが自動起動しないようにするには、次のコマンドを実行します。

    ./runInstaller START_OMS=TRUE b_startAgent=FALSE -silent -responseFile <absolute_path>/upgrade.rsp

    拡張オプションに関連する制限の詳細は、「制限事項」を参照してください。

サイレント・モードで1システム・アップグレード方式でアップグレードする際のレスポンス・ファイルの編集

表17-1は、OMSおよび管理リポジトリをアップグレードする際に、更新が必要な変数およびupgrade.rspレスポンス・ファイルでの更新方法を示しています。

表17-1 グラフィック・モードで1システム・アップグレード方式でアップグレードする際のレスポンス・ファイルの編集

パラメータ 説明

UNIX_GROUP_NAME

属しているUNIXグループの名前を入力します。

例: "dba"

INVENTORY_LOCATION

中央リポジトリへの絶対パスを入力します。

例: /scratch/oracle/oraInventory

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、TRUEを入力します。続いて、次の変数に資格証明を入力します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールしない場合は、FALSEを入力します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

  • セキュリティ更新を拒否する場合は、TRUEを入力します。この場合は、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTに対してFalseを入力しておく必要があります。

  • セキュリティ更新を拒否しない場合は、FALSEを入力します。この場合は、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTに対してTRUEを入力しておく必要があります。

INSTALL_UPDATES_SELECTION

この変数はデフォルトで、インストール中にソフトウェア更新がインストールされないことを示す"skip"に設定されています。

  • My Oracle Supportからソフトウェア更新をインストールする場合は、この変数を"download"に設定します。続いて、次のパラメータに資格証明を入力します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME_FOR_SOFTWAREUPDATES

    MYORACLESUPPORT_PASSWORD_FOR_SOFTWAREUPDATES

  • ステージングの場所からソフトウェア更新をインストールする場合は、この変数を"staged"に設定します。続いて、STAGE_LOCATIONパラメータには、ソフトウェア更新が含まれるUpdatesディレクトリまで含めた絶対パスを入力します。

ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATION

インストーラがOracle WebLogic Server 11gリリース(10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24をインストールする場所を入力します。

たとえば、u01/app/Oracle/Middlewareなどです。

ミドルウェアの場所に書込み権限があることを確認します。

これらを手動でインストール済の場合は、インストール先の場所を入力します。

注意: ここで入力するミドルウェア・ホームは、Enterprise Manager Cloud Controlのためにのみ使用するようにしてください。他のOracle Fusion Middleware製品またはコンポーネントは、同じミドルウェア・ホームにインストールしないでください。

ORACLE_INSTANCE_HOME_LOCATION

デフォルトでは、gc_instがすべてのOMS関連構成ファイルを格納するためのOMSインスタンス・ベース・ディレクトリとしてみなされ、デフォルトでミドルウェア・ホームに作成されます。デフォルトの場所およびディレクトリ名を受け入れる場合は、この変数をスキップします。ただし、独自の場所と独自のディレクトリ名を使用する場合は、独自のディレクトリ名を含む独自の場所への絶対パスを入力します。

OLD_BASE_DIR

アップグレードするOMSのベース・ディレクトリを入力します。

ONE_SYSTEM

デフォルトでは、この変数はTRUEに設定されています。このデフォルト設定を保持します。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

デフォルトでは、weblogicはOracle WebLogicドメイン用に作成されたデフォルト・ユーザー・アカウントに割り当てられている名前です。このデフォルト名を受け入れるときは、空白のままにしておきます。独自の名前を付けるときは、その名前を入力します。

重要: Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合、または10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

重要: Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合、または10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_CONFIRM_PASSWORD

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを確認します。

重要: Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合、または10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

NODE_MANAGER_PASSWORD

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

デフォルトでは、nodemanagerはノード・マネジャー用に作成されたデフォルト・ユーザー・アカウントに割り当てられている名前です。このノード・マネージャのユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

重要: Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合、または10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

NODE_MANAGER_CONFIRM_PASSWORD

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

ノード・マネージャのユーザー・アカウントのパスワードを確認します。

重要: Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合、または10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

(Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース5(11.1.0.1)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)用に作成したWebLogicユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

重要: Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース1(10.2.0.5)からアップグレードしている場合や、10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

ADMIN_SERVER_HOSTNAME

(10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードする場合にのみ有効です。)

最初のOMS用に構成した管理サーバーのホスト名を入力します。

重要: Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

ADMIN_SERVER_PORT

(10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードする場合にのみ有効です。)

最初のOMS用に構成した管理サーバーのポートを入力します。

重要: Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

(10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードする場合にのみ有効です。)

デフォルトでは、weblogicはOracle WebLogicドメイン用に作成されたデフォルト・ユーザー・アカウントに割り当てられている名前です。このデフォルト名を受け入れるときは、空白のままにしておきます。独自の名前を付けるときは、その名前を入力します。

重要: Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

(10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードする場合にのみ有効です。)

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

重要: Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1)からアップグレードしている場合は、この変数をコメント・アウトしてください。

JVM_DIAGNOSTICS_TABLESPACE_LOCATION

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

JVM診断表領域のデータ・ファイル(mgmt_ad4j.dbf)を格納できる場所への絶対パスを指定します。指定したパスには、ファイル名までを含めます。

たとえば、/home/john/oradata/mgmt_ad4j.dbfのようになります。

Enterprise Manager Cloud Controlは、JVM診断およびアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)に関連する監視データを保管するためにこのデータ・ファイルを使用します。

SYS_PASSWORD

SYSユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

SYSMAN_PASSWORD

SYSMANユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

STATIC_PORTS_FILE

  • Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)からアップグレードしている場合は、同一のポートがEnterprise Manager Cloud Controlに引き継がれるので、このパラメータはスキップします。

  • Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードしている場合は、次のポートのみを含むstaticports.iniファイルへの絶対パスを入力します。

    Admin Server Http SSL Port

    Managed Server Http Port

    Managed Server Http SSL Port

    Node Manager Http SSL Port

    以前のリリースで使用されていたポートがEnterprise Manager Cloud Controlに引き継がれるため、staticports.iniファイルの他のポートはスキップする必要があります。

    staticports.iniファイルは、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードしたソフトウェア)の次の場所に格納されています: <software_kit>/response/staticports.ini

PLUGIN_SELECTION

デフォルトでは、Oracle Database Management Plug-In、Oracle Fusion Middleware Management Plug-In、Oracle My Oracle Support Management Plug-In、Oracle Exadata Management Plug-Inなどの必須プラグインは、Enterprise Managerをアップグレードするときに自動的にインストールされます。

ただし、ソフトウェア・キット(DVDまたはダウンロードしたソフトウェア)に含まれているその他のオプションのプラグインをインストールする場合は、この変数にインストールするプラグインの名前を入力します。

次に例を示します。

PLUGIN_SELECTION={"oracle.sysman.empa","oracle.sysman.vt"}

ソフトウェア・キットに含まれていないプラグインをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. プラグインを次のURLから手動でダウンロードし、アクセスできる場所に格納します。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html

  2. この変数(PLUGIN_SELECTION)を、ダウンロードしたプラグインの名前に更新します。

  3. インストーラを次のオプションとともに起動し、プラグインをダウンロードした場所を渡します。

    ./runInstaller -pluginLocation <absolute_path_to_plugin_software_location>


サイレント・モードでの2システム・アップグレード方式のアップグレード

サイレント・モードで2システム・アップグレード方式を使用して既存のOMSおよび管理リポジトリをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のレスポンス・ファイルをローカル・ホスト上のアクセス可能な場所にコピーします。

    <Software_Location>/response/upgrade.rsp

    このコマンドで、<Software_Location>はソフトウェア・キットをダウンロードした場所です。

  2. レスポンス・ファイルを編集し、表17-2に示された変数に適切な値を入力します。

  3. インストーラを起動します。

    • これがホストにインストールする最初のOracle製品である場合、Oracle Management Service 12cをインストールするホスト上で次のコマンドを実行します。

      ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path>/upgrade.rsp [-invPtrLoc <absolute_path_to_inventory_directory>] -staticPortsIniFile <absolute_path_to_staticports.ini_file> [ALLOW_ONLY_SECURE_ACCESS_TO_CONSOLE=FALSE LOCK_ORACLE_MANAGEMENT_SERVICE=FALSE]


      注意:

      入力する中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上にしないでください。

    • 最初のOracle製品でない場合は、次のコマンドを実行します。

      ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path>/upgrade.rsp -staticPortsIniFile <absolute_path_to_file>


    注意:

    インストーラの起動時に渡すことができる追加の拡張オプションの詳細は、「拡張インストーラ・オプションの使用」を参照してください。

    UNIXプラットフォームでインストール・ウィザードを起動するには、runInstallerを起動します。Microsoft Windowsプラットフォームで起動するには、setup.exeを起動します。



    注意:

    • インストーラを起動しているホストが、Enterpriser Manager 12cアップグレード・コンソールで入力したホストと一致することを確認します。

      インストーラを起動していて、これとは異なるホスト上で、Enterpriser Manager 12cアップグレード・コンソールでホスト名を変更する場合は、次の手順に従います。

      1. インストーラを終了します。

      2. バックアップ・データベースを破棄します。

      3. Enterpriser Manager 12cアップグレード・コンソールにアクセスし、「新規Enterprise Managerシステムのホストとポートの識別」ページで、ホスト名を変更します。

      4. ここでデータベースの新しいバックアップを作成します。

      5. インストーラをもう一度起動し、アップグレード・プロセスを再試行します。

      この場合、OMSのアップグレード前にEnterpriser Manager 12cアップグレード・コンソールを通じてデプロイおよび構成済のすべての管理エージェントが、新しいホスト名で再構成されていることを確認する必要があります。

    • staticports.iniファイルで、Enterprise ManagerアップロードHttpポートおよびEnterprise ManagerアップロードHttp SSLポートに入力するポートが、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールで入力した保護および非保護ポートと一致することを確認します。

      かわりにEnterprise Manager 12cアップグレード・コンソールでポートを変更する場合は、次の手順を実行します。

      1. インストーラを終了します。

      2. バックアップ・データベースを破棄します。

      3. Enterprise Manager 12gアップグレード・コンソールでポートを変更します。

      4. ここでデータベースの新しいバックアップを作成します。

      5. インストーラをもう一度起動し、アップグレード・プロセスを再試行します。



    注意:

    Enterprise ManagerアップロードHttpポートおよびEnterprise Managerセントラル・コンソールHttpポートが既存のEnterprise Managerシステムでロック解除済の場合は、インストーラの起動中に引数ALLOW_ONLY_SECURE_ACCESS_TO_CONSOLEおよびLOCK_ORACLE_MANAGEMENT_SERVICEを渡してください。

    ここではこれらの引数を渡さずに、後でポートをロック解除する場合は、OMSをアップグレードした後、アップグレード後のOMSホームから次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emctl secure unlock -console

    $<OMS_HOME>/bin/emctl secure unlock -upload


サイレント・モードで2システム・アップグレード方式でアップグレードする際のレスポンス・ファイルの編集

表17-2は、OMSおよび管理リポジトリをアップグレードする際に、更新が必要な変数およびupgrade.rspレスポンス・ファイルでの更新方法を示しています。

表17-2 サイレント・モードで2システム・アップグレード方式でアップグレードする際のレスポンス・ファイルの編集

パラメータ 説明

UNIX_GROUP_NAME

属しているUNIXグループの名前を入力します。

例: "dba"

INVENTORY_LOCATION

中央リポジトリへの絶対パスを入力します。

例: /scratch/oracle/oraInventory

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、TRUEを入力します。続いて、次の変数に資格証明を入力します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールしない場合は、FALSEを入力します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

  • セキュリティ更新を拒否する場合は、TRUEを入力します。この場合は、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTに対してFalseを入力しておく必要があります。

  • セキュリティ更新を拒否しない場合は、FALSEを入力します。この場合は、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTに対してTRUEを入力しておく必要があります。

INSTALL_UPDATES_SELECTION

この変数はデフォルトで、インストール中にソフトウェア更新がインストールされないことを示す"skip"に設定されています。

  • My Oracle Supportからソフトウェア更新をインストールする場合は、この変数を"download"に設定します。続いて、次のパラメータに資格証明を入力します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME_FOR_SOFTWAREUPDATES

    MYORACLESUPPORT_PASSWORD_FOR_SOFTWAREUPDATES

  • ステージングの場所からソフトウェア更新をインストールする場合は、この変数を"staged"に設定します。続いて、STAGE_LOCATIONパラメータには、ソフトウェア更新が含まれるUpdatesディレクトリまで含めた絶対パスを入力します。

ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATION

インストーラがOracle WebLogic Server 11gリリース(10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24をインストールする場所を入力します。

たとえば、u01/app/Oracle/Middlewareなどです。

ミドルウェアの場所に書込み権限があることを確認します。この場所がNFSマウントされた場所でないことを確認してください。

これらを手動でインストール済の場合は、インストール先の場所を入力します。

注意: ここで入力するミドルウェア・ホームは、Enterprise Manager Cloud Controlのためにのみ使用するようにしてください。他のOracle Fusion Middleware製品またはコンポーネントは、同じミドルウェア・ホームにインストールしないでください。

ORACLE_INSTANCE_HOME_LOCATION

デフォルトでは、gc_instがすべてのOMS関連構成ファイルを格納するためのOMSインスタンス・ベース・ディレクトリとしてみなされ、デフォルトでミドルウェア・ホームに作成されます。デフォルトの場所およびディレクトリ名を受け入れる場合は、この変数をスキップします。ただし、独自の場所と独自のディレクトリ名を使用する場合は、独自のディレクトリ名を含む独自の場所への絶対パスを入力します。

注意: ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATIONパラメータに対してNFSマウントされたドライブを入力した場合は、このパラメータにはNFSマウントされていない場所を入力するようにしてください。

ONE_SYSTEM

デフォルトでは、この変数はTRUE.に設定されています。値をFALSEに変更します。

OLD_DATABASE_CONNECTION_DESCRIPTION

古い管理リポジトリに接続するための接続文字列を次の形式で入力します。

  • SIDの場合

    (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=<host_name>)(PORT=<port>)))(CONNECT_DATA=(SID=<sid>)))

  • サービス名の場合

    (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=<host_name>)(PORT=<port>)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=<service_name>)))

この接続文字列は、古い管理リポジトリへの接続、発生データのチェック、アップグレード後の管理リポジトリへの発生データの転送に使用されます。発生データとは、古い管理リポジトリのバックアップ作成時からアップグレードまでに、古い管理リポジトリにアップロードされたデータです。

OLD_DATABASE_SYSMAN_PASSWORD

古い管理リポジトリのSYSMANパスワードを入力します。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

デフォルトでは、weblogicはOracle WebLogicドメイン用に作成されたデフォルト・ユーザー・アカウントに割り当てられている名前です。このデフォルト名を受け入れるときは、空白のままにしておきます。独自の名前を付けるときは、その名前を入力します。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

WLS_ADMIN_SERVER_CONFIRM_PASSWORD

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを確認します。

NODE_MANAGER_PASSWORD

デフォルトでは、nodemanagerはノード・マネジャー用に作成されたデフォルト・ユーザー・アカウントに割り当てられている名前です。このノード・マネージャのユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

NODE_MANAGER_CONFIRM_PASSWORD

ノード・マネージャのユーザー・アカウントのパスワードを確認します。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

この変数をコメント・アウトします。

ADMIN_SERVER_HOSTNAME

この変数をコメント・アウトします。

ADMIN_SERVER_PORT

この変数をコメント・アウトします。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

この変数をコメント・アウトします。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

この変数をコメント・アウトします。

JVM_DIAGNOSTICS_TABLESPACE_LOCATION

(Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)からアップグレードする場合にのみ有効です。)

JVM診断表領域のデータ・ファイル(mgmt_ad4j.dbf)を格納できる場所への絶対パスを指定します。指定したパスには、ファイル名までを含めます。

たとえば、/home/john/oradata/mgmt_ad4j.dbfのようになります。

Enterprise Manager Cloud Controlは、JVM診断およびアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)に関連する監視データを保管するためにこのデータ・ファイルを使用します。

DATABASE_HOSTNAME

既存のデータベースが常駐するホストの完全修飾名を入力します。

例: example.com

Oracle RAC Databaseに接続する場合、ノードに仮想ホスト名が含まれていれば、ノードの1つの仮想ホスト名を入力します。

この仮想ホスト名のみで構成された接続文字列を使用してデータベースへの接続が確立され、インストールは正常に終了します。

ただし、クラスタ内の他のノードを使用して接続文字列を更新する場合は、インストールの終了後に、次の手順を実行します。

  1. 次のファイルを開きます。

    <OMS_Instance_Home>/em/EMGC_OMS#/emgc.properties

  2. 変数EM_RESPOS_CONNECTDESCRIPTORに対して他のノードを入力します。

LISTENER_PORT

既存のデータベースに接続するためのリスナー・ポートを入力します。

例: 1532

SERVICENAME_OR_SID

既存のデータベースのサービス名またはシステムID(SID)を入力します。

例: orcl

SYS_PASSWORD

SYSユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

SYSMAN_PASSWORD

SYSMANユーザー・アカウントのパスワードを入力します。

STATIC_PORTS_FILE

  • デフォルト・ポートが優先されます。デフォルト・ポートを受け入れる場合は、このフィールドをスキップします。

    デフォルト・ポートの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

  • カスタム・ポートを使用する場合は、インストールに使用できるカスタム・ポートのリストが含まれるstaticports.iniファイルへの絶対パスを入力します。

    staticports.iniファイルは、ソフトウェア・キット(DVD、ダウンロードしたソフトウェア)の次の場所に格納されています: <software_kit>/response/staticports.ini

PLUGIN_SELECTION

デフォルトでは、Oracle Database Management Plug-In、Oracle Fusion Middleware Management Plug-In、Oracle My Oracle Support Management Plug-In、Oracle Exadata Management Plug-Inなどの必須プラグインは、Enterprise Managerをアップグレードするときに自動的にインストールされます。

ただし、ソフトウェア・キット(DVDまたはダウンロードしたソフトウェア)に含まれているその他のオプションのプラグインをインストールする場合は、この変数にインストールするプラグインの名前を入力します。

次に例を示します。

PLUGIN_SELECTION={"oracle.sysman.empa","oracle.sysman.vt"}

ソフトウェア・キットに含まれていないプラグインをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. プラグインを次のURLから手動でダウンロードし、アクセスできる場所に格納します。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html

  2. この変数(PLUGIN_SELECTION)を、ダウンロードしたプラグインの名前に更新します。

  3. インストーラを次のオプションとともに起動し、プラグインをダウンロードした場所を渡します。

    ./runInstaller -pluginLocation <absolute_path_to_plugin_software_location>